太宰さんは参謀になりました。
山崎side
「太宰ぃいい!!!お前は何時になったら書類を纏めるんだァ!?あァ?」
「まぁまぁひじかーたくーん、そんなに怒ると頭にマヨネーズが上り詰めて爆発しちゃうよ」
「どういう意味だゴラァァァァ!!!!!」
もはや日常茶飯事であるこの会話を聞き、僕は今日も縁側沿いの廊下にて真選組の鬼の副長から逃げ惑う真選組の参謀、太宰さんを見た。
2年前に真選組の参謀として入隊する事となった太宰治さん。
僕から見た最初の印象は、”変人”だった。
灰色を基調とした浴衣に黒の袴、その上から砂色の茶羽織を纏っており……そこまでは良かった。
よく見ると、首に巻かれた包帯が見え、腕にも同じように巻かれた包帯が袖からチラつかせていた。
怪我でもしたのかなと思ったが、其れはにしては随分大怪我なのでは?と思ってしまった。
そして、恐らく読みながら屯所まで歩いてきたのか手に持ち未だに読み続けて歩いている赤い本。
あの大怪我の原因はこれか、と僕は確信した。
真選組屯所に着いた彼は、入口に出迎えていた局長_近藤勲、真選組鬼の副長_土方十四郎、一番隊隊長_沖田総悟…そして僕に気づき歩く足を止めた。
「おや?もしかして此処が真選組という所かい?」
気になっていた本に目を向けてみると
其の赤い本の表紙には『”完全自殺本”』と書かれていた。
え?完全自殺本…?
自殺?
一体なんて本を読んでいるんだ…
それを見た他の三人も反応に困ったのか珍しくあの沖田さんまで真顔になっていた。
「…あ、あぁ!そうだよ。
えっとー…君がとっつぁんから直々に派遣されたという、太宰治くん…かな…?」
「とっつぁん?あぁ、松平長官の事か」
少し空いてしまった間に慌てて局長がその男に話し掛ける。
すると、彼はパタッと本を閉じ、薄笑いをした。
「えぇ、如何にも。
私の名は太宰、太宰治だ。
これからよろしくお願い致しますね」
「え、あの…局長…あの人大丈夫なんですか!!?何か手にとんでもない題名の本を持ってるんですけど?!!!」
「珍しく山崎に同感だ、何なんだ彼奴は」
「そんなの読んで楽しいんですかィ?」
僕に続いて、副長、沖田さんが云う。
それに対し、彼はこう云った。
「ん?あぁ!これはね、今から行う新たな自殺法についておさらいをしているのだよ」
「「「「……は?」」」」
僕たち真選組には、新たに個性の強い自殺愛好家が加わりました。
「太宰ぃいい!!!お前は何時になったら書類を纏めるんだァ!?あァ?」
「まぁまぁひじかーたくーん、そんなに怒ると頭にマヨネーズが上り詰めて爆発しちゃうよ」
「どういう意味だゴラァァァァ!!!!!」
もはや日常茶飯事であるこの会話を聞き、僕は今日も縁側沿いの廊下にて真選組の鬼の副長から逃げ惑う真選組の参謀、太宰さんを見た。
2年前に真選組の参謀として入隊する事となった太宰治さん。
僕から見た最初の印象は、”変人”だった。
灰色を基調とした浴衣に黒の袴、その上から砂色の茶羽織を纏っており……そこまでは良かった。
よく見ると、首に巻かれた包帯が見え、腕にも同じように巻かれた包帯が袖からチラつかせていた。
怪我でもしたのかなと思ったが、其れはにしては随分大怪我なのでは?と思ってしまった。
そして、恐らく読みながら屯所まで歩いてきたのか手に持ち未だに読み続けて歩いている赤い本。
あの大怪我の原因はこれか、と僕は確信した。
真選組屯所に着いた彼は、入口に出迎えていた局長_近藤勲、真選組鬼の副長_土方十四郎、一番隊隊長_沖田総悟…そして僕に気づき歩く足を止めた。
「おや?もしかして此処が真選組という所かい?」
気になっていた本に目を向けてみると
其の赤い本の表紙には『”完全自殺本”』と書かれていた。
え?完全自殺本…?
自殺?
一体なんて本を読んでいるんだ…
それを見た他の三人も反応に困ったのか珍しくあの沖田さんまで真顔になっていた。
「…あ、あぁ!そうだよ。
えっとー…君がとっつぁんから直々に派遣されたという、太宰治くん…かな…?」
「とっつぁん?あぁ、松平長官の事か」
少し空いてしまった間に慌てて局長がその男に話し掛ける。
すると、彼はパタッと本を閉じ、薄笑いをした。
「えぇ、如何にも。
私の名は太宰、太宰治だ。
これからよろしくお願い致しますね」
「え、あの…局長…あの人大丈夫なんですか!!?何か手にとんでもない題名の本を持ってるんですけど?!!!」
「珍しく山崎に同感だ、何なんだ彼奴は」
「そんなの読んで楽しいんですかィ?」
僕に続いて、副長、沖田さんが云う。
それに対し、彼はこう云った。
「ん?あぁ!これはね、今から行う新たな自殺法についておさらいをしているのだよ」
「「「「……は?」」」」
僕たち真選組には、新たに個性の強い自殺愛好家が加わりました。
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