欺瞞の薔薇




何処までも続く長い道

月明かりのみが照らす夜道を走るのは1人の男

その足は止まる事はなく

素早く地を蹴りただひたすらに前へと突き進む



男の息は酷く乱れその顔は苦痛に歪む

その身体にはいくつもの傷

男が進むにつれ突き刺すような痛みが走る



男が振り返るとそこには暗闇に浮かぶ赤

轟々と燃えるその焔が男に巨大な影を落とす



その姿は巨大な悪鬼

上げられた大きな腕には太く巨大な剣


男の眼窩がそれに気付く

悪鬼は男を見下ろしその腕を振り下ろした
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