俺×エンリルギルス 現パロ

彼が提案を飲んでくれて安堵した、無自覚に緊張していたらしく肩の力が予想以上に抜けた。

開演直後に緞帳が上がった時に会場を見渡し彼がいないことに気づいて思っていた以上の落胆が胸を占めたことに自分でも驚いたのが記憶に新しい、その後演奏中に客席で動く物が視界の端に映ったので演奏中の少しの隙で視線を向けると彼がいたと認識すると途端に歓喜に溢れてしまっていた。

自分はこれほどまでに身内以外で一人の人間を意識したことがあっただろうか、彼との繋がりを失いたくなくて奏者が観客の出待ちをするという凶行にまで走ってしまった。
中々現れない彼に初めて会った時も最後まで残っていたと話していた事を思い出し客席へと向かうと瞳を閉じて席に沈み込む彼がいた。

高鳴る胸を抑えながら声をかけて開かれた目が俺だけを写しているこの空間に何故か充され落ち着く感覚を不思議に思いながら連絡先の交換をした。

ここで彼の名を初めて知りそういえばついこの間会ったばかりでお互いの名前も知らなかったなと自分の急くばかりの気持ちに呆れてしまった。
それほどまでに俺は…
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