恋する向日葵
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―温げえ人だなぁ。―
自分の紬さんに対する第一印象はそんな感じだった。
この殺気立った異様な場所で、彼女の周りだけは唯一陽だまりみたいに暖かく、そして心地良かった。
「――紬さんはお日様みだいな人だべなぁ」
「え?お、お日様…?」
大きな目をこれでもかというくらい見開き、紬さんはぱちくりと瞬きをした。
「うーん…お日様、みたい…かなぁ…?」
コテンッと首を傾げ顎に手を添えるその姿は、俗に言う'あざとい'というものなのだろう。
正直なところ、'そういうのは'その裏にある真意が薄っすらと見えてしまって得意ではなかったが、彼女の場合それが感じられないから不思議だなと思った。
「一緒にいるど心がポカポカして、優しい気持ぢになるんだべ」
「そういう事、初めて言われたなぁ」
「…もしかして俺、変な事言ったっすか?」
……しまった。
思ったままの事を言ったのだが、変な奴だと思われたかもしれない。
そのせいで自分はよく笑われたり、訝しがられたりしているような気がする。
「ううん。寧ろそんな風に思ってもらえて嬉しいよ。ありがとう虹郎くん」
柔らかく微笑む紬さんに、心臓が大きく音を立てた。
―こいなの……好ぎにならねぁーワケがねぁー…―
いつも明るく見守るように照らしてくれるお日様。
その温かくて明るいお日様に向かって手を伸ばす自分はさしずめ、向日葵と言ったところか。
向日葵は太陽に向かって咲く花。
より多く太陽の光を浴びる為に。光を浴び大輪の花を咲かせる為に。
でもそれは決して一本の向日葵だけではない。
何千、何万もの向日葵が皆、太陽の光を浴びる為にそちらを向く。
そして太陽はその全ての向日葵に対して平等に光を注ぐ。
…彼女も一緒だった。
この青い監獄 にいる者全員に平等にその光を、その温かさを、その優しさを注いでいる。
自分一人だけが光を浴びれるわけではない。
自分一人だけに光を注いでくれるわけではない…。
「きっとこごさいる全員、紬さんの優しさに救われでるど思う」
「そ、そうかな…?邪魔だと思ってる人もいると思うけど……」
「そんなことないっすよ!…潔さんなんて特に、紬さんに対して想いが大ぎいと思うっすよ」
「へ?潔くんが?」
紬さんのことを見る彼の目を見れば一目で分かる。彼の彼女に対する想いの大きさが。
自分と同じ……いや、きっとそれ以上。
あまりにも潔さんの紬さんへの想いが強すぎて、正直気圧されそうになったほどだったのだから。
潔さんは数多くある向日葵の中で遥かに高く、そして真っ直ぐに、太陽へ向かって手を伸ばしている向日葵だった。
「潔くんがどう思っているかは置いておいて、私自身は虹郎くんの笑顔に救われてるけどなぁ」
「へ?俺の笑顔っすか…?」
「うん。虹郎くんの笑顔って、すっごく輝いててこっちまで元気になるもん。それこそ名前の通り虹みたいだよ」
「そう、がなぁ…?」
まさかそんな風に言われるとは思っていなかったから、照れてしまった。
自分ではさっぱり分からないけど、決して悪い気はしない。ましてや好意を寄せているその人から言われたのだから。
照れ隠しで頭を掻けば、紬さんはクスクスと可愛らしく笑みを溢した。
―ほんになんもがもめんこい人だなぁ…―
「適性試験 の時、潔くんも氷織くんも少なからず救われてたと思うよ。虹郎くんに」
また、心臓が大きく音を立てた。
「…好きっす、紬さん」
潔さんは凄い人だと思う。
でも、潔さんについていく事は出来る。
ここは青い監獄 。エゴが爆発する場所。
エゴイストだけが生き残れる場所。
「何か言った?」
「……なんでもねぇっす!」
願わくば、彼女の光を浴びる事が出来る唯一の人間になれますように――。
そしていつか、大輪の花を咲かせられますように――。
彼女に……紬さんに'七星虹郎'っていう向日葵を見てもらいたい――。
自分の紬さんに対する第一印象はそんな感じだった。
この殺気立った異様な場所で、彼女の周りだけは唯一陽だまりみたいに暖かく、そして心地良かった。
「――紬さんはお日様みだいな人だべなぁ」
「え?お、お日様…?」
大きな目をこれでもかというくらい見開き、紬さんはぱちくりと瞬きをした。
「うーん…お日様、みたい…かなぁ…?」
コテンッと首を傾げ顎に手を添えるその姿は、俗に言う'あざとい'というものなのだろう。
正直なところ、'そういうのは'その裏にある真意が薄っすらと見えてしまって得意ではなかったが、彼女の場合それが感じられないから不思議だなと思った。
「一緒にいるど心がポカポカして、優しい気持ぢになるんだべ」
「そういう事、初めて言われたなぁ」
「…もしかして俺、変な事言ったっすか?」
……しまった。
思ったままの事を言ったのだが、変な奴だと思われたかもしれない。
そのせいで自分はよく笑われたり、訝しがられたりしているような気がする。
「ううん。寧ろそんな風に思ってもらえて嬉しいよ。ありがとう虹郎くん」
柔らかく微笑む紬さんに、心臓が大きく音を立てた。
―こいなの……好ぎにならねぁーワケがねぁー…―
いつも明るく見守るように照らしてくれるお日様。
その温かくて明るいお日様に向かって手を伸ばす自分はさしずめ、向日葵と言ったところか。
向日葵は太陽に向かって咲く花。
より多く太陽の光を浴びる為に。光を浴び大輪の花を咲かせる為に。
でもそれは決して一本の向日葵だけではない。
何千、何万もの向日葵が皆、太陽の光を浴びる為にそちらを向く。
そして太陽はその全ての向日葵に対して平等に光を注ぐ。
…彼女も一緒だった。
この
自分一人だけが光を浴びれるわけではない。
自分一人だけに光を注いでくれるわけではない…。
「きっとこごさいる全員、紬さんの優しさに救われでるど思う」
「そ、そうかな…?邪魔だと思ってる人もいると思うけど……」
「そんなことないっすよ!…潔さんなんて特に、紬さんに対して想いが大ぎいと思うっすよ」
「へ?潔くんが?」
紬さんのことを見る彼の目を見れば一目で分かる。彼の彼女に対する想いの大きさが。
自分と同じ……いや、きっとそれ以上。
あまりにも潔さんの紬さんへの想いが強すぎて、正直気圧されそうになったほどだったのだから。
潔さんは数多くある向日葵の中で遥かに高く、そして真っ直ぐに、太陽へ向かって手を伸ばしている向日葵だった。
「潔くんがどう思っているかは置いておいて、私自身は虹郎くんの笑顔に救われてるけどなぁ」
「へ?俺の笑顔っすか…?」
「うん。虹郎くんの笑顔って、すっごく輝いててこっちまで元気になるもん。それこそ名前の通り虹みたいだよ」
「そう、がなぁ…?」
まさかそんな風に言われるとは思っていなかったから、照れてしまった。
自分ではさっぱり分からないけど、決して悪い気はしない。ましてや好意を寄せているその人から言われたのだから。
照れ隠しで頭を掻けば、紬さんはクスクスと可愛らしく笑みを溢した。
―ほんになんもがもめんこい人だなぁ…―
「
また、心臓が大きく音を立てた。
「…好きっす、紬さん」
潔さんは凄い人だと思う。
でも、潔さんについていく事は出来る。
ここは
エゴイストだけが生き残れる場所。
「何か言った?」
「……なんでもねぇっす!」
願わくば、彼女の光を浴びる事が出来る唯一の人間になれますように――。
そしていつか、大輪の花を咲かせられますように――。
彼女に……紬さんに'七星虹郎'っていう向日葵を見てもらいたい――。
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