口吻
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―腕への口吻、その意味は……―
「――紬ちゃんって、すっげー色白だよね」
「…へ?」
何の脈絡もなく発した俺の言葉に、紬ちゃんは日焼け止めを塗っていた手をピタリと止めた。
この青い監獄 という閉鎖的な空間では太陽は無縁の存在だが、たとえそうであったとしても女性にとって日焼け対策は、怠ることなど出来ない年中付き合っていかなければならないものだ。(ま、今じゃ美容男子もいるから女の子だけの問題でもないけど)
紬ちゃんが日焼け止めを塗り始めてから今の今まで、俺はその様子を頬杖をついてぼんやりと眺めていた。
そんな俺に彼女が若干の気まずさを感じているのはすぐに分かった。日焼け止めを塗りながら‘いつまで見てるの?なんで行かないの?’という表情で、何度も何度も自分のことを見てきていたのだから。
その困ったような何とも言えない表情が物凄く可愛くて可愛くて…。ただ日焼け止めを塗っているだけなのに、相手が紬ちゃんなだけで全てが可愛く見える自分は相当重症だ。
「そう……ですかね?」
「うん。なんかリアル白雪姫って感じ」
「また軽々しくそんなことを…。っていうか、そういう乙夜さんだって十分色白じゃないですか」
そう言って俺を控えめに指差す紬ちゃんに、俺は一瞬自分の腕を見た。
確かに自分も男にしては色白の部類に入るとは思うが、彼女の白さとは全然違うのだ。
「紬ちゃんは、なんていうか……儚い白なんだよね」
「儚い…?ふふっ。なんか、乙夜さんにしては珍しい表現の仕方ですね」
全ての部位に日焼け止めを塗り終えたらしい紬ちゃんは驚いた表情を浮かべた後、小さく笑みを零した。
確かにこんな詩的な表現、‘いつもの’俺らしくないかもな。でも、紬ちゃんは気づいたら跡形も無く消えてしまいそうな、捕まえようとしてもスルリとすり抜けてしまうような……そんな気がする‘白’なのだ。
「――じゃあさ、珍しいついでに…」
「お、乙夜さん…!?」
声を上げる紬ちゃんを無視し、俺は徐に彼女の細い腕を掴むと、そのまま引き寄せられるようにその儚い白に口吻を落とした。
消えないで――。
俺の前から――。
君は、俺の最初で最後の恋なのだから――。
―恋慕―
「――紬ちゃんって、すっげー色白だよね」
「…へ?」
何の脈絡もなく発した俺の言葉に、紬ちゃんは日焼け止めを塗っていた手をピタリと止めた。
この
紬ちゃんが日焼け止めを塗り始めてから今の今まで、俺はその様子を頬杖をついてぼんやりと眺めていた。
そんな俺に彼女が若干の気まずさを感じているのはすぐに分かった。日焼け止めを塗りながら‘いつまで見てるの?なんで行かないの?’という表情で、何度も何度も自分のことを見てきていたのだから。
その困ったような何とも言えない表情が物凄く可愛くて可愛くて…。ただ日焼け止めを塗っているだけなのに、相手が紬ちゃんなだけで全てが可愛く見える自分は相当重症だ。
「そう……ですかね?」
「うん。なんかリアル白雪姫って感じ」
「また軽々しくそんなことを…。っていうか、そういう乙夜さんだって十分色白じゃないですか」
そう言って俺を控えめに指差す紬ちゃんに、俺は一瞬自分の腕を見た。
確かに自分も男にしては色白の部類に入るとは思うが、彼女の白さとは全然違うのだ。
「紬ちゃんは、なんていうか……儚い白なんだよね」
「儚い…?ふふっ。なんか、乙夜さんにしては珍しい表現の仕方ですね」
全ての部位に日焼け止めを塗り終えたらしい紬ちゃんは驚いた表情を浮かべた後、小さく笑みを零した。
確かにこんな詩的な表現、‘いつもの’俺らしくないかもな。でも、紬ちゃんは気づいたら跡形も無く消えてしまいそうな、捕まえようとしてもスルリとすり抜けてしまうような……そんな気がする‘白’なのだ。
「――じゃあさ、珍しいついでに…」
「お、乙夜さん…!?」
声を上げる紬ちゃんを無視し、俺は徐に彼女の細い腕を掴むと、そのまま引き寄せられるようにその儚い白に口吻を落とした。
消えないで――。
俺の前から――。
君は、俺の最初で最後の恋なのだから――。
―恋慕―
