貴女の騎士に御座います
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「青い監獄 の'お姫様'ってこと……でOK――?」
「っ…!!!」
そう言って二ィッ…と口を歪めたその人物に、嫌悪感から思わず顔を顰めた。
私の表情の変化など毛ほども気にしていないのか、金色にカスタマイズされた歯をギラギラと光らせながら近づいてきた。
「……ロレンツォさん」
「お姫様はみんなの憧れだ。そりゃあ喉から手が出るほど欲しいよな〜」
品のない下卑た笑みを一層深くし、ドン・ロレンツォは私を頭の上から爪先まで品定めをするように見ていく。
彼には会った時から嫌悪感しか感じなかった。人をお金としか見ていない人。お金にしか価値を見出すことが出来ない人。
「でもそのお姫様を俺が奪ったら、どう思うかなァ……お姫様も気にならね?」
「っ……っ……」
粘着質な声が全身に絡みついてきて肌が粟立つ。
僅かに唇が震えているのに気付き、グッと噛んでなんとかその震えを止めようとする。
そんな私の様子にロレンツォさんは、金色の歯の間からヌルリ…と舌べろを出し、獲物を狙う獰猛な肉食獣のように舌なめずりをした。
「――そこまでだ。全金歯野郎 」
まるで闇夜を切り裂く一筋の光のように、凛と通る声が私とロレンツォさんの間に割って入った。
「これはこれはミヒャ……いや、騎士 様のお出ましだァ」
「黙れ。それ以上喋るな。薄汚ぇドブネズミが」
下卑た笑みを崩さない目の前の男に渡すまいと、無駄な肉が削ぎ落とされたカイザーさんの腕が肩に回され抱き寄せられた。
「やれやれ、騎士 様はえらくご機嫌斜めらしい」
わざとらしく肩を竦めるロレンツォさんに対し、カイザーさんは無表情を貫いていた。彫刻のような端正な顔は無表情ということもあり、いつも以上に冷たく見える。
「紬に指一本でも触れてみろ。お前のその自慢の全金歯 、粉々に砕いてやる」
「…なんだァ?随分とこのお姫様にご執心じゃねーか?あ?」
ロレンツォさんの濁った目が私の方へと向き、思わず肩がびくついた。とその瞬間、カイザーさんの腕の力が強まり、私の体をさらに自分の体に寄せた。
「おいおい、まさかとは思うがミヒャお前……コイツに本気 で惚れてんのか?」
「え……?」
ロレンツォさんのその言葉に思わず、遥か上にあるカイザーさんの顔を見上げた。
「か、カイザーさ……」
「――だったらなんだ」
「えっ…!?」
彼が発した肯定の言葉に驚きの声を上げる。
顔を真っ赤にしてまるで金魚のように口をパクパクする私を、何の曇りもない澄んだ青い瞳で見つめてくるカイザーさん。
吸い込まれそうなほど美しい青い瞳。その瞳が愛しげに細められ、心臓が大きく脈打った。
「ふーん。'あの'ミヒャがねェ……。そうかそうかァ……」
カイザーさんの返事が余程可笑しかったのか、ロレンツォさんは天を仰ぎ、不気味な声を漏らして笑い始めた。
ただでさえ普通にしていても不気味だというのに、その笑い声のせいで余計にその不気味さに拍車がかかっていた。
一頻り笑った彼はゆっくりと顔を戻し、目を細めてカイザーさんを見据える。
「――なら、お前諸共その大切なお姫様のこと……俺ががぶっと噛みちぎってやるよ、ミヒャ」
「……さっき忠告した筈だロレンツォ。'お前のその自慢の全金歯 、粉々に砕いてやる'…ってな」
試合前から一触即発な二人を余所に、私は密かにギュッとカイザーさんにしがみつくのだった――。
「っ…!!!」
そう言って二ィッ…と口を歪めたその人物に、嫌悪感から思わず顔を顰めた。
私の表情の変化など毛ほども気にしていないのか、金色にカスタマイズされた歯をギラギラと光らせながら近づいてきた。
「……ロレンツォさん」
「お姫様はみんなの憧れだ。そりゃあ喉から手が出るほど欲しいよな〜」
品のない下卑た笑みを一層深くし、ドン・ロレンツォは私を頭の上から爪先まで品定めをするように見ていく。
彼には会った時から嫌悪感しか感じなかった。人をお金としか見ていない人。お金にしか価値を見出すことが出来ない人。
「でもそのお姫様を俺が奪ったら、どう思うかなァ……お姫様も気にならね?」
「っ……っ……」
粘着質な声が全身に絡みついてきて肌が粟立つ。
僅かに唇が震えているのに気付き、グッと噛んでなんとかその震えを止めようとする。
そんな私の様子にロレンツォさんは、金色の歯の間からヌルリ…と舌べろを出し、獲物を狙う獰猛な肉食獣のように舌なめずりをした。
「――そこまでだ。
まるで闇夜を切り裂く一筋の光のように、凛と通る声が私とロレンツォさんの間に割って入った。
「これはこれはミヒャ……いや、
「黙れ。それ以上喋るな。薄汚ぇドブネズミが」
下卑た笑みを崩さない目の前の男に渡すまいと、無駄な肉が削ぎ落とされたカイザーさんの腕が肩に回され抱き寄せられた。
「やれやれ、
わざとらしく肩を竦めるロレンツォさんに対し、カイザーさんは無表情を貫いていた。彫刻のような端正な顔は無表情ということもあり、いつも以上に冷たく見える。
「紬に指一本でも触れてみろ。お前のその自慢の
「…なんだァ?随分とこのお姫様にご執心じゃねーか?あ?」
ロレンツォさんの濁った目が私の方へと向き、思わず肩がびくついた。とその瞬間、カイザーさんの腕の力が強まり、私の体をさらに自分の体に寄せた。
「おいおい、まさかとは思うがミヒャお前……コイツに
「え……?」
ロレンツォさんのその言葉に思わず、遥か上にあるカイザーさんの顔を見上げた。
「か、カイザーさ……」
「――だったらなんだ」
「えっ…!?」
彼が発した肯定の言葉に驚きの声を上げる。
顔を真っ赤にしてまるで金魚のように口をパクパクする私を、何の曇りもない澄んだ青い瞳で見つめてくるカイザーさん。
吸い込まれそうなほど美しい青い瞳。その瞳が愛しげに細められ、心臓が大きく脈打った。
「ふーん。'あの'ミヒャがねェ……。そうかそうかァ……」
カイザーさんの返事が余程可笑しかったのか、ロレンツォさんは天を仰ぎ、不気味な声を漏らして笑い始めた。
ただでさえ普通にしていても不気味だというのに、その笑い声のせいで余計にその不気味さに拍車がかかっていた。
一頻り笑った彼はゆっくりと顔を戻し、目を細めてカイザーさんを見据える。
「――なら、お前諸共その大切なお姫様のこと……俺ががぶっと噛みちぎってやるよ、ミヒャ」
「……さっき忠告した筈だロレンツォ。'お前のその自慢の
試合前から一触即発な二人を余所に、私は密かにギュッとカイザーさんにしがみつくのだった――。
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