口吻
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―耳への口吻、その意味は……―
「蜂楽くーん?そろそろ離れて下さーい」
「もう完全に紬ちゃんとくっついちゃったから、離れられませーん」
紬ちゃんを後ろから抱きしめ、その華奢な肩に顎を乗せたままそう返すと、擽ったかったのか彼女は身を捩って小さく笑い声を漏らした。
その様子に一瞬キュッと眉間に皺が寄り険しい顔つきになるが、すぐに元に戻して今度は彼女の白く細い首筋に顔を埋めてクンクンと匂いを嗅いだ。
しかしそれに対しても、紬ちゃんは愉快そうな笑い声を上げるのみで、またもや眉間に皺が寄り顔つきが険しくなってしまった。
―俺って、男として意識されてないの?―
さっきから紬ちゃんが見せる反応の全てが自分が求めているそれではなくて、だんだんと苛立ちが募っていく。
こんなにも密着しているというのに…。彼女は何とも思わないのだろうか?
信頼されていると言えばそうなのかもしれないが、同時にそれは自分が彼女から'何とも'思われていないという事で、その事実を嫌でも突きつけられた。
これではまるで犬猫…もしくは小さな子供と同等のような扱われ方だ。
「蜂楽くんは甘えたさんだね」
「……」
どうやら普段から今のように紬ちゃんにくっついたり触れたりしているものだから、彼女の中では'いつものこと'として認識されているらしい。
しかし残念ながら、自分の中にあるのはそんな可愛いらしい感情ではない。
首筋に埋めていた顔を上げると、その上にある小さくて可愛らしい耳が目に入った。
その耳に狙いを定めるかのように目をスッ…と細め、そのまま吸い寄せられるように耳に口吻た。
―チュッ…―
「ひゃあっ!?ば、蜂楽くん…!?」
突然の事に驚きの声を上げる紬ちゃんを無視して、耳への口吻を続ける。
「んっ…ちょっ、蜂楽、くん…ぁ…っ」
制止の声を聞き流し無心で口吻を落としていく。
徐々に紬ちゃんの息は上がっていき、時折漏れ出る声にも僅かに色が含まれ始めた。
知らず知らずのうちに口元が緩んでいくのが分かった。
―ペロッ…―
「んぁっ…」
最後に耳を舐めてやれば、彼女はとびきり甘い声を聞かせてくれた。
「ねえ、紬ちゃんにとってはコレも甘えたさんになるワケ?」
「んっ……蜂楽、くん…っ」
'甘えたさん'なんて可愛らしいモノ、端から自分の中にはない。
自分の中にあるのは……
「俺が甘えたさんかどうか……紬ちゃんの身体に直接聞いてみよっか――?」
彼女への底知れない欲望だけ――。
―誘惑―
「蜂楽くーん?そろそろ離れて下さーい」
「もう完全に紬ちゃんとくっついちゃったから、離れられませーん」
紬ちゃんを後ろから抱きしめ、その華奢な肩に顎を乗せたままそう返すと、擽ったかったのか彼女は身を捩って小さく笑い声を漏らした。
その様子に一瞬キュッと眉間に皺が寄り険しい顔つきになるが、すぐに元に戻して今度は彼女の白く細い首筋に顔を埋めてクンクンと匂いを嗅いだ。
しかしそれに対しても、紬ちゃんは愉快そうな笑い声を上げるのみで、またもや眉間に皺が寄り顔つきが険しくなってしまった。
―俺って、男として意識されてないの?―
さっきから紬ちゃんが見せる反応の全てが自分が求めているそれではなくて、だんだんと苛立ちが募っていく。
こんなにも密着しているというのに…。彼女は何とも思わないのだろうか?
信頼されていると言えばそうなのかもしれないが、同時にそれは自分が彼女から'何とも'思われていないという事で、その事実を嫌でも突きつけられた。
これではまるで犬猫…もしくは小さな子供と同等のような扱われ方だ。
「蜂楽くんは甘えたさんだね」
「……」
どうやら普段から今のように紬ちゃんにくっついたり触れたりしているものだから、彼女の中では'いつものこと'として認識されているらしい。
しかし残念ながら、自分の中にあるのはそんな可愛いらしい感情ではない。
首筋に埋めていた顔を上げると、その上にある小さくて可愛らしい耳が目に入った。
その耳に狙いを定めるかのように目をスッ…と細め、そのまま吸い寄せられるように耳に口吻た。
―チュッ…―
「ひゃあっ!?ば、蜂楽くん…!?」
突然の事に驚きの声を上げる紬ちゃんを無視して、耳への口吻を続ける。
「んっ…ちょっ、蜂楽、くん…ぁ…っ」
制止の声を聞き流し無心で口吻を落としていく。
徐々に紬ちゃんの息は上がっていき、時折漏れ出る声にも僅かに色が含まれ始めた。
知らず知らずのうちに口元が緩んでいくのが分かった。
―ペロッ…―
「んぁっ…」
最後に耳を舐めてやれば、彼女はとびきり甘い声を聞かせてくれた。
「ねえ、紬ちゃんにとってはコレも甘えたさんになるワケ?」
「んっ……蜂楽、くん…っ」
'甘えたさん'なんて可愛らしいモノ、端から自分の中にはない。
自分の中にあるのは……
「俺が甘えたさんかどうか……紬ちゃんの身体に直接聞いてみよっか――?」
彼女への底知れない欲望だけ――。
―誘惑―
