すべてはアーテーのせい
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私は今物凄く困っていた――。
いや、この青い監獄 に来てからは困った事しかないのだが…。(ストレス過多で倒れそうだ)
でも今回はその'困った事'の内容が今までと違うというか、度合いが今までの比ではないというか…。
「み、御影くん。そろそろ手、離して欲しいなぁ…なんて…」
「……」
…反応なし。
一向に変わらない状況に私は天を仰いだ。
今日も青い監獄 の中を端から端まで忙しなく走り回り、仕事を熟す私。
バタバタ移動する中、御影玲王くんとすれ違った。
視界の端に御影くんを捉えた私は、一瞬体が強張った。
御影くんは決して悪い子ではないんだけど、ほんの少し苦手だなぁ…と感じていた。
特に凪くんが潔くんの元へ行ってしまってからは、より一層放つオーラが刺々しいというか、周囲を絶えず威嚇している気がした。
誰も自分には近付いてくれるな、と言っているようで…。
だからこそ、自分もなるだけ彼には近寄らないようにしていたんだけれど……。
「あのぉ……」
まさか御影くんの方から近付いてくるとは…。
掴まれた右手首がだんだん痛くなってきた。
本当にどうしたのだろう?
ハッ!!も、もしかして私何かやらかしたのかな…!?
ど、どうしよう…。
今まで必死に関わらないように、且つ目をつけられないように努力していたというのに…。
知らぬ間に全て水の泡にしてしまったのだろうか。
「み、御影くん。その、私…」
「お前さ、随分潔に肩入れしてねぇ?」
漸く口を開いたかと思えば、御影くんの口から出てきたのはそんな言葉だった。
潔…くん?肩入れ…?
一体何のことだかさっぱり分からない。
首を傾げる私に御影くんはギュッと眉間に皺を寄せた。
「いっつも潔の試合ばっか見てんだろ」
冷たい視線を寄越してくる御影くん。
私は彼の言葉を反芻した。
潔くんを見ていることは、まあ…確かに否定はしない。
というのも、とてつもないスピードで成長していく潔くんに圧倒され、自分でも無意識のうちに自然とそっちに目がいってしまうのだ。
「ご、ごめんなさい…」
申し訳なさと緊張で謝った声はとても小さな声になってしまった。
別室で絵心さんとアンリさんがしっかりモニタリングをしてデータを取っているのだから、本来ならば私は雑務に勤しむべきなのだ。
雑用係としてここに連れて来られたのだから、しっかり仕事…いや、雑用をせねばならないのに…。
「なんで……」
「え?」
俯いていた顔を上げれば、御影くんが奥歯を噛み締めて渋い顔をしていた。
「なんで凪もお前もアイツのとこに行くワケ?」
「み、かげくん…?」
「凪も取り返せてねぇのにお前まで…っ」
「え……?」
未だ私の手首を掴んだままの御影くんは、眉根を寄せて苦しげにそう呟いた。
‘お前まで’……って、どういう意味だろう?どうしてそこで私まで出てくるの?
戸惑う私に御影くんは一瞬ハッとした表情を浮かべるも、再び厳しい表情へと戻した。
「っ……俺の座右の銘は、'欲しいモノは全部手に入れる'――」
「……っ」
「'全部'だ。他の奴には絶対に譲らない」
獲物を狩る肉食獣のような鋭い目つき。
目の前にいる彼は今まさに自身の名の通りレオ……ライオンそのものだった。
数秒睨まれた後、パッと手を離された。
御影くんはそれ以上何か言うこともなく、静かに踵を返して歩いていった。
漸く緊張から解放された私はまだ少し痛む手首を擦りながら、去っていく御影くんの背中をぼんやりと見つめ、彼が言い残した言葉についてひたすら考えたが、ついに答えが出ることはなかった――。
いや、この
でも今回はその'困った事'の内容が今までと違うというか、度合いが今までの比ではないというか…。
「み、御影くん。そろそろ手、離して欲しいなぁ…なんて…」
「……」
…反応なし。
一向に変わらない状況に私は天を仰いだ。
今日も
バタバタ移動する中、御影玲王くんとすれ違った。
視界の端に御影くんを捉えた私は、一瞬体が強張った。
御影くんは決して悪い子ではないんだけど、ほんの少し苦手だなぁ…と感じていた。
特に凪くんが潔くんの元へ行ってしまってからは、より一層放つオーラが刺々しいというか、周囲を絶えず威嚇している気がした。
誰も自分には近付いてくれるな、と言っているようで…。
だからこそ、自分もなるだけ彼には近寄らないようにしていたんだけれど……。
「あのぉ……」
まさか御影くんの方から近付いてくるとは…。
掴まれた右手首がだんだん痛くなってきた。
本当にどうしたのだろう?
ハッ!!も、もしかして私何かやらかしたのかな…!?
ど、どうしよう…。
今まで必死に関わらないように、且つ目をつけられないように努力していたというのに…。
知らぬ間に全て水の泡にしてしまったのだろうか。
「み、御影くん。その、私…」
「お前さ、随分潔に肩入れしてねぇ?」
漸く口を開いたかと思えば、御影くんの口から出てきたのはそんな言葉だった。
潔…くん?肩入れ…?
一体何のことだかさっぱり分からない。
首を傾げる私に御影くんはギュッと眉間に皺を寄せた。
「いっつも潔の試合ばっか見てんだろ」
冷たい視線を寄越してくる御影くん。
私は彼の言葉を反芻した。
潔くんを見ていることは、まあ…確かに否定はしない。
というのも、とてつもないスピードで成長していく潔くんに圧倒され、自分でも無意識のうちに自然とそっちに目がいってしまうのだ。
「ご、ごめんなさい…」
申し訳なさと緊張で謝った声はとても小さな声になってしまった。
別室で絵心さんとアンリさんがしっかりモニタリングをしてデータを取っているのだから、本来ならば私は雑務に勤しむべきなのだ。
雑用係としてここに連れて来られたのだから、しっかり仕事…いや、雑用をせねばならないのに…。
「なんで……」
「え?」
俯いていた顔を上げれば、御影くんが奥歯を噛み締めて渋い顔をしていた。
「なんで凪もお前もアイツのとこに行くワケ?」
「み、かげくん…?」
「凪も取り返せてねぇのにお前まで…っ」
「え……?」
未だ私の手首を掴んだままの御影くんは、眉根を寄せて苦しげにそう呟いた。
‘お前まで’……って、どういう意味だろう?どうしてそこで私まで出てくるの?
戸惑う私に御影くんは一瞬ハッとした表情を浮かべるも、再び厳しい表情へと戻した。
「っ……俺の座右の銘は、'欲しいモノは全部手に入れる'――」
「……っ」
「'全部'だ。他の奴には絶対に譲らない」
獲物を狩る肉食獣のような鋭い目つき。
目の前にいる彼は今まさに自身の名の通りレオ……ライオンそのものだった。
数秒睨まれた後、パッと手を離された。
御影くんはそれ以上何か言うこともなく、静かに踵を返して歩いていった。
漸く緊張から解放された私はまだ少し痛む手首を擦りながら、去っていく御影くんの背中をぼんやりと見つめ、彼が言い残した言葉についてひたすら考えたが、ついに答えが出ることはなかった――。
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