俺×エンリルギルス 現パロ

エンリルギルスと連絡先を交換しメッセージアプリで週に何度か少しのやり取りを続けていたある日エンリルギルスから「工房に招きたい」というお誘いを受ける俺
一瞬工房?と思ったがどこかの記事で自分の使う楽器を自作しているという内容があったことを思い出し納得した俺は二つ返事で返した。

当日最寄駅で待ち合わせをし、エンリルギルスに連れられたのは住宅街から少し外れた蔦植物が壁を彩る屋敷といった外観の建物だった。
こんな建物に無縁な俺はずんずん進むエンリルギルスに体を縮こませて付いていく、古い木製の床材なのに手入れが行き届いているのか軋むことものない廊下の突き当たり両開きの扉の前で
「ここが工房として主に制作に使用している部屋だ」
とエンリルギルスがようやく振り向く。

(……そういえば俺、あのエンリルギルスと待ち合わせまでして家…ではないけど招かれたんだよな)
と今更な実感がじわじわ湧いてくると扉の向こうの未知への期待とは違った胸の高鳴りを感じる俺そんな俺の心境を知ってか知らずかふ、と小さく笑ったエンリルギルスが扉をあける。

そこには俺が思い描いてた映画で見たような楽器の工房とは違い、木材と機械油と鉄の焼けた匂いと古書の匂いが混ざった空気と匂いに偽りのない制作台が複数と本棚が片面の壁を覆い尽くすほどであった。
それを見た俺は思った
「俺の浅学かわからないけど、思い描いていたのとは随分と違ってる…」
そしてうっかり声にも出てしまった。
それがまたおかしかったのか心底楽しそうに笑うエンリルギルスが
「招いた甲斐があった、好きに見てくれあまり片付けれていないがな」

と言い終わったとほぼ同時に今さっきくぐった扉が開いた。
二人きりじゃなかったのか…と少し気落ちする俺が振り向くと胸の高さより少し高いくらいの大きさの女の子……の姿形の人形がいて驚きに目を丸くする俺

「ありがとう、茶を淹れてたんだな。紹介する、俺が作った自律式の機械人形のガラテアだ」

名を呼ばれ手に持ったお盆を動かさないように器用にぺこりとお辞儀をする姿はテレビや動画なんかで見るAI搭載のメカとは比べ物にならないくらいスムーズな動作で…
「…えっ、さっきエンリルギルスが作ったって言った……?!?!」
個人でここまでの人形…ロボットが作れるものなんだろうか?!
驚いてる俺をよそにちゃっちゃと持ってきたお茶を部屋の端にあるテーブルに用意していくガラテアの姿を優しく見つめるエンリルギルス

「あぁ…趣味が高じて、な。プロトタイプから改良を重ねに重ねて今だ」
語る声色も優しく、俺は無闇にこの子の存在を公にしてはいけないと悟る。
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