17.散策の曲
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「よぉ~、任務ご苦労さん」
「あれ?諏訪さん?ってか諏訪隊ご一行で何しに来たんですか?…俺達の手伝いとかじゃないですよね?」
「当たり前だ。あんま言いたくはねぇが、お前達が俺等の援護とか要らないだろ普通、散歩だ散歩。にしても……………お前の方が近くにいて正直に言って助かったぜ、出水」
少し歩いた先に居たのは、黒コートの隊服を着た出水の方であった。近くまで来る諏訪の言葉の意味を掴みとれない出水は正直に疑問をぶつける
「……その言い方だと、俺だと都合が良くて太刀川さんだとマズイ感じに聞こえますが、何かありましたか?」
「まぁ、俺等は問題ないが……口で説明するより見た方が早いか。………お~い」
「?見るって何を………ってあれ?何で…」
察しが良い出水ならこっちの方が直ぐに理解出来ると考え、自分達の後方に居る堤…の後ろに隠れている柚紀に声を掛ける諏訪。不思議そうにしていた出水だが、柚紀が堤の後ろから此方に来る姿を見て、流石に驚いた表情をする。そんなこんなで柚紀が諏訪の隣に来るとオドオドしつつ出水に挨拶
『えっと……こ、こんにちはです出水先輩。……私の事その……覚えて…いらっしゃいますか?』
「そりゃあ、あんな出会い方すれば忘れたりしないさ。名前は確か柚紀ちゃん、だったよね?……で、諏訪さん。何でこの子が諏訪隊と一緒に?」
「話せば長くなるが…色々あってな。…今のボーダーでこいつの存在を知ってる奴は少ないから、心配したつる姐からも面倒見る様に頼まれた訳だ。………お前も分かるだろ?」
「……………………まぁ、アレじゃあ姐さんが心配するのも無理ないですね。…あ~、……確かに太刀川さんと先に会ってたら色々面倒な事になりますね。………絶対に柚紀ちゃんに絡んでくる」
「そう言う事だ」
頑張って挨拶する柚紀に対して両手を膝に置き、少し屈んだ状態で返事を返せば姿勢を正して諏訪と彼女の接点について訊ねる出水。何処まで話すべきか分からないが説明を濁らせつつ、とりあえず言実の許可を得ている事は伝えれば、柚紀の性格含め自隊の隊長の事をよく知る出水には大体の察しがついた様で難しい表情をし、諏訪も面倒そうな様子。状況が正確に掴めない柚紀はとりあえず気になった事を後ろから来た二人に訊ねる
『あ、あの…先程から何度も名前を聞きますが、………"たちかわさん"ってどんな方ですか?』
「太刀川さんかい?ん~、…ボーダー隊員の中でも随一のアタッカーだよ。それに俺や諏訪さんより在籍年数も上でいろんな意味で先輩だね。あ、年齢は諏訪さんの方が上だから」
「俺の実力じゃ、まだまだ勝てないほど強い人。まぁ見た目とか…ちょっと癖のある人でもあるけど」
『……成る程』
事前に印象を聞いておけば、全く知らない人に会っても若干だが反応が違う…気がすると考える柚紀。所謂"気の持ちよう"だ。そんな中、出水に一本の通信が入る
〔お~い、いずみん。諏訪さん達となに話しているの~?太刀川さんが、気になったみたいで今そっちに向かっているよ~〕