口吻
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―手首への口吻、その意味は……―
「――なーんで逃げんのー?紬チャン♡」
「っ…」
掴まれた手首が痛い。
口調はいつもと変わらない戯けたものなのに、私を見つめるその目は爛々と輝いていて、得体の知れない恐怖を感じた。
「し、士道くん…っ。何か用…?」
「用がなきゃ声かけちゃいけないワケー?」
「そ、そんなことは……」
気持ち悪い――。
纏わりつくように注がれる彼の湿っぽい視線が、とにかく気持ち悪くて肌が粟立つ感覚がした。
彼は…士道龍聖という人間は私にとって'異物'と同じだった。
目が合ったその瞬間に彼は体内へと入り込み、じわじわと蝕んで破壊していく。
「ねえ、紬チャン。俺さぁ…もっともっと紬チャンと仲良くなりたいんだよねぇ…」
「っ…あ」
ゆっくりと舌なめずりをした彼は、そのまま背後に迫っていた壁に私の体を押しつけてきた。
冷たい壁と悪魔のように邪悪な笑みを浮かべた士道くんに挟まれ、恐怖から体が自然と震え出した。
「他の連中とはあんなに仲良く喋ってんのにさ、俺とは全然喋ってくんねーんだもん」
「んっ…」
生温かい息がかかり思わず身を捩れば、その反応が可笑しかったのか彼は楽しげな声を上げて笑った。
せめてもの抵抗をと思い、精一杯睨みを利かせるも……
「…イイねぇその目。すっげー興奮する」
先ほどの楽しそうな表情から一転、今度は恍惚の表情へと変わっていた。
「あー…紬チャンのその表情だけで、俺もうイキそう」
「っ…や、やめて!!!!」
「つーかもう射精 」
士道くんは体をさらに密着させると、熱い息と共に卑猥な言葉を吐いてきた。
もうこれ以上聞きたくなくて耳を塞ぎたいのに、両手は未だ彼によって拘束されたまま…。
聴覚は無理でも、せめて視覚だけでも彼から逃れたいと強く目を閉じた。
「あー、もうマジヤバいわー。興奮収まんねー」
「……ひっ!?」
士道くんの苛立ったような声が聞こえたかと思ったら、左手首に生温かい感触がして反射的に閉じていた目を開けた。
「んっ……んっ……」
「ひぃ…っ」
生温かい感触…それは士道くんの唇だった。
あろうことか彼は、くぐもった声を上げてまるで捕食するかの如く私の左手首に吸い付いていた。
彼のこの行動に全身に鳥肌が立ち、目にはどんどん涙が溜まっていった。
「紬チャンは喰ったら、どんな味がすんのかなぁ――」
―欲望―
「――なーんで逃げんのー?紬チャン♡」
「っ…」
掴まれた手首が痛い。
口調はいつもと変わらない戯けたものなのに、私を見つめるその目は爛々と輝いていて、得体の知れない恐怖を感じた。
「し、士道くん…っ。何か用…?」
「用がなきゃ声かけちゃいけないワケー?」
「そ、そんなことは……」
気持ち悪い――。
纏わりつくように注がれる彼の湿っぽい視線が、とにかく気持ち悪くて肌が粟立つ感覚がした。
彼は…士道龍聖という人間は私にとって'異物'と同じだった。
目が合ったその瞬間に彼は体内へと入り込み、じわじわと蝕んで破壊していく。
「ねえ、紬チャン。俺さぁ…もっともっと紬チャンと仲良くなりたいんだよねぇ…」
「っ…あ」
ゆっくりと舌なめずりをした彼は、そのまま背後に迫っていた壁に私の体を押しつけてきた。
冷たい壁と悪魔のように邪悪な笑みを浮かべた士道くんに挟まれ、恐怖から体が自然と震え出した。
「他の連中とはあんなに仲良く喋ってんのにさ、俺とは全然喋ってくんねーんだもん」
「んっ…」
生温かい息がかかり思わず身を捩れば、その反応が可笑しかったのか彼は楽しげな声を上げて笑った。
せめてもの抵抗をと思い、精一杯睨みを利かせるも……
「…イイねぇその目。すっげー興奮する」
先ほどの楽しそうな表情から一転、今度は恍惚の表情へと変わっていた。
「あー…紬チャンのその表情だけで、俺もうイキそう」
「っ…や、やめて!!!!」
「つーかもう
士道くんは体をさらに密着させると、熱い息と共に卑猥な言葉を吐いてきた。
もうこれ以上聞きたくなくて耳を塞ぎたいのに、両手は未だ彼によって拘束されたまま…。
聴覚は無理でも、せめて視覚だけでも彼から逃れたいと強く目を閉じた。
「あー、もうマジヤバいわー。興奮収まんねー」
「……ひっ!?」
士道くんの苛立ったような声が聞こえたかと思ったら、左手首に生温かい感触がして反射的に閉じていた目を開けた。
「んっ……んっ……」
「ひぃ…っ」
生温かい感触…それは士道くんの唇だった。
あろうことか彼は、くぐもった声を上げてまるで捕食するかの如く私の左手首に吸い付いていた。
彼のこの行動に全身に鳥肌が立ち、目にはどんどん涙が溜まっていった。
「紬チャンは喰ったら、どんな味がすんのかなぁ――」
―欲望―
