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魚人島にてジョーとロジャー達が別行動をして合流したのは一夜明けた翌日のお昼ごろで、いつも通りロジャーとおでんは二日酔いでゲッソリした顔をしている。レイリーとロシナンテはしっかりとセーブして飲んでいた様で問題はなくジョーは二人から別行動した後の話を聞いた。
四人…と言うよりロジャーが何の躊躇も迷いもなく竜宮城へ向かいネプチューンを呼んだのだが兵士たちが国王を馴れ馴れしく呼ぶ人間にいい顔をする訳もなく、多くの兵士たちに危険人物として囲まれたりしたのだが結果的にネプチューン本人が出て来た事でロジャー本人である事に大いに驚きながらも竜宮城へ招き入れた。
そこで三人の王子を紹介した際にロジャーが言った「もじゃもじゃ姫はいねぇのか?」の言葉に王子達が過敏に反応しネプチューンは「もじゃもじゃしておらんわ!」と憤慨した。その返しにロジャーは何処かガッカリした雰囲気を出したものの死んだと思っていたロジャーが訪ねてきた事もあり宴会を開く事になった。
宴会の途中でネプチューンが姫の「しらほし」を紹介し想像以上の大きさに「デケェな!」と言い、レイリーは過去の会話を思い出しながら「彼女がポセイドンか…」と思ったりした。
そして大盛り上がりした結果が現在でありロジャーとおでんは死にそうな顔をしながらジョーと合流を果たしたのである。
「ゔおぉぉおぉ…」
「あだまがいでぇぞぉ…」
「ゾンビみてぇだ…」
「二人がこうなるのは何時もの事だな」
『ロシィとレイリーくんを見習って飲んで欲しいものだね』
「わははっ!二人に言っても意味ないだろう!」
『学習能力低すぎないか?』
「ロジャーとおでんだからな」
「ジョーさんは別れた後何してたんだ?」
『やっぱりシャンクスくんへの手土産が少ないと思って買い足していたよ』
などなど…シャーリーの元へ行った事は伏せて互いにやっていた事を話している間も二日酔いで死にそうなロジャーとおでんは会話に入る事なく唸っており「治してくれぇ…」とジョーに頼んでいる。ジョーは心底呆れたように
気持ち悪さと頭痛がなくなった二人は元気一杯になりペラペラと宴会であった事をウマヘビの居る場所へ移動しながらジョーに話し彼も興味深そうに聞いている。話し終える前にウマヘビの居る場所に着き上陸時同様にジョーはロジャーとおでんに引っ張られる形で船へと戻り全員が乗船して彼らは魚人島を抜け新世界へ進んだ。
*
**
***
ウマヘビのお陰で深海で海獣に襲われる事もなく順調に新世界入りを果たした面々は、ここからシャンクスのビブルカードを頼りにこの大海原を進む事となる。
新世界がいかに危険な海なのか知っているジョー以外の面々はちゃんとした航海士がいない中、専門ではないものの一応ログポースを読む事などは出来るレイリーに任せる事に。それゆえ以前シャンクス達と新世界に来た時にベックマンから譲り受けた三針あるログポースをレイリーに渡したジョーにレイリーはジョーが持っている事に驚いている。
「まさかジョーさんがこのログポースを持っているとは…」
『まぁそれも譲り受けたものだけどね』
「あー…シャンクスからか?」
『そうそう、シャンクスくんのとこの副船長からね』
「流石に新世界をコレなしでは厳しいだろうしな」
『と言われてもソレの使い方さっぱりだったけれどね』
「……持っている意味がなかったと」
『そうなるね』
レイリーの言葉にジョーが素直に頷けばレイリーは何とも言えないような表情をするも「ジョーさんだしな」と思うことで複雑な心境を押し殺した。そんな会話を聞いていたロジャー達は「そもそもウマヘビに乗っていたらログポースなんてあってない様な物だろうな」と思っていたりする。
何より今回はシャンクスのビブルカードがあれば向かう方向など見失う事はないのだがらある意味ログポースを必要としないだろう。それはそうとして正直ジョーがログポースを持っていたところで何の意味もない為レイリーが持っていた方が良いのは間違い無いのは確かだ。
新世界に入ってから数日、特にサイクロンやらに見舞われる事なく順調に進む事が出来ているものの楽しみが全くない事でロジャーとおでんはぐで〜んとだらけている。他の三人、ジョー・レイリー・ロシナンテは新聞を読んだり読書したりとそれぞれが自由な時間を過ごしているが体を動かす方が好きな二人は暇を持て余していた。
「あ〜暇だぁ〜」
「そうだなぁ〜…」
「お前達も新聞を読んだりすれば良いだろう」
「俺は今体を動かしてェんだ!」
「おれもだ!体が疼いてたまらん!!」
『もっと海賊とかに襲われるかと思ってたけどそうでも無いよね』
「巨大な影の上にある船に近づく奴は物好きだけだと思うぜ…」
『あー…なるほど。ウマヘビのお陰でこんな平和に進めるんだね』
「どちらかと言えば海軍が我らを保護しようと近づいてくるかもしれんな」
「確かに…海王類の上に一般の船がいたら助けようとするかもな」
『ロシィが言うと信憑性が高いなぁ…』
「海軍が来たらそれはそれで戦い甲斐がありそうだな!」
「新世界を管轄するのだからそれなりの腕っ節はあるだろう!」
「兄貴!この状況で遭遇したら戦うからな!」
『まぁ万が一海軍に遭遇してしまったら問答無用で沈めるしかないしね』
そうケロリと何とも思っていなそうに言うジョーを見た元海兵であったロシナンテは「誰も近づいてくれるな」と内心思う。ロジャーとおでんはジョーが戦いに出ることを断固拒否しなかった事に驚きながらも海賊でも海軍でも来たら戦える事に「楽しみだ!」と言いたげだ。レイリーだけは来ようが来まいが何方でも良いとい姿勢で彼らの様子を静観しているが戦うとなったら容赦はしないだろう。
そんな会話をしていたのも束の間、晴天だった青空が徐々に雲行きが怪しくなって行き風も強く吹き始め間違いなく嵐が来る兆候が現れ出す。ジョー以外の四人が「荒れるぞ」と思っている間にも一気に雨風が吹き荒れ、高波が押し寄せてきてウマヘビの頭に固定されているとは言え揺れる。
その揺れと雨に打たれるのを何とも嫌そうな顔をするのはジョーで、そそくさと船の中へ戻り濡れた服を乾かしてからソファにどっかり座る。他の四人も普通の船とは違い舵を何とかしなければならないとかそう言った事はないためジョー同様に船内へ入りハリケーンが過ぎるのを大人しく待つしかない。
「あっという間に海が荒れたな!」
「これぞ新世界の醍醐味だ!」
『新世界ってこんなに荒れるものなんだね…』
「ジョーさんもこっちに来た時少なからずあったのではないか?」
『ううん?一回もなかったよ』
「マジでか…ジョーさん運良すぎねェか…?」
「俺も我が兄貴ながら思うぜ」
「ジョーは強運の持ち主なのかもしれんな!」
「確かにあの巨大亀を見つけられた経緯を聞いても強運であると言えそうだ」
「アレのお陰でロジャーを匿えている訳だしな」
『そうかな…別に強運だなって思った事はないけど…』
「まぁ本人は実感しねェもんだろ!たぶん!」
ロジャーの言葉に「確かに?」と思うジョーであるが、よくよく思い返してみれば偶々とは言え亀助を発見出来たのは身を隠す側からすればかなり有難いことである。今では甲殻一族が亀助の周りを囲むように陣取っている事もあり万が一海軍が接近しようものなら亀助の息子である亀郎から報告が上がり完全鉄壁と言っても過言ではない。
最悪見つかりそうになっても亀助の
そんな会話をしつつそれぞれが好き好きに過ごす事しばらく…荒波に揺られていた船が落ち着いたことで嵐の中から抜けた事を皆が知る。
ロジャーとおでんは室内でじっとしているのが窮屈なようで嵐を抜けたのを良いことに外へと出て行き何やらするようだ。他の三人は相変わらずのほほんとした空気を出しながら読書したりなんだりしてまったりした空間が出来上がっている。
『後どれくらいでシャンクスくんの元へ着くかな』
「普通の船であれば相応の時間が掛かるだろうがウマヘビであるからそう掛からないのではないか?」
「俺もそう思うぜ」
『そう言うものなんだね』
「まぁ何事もなければ、の話だがね」
「新世界じゃあ何があるか分からねェもんな」
「今回の様に突然嵐に見舞われる事もある」
『そっか…出来ればもう嵐には遭いたく無いけれどなぁ…』
「そりゃそうだろうな…俺も嫌だし」
「誰しも嵐に遭いたい者などいないさ」
などなど話をしている三人の耳に「ブルヒヒン!!」と言うウマヘビの鳴き声が聞こえたかと思えばドッカーンッ!!と言う爆音も響いてくる。
その音に三人は顔を見合わせてから直様甲板へと出ればロジャーとおでんが襲って来たらしい海賊船を沈めた後であった。沈められた海賊船からは阿鼻叫喚の叫び声が響いて来ているがウマヘビが止まる訳もなくその横を通る事で波が立って更に呑まれていく海賊船。
ロジャーとおでんは「大した事ねぇなぁ!」やら何やら言っており、それを見たジョーとロシナンテは「そりゃそうだろ」と思ったり。レイリーも二人を相手にしては大体の海賊が手も足も出ないだろうと思うものの特に指摘する事はなく鬱憤が晴れた様子の二人をただ黙って見た。
この後も暴れられる機会があるかと期待したロジャーとおでんであったがそれ以降、海賊にも海軍にも遭遇する事なく穏やかな大海原を進むのだった。
*
**
***
更に数日…。
何の問題も起こらず進む彼等であるが、やはりと言うべきかロジャーとおでんは暇過ぎて死にそうになっていた。時たま海賊船を見かける事はあってもウマヘビの影を見てか近づいて来るはずもなく、ここ数日何もする事がない二人は以前同様にぐでーんと
そんな中珍しく外に出て来ているジョーは顔を半分出して泳いでいるウマヘビの頭の上に直に座り水平線をじっくりと眺めていた。何がある訳でもないのだが室内にずっといると息が詰まるのも事実のため息抜きの為に外の空気を吸いに出てきているのだ。
暫く穏やかに進んでいたウマヘビだったが彼らの進む方向で何やらドンパチしている海賊船を遠目で見つける。その一つの海賊船がまさに彼らが探し求めていたシャンクス率いる「赤髪海賊団」であり絶賛交戦中の様子だ。
直ぐ様ジョーは甲板へと戻りダラけているロジャー達にことの次第を教えてあげる事に。
『シャンクス君たち今敵戦と戦っている様だよ』
「何だって?!」
「赤太郎の船が見つかったのか!」
『ほらあそこ』
「マジだ!俺たちも急いで行こうぜ!」
「加勢いたそう!」
『うーん…彼らに加勢する必要ある…?』
………………
……………………………………
「ねェな」
「うむ…」
『だろう? 彼らの戦いに水を差すのは良く無いから少し待とうか』
そう言うジョーにロジャーとおでんも「そうだな」と頷きジョーはウマヘビにその場に留まるように伝える。それに「ブルヒヒン」と人鳴きしてからジョーの言う通り止まり、それに気づいた室内にいたロシナンテとレイリーも出てくる。
そして事の次第を伝えれば二人は「なるほど」と頷きながら遠目に見える海賊達の戦いが終わるのをしばし待つ事にするのだった。
一方絶賛交戦中の赤髪海賊団の面々はシャンクスが四皇になってからと言うもの頻繁に敵船がやってくる事に闘う事に楽しみを見出しているとは言え流石に辟易していた。連日と言ってもいいほどの敵船の襲来に初めは嬉々として戦っていた
それは船長のシャンクスも同じであり今はもう自ら先陣を切って戦いに出るのもやめてしまう程である。そんな中幹部の一人であるヤソップが自船の後方に海王類が一体いる事に気づき、そしてその海王類が見覚えのある見た目である事に驚く。
「お頭」
「どうしたヤソップ」
「船後方にあの人が来てるぜ」
「あの人?」
「海賊王の兄貴」
「Σえっジョーさんが?!」
「あの海王類あの兄さんのだろ?」
「マジだ!でも何でだ…?」
「俺が知るわけねぇだろ」
「ジョーさんが来てくれたならさっさと終わらせねェとな」
ヤソップから報告を受けたシャンクスはさっさと戦いを終わらせる為に自ら出て行き先陣を切っていたベックマンと合流する。ベックマンは今回出るつもりがなかったシャンクスが来た事に疑問を持つ中シャンクスが端的に「ジョーさんが来たからさっさと終わらせるぞ」と言う。
その言葉にベックマンは「あの人が来てるのか」と内心思うものの、さっさと終わらせたいのはベックマンも同じなため特に何かを言う事はない。ただシャンクスが出ると言うことは
全員が退避完了したのと同時にシャンクスはグリフォンを抜き覇気を纏った斬撃一振りで敵船を両断し沈めて見せたのだった。
赤髪海賊団と敵戦の戦闘を遠目に見守っていたジョーたちはザパァンと水飛沫をあげながら両断された船を見て戦闘が終わったのを確認する。わーぎゃー敵船の者達の声が聞こえてくるものの誰も気にする事もなくジョーはウマヘビに船へ近づくように指示した。
ゆっくりと進むものの大型海王類であるウマヘビが動けば波が立つわけで両断された船も人も波に揉まれ沈んでしまう。シャンクスを始めとした赤髪海賊団の面々は数年前に会ったジョーがわざわざ新世界まで会いに来た事に疑問を抱いているが話せば分かる事。
ウマヘビが完全に船の横に来るのを待ってから成り行きを聞く事とし一先ず待つことにするのだった。顔半分だけ出しているとは言え大型海王類ではそれでも見上げなければならない程で横付けしたウマヘビを見上げるシャンクス達。
するとひょっこりと顔を出したのは想像通りの人物であり、しかしその後に顔を出した面子に流石のシャンクスも驚愕な表情をする羽目になる。
「ようやく着いたな!」
「流石に長い道のりであったなぁ!」
「シャンクスのビブルカードを頼りに来たんだ。普通よりは断然早いだろう」
「確かにレイさんの言う通りだな」
『やぁシャンクスくん、久しぶりだね』
「いや、ちょっ…え?!」
「お頭混乱してんな」
「あれは…冥王じゃねぇか…」
「スゲェ大物」
「つーか他のメンツは誰だ?」
「さぁ…」
「お頭に聞けば分かる」
ジョーを始めとしてロジャー・おでん・レイリー・ロシナンテと顔を出しシャンクスは見知った顔が沢山ある事に心底驚いた。何よりロジャーをこの場にジョーが連れて来ていることに驚きを隠せないのだが、それでもわざわざ来てくれた事に嬉しさも感じた。
ベックマンやヤソップ達からすればこの場で見覚えのある顔はジョーと超大物である冥王レイリーである。ただ彼の住むタートル島へ赴いた際あの島にジョー意外にも人がいる事は分かっていた為そこの住民なのだろう事は察せた。
離れた所から話すのも話しづらい事からジョー達一行はシャンクスの船に乗船させてもらい、その際に土産として持って来た酒樽も一緒に持つ。思った以上に多い酒樽を見たシャンクスは「こんなにいいのに」と思いながらも彼らからの厚意だと有り難く酒樽を受け取った。
そしてシャンクスから発せられる言葉に赤髪海賊団の面々は驚かされる事となる。
「まさかジョーさんだけじゃなくロジャー船長達も来てくれるなんてな!」
『いやぁ…君が四皇?と言うのになったから祝いに行こうって煩くてね』
「それだけの為に来てくれたのか?何だか悪いな」
『それも口実でただ旅をしたかったと言うのもあるだろうけれどね』
「だはははっ!確かにロジャー船長達だったら良いそうだな!」
「おいジョー!ここまで来たのは第一はシャンクスを祝う目的だぞ?!」
「そうだぞ!ただ旅をしたかっただけなどではない!」
『どうだか…まぁでも元気そうな姿を見れて良かったよ』
「あぁ俺たちは何の問題もねぇよ」
「シャンクスの相手になる者は早々おらんだろうしな」
「レイリーさんにそう言ってもらえると嬉しいな!」
『あ、この子はロシナンテのロシィ。同世代だろうから仲良くしてあげてほしい』
「お、そうか!よろしくな!」
「…よろしく」
などなど…ジョーたち一行と楽しげに話すシャンクスを他所に赤髪海賊団の面々はシャンクスから度々出てくる「ロジャー」と言う名に驚きを隠せない。
数十年前に処刑されたはずの海賊王の名前が出れば当然の反応なのだが残念ながら彼らの様子に気づいている者はレイリーだけだった。ただ唯一ベックマンはジョーの能力を思い出し「まさか…」と思っているのだが彼らの会話に口を挟む隙がない。他のメンツはただポカンと何とも締まりのない顔を晒してしまっているのだがそれを指摘する人は今この場には居なかった。
ようやく周りの状況に気づいたジョーがベックマン達の方へ視線を向けた時には皆何とも言えない表情をしており「説明してくれ」と言っている様子だ。それを察したジョーは申し訳なさそうにしながら「突然押し掛けて申し訳ない」と言いながらベックマン達の方へ近寄る。
「それは構わねぇが…色々説明してほしい所だ」
「それな」
「お頭がさっきからロジャーとか言ってるけど本人かよ」
『ロジャー本人だよ』
「…まさかとは思うがアンタの能力で?」
『ベックマンくんの言う通り私の能力でロジャーを救ったんだ』
「マジかよ…」
「死んだ人間を生き返らせるとか前代未聞過ぎるだろ…」
ジョーが何も隠さず素直に己の能力でロジャーを生き還らせた事を話せばベックマン・ヤソップ・ルゥは「あり得ない」と言いたげな表情である。勿論彼らの周りにいるホンゴウやライムジュースなどの他の幹部や
そんなこんな話した後シャンクスの「宴だ!!」と言う掛け声をきっかけにそれぞれが好き好きに座りジョーたちが持って来た酒樽を開けて飲む。初めっから飲めや歌えやのドンチャン騒ぎでその中心にいるのがシャンクスを始めとした幹部達とロジャー達である。
ジョーはその輪に敢えて入らず肩身を狭そうにしているロシナンテと少し離れた場所で二人で酒盛りしていた。
「まさか俺が赤髪と顔見知りになるとは…」
『以前だったら考えられないかい?』
「そりゃそうだろ…敵対勢力だったんだからよ」
『それもそうだね。ロシィが海軍だったと言うのを忘れそうだ』
「まぁもう違うし別に忘れてもらっても構わねぇけど」
『私が聞くのもアレだけれどロシィは思い残す事は無いのかい?』
「全くねェと言えば嘘になるな…特に恩を仇で返すような形になっちまったし」
『あー…確かセンゴクくん?に助けて貰ったって言っていたね』
「あぁ」
「アンタ、まさか海軍だったのか?」
「 ! 」
『ベックマンくん』
ジョーとロシナンテが話している所に入って来たのはジョッキ片手にやって来たベックマンであり会話を聞いたのか怪訝な表情を隠しもしない。「海軍」やら「センゴク」やら敵勢力の事を話していれば海賊であるベックマンからすれば聞き捨てならない事なのは言わずもがなだ。
シャンクスはロジャー達と盛り上がっている事からコチラの会話など耳にも入っていないだろうし、こう言う事に関して常に目を光らせているのは副船長のベックマンである。
ロシナンテはベックマンに話を聞かれていた事に少々居心地の悪い思いをしているがジョーは全く気にしていないのかのほほんと「ロシィは元海兵だよ」と言う。包み隠さず言ってしまうジョーにロシナンテはギョッとしハッキリと告げられたベックマンも何とも言えない表情である。
何より海軍を嫌っているであろうジョーが元海兵であるロシナンテと共にいる事自体ベックマンにとっては不可解な事だった。ただジョーと共にいると言うことは何かしらの
「アンタは海軍を嫌っているもんだと思っていたがそうでも無いのか」
『まぁ好印象は全く無いよ』
「なのに元海兵を助けたのか?」
『ロシィの場合は成り行きで助けただけなんだよね』
「成り行き?」
『うん。人探しでちょっと出掛けた先で色々巻き込まれてしまってね。その時に目の前でロシィが死にかけてて放置するのも寝覚が悪いから助けたんだよ』
「へぇ…ある意味そんな場面にこの人がいてアンタは命拾いしたって訳か」
「あぁ…ジョーさんが居なけりゃ間違いなく死んでたんだ。命の恩人に牙を剥いて裏切るような事はしねェさ」
ロシナンテが元海兵であったと言う事からベックマンに良い印象を持たれていないのを分かっているロシナンテは首を縦に振りながら「裏切らない」と言い切る。その言葉に色々思うことのあるベックマンも「そうか」とだけ言いそれ以上「元海兵」であると言う事にとやかく追求する気はないようだ。
そんな様子を見たジョーは微笑ましそうにしながら酒を飲みながらロジャー達の方を見れば上機嫌にシャンクス達と飲み比べをしている。その様に「また明日二日酔いになるな」と呆れながらも楽しそうにしている所に水を差す気はなく視線をロシナンテとベックマンの方へ戻した。
こうしてほぼ1日中それぞれが思い思いに飲めや歌えやで盛り上がり楽しく酒盛りをするのであった。
翌日
案の定ロジャーとおでんは二日酔いとなり共に飲んでいたシャンクスも死にそうな顔をしながら甲板に沈んでいる。その様子を「何時も通りだな」と見るのはジョーとロシナンテで、シャンクスは相当悪いのか
そんなお頭に心底呆れているのはベックマンであり紫煙を吐き出しながら器用にため息もついている。
「あ゛ぁ〜〜…頭イデェ〜〜…」
「ゔぅ…ギモヂワルイぞ…」
『飲み比べなんてすれば二日酔いになるに決まってるじゃないか…ホント学習しないね』
「オ゛エェェ〜…」
「お頭…アンタも客人の前でそれはねェだろ」
「そうは…言っても…ゔっ…!」
「ハァ…少しくらい自重して飲めば良いものを」
ジョーとベックマンが
ジョーは「ハァ…」と再度ため息をつきながらも軽く足を上げてタンッと下ろしながら能力を使いこの場にいる全員の二日酔いを治す。
何時もやってもらっているロジャーとおでんは「治った!」と言うようにケロッと起き上がりシャンクスを始めとした赤髪海賊団の面々は急に酔いが覚めた事に目を白黒させる。「なんだ?」「どうなってんだ?!」とザワつく中、船縁から身を乗り出していたシャンクスも気持ち悪さが無くなった事に心底驚きながらこんな芸当が出来るのはジョーしかいないと彼等の方を振り返った。
そしてロジャー達がジョーに対して礼を言っている事から全員の二日酔いを能力で何とかしてくれた事をシャンクスも察した。
「もしかしなくてもジョーさんが酔いを治してくれたのか?」
『うん』
「酔いも一瞬で治せちまうなんて本当スゲェな!」
「兄貴が居れば二日酔いしてもすぐ治っからありがてェよな!」
「その通りだ!」
『私はお前達の便利屋じゃないぞ』
「わはははっ!んなこと分かってるぜ!」
「何時も感謝しておるぞジョー!!」
『全く調子のいい…私の手を煩わせない様にしてもらいたものだよ』
シャンクスは純粋にジョーの能力に凄さを感じた感想を述べたもののロジャーとおでんは慣れなのか何とも言えない。勿論感謝はしているのだが酔った時は「ジョーに治して貰えば安心だ!」と言うような心境なのも否めないのである。
そんな会話を周りで聞いていたロシナンテは「ジョーさんも大変だな」と内心思っているのだが口には出さなかった。
そんなこんなありながらも長居するのも悪いだろうとお暇する準備を始めようとしたジョーだったが、その前にロジャーが「よし!次はニューゲートのとこだな!」と宣う。それに賛同するのは勿論おでんで「白吉っちゃんに会うの楽しみだな!」と上機嫌に言い、それらを聞いたジョーは頭が痛いと言う風に頭を抱えた。
彼等の会話を聞いた赤髪海賊団の面々は「白ひげの元にも行く気なのか」と驚きに目を丸めるもジョーの反応からしてそう思っているのは二人だけの様だと余計な事は言わない。ただ面白そうな内容に反応を示したシャンクスは「これから白ひげの元にも行くのか!」と何とも興味深そうにしている。
「あぁ!せっかく新世界まで来たからな!」
「白吉っちゃん驚くだろうなァ!」
「だははっ!だろうな!」
『待て待て待て…ニューゲートくんの元まで行く気はないぞ』
「「なにィー?!」」
『ここまで来るのにもそれなりの時間を有してるんだ。二人を待たせている以上
「「ゔっ…」」
「ジョーさん達、前半の海に誰か待たせてるのか?」
『うん。だから長居は出来ないんだよ』
「待たせて来ている」と言うジョーの言葉に初めこそ驚いていたシャンクスも確かに
それでもロジャーとおでんは白ひげに会いに行く事を諦めきれないのか「直ぐ行って直ぐ帰ればいいだろ?!」とまで言うしまつ。例え白ひげのビブルカードを頼りに真っ直ぐ進んだ所でそれなりの時間が掛かるのはシャンクスの元へ来る時と同様であろう。
場合によっては最悪月単位でかかる可能性もあるのだから今回はシャンクスに会った事で満足し岐路を辿るのが賢明だとジョーは考えているのだ。そんな事を懇々と二人に言い聞かせているジョーを見守るロシナンテは一先ず帰る準備をしレイリーは楽しそうにロジャー達の様子を見ている。
そして最終的にロジャーとおでんが駄々を捏ねに捏ねてジョーの機嫌を損ねた結果ゴンッ!ゴンッ!と痛そうな音が響いたかと思えば二人はタンコブをこさえる事になった。それを見たシャンクス以外の赤髪海賊団のクルー達は「思ってた海賊王像と違う」と内心思っていたとか何とか…。ただこのロジャーを見て来てシャンクスもこうなったのかと納得する部分もあった。
そんなこんなありジョーがロジャーとおでんを物理的に黙らせた事で一先ずはシャボンディ諸島へと帰る事になるのだった。
( シャンクスくん、突然来てお騒がせしてすまなかったね )
( イヤ全然構わねェよ! )
( そう言ってもらえるとありがたいよ )
( また
( 早々ないだろうけれどその時はよろしく頼むよ )
( おう! )
( 兄貴の奴…あんな思い切り殴らなくてもいいじゃねェか… )
( アレは間違いなく覇気付きだったぞ?! )
( お前達が余計な事を言うのが悪いんだろう? )
( 何だよレイリー!そんな変な事言ってねェだろ?! )
( そうだぞ! )
( 二人に頭デッカチとか石頭って言われたら俺もイラっとするかも… )
( ロシナンテくんの意見に同感だな )
( いやーまさか海賊王が生きてるとはなぁ… )
( あぁ…この事実を海軍が知ったらぶったまげるだろうぜ )
( 万が一その事が海軍にでも漏れりゃ俺等があの人に疑われるだろうな )
( え゛…それってヤベェやつだよなベックマン… )
( 敵対する可能性があるって事だよな… )
( まぁそうなるだろうな )
((((( 絶対に漏らさないようにしよう… )))))
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