ヤキモチを少々
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「――ふわぁ...!良い気持ちー!」
二週間のオフ。久しぶりの外の世界。
太陽の光というものは果たしてこんなに眩しかっただろうか。
陽光を体いっぱいに受け、暫しあの閉鎖的な空間から解放された喜びに浸る。
ショーウィンドウに映る、メイクをした自分の顔を見て小さく笑みを浮かべた。
青い監獄 で、ずっとマネージャー業(という名のパシリ)に追われていたから、メイクなんて本当に久しぶりにやった。
ブラシやビューラー片手に、どの色を合わせようかと悩みながらメイクをしている時の楽しさと言ったら…。
鏡の前で一人ファッションショーをしている時の楽しさと言ったら…。
これこそが健全な女子高生の姿だと、一人部屋の中でふんぞり返ったのだった。
「――なーに笑ってんの?」
「へっ!?」
横から声をかけられ驚きで肩が跳ねた。
その様子がおかしかったのか、声をかけてきた人物は 'びっくりしすぎ'と笑った。
「千切くん…っ」
青い監獄 にて結ばれた愛しい人は、途端にその美しい顔を歪めた。
「…また'千切'くんって呼んだ」
「あっ!…ご、ごめん!」
すぐに謝ったが、どうも彼の機嫌はそんな事では直らないらしく…。
「いい加減慣れて欲しいんだけど」
「ぅ……。ど、どうしても、いつもの癖が抜けなくて……」
「次、そう呼んだらペナルティーだから」
「えぇっ!?」
ぺ、ペナルティー!?
さっきの無邪気な笑いから打って変わって、今度は妖しげに笑うちぎ……豹馬くんに慌てる。
「あの、ペナルティーって…?」
「んー…例えばー……」
豹馬くんはそこで言葉を切ると、耳元に唇を寄せてきた。
「'千切'くんって呼ぶ度に……キス一回とか?」
「キッ…!?」
低く囁き、ふぅー…っと息を送り込んできたちぎ…豹馬くんに一気に体が発熱した。
呼ぶ度にキス一回なんて……そんなのこっちの身が持たない。
きっと恥ずかしすぎて途中で倒れてしまう。
「ま、俺としては紬とキス出来るから、それでもいいけど」
「っ…も、もうやめてぇ…!!」
「ふはっ!!ごめんごめん」
耐えきれなくなり頬を押さえ俯けば、豹馬くんはおもいっきり吹き出し、豪快に笑いながらヨシヨシと頭を撫でてきた。
これはこれで公開処刑を受けている気がしなくもないが、ボソリと呟かれた'ほんと可愛い'の言葉に、出かかっていた反論の全てを飲み込む事となった。
「…豹馬くんの意地悪」
「紬が可愛いのが悪いんだって」
「ほらぁ、そういうところ…」
免疫がない分あまりそういうことをさらりと言わないでもらいたい。
それにしても……
―…周りの目が痛い―
U-20日本代表との試合以来、豹馬くんを始めとする青い監獄 11傑は一躍有名人になった。
…その中でも特に女の子達からの人気は上々で、豹馬くんもその例に漏れず。
今こうして二人で歩いているだけでも豹馬くんへの熱い視線は止まず、それと同時に隣を歩く自分への敵意に満ちた視線もひしひしと感じた。
「…豹馬くん、あれ以来やっぱり人気だね」
「んー?あー、まあテレビ効果でねー」
「さっきから女の子達の視線、凄いよ」
豹馬くんの活躍が多くの人に知ってもらえるのは、勿論嬉しい。
でも…なんとなくモヤモヤしている自分もいて…。
なんだか、自分だけの豹馬くんじゃなくなってしまったような気がするのだ。
自分の中の嫌な自分が、'この人は私の彼氏なんだよ。私だけの豹馬くんなんだよ。だから見ないでよ'と、叫んでいた。
「千切くんのこと、好きになっちゃう子もいたりして」
ついにはこんな可愛くない言葉まで出てしまった。
一度ネガティブ思考になった頭はそう簡単に切り替わってはくれず、ぐるぐると回りながら負のループへと落ちていった。
せっかく豹馬くんの為にメイクしたのに…。
せっかく豹馬くんの為におしゃれしたのに…。
今の私……全然可愛くない……。
「――はい。ペナルティー」
「え…?……っ!?」
唇にやってきた柔らかい感触。
突然の事で何なのか分からなかったが、一拍遅れてそれが豹馬くんの唇だと分かり、体の全ての機能が停止した。
つまり今自分は、豹馬くんにキスされているという事だ。
「ひ、豹馬くん…っ!!い、今!!き、キスした…っ!!」
「うん。だって'千切'くんって呼んだし。ペナルティーです」
「…あっ!!」
しまった!!
今更何の意味もないが口を押さえた。
「でもこれで、俺のこと好きになっちゃった子も諦めるんじゃない?」
「へ…?」
パチパチと瞬きをする。
「だって俺ら、こーんなにラブラブだし。誰も割り込めないっしょ。つーか、割り込ませないから」
'俺の為におしゃれしてくれて、ありがと。こんな可愛い子が彼女で幸せ'と、美しすぎる笑顔を浮かべる豹馬くんに、さっきまでのネガティブ思考は遥か彼方へ飛んでいった――。
二週間のオフ。久しぶりの外の世界。
太陽の光というものは果たしてこんなに眩しかっただろうか。
陽光を体いっぱいに受け、暫しあの閉鎖的な空間から解放された喜びに浸る。
ショーウィンドウに映る、メイクをした自分の顔を見て小さく笑みを浮かべた。
ブラシやビューラー片手に、どの色を合わせようかと悩みながらメイクをしている時の楽しさと言ったら…。
鏡の前で一人ファッションショーをしている時の楽しさと言ったら…。
これこそが健全な女子高生の姿だと、一人部屋の中でふんぞり返ったのだった。
「――なーに笑ってんの?」
「へっ!?」
横から声をかけられ驚きで肩が跳ねた。
その様子がおかしかったのか、声をかけてきた人物は 'びっくりしすぎ'と笑った。
「千切くん…っ」
「…また'千切'くんって呼んだ」
「あっ!…ご、ごめん!」
すぐに謝ったが、どうも彼の機嫌はそんな事では直らないらしく…。
「いい加減慣れて欲しいんだけど」
「ぅ……。ど、どうしても、いつもの癖が抜けなくて……」
「次、そう呼んだらペナルティーだから」
「えぇっ!?」
ぺ、ペナルティー!?
さっきの無邪気な笑いから打って変わって、今度は妖しげに笑うちぎ……豹馬くんに慌てる。
「あの、ペナルティーって…?」
「んー…例えばー……」
豹馬くんはそこで言葉を切ると、耳元に唇を寄せてきた。
「'千切'くんって呼ぶ度に……キス一回とか?」
「キッ…!?」
低く囁き、ふぅー…っと息を送り込んできたちぎ…豹馬くんに一気に体が発熱した。
呼ぶ度にキス一回なんて……そんなのこっちの身が持たない。
きっと恥ずかしすぎて途中で倒れてしまう。
「ま、俺としては紬とキス出来るから、それでもいいけど」
「っ…も、もうやめてぇ…!!」
「ふはっ!!ごめんごめん」
耐えきれなくなり頬を押さえ俯けば、豹馬くんはおもいっきり吹き出し、豪快に笑いながらヨシヨシと頭を撫でてきた。
これはこれで公開処刑を受けている気がしなくもないが、ボソリと呟かれた'ほんと可愛い'の言葉に、出かかっていた反論の全てを飲み込む事となった。
「…豹馬くんの意地悪」
「紬が可愛いのが悪いんだって」
「ほらぁ、そういうところ…」
免疫がない分あまりそういうことをさらりと言わないでもらいたい。
それにしても……
―…周りの目が痛い―
U-20日本代表との試合以来、豹馬くんを始めとする
…その中でも特に女の子達からの人気は上々で、豹馬くんもその例に漏れず。
今こうして二人で歩いているだけでも豹馬くんへの熱い視線は止まず、それと同時に隣を歩く自分への敵意に満ちた視線もひしひしと感じた。
「…豹馬くん、あれ以来やっぱり人気だね」
「んー?あー、まあテレビ効果でねー」
「さっきから女の子達の視線、凄いよ」
豹馬くんの活躍が多くの人に知ってもらえるのは、勿論嬉しい。
でも…なんとなくモヤモヤしている自分もいて…。
なんだか、自分だけの豹馬くんじゃなくなってしまったような気がするのだ。
自分の中の嫌な自分が、'この人は私の彼氏なんだよ。私だけの豹馬くんなんだよ。だから見ないでよ'と、叫んでいた。
「千切くんのこと、好きになっちゃう子もいたりして」
ついにはこんな可愛くない言葉まで出てしまった。
一度ネガティブ思考になった頭はそう簡単に切り替わってはくれず、ぐるぐると回りながら負のループへと落ちていった。
せっかく豹馬くんの為にメイクしたのに…。
せっかく豹馬くんの為におしゃれしたのに…。
今の私……全然可愛くない……。
「――はい。ペナルティー」
「え…?……っ!?」
唇にやってきた柔らかい感触。
突然の事で何なのか分からなかったが、一拍遅れてそれが豹馬くんの唇だと分かり、体の全ての機能が停止した。
つまり今自分は、豹馬くんにキスされているという事だ。
「ひ、豹馬くん…っ!!い、今!!き、キスした…っ!!」
「うん。だって'千切'くんって呼んだし。ペナルティーです」
「…あっ!!」
しまった!!
今更何の意味もないが口を押さえた。
「でもこれで、俺のこと好きになっちゃった子も諦めるんじゃない?」
「へ…?」
パチパチと瞬きをする。
「だって俺ら、こーんなにラブラブだし。誰も割り込めないっしょ。つーか、割り込ませないから」
'俺の為におしゃれしてくれて、ありがと。こんな可愛い子が彼女で幸せ'と、美しすぎる笑顔を浮かべる豹馬くんに、さっきまでのネガティブ思考は遥か彼方へ飛んでいった――。
1/1ページ
