蠱惑の糸




ブギー「一体どうなってやがるんだ…」

ブギーは一人、ハロウィンタウンへの道を歩きながら呟く

頭に浮かぶ一つの疑問
それはジャックのおかしな行動についてだった


それに気付いたのは少し前
自分の家へと戻る最中のあの出来事から





ブギー「あいつ、何慌ててんだ…?」

慌てて走り去るジャックを見て首を傾げる
道で堂々とすれ違ったのに自分を無視するジャックを不思議に思った
いつもならば向こうから声をかけてくるはずなのだが

まぁ無視というよりは自分の存在に全く気付いていなかったようだが

とにかく家へ
そう思い歩いていくとブギーの眼前に小鬼達の姿
だが様子がおかしい

よく見るとバレルがひどく咳き込んでいる


ブギー「おい、どうした」

声をかけるとそれに気付いたロックとショックがブギーの元へ駆け寄る

ロック「親分!ジャックは?近くにいなかった!?」
ブギー「あーさっきすれ違ったな。どっか行っちまったが…それがどうかしたのか?」

その言葉を聞いて二人は安堵した

ブギー「それよりバレル。お前どうしたんだ?」

バレルに歩み寄り様子を伺う
目立った外傷はないがひどく咳き込み、ブギーを見上げながら必死に呼吸を整えている

ショック「さっきジャックと会ったのよ。それでバレルが死ぬところだったわ!驚いたわよ!」

それを聞いて益々意味が分からないといった表情を見せる
この小鬼達はよく悪戯をしては住人を困らせてジャックに叱られてはいる、が

死ぬところだったとはどういう事だ?
あのジャックがそこまでの暴力をふるうとは考えにくかった

ブギー「死ぬだ?ちょっと大げさなんじゃねぇか?」
ロック「本当なんだ!ジャックがここに来て今何時だって聞いてきたから昼だって答えたんだよ。そしたら急にバレル捕まえて凄く怒って!」
ショック「すっっっごく怖かったんだから!」

時間を聞いただけで激怒、これが本当ならおかしな事だ
けれどこの様子からするとジャックがバレルに何かをしたのは明らかだった

ブギー「まぁ、お前らが俺に嘘つく理由なんかねぇか…よし、お前らバレルを連れて家に戻ってろ」
ロック「親分はどうするの?」
ブギー「ジャックを探しに行くんだよ。理由によっちゃぁあの真ん丸髑髏をぶん殴る」


2人の頭を軽く叩き、バレルと共に家へと向かわせる
1人残されたブギーは頭を軽く掻き

ブギー「と言ってもアイツがどこに行ったかなんてわかんねぇよなぁ…」

このまま考えていても埒が明かない
とにかく彼が向かう確率の高い場所から探る事とし、ブギーはハロウィンタウンへと向かった
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