籠の中の鳥
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――今日もアンリさんと共にマネージャーの一人としてせっせと働く。
ちなみに今は食堂のテーブルやら椅子やらを拭いているところだ。(清潔第一!)
アルコール除菌のスプレーをシュッシュッと吹きかけ乾いた布巾で拭く。
単純且つ地味な作業だが、これが意外と疲れる。
テーブル、椅子全てを拭き終わる頃には、額に薄っすらと汗が滲んでいる。
「…よし。これで全部。終わったー!!」
スプレーと布巾を置いて‘んーっ!!’と、一つ伸びをする。
ずっと同じような姿勢だったせいか腰の辺りがほんの少し痛かった。
「さっ、次の仕事に取りかからないと」
労るように腰を擦りながら再びスプレーと布巾を手に取ったその時、
「あ、いたいた。メイドさーん」
後ろから間延びした声で呼ばれた。
‘メイドさん’
そんなふざけた呼び方をするのは一人しかいない。
私はマネージャーであってメイドではないと、一体何度言えば分かるのか…。
「…凪くん。いい加減その呼び方は…」
「メイドさん、俺のこと助けて」
「……は?」
口から出た文句は最後まで言わせてもらえないまま、私は凪くんに手首を掴まれ連れ去られた。
「――な、凪くん。これは一体どういうこと…?」
「んー……こういうこと?」
目の前に広がる光景を見て私は絶句した。
あちこちに散乱した服。
二段ベッドの上、即ち凪くんの寝床であるそこからはみ出したグシャグシャの布団。
清潔感の欠片も無い状態となったそこは、紛れもなく凪くん(と、潔くんと馬狼くん)の部屋で…。
「馬狼にまたグチグチ言われんのやだし、でもどう片付ければいいか分かんないから、紬に手伝って欲しいんだよね」
‘ちなみにあの二人は風呂’と、どこまでものんびりした口調で話す凪くん。
私は早々に小言を言うのをやめる選択をした。
凪くんはこういう人だ。だから何を言っても無駄だ。
そんな事に労力を使うくらいなら、さっさと片付けに取りかかる方が賢明だ。
「…とりあえず、服から片付けよっか」
「いえっさー」
「――こっちの袖を折って、あとは半分に折る」
「あ、こうか」
「そうそう」
‘上手上手’と笑顔を向ければ、得意気な表情になる凪くん。
並んできっちり正座をした私達二人は、黙々と散らかった服を畳んでいた。
元来面倒くさがり屋な凪くんは今まであまり'こういう'ことをしたことがなかったのか、畳み方がまるでなっておらず私が教えてあげることに。
私の言う事を素直に聞いて実践する凪くんは子供のようで、なんだか自分が母親にでもなったような気分だった。
その後もひたすら服を畳んでいく。
凪くんもすっかり慣れたようで、どんどん服を掴んではパパッと畳んでいく。
そして服は最後の一枚に。
最後の一枚は凪くんの手によって畳まれた。
「よしっ。これで服は終わりっと。それじゃあ次は、布団を…」
ベッドの布団を直そうと立ち上がり階段を上る。
ここ狭いし、仕方ないから布団は私一人で直そうかな…。
「んぐっ!?」
考え事をしていると背中にズシッと何かがのしかかってきて、私は布団に倒される形になった。
「な、凪くん!?ちょっ…上がってきたの!?」
「んー、もう面倒くさくなってきたー。ちょっと休憩」
「えぇっ!?」
のしかかってきた何か……凪くんはいつの間にか上がってきていた。
そしてあろうことか私を押し潰したまま本格的に眠りに就こうとする。
ま、待って待って待って!!
こんな状態で眠られては困る!!色々と危ない!!
なんとか這い出そうとするが、体格差がありすぎてびくともしない。
「も、もうすぐ潔くん達(多分)戻ってくるよ!?」
すぐ横にある凪くんの顔に赤面しながら半ば叫ぶようにそう言えば、
「大丈夫。だって部屋の鍵かけてあるし」
「はっ!?」
い、いつの間にっ!?
というより何一つ大丈夫じゃない!!
焦りがピークに達する中、再び凪くんは口を開いた。
「だから紬も一緒に寝よ」
耳元で聞こえてきた穏やかな寝息に、いよいよ私は現実逃避したくなった――。
ちなみに今は食堂のテーブルやら椅子やらを拭いているところだ。(清潔第一!)
アルコール除菌のスプレーをシュッシュッと吹きかけ乾いた布巾で拭く。
単純且つ地味な作業だが、これが意外と疲れる。
テーブル、椅子全てを拭き終わる頃には、額に薄っすらと汗が滲んでいる。
「…よし。これで全部。終わったー!!」
スプレーと布巾を置いて‘んーっ!!’と、一つ伸びをする。
ずっと同じような姿勢だったせいか腰の辺りがほんの少し痛かった。
「さっ、次の仕事に取りかからないと」
労るように腰を擦りながら再びスプレーと布巾を手に取ったその時、
「あ、いたいた。メイドさーん」
後ろから間延びした声で呼ばれた。
‘メイドさん’
そんなふざけた呼び方をするのは一人しかいない。
私はマネージャーであってメイドではないと、一体何度言えば分かるのか…。
「…凪くん。いい加減その呼び方は…」
「メイドさん、俺のこと助けて」
「……は?」
口から出た文句は最後まで言わせてもらえないまま、私は凪くんに手首を掴まれ連れ去られた。
「――な、凪くん。これは一体どういうこと…?」
「んー……こういうこと?」
目の前に広がる光景を見て私は絶句した。
あちこちに散乱した服。
二段ベッドの上、即ち凪くんの寝床であるそこからはみ出したグシャグシャの布団。
清潔感の欠片も無い状態となったそこは、紛れもなく凪くん(と、潔くんと馬狼くん)の部屋で…。
「馬狼にまたグチグチ言われんのやだし、でもどう片付ければいいか分かんないから、紬に手伝って欲しいんだよね」
‘ちなみにあの二人は風呂’と、どこまでものんびりした口調で話す凪くん。
私は早々に小言を言うのをやめる選択をした。
凪くんはこういう人だ。だから何を言っても無駄だ。
そんな事に労力を使うくらいなら、さっさと片付けに取りかかる方が賢明だ。
「…とりあえず、服から片付けよっか」
「いえっさー」
「――こっちの袖を折って、あとは半分に折る」
「あ、こうか」
「そうそう」
‘上手上手’と笑顔を向ければ、得意気な表情になる凪くん。
並んできっちり正座をした私達二人は、黙々と散らかった服を畳んでいた。
元来面倒くさがり屋な凪くんは今まであまり'こういう'ことをしたことがなかったのか、畳み方がまるでなっておらず私が教えてあげることに。
私の言う事を素直に聞いて実践する凪くんは子供のようで、なんだか自分が母親にでもなったような気分だった。
その後もひたすら服を畳んでいく。
凪くんもすっかり慣れたようで、どんどん服を掴んではパパッと畳んでいく。
そして服は最後の一枚に。
最後の一枚は凪くんの手によって畳まれた。
「よしっ。これで服は終わりっと。それじゃあ次は、布団を…」
ベッドの布団を直そうと立ち上がり階段を上る。
ここ狭いし、仕方ないから布団は私一人で直そうかな…。
「んぐっ!?」
考え事をしていると背中にズシッと何かがのしかかってきて、私は布団に倒される形になった。
「な、凪くん!?ちょっ…上がってきたの!?」
「んー、もう面倒くさくなってきたー。ちょっと休憩」
「えぇっ!?」
のしかかってきた何か……凪くんはいつの間にか上がってきていた。
そしてあろうことか私を押し潰したまま本格的に眠りに就こうとする。
ま、待って待って待って!!
こんな状態で眠られては困る!!色々と危ない!!
なんとか這い出そうとするが、体格差がありすぎてびくともしない。
「も、もうすぐ潔くん達(多分)戻ってくるよ!?」
すぐ横にある凪くんの顔に赤面しながら半ば叫ぶようにそう言えば、
「大丈夫。だって部屋の鍵かけてあるし」
「はっ!?」
い、いつの間にっ!?
というより何一つ大丈夫じゃない!!
焦りがピークに達する中、再び凪くんは口を開いた。
「だから紬も一緒に寝よ」
耳元で聞こえてきた穏やかな寝息に、いよいよ私は現実逃避したくなった――。
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