21.能力解説の曲~少女の宿命とは~
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《……そう、先程も言ったが柚紀の能力は自動発動でない分、能力使用時の精神状態に直結し影響が出てしまう。そしてトリオン兵に襲われた事によりトリオン兵とそれが現れるゲートは、今のあの子にとって最早恐怖対象でしかない。その強い負の感情が敵にとっての"恩恵"となり、お前達には"弊害"となる現象を引き起こした。…もっと簡単に言えば"サイドエフェクトの暴走"に他ならんのだ》
「暴走って、そんな…鶴ヶ峰は悪くないですよ?!危ない目に遭えば怖く感じるのは当たり前です!なのになんで…」
「落ち着け日佐人、気持ちは分かるがあまり感情を露にすることで鶴ヶ峰にどんな影響を及ぼすか分からないぞ?」
「分かってます堤さん、俺がどうこう言っても仕方ないこと位は。でも、俺は……」
口出しを止められていた笹森が我慢できずに反論してしまい、堤も気持ちが分かるので強く出ることは出来ず何とか諌めようとする。それでも憤りや自分の無力さを感じてしまいやり場のない思いをどうするかあぐねていると、柚紀が閉じていた目をゆっくりと開き、側に居る二人の顔を眺める
『…さ、…ささ…もりくん、…大丈…夫?……つ…つみさん…も、……なんだか…つら…そうに………見える…のは……わたし…の…きの……せい?』
「つ!?…俺達より鶴ヶ峰の方がもっと辛いだろ?気分どうだ?少しは楽になったか?」
「俺達は平気だから鶴ヶ峰は心配しなくても大丈夫だよ。もう冷たくはないけど、飲み物飲めそうか?」
『…ゆか…冷た…くて……気持ちいい…から……少しは…楽に………飲み…物…ですか?……飲み……たい…です。……はい』
自分のことより他人を心配する、そんな柚紀にいたたまれない気持ちになる二人だがとりあえず今は…と、体を起こして水分補給をさせる。そんな三人のやり取りを見て他のメンバーも何も思わない筈はなく
「……なんであいつの自由が奪われるんだよ?訓練とかすればそんな事故起きなくなるだろ?なぁつる姐!」
《確かに諏訪の言う通りたが、現時点で柚紀の能力が…いや存在が危険性を示してしまった以上、城戸さんが状況放置を看破するとは思えん》
「その可能性があるから怖いですね。実際に敵を強くしてしまってますし、……司令ならって姐さんじゃなくても俺でも考えてしまいます」
「ま、俺達が考えても仕方ないさ。俺達は出来ることをするだけ……そうだろ、つる姐?」
《そうだな、この手の対応するのが私の役目だ。…さて説明も粗方済んだし、柚紀も少しは動ける様になったのなら、次の行動に移るぞ。そこに長居しても良い事はないからな》
作戦室のモニターで敵の動きを見て、柚紀の存在に気付いたのか退避した建物に集まり始めたのに気付いた言実は焦らずに次の指示を出す