短編集
サリー「あら、雨だわ」
墓場へと訪れていたサリーは何やら鼻先に冷たい物が当たる感触を感じ頭上を見つめた
知らぬ間にしとしとと雨が降り始めていたのだ
もはや恒例行事ともいえる行為、イヌホオズキを採取していたのだがそちらに意識を集中させていた為か全く気付かなかった
サリー「このままじゃ濡れちゃうわ、早く帰らないと」
採取したイヌホオズキをバスケットへと仕舞いこむとサリーは立ち上がるや否や足早にハロウィンタウンへと歩を進めだした
墓場の奥まで進んでいた為ハロウィンタウンまではまだ距離がある
足早に進むも雨は次第に激しさを増し、サリーの全身を濡らしていく
このままじゃずぶ濡れね
そう考えたサリーは近くに見えた木の下へと駆け込んだ
その木は大きく枝をひろげ、サリーを雨から守るなど容易いほどだった
湿った髪に軽く触れ、空を見つめる
太陽はすっかり身を潜め大粒の雨が大量に降り注ぐ
サリー「暫く止みそうにない…困ったわね」
イヌホオズキを採取してすぐに戻るつもりでいたサリーはどうしようかと困り果てていた
あまり長く留守にしてしまっては博士に気付かれてしまうかもしれない
そうなればまた部屋に閉じ込められてしまい囚われの身だ
ジャック「サリー?」
考えこんでいたサリーはふと聞こえた声に顔をあげる
そこには傘を差し此方を不思議そうに見つめているジャックの姿があった
ジャック「こんな所でどうしたんだい?」
サリー「ああ、ジャック…急に雨が降って来たから雨宿りしているの、貴方は?」
ジャック「僕はちょうど今仕事から戻って来たところだよ、馬車でそこまで送ってもらったんだけど雨が降っているからと傘をもらってね」
笑って告げる彼の手にはこうもり傘
住人達が使う物とは違い小さな穴一つなくしっかりとした造りで骨の手が握る手元には大都市であるオクシエントにあるセルヴログの紋章が刻まれている
それを見るやそういえば仕事でオクシエントに出張すると言っていた事をサリーは思い出した
すると目の前に細い骨の手が差し出された
見上げるとジャックが此方へと笑顔を向けている
ジャック「雨は暫く止みそうにないし風邪をひくかもしれない、よかったら送らせてくれないかな」
サリーは大きな目を数度瞬かせジャックの顔と手を交互に見やる
そして暫くの前をあけ差し出された骨の手に自らの手をそっと重ねた
雨が滴る墓場の中に二人の足音が響く
バスケットを抱えるサリーの横に並び傘を差すジャック
ジャックはオクシエントでの様々な出来事を楽しそうにサリーに告げる
そんな彼の言葉を耳にしながらサリーは時折その嬉しそうな笑顔を見上げては幸せそうに笑みを浮かべる
そんな二人だけの時を楽しみながら歩を進めていると視界にハロウィンタウンの入り口、門が見えた
ああ、もう街へついてしまった
2人きりの時間ももう終わりか
サリーはそう考え寂し気な表情を浮かべた
この門を越えれば研究所は目と鼻の先
するとジャックが突然足を止めた
それに少々遅れて気付いたサリーはどうしたのかと彼に視線を向ける
ジャックは少し考えこみ、何やら思い付いたようにサリーへと声をかける
ジャック「もう街についてしまうね、けどまだまだ喋り足りないんだ…君さえよければ」
もう少しだけ一緒に歩かないかい?
その言葉を耳にしたサリーは本当に嬉しそうに、明るい笑顔を咲かせ頷いた
ジャックは彼女の小さな手を取り、二人は街に背を向け来た道を戻りだした
大きな傘に隠れた彼らの姿は見える事はなかったが、そこからは2人の笑い合う声が聞こえた
墓場へと訪れていたサリーは何やら鼻先に冷たい物が当たる感触を感じ頭上を見つめた
知らぬ間にしとしとと雨が降り始めていたのだ
もはや恒例行事ともいえる行為、イヌホオズキを採取していたのだがそちらに意識を集中させていた為か全く気付かなかった
サリー「このままじゃ濡れちゃうわ、早く帰らないと」
採取したイヌホオズキをバスケットへと仕舞いこむとサリーは立ち上がるや否や足早にハロウィンタウンへと歩を進めだした
墓場の奥まで進んでいた為ハロウィンタウンまではまだ距離がある
足早に進むも雨は次第に激しさを増し、サリーの全身を濡らしていく
このままじゃずぶ濡れね
そう考えたサリーは近くに見えた木の下へと駆け込んだ
その木は大きく枝をひろげ、サリーを雨から守るなど容易いほどだった
湿った髪に軽く触れ、空を見つめる
太陽はすっかり身を潜め大粒の雨が大量に降り注ぐ
サリー「暫く止みそうにない…困ったわね」
イヌホオズキを採取してすぐに戻るつもりでいたサリーはどうしようかと困り果てていた
あまり長く留守にしてしまっては博士に気付かれてしまうかもしれない
そうなればまた部屋に閉じ込められてしまい囚われの身だ
ジャック「サリー?」
考えこんでいたサリーはふと聞こえた声に顔をあげる
そこには傘を差し此方を不思議そうに見つめているジャックの姿があった
ジャック「こんな所でどうしたんだい?」
サリー「ああ、ジャック…急に雨が降って来たから雨宿りしているの、貴方は?」
ジャック「僕はちょうど今仕事から戻って来たところだよ、馬車でそこまで送ってもらったんだけど雨が降っているからと傘をもらってね」
笑って告げる彼の手にはこうもり傘
住人達が使う物とは違い小さな穴一つなくしっかりとした造りで骨の手が握る手元には大都市であるオクシエントにあるセルヴログの紋章が刻まれている
それを見るやそういえば仕事でオクシエントに出張すると言っていた事をサリーは思い出した
すると目の前に細い骨の手が差し出された
見上げるとジャックが此方へと笑顔を向けている
ジャック「雨は暫く止みそうにないし風邪をひくかもしれない、よかったら送らせてくれないかな」
サリーは大きな目を数度瞬かせジャックの顔と手を交互に見やる
そして暫くの前をあけ差し出された骨の手に自らの手をそっと重ねた
雨が滴る墓場の中に二人の足音が響く
バスケットを抱えるサリーの横に並び傘を差すジャック
ジャックはオクシエントでの様々な出来事を楽しそうにサリーに告げる
そんな彼の言葉を耳にしながらサリーは時折その嬉しそうな笑顔を見上げては幸せそうに笑みを浮かべる
そんな二人だけの時を楽しみながら歩を進めていると視界にハロウィンタウンの入り口、門が見えた
ああ、もう街へついてしまった
2人きりの時間ももう終わりか
サリーはそう考え寂し気な表情を浮かべた
この門を越えれば研究所は目と鼻の先
するとジャックが突然足を止めた
それに少々遅れて気付いたサリーはどうしたのかと彼に視線を向ける
ジャックは少し考えこみ、何やら思い付いたようにサリーへと声をかける
ジャック「もう街についてしまうね、けどまだまだ喋り足りないんだ…君さえよければ」
もう少しだけ一緒に歩かないかい?
その言葉を耳にしたサリーは本当に嬉しそうに、明るい笑顔を咲かせ頷いた
ジャックは彼女の小さな手を取り、二人は街に背を向け来た道を戻りだした
大きな傘に隠れた彼らの姿は見える事はなかったが、そこからは2人の笑い合う声が聞こえた
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