1.始まりの曲
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『えっと…大変お見苦しい所をお見せしてしまい……申し訳ありません』
「いやいや、気にしないでくれ。あれは俺達が悪かった事だ、屋根の上から来るとは普通は考えもつかないから君のように驚いて当たり前だよ」
落ち着いてふと我に返ると、見知らぬ相手に醜態を晒してしまった事に対しての羞恥心と罪悪感からか俯いたまま話す柚紀。一方の青年・嵐山も自分達にも非があると認め謝罪するが、柚紀が此方を見ず落ち込んだままなのを見て苦笑いを浮かべる。
因みに、介抱時は至近距離に居たが、柚紀が落ち着いたのを見計らい各々距離を取り、嵐山は背の高い自分が彼女に与える威圧感を無くすためと目線を合わせるために屈んでいる状態
「…所で、君は一人でこんな所で何をしているの?住宅地とは言え、此処は警戒区域にそれなりに近いから安全とは言えないよ?」
『えっと…此処に居る理由ですか?その、し、知り合いと待ち合わせしているのでしが、……時間にまだ余裕があって…ブラブラと散策途中で……此処で休憩していました。あ、後…この辺は立ち入り禁止じゃなかったから大丈夫と思ってました。次からは気を付けます、……すみません』
二人の様子から埒が空かないと判断した少年・時枝が自分達が此処に着た目的を達するために柚紀に問い掛ける。それに対してまだ俯いたままだがきちんと受け答えする柚紀。ふと嵐山は彼女が持つかなり見慣れた菓子袋を見て、何かを察する
「(ぽんち揚げってまさか…)…君は此処で俺達以外にも誰かと会っていないか?それと、もしかして俺達が来る直後まで何かを口ずさんではいなかっただろうか?」
『えっ??…ええぇぇぇーーー!!?な、何で知っているのですか??あの人と知り合いですか??ってかまた聞かれてるし……何で~?さっきは気分が乗って声が大きかったかもしれないけど、流石に道端まで聞こえる筈ないのに…お兄さん達が来る前までのは小さく鼻歌を歌っていただけなのに……何でなの~??…ゥ~』
嵐山の確信に近い推測と当てずっぽな疑問が的確すぎて慌てる柚紀。最初はアタフタしていたが次第に今まで体験した事のない出来事が続き、上手く理解出来ずに困惑してしまい涙を浮かべる。その姿を見て反射的に近付き、すかさずフォローに入る嵐山
「よ~しよしよし、大丈夫だぞ~。いきなり色々ありすぎて驚いちゃったよな~?大丈夫、大丈夫だ」
『ハイ、……何度も…すみません』
「………」
慰める嵐山と徐々に落ち着いてきた柚紀を見比べつつ黙って今までの情報と現場を総括する時枝。そんな中、蚊帳の外状態の佐鳥から秘匿通信が入る
((なぁ~、とっきー。一体どうなってるんだよ?佐鳥にも分かるように説明してくれないか~?))
((五月蝿いよ佐鳥。…嵐山さん、これってつまり))
((あぁ、本部が感知したトリオン反応の正体はこの子で間違いないだろう。恐らく反応の鍵は【歌】が関係しているみたいだな))
((声を出してちゃんと歌った時と鼻歌……なら反応に違いがあっても不思議じゃないてますね。それに彼女は僕らに会う前に何故か迅さんと接触しているみたい))
((は?何故に迅さんが??ってか女の子放置とか酷いですよ~、有り得ません!?))
((落ち着け賢。迅の事だ、彼女と接触した時に俺達が来る事を視えたから手出ししなかったんだよきっと))
「(状況は把握したが、さて…)…まずは報告だな」
仲間内で情報共有を終えると、柚紀のこれからの事を思案する嵐山。放置はまず有り得ないので、とりあえず本部に連れて行こうと本部に連絡を入れようとしたその時
〔え~、もしもし。嵐山、聞こえるか?〕「!!」
この一本の通信によって事態は急変してゆくのだった
「いやいや、気にしないでくれ。あれは俺達が悪かった事だ、屋根の上から来るとは普通は考えもつかないから君のように驚いて当たり前だよ」
落ち着いてふと我に返ると、見知らぬ相手に醜態を晒してしまった事に対しての羞恥心と罪悪感からか俯いたまま話す柚紀。一方の青年・嵐山も自分達にも非があると認め謝罪するが、柚紀が此方を見ず落ち込んだままなのを見て苦笑いを浮かべる。
因みに、介抱時は至近距離に居たが、柚紀が落ち着いたのを見計らい各々距離を取り、嵐山は背の高い自分が彼女に与える威圧感を無くすためと目線を合わせるために屈んでいる状態
「…所で、君は一人でこんな所で何をしているの?住宅地とは言え、此処は警戒区域にそれなりに近いから安全とは言えないよ?」
『えっと…此処に居る理由ですか?その、し、知り合いと待ち合わせしているのでしが、……時間にまだ余裕があって…ブラブラと散策途中で……此処で休憩していました。あ、後…この辺は立ち入り禁止じゃなかったから大丈夫と思ってました。次からは気を付けます、……すみません』
二人の様子から埒が空かないと判断した少年・時枝が自分達が此処に着た目的を達するために柚紀に問い掛ける。それに対してまだ俯いたままだがきちんと受け答えする柚紀。ふと嵐山は彼女が持つかなり見慣れた菓子袋を見て、何かを察する
「(ぽんち揚げってまさか…)…君は此処で俺達以外にも誰かと会っていないか?それと、もしかして俺達が来る直後まで何かを口ずさんではいなかっただろうか?」
『えっ??…ええぇぇぇーーー!!?な、何で知っているのですか??あの人と知り合いですか??ってかまた聞かれてるし……何で~?さっきは気分が乗って声が大きかったかもしれないけど、流石に道端まで聞こえる筈ないのに…お兄さん達が来る前までのは小さく鼻歌を歌っていただけなのに……何でなの~??…ゥ~』
嵐山の確信に近い推測と当てずっぽな疑問が的確すぎて慌てる柚紀。最初はアタフタしていたが次第に今まで体験した事のない出来事が続き、上手く理解出来ずに困惑してしまい涙を浮かべる。その姿を見て反射的に近付き、すかさずフォローに入る嵐山
「よ~しよしよし、大丈夫だぞ~。いきなり色々ありすぎて驚いちゃったよな~?大丈夫、大丈夫だ」
『ハイ、……何度も…すみません』
「………」
慰める嵐山と徐々に落ち着いてきた柚紀を見比べつつ黙って今までの情報と現場を総括する時枝。そんな中、蚊帳の外状態の佐鳥から秘匿通信が入る
((なぁ~、とっきー。一体どうなってるんだよ?佐鳥にも分かるように説明してくれないか~?))
((五月蝿いよ佐鳥。…嵐山さん、これってつまり))
((あぁ、本部が感知したトリオン反応の正体はこの子で間違いないだろう。恐らく反応の鍵は【歌】が関係しているみたいだな))
((声を出してちゃんと歌った時と鼻歌……なら反応に違いがあっても不思議じゃないてますね。それに彼女は僕らに会う前に何故か迅さんと接触しているみたい))
((は?何故に迅さんが??ってか女の子放置とか酷いですよ~、有り得ません!?))
((落ち着け賢。迅の事だ、彼女と接触した時に俺達が来る事を視えたから手出ししなかったんだよきっと))
「(状況は把握したが、さて…)…まずは報告だな」
仲間内で情報共有を終えると、柚紀のこれからの事を思案する嵐山。放置はまず有り得ないので、とりあえず本部に連れて行こうと本部に連絡を入れようとしたその時
〔え~、もしもし。嵐山、聞こえるか?〕「!!」
この一本の通信によって事態は急変してゆくのだった