さあ、召し上がれ?
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「――んっ…誠士郎、くん…っ。ちょっと待って……っ!」
「やだ。待たない。早く紬を摂取しないと俺、死んじゃう」
「そ、そんなことで死にません…っ!!」
ふわふわの銀髪が頬を掠めてくすぐったくて思わず肩を竦めた。
まるで飼い主に甘える大型犬のように覆い被さり、首筋に顔を埋めてくる誠士郎くんの鍛え抜かれた厚い胸板を何とも弱々しい力で押しながら、私は必死に制止の声を上げた。…が、当の本人はまったく聞く耳を持ってくれないどころか、どんどん体を密着させてくる。
誠士郎くんの唇が触れる度、せっかくエアコンで冷やされた体が再び熱を持ち始める。
「ね、誠士郎くん。もう起きよ?お腹空いたでしょ?ごはんにしよ?」
「全然。っていうか、お腹空いたら紬のこと食べるから」
「…っ私は、ごはんでもありません!!」
そう言った途端、今までグイグイと迫ってきていた誠士郎くんはピタリと動きを止め、顔を覗き込んできた。
あともう何cmでお互いの唇が触れてしまうかもしれないほどの距離に、自然と顔に熱が集まる。
「俺にとって紬はこの世界で一番美味しいごはんだから。俺、紬がいれば他に何もいらないし」
「……じゃあ、ゲームもいらないの?」
ふにっと彼の柔らかい唇を人差し指で押して訊ねた。私の突然のこの行動に誠士郎くんは驚いたのか、僅かに目を見開いた。
今のはちょっとした仕返しだ。
ただでさえ整った顔なのに、その整った顔で平気で恥ずかしい言葉を言い放つものだから、こちらは毎回心臓が破裂しそうになっているということを、彼はちっとも分かっていない。
だからこそ彼にも自分と同じ気持ちを味わわせてやるのだ。
そこまで考えた後、青い監獄 という場所の影響なのか、それともそこにいる誠士郎くんを含めたエゴイスト達の影響なのかどうかは分からないが、自分も随分と性格が悪くなったものだと、心の奥底で苦笑を浮かべた。
自分でも分からないくらい彼に染まっているのかもしれない。
「――ひゃあっ!?」
今まで無言で私に唇を弄ばれていた誠士郎くんが、突然指をパクッと咥えてきた。
「ちょっ!!せ、誠士郎くん!?」
―ちゅっ、ちゅう、んちゅ…―
指に舌を絡め音を立てながら舐める誠士郎くん。
舐めながらこちらを窺うようにチラリと視線を寄越してくるその姿がひどく妖艶で、どんどん顔に熱が集まり鼓動も早くなっていく。
―チュッ…―
散々舐め尽くした誠士郎くんは最後に小さなリップ音を立てて口づけを落とすと、ようやく指を解放してくれた。
まだ放心状態の私を余所に誠士郎くんは、大きな手で頬を包み込み顔を覗き込んできた。
「青い監獄 にいるとさ、紬にこんな風にくっつけないじゃん。だから今のうちにいっぱいくっついてたいし、触っておきたいんだよね」
「え、えっと…その……あの……っ」
私を映す誠士郎くんの大きな双眸には、情欲の炎が宿りゆらゆらと燻っていた。
言葉が上手く紡げず、しどろもどろになってしまうのが情けない。そんな私を見て誠士郎くんは小さく笑みを浮かべ、コツンと額をくっつけた。
「本当は絵心 に、‘紬を俺専属のマネージャーにして’って、言いたいくらい」
「そ、それはいくらなんでも無理だよ……」
「でもさ、結果さえ残せば意外と聞いてくれそうじゃん?」
「絵心さんはそうでも、アンリさんは断固反対すると思うよ……」
私が青い監獄 に来ることになったのは他でもないアンリさんの要望によるもので、私が2人目のマネージャーになったのは絵心さんの独断と偏見によるもので……。
でもだからこそ、今こうして誠士郎くんと想い合うことが出来ているわけで……。
―まあ確かに、本当にちょっとイイ案かも……。―
なーんて言ったら調子に乗るから、絶対に言わないけど。
……やっぱり私、意地悪になったかも?
「ちぇー。せっかくイイ案だって思ったのに」
さっきまでの妖艶さはどこへやら。まるで子供のように、むすっと不貞腐れた表情を浮かべる誠士郎くんに、今度は私の方が思わず笑ってしまった。
「ふふっ、残念でした。ほら、早く起きよ?」
「……じゃあ尚更、今のうちに紬は俺のだってしっかり印付けて、レオや潔達にアピールしておかないと」
……ん?
「イタダキマス――」
パンッ!と小気味良い音をさせ手を合わせた誠士郎くんに対して、‘……がっついちゃダメ。ゆっくり召し上がってください’というのが、私の精一杯の抵抗だった――。
「やだ。待たない。早く紬を摂取しないと俺、死んじゃう」
「そ、そんなことで死にません…っ!!」
ふわふわの銀髪が頬を掠めてくすぐったくて思わず肩を竦めた。
まるで飼い主に甘える大型犬のように覆い被さり、首筋に顔を埋めてくる誠士郎くんの鍛え抜かれた厚い胸板を何とも弱々しい力で押しながら、私は必死に制止の声を上げた。…が、当の本人はまったく聞く耳を持ってくれないどころか、どんどん体を密着させてくる。
誠士郎くんの唇が触れる度、せっかくエアコンで冷やされた体が再び熱を持ち始める。
「ね、誠士郎くん。もう起きよ?お腹空いたでしょ?ごはんにしよ?」
「全然。っていうか、お腹空いたら紬のこと食べるから」
「…っ私は、ごはんでもありません!!」
そう言った途端、今までグイグイと迫ってきていた誠士郎くんはピタリと動きを止め、顔を覗き込んできた。
あともう何cmでお互いの唇が触れてしまうかもしれないほどの距離に、自然と顔に熱が集まる。
「俺にとって紬はこの世界で一番美味しいごはんだから。俺、紬がいれば他に何もいらないし」
「……じゃあ、ゲームもいらないの?」
ふにっと彼の柔らかい唇を人差し指で押して訊ねた。私の突然のこの行動に誠士郎くんは驚いたのか、僅かに目を見開いた。
今のはちょっとした仕返しだ。
ただでさえ整った顔なのに、その整った顔で平気で恥ずかしい言葉を言い放つものだから、こちらは毎回心臓が破裂しそうになっているということを、彼はちっとも分かっていない。
だからこそ彼にも自分と同じ気持ちを味わわせてやるのだ。
そこまで考えた後、
自分でも分からないくらい彼に染まっているのかもしれない。
「――ひゃあっ!?」
今まで無言で私に唇を弄ばれていた誠士郎くんが、突然指をパクッと咥えてきた。
「ちょっ!!せ、誠士郎くん!?」
―ちゅっ、ちゅう、んちゅ…―
指に舌を絡め音を立てながら舐める誠士郎くん。
舐めながらこちらを窺うようにチラリと視線を寄越してくるその姿がひどく妖艶で、どんどん顔に熱が集まり鼓動も早くなっていく。
―チュッ…―
散々舐め尽くした誠士郎くんは最後に小さなリップ音を立てて口づけを落とすと、ようやく指を解放してくれた。
まだ放心状態の私を余所に誠士郎くんは、大きな手で頬を包み込み顔を覗き込んできた。
「
「え、えっと…その……あの……っ」
私を映す誠士郎くんの大きな双眸には、情欲の炎が宿りゆらゆらと燻っていた。
言葉が上手く紡げず、しどろもどろになってしまうのが情けない。そんな私を見て誠士郎くんは小さく笑みを浮かべ、コツンと額をくっつけた。
「本当は
「そ、それはいくらなんでも無理だよ……」
「でもさ、結果さえ残せば意外と聞いてくれそうじゃん?」
「絵心さんはそうでも、アンリさんは断固反対すると思うよ……」
私が
でもだからこそ、今こうして誠士郎くんと想い合うことが出来ているわけで……。
―まあ確かに、本当にちょっとイイ案かも……。―
なーんて言ったら調子に乗るから、絶対に言わないけど。
……やっぱり私、意地悪になったかも?
「ちぇー。せっかくイイ案だって思ったのに」
さっきまでの妖艶さはどこへやら。まるで子供のように、むすっと不貞腐れた表情を浮かべる誠士郎くんに、今度は私の方が思わず笑ってしまった。
「ふふっ、残念でした。ほら、早く起きよ?」
「……じゃあ尚更、今のうちに紬は俺のだってしっかり印付けて、レオや潔達にアピールしておかないと」
……ん?
「イタダキマス――」
パンッ!と小気味良い音をさせ手を合わせた誠士郎くんに対して、‘……がっついちゃダメ。ゆっくり召し上がってください’というのが、私の精一杯の抵抗だった――。
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