定期便の舞踊
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あれから言実の根回しや準備の元、マンションに一泊する事になった二人はリビングに太刀川達がお婆ちゃん家から持って来た布団(+α)で三人一緒に一晩を明かした。……柚紀のベッドはシングルなので三人で寝るにはかなり窮屈なのと、部屋主の許可なく私室に入れるつもりは言実も無く、更にユウ達もそのままお泊りとなり"二人が間違えを犯す"のを防げると考えた結果である。………防音バッチリなので近隣の部屋に目が覚めたら二人に挟まれて寝ていたのを知り発した柚紀の悲鳴…奇声が聞かれる心配も無かったのであった
その声が目覚ましとなり覚醒した二人がキャパオーバーで泣いてしまった柚紀の対応に四苦八苦していると、言実も自室から現れると柚紀を回収し、太刀川達に持ってこさせた着替え等を渡して『身支度を整えろ、必要ならシャワーを浴びても構わん』と指示を出して一度リビングから追い出す。着替えも出来ずそのまま寝てしまい、必要性を互いに感じたのでお言葉に甘える事に。そして二人が戻る頃には柚紀も着替えが済み、幾分か気持ちも落ち着いてはいたが二人を見ると恥ずかしいのかクッションに顔を埋めてしまう。そんな姪の様子を出窓(?)越しに見ながら調理をしていた言実が朝食を完成させて柚紀に手伝いを頼む。それに応じて出入り口で立ち往生していた二人も手伝おうとしたが『座って待ってろ、そこまで重労働でないしかえって邪魔になる』と言われ渋々二人は隣り合う様に着席し、二人が向かい側に座って食事を開始。朝食はごく在り来りな和食であり、時折言実を中心に会話を織り交ぜ鍋の残りスープはお昼に使うのを話した上で、一番気になっていた事を訊ねる
『……ご馳走さま。さて柚紀よ、お前…"何処まで覚えておる?"』
『ご馳走さまでした。えっと、………瑠花ちゃんとデザートを食べててそしたら太刀川さんがシャンパンみたいなジュースをくれて、飲んで………何かふわふわした感覚?こう、…凄く幸せな夢を見た様な感じなのは覚えていますが、ナニをしれかしたかまでは、……お、覚えてない、です(スクッ、…スタスタスタ)』
「……ご馳走さまでした!…結局アレって何が原因だったの?おつるちゃんは理由知ってる感じに佐鳥は見受けましたが………」
『……人は色んな体質をはらんだ生き物だ。他者は平気でも自分は拒絶反応を起こす、所謂アレルギー反応が一番わかり易い例であり柚紀もそれを有しているのは二人も知っているな?「「(コクリ)」」……今回の場合【炭酸若しくは洋酒全般】があの様になった要因だと私は推測した。二つとも柚紀の身近になく、ほぼ今まで摂取した事の無いモノ故にな』
自分の食事を終えて話の輪から外れたい意味を込めて、動物達の餌やりを始める柚紀を見ながら言実の言い分を聞いて二人は納得する。少なくとも柚紀が炭酸飲料を口にした所を二人は見た事がないのと、あまりお菓子を食す習慣がなかったのを聞いており"洋酒入りのお菓子"も恐らく口にした事が今まで無かった可能性だってあるのだ
これに関しては"以後気にしてやってくれ"と言実に頼まれ、今日も仕事らしく後片付けを任せてマンションを出るのを見送り三人仲良く後片付けをしながら今日の予定を確認
『わ、私は今日も一日家でのんびりしてるつもり。夕方頃に迅さんがこの子達(動物達)をお迎えにくるし、それと(ゴソゴソ)……何かウチでお泊り会したいってフブキが言い出して、シロも含めて三人でパジャマパーティー的な感じになる予定。後、……【今日はお届け物が沢山届くから、俺が行くか言実さんが帰還するまでは二人に居てもらってね?】って追加でメッセージが来てるんだけど、……大丈夫?任務や広報の仕事、ない??』
「うん、問題ないよ。今回はウチの隊にしては珍しく二日オフだからね。防衛任務は明日だし、年末年始は広報の仕事もほぼお休み。ただ、年が明けたら入隊式や行事関連の仕事が沢山入るだろうから"今の内に休んでおけ"って意味なのかも」
「特に木虎は色々初めてが続くから、あまりハードなスケジュールにしない様に配慮されているのかも!……例の嵐山さんの仮病の噂のせいで、一部のファンから【あまり子供たちに無茶をさせないで下さいよ?】的な意見がメディア対策室やウェブサイトのお問い合わせに届いているってさ、流石嵐山さんって感じだね!!それと、………噂じゃ"歌姫インタビュー争奪戦"的なのが同業者間で起きてて、決着がつかないからその手の仕事が回ってこないみたい。君の素性は表沙汰にしないのがおつるちゃんとの約束でもあるから良いけど、あんまり続くのも困りものかな?春先になったら色んな事情で除隊する人が必ず一定数出ちゃうから、常に先を見越して"隊員募集"の呼び掛けを定期的にしなきゃいけない。そうなるとやっぱりメディアのチカラは必要不可欠だし……」
二人がのんびり出来るのは柚紀的にも嬉しいが、ボーダーとしてはあまり宜しくないらしく二人の表情はあまり良くない。そもそも広報活動の第一目的が"隊員を増やす"であり、第二が"色々謎に包まれているボーダー、そこに所属する隊員は敵と戦う以外は一般人と変わりない事のアピール"と柚紀も認識している。……人数は大分戦力安定する程の数と質になって来たのでそこまで重要視されなくなってきており、メディア対策室は【嵐山隊を擬似アイドル化させる】感が少なくとも柚紀は否めない。なので、メディア露出に条件を課した自分と一緒ならその手の仕事は減るのでは?と考えたのだ。だが何事もバランスが肝心であり、この状態が続くのが良くないとも感じた柚紀がある案を口にする
『そう言えば以前大学を紹介したウェブ番組的なのが好評で、次も何か配信するんだよね?なら【嵐山隊及び歌姫の質問コーナー】的なのはどうかな?それでサイトや取材希望の会社にも質問内容を募集して、そこから選出!!勿論答える内容は対策室や言実さんの査定をクリアしたもののみ………だと、かなり少なくなりそうだから〜………………あっ!(ポン!)確か大学案内のライブ配信時にコメント届いていたよね?そこから気になるのがアレば全員が了承すればその場で答えちゃう的な感じにすれば良いかな?若しくは試験的な試みと最初に言って収録時間を短くするのもアリかな?……こんな感じでどう?』