矮小猫のおまじない
箱を抱えたロック、ショック、バレルの3人は迷いの森を抜け尚も走る
暫くして辿り着いたのは彼らの住む家
その中に駆け込み部屋へと一目散
ロック「やったやった!」
ショック「本当ならあそこでジャックをやっつけちゃうはずだったけどね!」
バレル「お宝の方がずっと面白そう!」
3人は部屋へと戻るなり声をあげ喜んだ
当初の目的は昨日考えていたジャック討伐作戦の実行であったが、宝の話を耳にして急遽作戦を変更していたのだ
そして見事に目的の箱を奪う事に成功した
3人は早速中身を確認しようと箱に手をかける
しかしどれだけ力を入れようとも開く事はない
1人では開かず2人、3人と力を合わせるも箱は相変わらず閉じられたままだった
ロック「うーん…開かないなぁ」
ショック「鍵なんて持ってないし…もう箱を壊せばいいんじゃない?」
バレル「そうだそうだ壊しちゃおう!」
3人は意地でも箱をあけようと壁にかけられた様々な器具を用いて箱に挑むこととなった
ブギー「…何やってんだお前ら」
偶然小鬼達の部屋の前を通りかかったブギーは思わず足を止めた
そこに見えたのは小さな箱にありとあらゆる器具を用いて挑む小鬼達の姿
どんな手を使っても箱は開く事はなく3人は力尽きてその場に倒れ込んでしまう
ロック「だめだーっ開かない!」
ショック「なによこれー!頑丈すぎ!」
バレル「疲れたぁ~…あ、親分ー!」
ブギーの姿に気付いたバレルが起き上がって足元へと駆け寄ってくる
ブギー「なんだ?あの箱は」
バレル「ジャックが持ってた箱なんだけど奪ってきたんだ!」
ブギーは室内に入ると床に転がる小さな箱を持ち上げた
古い物のようで錠前がついている
その錠前には見慣れない紋章
しかしその紋章に触れるとブギーは顔を顰めた
何の紋章かはわからないが魔力が込められている物だった
そうなるとこの小さな箱の中には面倒な物が入っているのだろう
ブギーはそう考え箱を持ち歩き出した
それを見た小鬼達が慌てて声をかける
ロック「親分それ何処に持っていくの!?」
ショック「アタシ達が見つけたのにー!」
ブギー「これはお前らが開けられるような代物じゃねぇんだ、俺が預かっておいてやるよ」
そう告げ箱はブギーに没収される事となった
小鬼達は顔を見合わせつまらなそうに器具を放り投げた
一方ジャック達は迷いの森を抜けハロウィンタウンへと戻って来た
未だにすっかり落ち込んでいる子供達を見てジャックは困り果てていた
楽しかったはずの宝探しが小鬼達の出現により全て台無しだ
ジャックは少しお灸をすえないといけないなとブギーの元へ立ち寄る事を考える
するとそこでジャックを呼ぶ声が遠くから聞こえた
振り返るとメイヤーが手を振り此方へと歩いてい来る姿
町長「子供達も揃ってどうかしたんですか?」
ジャック「まぁ、色々ありまして…そうだ!町長、彼らの事を頼んでもいいですか?」
町長「え、いいですけど」
メイヤーの許可を得ると同時にジャックは子供達に向き直り優しい口調で語り掛ける
ジャック「君達、宝の事は僕が何とかするから元気を出しておくれ」
そう言って似たような背丈の子供達の頭を撫でる
すると子供達は悲し気な表情を引っ込め、ジャックに笑顔を向けた
コープス「…うん、ジャックに任せれば大丈夫だよね!」
マミー「だってジャックだもん!絶対取り戻してくれるよ!」
バッド「ジャックの言う事信じる!」
明るい表情をようやく見せた子供達にほっと安堵したジャックは彼らを町長に任せ走り出した
目指すは小鬼達が戻ったであろうブギーの家
残されたメイヤーは何が起こったかわからずとりあえず子供達に声をかける
町長「一体何がどうなってるんです?」
コープス「宝探ししてたら本当に宝みつけちゃって!」
マミー「奪われちゃって!」
バッド「ジャックが取り返してくれる!」
彼らの話を聞いてもメイヤーはいまいち理解できず1人首を傾げていた