美麗なる舞姫
ブギー「ぶははははははははははははははははっっっ!!!!!」
広場に響く程のブギーの笑い声
その場に残っていた少数の者達は驚き思わず視線を向ける
見えたのは何やら腹を抱え余程面白い事でもあったのか大爆笑のブギーとそんな彼の前で腕を組み不愉快そうな表情を浮かべているジャックの姿
何が起こったのか気になってしまう
しかし距離が離れている為、2人の会話は皆の耳に届く事はなかった
ブギー「お、おま…面白すぎるだろうが!」
ジャック「だから言いたくなかったんだ!」
まさに予想通りの反応をされてしまいジャックは笑い過ぎだ!とブギーの腕を強めに叩いた
しかしその痛みよりも笑い過ぎたのか腹を押さえ苦しい苦しいと息絶え絶えと言った様子のブギー
ここまで笑われてしまってはどうにも面白くない
ジャックは突然飛び掛かるとブギーの腹部に長い足をめり込ませた
すっかり油断していたブギーはその攻撃をまともに食らい数m先まで吹っ飛び転がっていく
しかしそれだけで怪我や気絶などするはずもなく、ブギーはすぐさま立ち上がると怒声をあげた
ブギー「いってぇな何しやがる!」
ジャック「いつまでも馬鹿みたいに笑っているのが悪いんだろ!」
ブギー「んなもん笑うに決まってんだろが!鈍い鈍いとは思ってたがまさかそのおかげで助かりましたなんて聞かされたらしょうがねぇだろ!」
ドカドカと突き進んできたブギーは素早くジャックの丸い頭を引っ叩いた
思わず痛い!と声があがる
ジャック「じゃあ聞くけどお前はどうなんだ!お前も彼女に触られたって言ってたじゃないか!それなのに同じように無事だったのは何故か言ってみろ!」
ブギー「はっ!そんな事かよ!確かにいい女だとは思うしというか女は好きだがな!別に恋したいだの愛したいだの思わねぇしそもそもんな感情なんざ持ってねぇんだよ!つーか女ってのは眺めて触って楽しむもんだろが!」
ジャック「うわ最低だなお前!!」
とうとうその場で二人が物理という名の争いを始めてしまった
ようやく平和を取り戻した街中が再び騒がしくなる
町長「わああああ!二人ともそこで暴れては困りますよ!これ以上街を壊すような事は」
ブギー「うるせぇお前はお呼びじゃねぇ引っ込んでろ!!」
ジャック「町長はっきり言って邪魔です!!」
仲裁に入るためきた慌てて駆け寄ってきたメイヤーだったが、ブギーのみならずジャックからも怒声を浴びその顔を悲観の表情に変えてしまう
その様子をただ呆然と眺めていたフールと男達はメイヤーと同じく仲裁に入るべきなのかと一瞬悩む
しかし二人の暴れる光景を見てそんな最中に飛び込む勇気などありもしなかった
サリー「…はぁ」
ジャックを待っていたサリーは2人の抗争に気付くと、また始まってしまったと困り果てている様子
ロック「親分頑張れーっ!」
ショック「ジャックなんか軽くぶっ飛ばしちゃえーっ!」
バレル「けどジャックに勝てるのかなぁ…」
ロ・ショ「「バレル!!」」
バレル「…勿論親分が勝つに決まってるよ!負けるな親分ーっ!」
暇そうに広場をうろついていた小鬼達が2人が争う姿を目撃すると駆け寄り声援を送り始めた
…これはもう暫く待つ事になりそうだわ
小鬼達が暴れた際に破損した噴水の縁に静かに腰を下ろすと1人溜息をこぼし夜空を見上げた
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