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ジョーが能力の使いすぎによりリバウンドが起こり倒れたりと問題が発生したものの彼らはドラム王国を出て無事航海を再開させた。
その航海中にジョーは己の能力が万能ではない事をロジャー達へと話す事となり負のエネルギーを溜め過ぎるとリバウンドが起こる事を伝えた。無論どれだけ溜めたら爆発するかなど知りもしなかったのだが、その話を聞いたロジャーは勿論のこと全員が何故その事を話さなかったのかと不満を申し立てた。
ジョー的にはすっかり話していた気でいたがジョーが能力のリバウンドがあるだろう事を話したのは赤髪海賊団にだけだ。
伝えていなかった事には素直に謝罪したジョーだが「他にも隠し事はないか」など色々問い詰められるも、それ以外に隠すことは何もなく。誠心誠意「隠している事はない」と言い切れば、ようやくロジャー達は納得したのか頷いてみせたのだった。
そんなこんなあったものの彼らは漸くまず目指していたシャボンディ諸島へと辿り着くことが出来た。
ここでやる事は二つ、一つはレイリーを見つけ出し共にシャンクスの元へ行かないか尋ねる事でもう一つは船にコーティングしてもらう事だ。その二つをジョーがロジャー達に伝えれば「分かった!」と言いながら今にも飛び足してしまいそうな問題児の襟元を掴んで止めた。
「「グエッ!」」
『お前達は…少しは学習したらどうなんだ?』
「何だよ兄貴! 皆ビブルカード持ってんだから問題ねェだろ?!」
「そうだぞジョー!! 久方ぶりのシャボンディ諸島を楽しまずどうする?!」
「ここ海軍本部のお膝元だし遊んでる暇ないんじゃねェか?」
「考えてもみろロシィ!コーティングしてもらうにも時間がかかるんだぜ?」
「あー…確かに言われるとそうだな…」
『コーティングに関して私にはサッパリだから一先ずレイリーくんを探して彼に良い人を紹介して貰おうと思っているよ』
「おっそれがいいかもな!! 俺たちの船をコーティングしてもらう時もレイリーが色々手配してたしよ!」
「そうであったなァ…いやァ懐かしいなァ」
『思い出に浸っている場合じゃないよおでんくん。ルージュさんとトキさんも悪いけど先にレイリーくんを探させてくれるかい?』
「はい、私もその方がいいと思いますし」
「ですね。おでんさん達を自由にしては問題も起きそうです」
「Σ酷いぞトキ!!!」
ルージュとトキはジョーの考えに賛同しながらおでん達をチクっと言葉で刺すのだが、それにはおでんも「ガーン!」と言った風だ。
そんな夫婦のやり取りを一瞥してからジョーはウマヘビから降りてシャッキーから譲り受けたレイリーのビブルカードを取り出す。それを見ていたのはロシナンテで「それ冥王のビブルカードか?」とジョーに聞き彼も頷いて肯定した。
一行はビブルカードを持つジョーを先頭に無法地帯を進む中やはりと言うべきかゴロツキやら人攫いやら色々出て来る。だからと言って彼らにその辺のゴロツキ達が敵う筈もなく白目を剥いて次次と地に沈んだ。
『うーん…ここは相変わらずだね…』
「わはははっ!! いい暇つぶしになるじゃねェか!!!」
「もっと骨のある奴はおらんのか?!」
「普通出来るだけ出会さねェように行くと思うんだが…」
『本当にね…ルージュさんもトキさんも大丈夫かい?』
「大丈夫ですよ」
「皆さんが守って下さっておりますから」
「どんなことが有ろうとルージュの事は俺が守るぜ!!」
「はい」
「トキも心配せずおれに守られておれ!!」
「分かっていますおでんさん…」
『……甘ーい空気が流れてると思うのは私だけかな?』
「いや勘違いじゃねェよ…砂糖吐きそうだ」
ロジャーとルージュの間とおでんとトキの間にも何処と無く甘い空気が流れた事にジョーとロシナンテは何とも言えない顔をする。普段からラブラブな夫婦なのだが、それをタートル島から出た場所でも堂々と見せらるているのに相手が居ない二人からすれば肩身が狭いのである。
残念ながら互いに夢中な夫婦達はそんなジョーとロシナンテに気付く事はなく同時に彼等は溜息をついた。
ともあれゴロツキ供の屍(死んではない)を踏み越えてビブルカードを頼りに無法地帯を進んで行けばマングローブの隙間からチラチラ見える建物。遠目には観覧車が見える事から彼等の目的の人は観光地にいる様でジョー的には「何故ここに?」と言う気持ちが強い。
ロジャーとおでんは観光出来ると目を輝かせルージュとトキも何処か楽しそうに辺りを見渡している。特にルージュは旅をして来た訳ではない為シャボンがひとりでに出来て浮かび上がる様は幻想的であるのだ。
そんな女性陣を見たジョーはレイリーを探すのが優先なのは変わらないが観光地に来てスルーさせるのも如何なものかと思う。表情一つ変えずに「うーん」と考えた結果ジョーはここで弟夫婦たちと別れて行動した方が早そうだと判断した。
『ちょっといいかい? ここで別れよう』
「Σはっ!? どうしたんだ兄貴?!」
「ジョーが此処で別行動を許すとは何事だ?!」
『失礼だねおでんくん…今回の別行動はお前達のためじゃないよ。ルージュさんとトキさんの為だ。殆どあの島から出る事なく過ごして来ていてんだから観光地に来た時くらい楽しまないと損だろう?』
「そんな…私は大丈夫ですよ」
「そうです。レイリーさんを見つけるのが先なのでは?」
『レイリーくんは私の方で探すから問題ないよ。だからお前達は二人の為に誠心誠意尽くしなさい』
「そう言う事なら分かった!!」
「トキの手足となろう!!」
「本当にいいんですか?」
「今までの生活に不満などありません」
『こういう時くらい楽しむべきだよ。その代わり二人が羽目を外さない様に見張ってて欲しいかな』
「ふふっ分かりました」
「私たちにお任せ下さい」
『あぁ宜しく頼むよ』
ジョーの言葉にルージュとトキは「くすくす」と笑いながら了承した。それに不満を感じるのはロジャーとおでんであるが、ここが海軍本部のお膝元なのは事実の為少しブツくさ言うだけだった。
そんな中ずっと黙っていたロシナンテに目を向けるジョーは「ロシィはどうする?」と問いかける。ロシナンテ的にもシャボンディ諸島はあまり長居したい場所ではない為、観光する気にもなれないのが正直なところだ。
そのため「ジョーさんと行くよ」と言いジョーは深く聞く事はなく「分かった一緒に行こうか」と笑顔で応えた。
別行動するにあたってロジャーの事は出来るだけ名前で呼ぶのはやめた方が良いだろうとなる。しかしそうなると困るのがおでんであり「何と呼べば…?」と言う顔をしているのだ。
そんなおでんに助け舟を出したのがロシナンテであり「兄貴でもなんでもいいんじゃねェか?」と言った。その提案にジョーは「確かに」と頷きおでんも「その手があったか!」と言いながら「では兄者と呼ぼう!」と言う。
その言葉にむず痒く感じるのはロジャーで自分には兄はいても弟妹がいない為呼ばれ慣れないのである。
「わははははっ!! ロジャーの兄者か!!」
「うぅーん…むず痒いぜ…」
『兄と呼ばれる事ないものね』
「貴重な体験だと思えばいいんじゃねェか?」
「そう割り切れたら苦労はしねェよロシィ。俺はずっと兄貴しかいなかったんだぜ?」
「そんな事言えばおれは兄弟がおらん!!」
「俺はロジャーと同じで兄だけだな」
「あーロシィは弟って感じだよな」
「うむ。おれもそう思う」
『だね。放っておけない弟って感じだ』
「俺そんなふうに思われてたのか…」
「アレだけドジ踏まれちゃあ誰だって思うぜ?」
ロジャーの言葉にぐうの音も出ないロシナンテなのだが決してドジを踏みたくて踏んでいるわけではない。ロシナンテとて気を付けているのだが何故かやる事なす事にドジが含まれてしまうのだからもうどうしようも無い。
ジョーは真剣な顔で「そういう星の元に生まれたのかな?」とか言い出す始末でロシナンテは大変居た堪れない。自分の出生を知っているのだから当然と言えば当然でロシナンテとしては彼等にだって知られたくない事なのだから。
この後落ち合う場所は13番グローブにあるBARという事になりロジャー達は「何故そこ?」と言う思いだがジョーが言うならと了承した。
そんなこんなありつつジョーとロシナンテ二人とそれ以外のグループで一時別れるのだった。
ジョー達はロジャー達が観光地へ繰り出すのを少し見送ってから彼等もレイリーを探す為に動き出す。とは言えレイリーのビブルカードは観光地の何処かにいる様なので二人も一先ず見て回る事に。
『私に付き合わせる形になってしまったけれど本当にロシィは観光しなくて良かったのかい?』
「おう。別に見たい場所がある訳でもねェしな」
『それなら良いけれど…もし見たいところがあれば遠慮なく言っておくれ』
「ジョーさんもな」
『私も別に見たい所はないかなァ…。以前シャンクスくんに乗せてもらった時にある程度見て回ったしね』
「あぁー…赤髪が来たあの時か…。今思うとジョーさんの人間関係ってエゲツないよな」
『えっそうかな…? 全くそんな気はしないのだけど』
「本人としちゃそうだろうけど他から見れば赤髪とか白ひげとかと知り合いってだけでヤベェと思うぞ」
『そうなのか……ニューゲートくんと知り合ったのは正直成り行きだったけれどシャンクスくんはもう必然だったしなぁ…』
「そうなのか? そう言えばロジャーとおでんさんもよく知る仲って感じだったな」
『あれ?元々シャンクスくんはロジャーの船に見習いで乗っててその時に知り合ったんだよ。知らなかった?』
「そんな事言ってたな…。赤髪がロジャー海賊団の元クルーだったって…それ知ってる奴少ないと思うぜ…」
『そうなんだね? 見習いって事であまり重要視されてなかったのかな? ロジャーは当時から目を掛けてたみたいだけど』
「ロジャーや冥王が一緒に居たから影になってた可能性はあるな。ロジャーには先見の明があったんだな…意外だ」
『ふふ 今のシャンクスくんを見たらそうなるけど如何なんだろうね』
ロジャーがシャンクスを目に掛けていたのは昔から被っていた麦わら帽子を渡していた事でジョーは知る事になった。今ではその大切な麦わら帽子はシャンクスからルフィへと渡っており、それはロジャーがシャンクスにあげた時と同じ様な心境だったのだろうとジョーは思っている。
客引きをする人たち笑い合う人たちの声で賑わう観光地をレイリーが居ないか不自然にならない程度に見渡す。ロシナンテも辺りを見渡しながら歩いていれば時たま何故かひっくり返ったりしていてジョーは苦笑いが溢れる。
観光地と言ってもかなり広くここ一帯を探すだけでも結構な時間が掛かりそうだと思いつつレイリーが行きそうな所を思案する。そうして思い至ったのだがレイリーは賭博が趣味でよく行っているような話を聞いたような気がしたジョーは賭博場の方へ足を向ける。
突然行く方向を変えたジョーにロシナンテは不思議そうにしながらも彼の後に着いて行った。
暫く歩けばガラリと変わる雰囲気にロシナンテはここが観光地とは言え裏業界が蔓延っているであろう場所なのを感じた。なぜそんな所にと思わなくもないがジョーが余計な場所い態々足を運ぶとも思えないため一先ず何も言わずにいた。
ジョーはビブルカードを見ながら歩き続けたどり着いたのはそれなりの大きさの建物であり、この中にレイリーがいる可能性が高い事を示していた。
『うーん…レイリーくんは此処にいそうだね』
「えっ…ココって賭博場だよな…? こんな所に冥王が…?」
『以前ここでレイリーくんに会った時は賭博で使う軍資金を貯める為に
「それってまさか捕まってたって事か…?」
『うん…自分を落札した人から奪うとか言ってた気がする』
「マジでか…冥王なら出来ない事はねェだろうが誰もあの人の事気づかねェもんか…?」
『気付いていないって事はそう言うことじゃないかな』
「そもそも捕まったら奴隷用の首輪を嵌められるはずだが…それはどうやって外すんだよ。鍵を奪ってか…?」
『あの時は自分で外していたけど…間違いなく鍵で外す方が安全だよね』
「Σ自分で外した?! そんなことも出来んのか…!」
『私もその時にあの首輪を外す方法は教えてもらったよ』
「それジョーさんが知る必要あるか…?」
レイリーが賭博に必要な金を
ロシナンテはこの数分で驚くことが多いが「この人と居たらこれが普通なんだろうな」と思えてしまうのだから不思議な事である。そんな事を中にも入らずペラペラと話をしている大男が二人も居ては商い側からすれば大変邪魔で迷惑な存在だ。
警備をしている男が近づいて来たことにジョーとロシナンテは「なんだ?」と言うように二人して首を傾げ男を見た。
「この場に用がないならサッサと失せな!!」
『あー賭博に用はないけれどこの中に知り合いがいてその人を待ちたいんだ』
「はぁ? テメェらみたいな金のねェ奴の知り合いがこの店に来る訳ねェだろ!!」
『そう言われてもね…ここに居るんだよ』
「チッ痛い目みねェうちにサッサと消えろ!!」
『うーん…取りつく島もない感じだね…。どうしようかロシィ』
「このまま居ても騒ぎになったら困るだろ」
『確かにそうだね。じゃあ少し離れて待ってようか』
「その必要はないぞ」
警備の男が煩いことから離れようとした二人に声をかけたのは探し人のレイリーその人だった。
レイリーは笑顔を見せ「やぁ」と片手を挙げながら彼らの元へやって来て「また来ているとは思わなかったな」と言う。無論ジョー自身もまさかこうも早くシャボンディ諸島に来る羽目になるとは思ってもいなかった事だ。
「ここに居ると言う事は私に用があると見ていいのか?」
『その通りだよ。これから皆で新世界に行く事になってね』
「新世界に? なんでまた行く事になったのかね?」
『シャンクスくんに会いに行こうって「あの子」が言い出してさ』
「ほぅシャンクスにか…まさかアイツが四皇になったから行こうと言い出したのではないか?」
『さすがレイリーくんその通りだよ。それでね君も一緒にどうかと思って探していたんだ』
「それは魅力的な誘いだ。是非とも共に行かせてもらおうか」
『そうか! レイリーくんも一緒だと心強いよ』
レイリーにこの場に来た目的を告げればレイリーもシャンクスの元に行くのが楽しみなようで、その話で二人は盛り上げってしまう。
その様子をそばで見ていたロシナンテはジョーがコーティングの件を忘れているのではないかと気が気ではない。新世界に行くには魚人島を通って行かねばならないのだからコーティングして貰うのは必然で、しなければ行く事は出来ない。年も近く互いの性格も合っているのか弾む話に中々コーティングの話が出ないことにロシナンテは意を決して二人の会話に口を挟んだ。
「盛り上がってる所悪いんだがコーティング職人を探してるんだが誰か知らねェか?」
「コーティング?」
『あっそうだったね! すっかり忘れてたよ!ロシィ有り難う思い出させてくれて』
「だと思ったぜ…ジョーさんも何気に抜けてる所あるよな」
『うーん何も言い返せないね』
「魚人島を通るのにコーティングが必要なのは分かるがジョーさん達も必要なのか?」
『そうなんだよ。今回は女性陣も一緒だからウマヘビの口の中は流石にアレだろう? だから船をウマヘビの立髪に括って乗って来ているんだ』
「わっははははは!! それはまた斬新な方法で向かおうとしているな! そう言う事ならコーティングは私に任せてくれ!」
『えっ?』
「冥王がコーティングすんのか…?!」
「今ではコーティング屋のレイさんで名を通しているのでね。君も今後はそう呼んでくれよ」
「あ、ハイ…」
『レイリーくんがコーティングしてくれるならこれ程有り難いことはないね。よろしく頼むよ』
「以前も来た時に知ってはいると思うがコーティングには三日は掛かるからその間は適当に過ごしていて欲しい」
『うん分かっているよ』
レイリーを見つけ更にはコーティングも請け負ってくれると言うのだからジョーからすれば有り難いことこの上なかった。身バレしたくない身からすればコーティング職人に頼むのは仕方ないとは言え出来るだけ接触したくはない。そのリスクがレイリーのお陰で一切なくなるのだからジョーの機嫌が良くなるのも一入なのである。
何だかんだ話を済ませた所で彼等のそばにロジャー達がいない事にレイリーは不思議に思っているようで彼の目がそう語っていた。それに気付いたジョーが「今は別行動をしているんだよ」と言ったことにレイリーは意外そうな顔でジョーを見た。
「別行動しているのか…意外だな」
『嫁さん孝行して来いって言って別行動しているんだ』
「あぁ なるほどなるほど…彼女達は外に出るのも容易ではないだろうしな」
『うん。だからこう言う観光地に来れた時くらい楽しめればなと思ってね』
「ジョーさんは何時も人の事ばかりを考えているな」
『え…そんな事ないと思うけれど…』
「いやレイさんの言う通りだぜ? 自分の事は何時も後回しだ」
「共に暮らす彼が言うなら間違いないようだな」
『んー…私的にはそんなつもりは無いのだけれどね』
レイリーとロシナンテの言葉に全く心当たりのないジョーは首を傾げて不思議そうにするだけ。その姿に「自覚ないのか」と思うロシナンテなのだが、それがジョーの長所でもあるのだろうとも思う。
一先ず何時迄もこの場に居るのも邪魔になる為ロジャー達と落ち合う約束をした「シャッキー'SぼったくりBAR」へ向かう。
賭博地からもう一度観光地の方へ向かってロジャー達が何をしているのか確認出来るのならしてから行こうと言う話になる。彼等が観光地でも特に人気のある遊園地に足を運べば、こんな近くで見たのは初めてのジョーは「ほぅ…」と感嘆の声を洩らす。
それに気付いたレイリーとロシナンテはジョーの意外な反応に「初めて来たのか?」とレイリーが問う。その言葉に「遠目では見たけれど近くで見たのは初めてだよ」と何処がロジャーを思わせる様な表情で観覧車やジェットコースターを見ていた。
「折角なら乗ってみるか?」
『え、いやぁ…それはいいかな…こんなジィさんが乗っていたら大分浮くだろう?』
「ジョーさんはジィさんには見えねェから大丈夫だと思うぞ」
『嬉しい事言ってくれるねロシィ。けど折角の誘いだけど目立つ事はしたくないから見るだけでいいかな』
「本当に貴方は慎重だな」
『弟達が目立ち易いからね。私が気を付けないと』
「確かに…実際めっちゃ目立ってるしな…」
「ん?」
『どう言うこと?』
「ほらあそこ。あの乗り物に乗る気満々みたいだぜ」
『あ、あぁー…まぁ観光しておいでって言ったし…バレなきゃ今回は目を瞑るよ』
「わはははっ! アイツは相変わらずのようだな! 周りの目など一切考えちゃいない!!」
『笑いごとじゃないよレイリーくん…』
彼等が見ていたジェットコースターに乗る気満々で列に並んでいるロジャー達をロシナンテが発見する。海軍本部が近いこの場であまり目立つ様な事は本来して欲しくないジョーは若干渋い顔をしている。意外なのはルージュとトキも何処がワクワクした表情をしている事なのだが楽しそうにしているなら良いかとジョーは思い直す。
ロジャー達を暫く見ていたかと思えば「行こうか」とジョーが先を促したことにロジャー達を共に連れて行くと思っていたレイリーは目を瞬かせた。それに気づいたジョーは苦笑いをしながら「観光していいと言ったのは私だからね」と言った。
「そう言えば何処に向かおうとしているんだ?」
『あぁ…シャッキーさんの所に後であの子達と落ち合う事になっているから其処に行こうかと』
「そうか。ならロジャー達が来るまで私たちはゆっくり酒でも飲みながら話でもしていようではないか」
『そうだね。お言葉に甘えようかな』
「ロシナンテ君も酒は飲める口かね?」
「まぁ飲めるが…ジョーさん達ほど飲まねェ」
「そうか。なに酒は嗜む程度に飲むのが上手い飲み方さ」
『元海賊のレイリーくんが言っても説得力ないね?』
「わはははっ!! それもそうだな! とは言え私はちゃんと量やペースは考えているさ!」
と言いながら懐から取り出したスキットルの蓋を開けてグビっと飲むそれは香りからして酒だと分かりジョーとロシナンテは「ホントか?」と思ったり。そんな風に思われていると何となく察しているレイリーだが気にする事はなくレイリーの足はしっかりと無法地帯の13番グローブへと向かっていた。
観光地から無法地帯へ入れば賑やかだったのが嘘みたいにシンっと静かになり三人の足音しかしないのでは無いかと思うほどだ。なんて思っているのも束の間、彼らの周りには相変わらずのゴロツキ以下略がワラワラと取り囲んだりなんだりする。
それを見たジョーは面倒だと思いながら「実験の相手になってもらうか」など少々物騒なことを考えていた。顎に手を当てながら周りを見て「ふむ」と一つ頷きレイリーとロシナンテにこの場は己に任せて欲しいと言う。
その言葉にロシナンテは「また何かやる気か?」と思いつつ素直に応じレイリーも「?」を飛ばしながらも楽しそうにジョーにその場は譲った。ジョーは二人が手を下ろしたのを見て「ありがとう」と言ってから顔をゴロツキ達に戻せばゴロツキ達は額に青筋を浮かべていた。
「何のつもりだァ? テメェ一人で俺たちの相手しよってのか?」
『そうだね。君たちにはちょっと私の実験に付き合ってもらいたくてね』
「実験? ジョーさんは一体何をしようとしているんだ?」
「たぶん自分の能力の使い方の幅を知ろうとしてんだと思う」
「ほぅ…それは興味深い。事象を戻せるだけではないと?」
「早い話、能力が覚醒したらしくて出来る事を把握したいんだと思うぜ」
「 ! なるほどそう言うことか…まさか覚醒までしているとは驚いたな…」
ジョーの言う「実験」と言う言葉にレイリーは首を傾げていたがロシナンテの説明で興味深そうにジョーの動向を窺っている。何よりジョーが能力者としえ覚醒した事によりステージが一段階上がっている事実に驚きはするもののジョーならそうなっても有り得なくは無いとも思う。
そんな話をされているなど梅雨程も知らないジョーは一人で数十人はいるゴロツキ達に一歩近づいた。その姿を見てゴロツキのリーダーと思われる人物は顔を真っ赤にしながらも怒り心頭の様子でジョーを睨みつけている。
たかがゴロツキに睨みつけられただけで怯える事など皆無なジョーはスッと軽く足を上げトンっと地面に足をつけると同時に「
その瞬間立って武器を持っていたゴロツキ達が次々と膝を折り武器も持って居られずその場に倒れていく。何が起きたのか分かっていないゴロツキ達は一様に狼狽え「何しやがった?!」と叫ぶ事しか出来ない状況である。
その様子を見ていたレイリー達も「一体何をしたのか」と驚きの表情をしながらジョーの元へと近づいた。
「これは一体何をしたんだ…?」
『彼等の全身の筋力を間接的に退化させてみたのだけど…上手くいったようだね』
「まさか覚醒した事で他者に触れずとも能力を行使できるのか?」
『うん、そうだよ』
「話には聞いてたけどジョーさん規格外過ぎねェか…」
『そんな事ないと思うけどなァ…』
「正直私もそう思う…。貴方の能力はただでさえ強力であるのに触れずとも行使出来るとなると敵からすれば厄介な相手この上ない」
『ううーんレイリーくんまでそう言うのかい? 私的にはもう少し使い勝手がよくなって欲しいのだけど…』
「これ以上にか?」
「マジで言ってんのかジョーさん…」
『生命体だけでなく無生命体にも効くようになれば文句ないのだけどね』
「それは流石に…」
「欲張りすぎだと思うぜ…」
『うーん…そうかなぁ…』
ジョーの言葉に流石に呆れた表情を見せるレイリーとロシナンテに彼も「無理かなぁ」と内心ガッカリする思いである。
確かに無生命体にも能力が作用するようになればある意味ジョーの能力は止めようがなくなる程脅威になる。勿論それなりのリスクはあるが、それは定期的に放出する事で問題ない事も分かっているためその心配はもう無い様なものだろう。
ともあれ囲んでいたゴロツキ達は動く事もままならず彼らの話も混乱した頭では何を言っているのかサッパリで…ただ涙しながら「助けてくれ」と乞うのだが自分たちを襲おうとした人間を助けるほどジョーは勿論レイリーも優しくはない。ただ元海兵だった事もありロシナンテだけは少々気の毒そうな表情を見せはするものの手を差し伸べる事はなかった。
相変わらずの一悶着はあったものの彼らは目的地である「シャッキー’SぼったくりBAR」へとロジャー達より先に向かった。
目的地に着けば中では海賊がシャッキーにぼったくられている場面であり「見覚えある場面だな?」と思うジョー。ロシナンテはまず店名からして「ぼったくる気満々じゃねェか…」と思いつつ実際にその場面を見ると何とも言えない表情である。
まぁ無法地帯でやっている事で、しかも海賊相手にしかぼったくってはいないと言うのだから同情する余地もない。
「いらっしゃいジョーさん。今回は一人じゃないのね」
『うん。家族全員で来ているから後四人来るよ』
「あらそうなの? 貴方は何ちゃんかしら?」
「Σえっ?! ロシナンテ、ですけど…」
「ロシナンテちゃんね。私はシャクヤク。シャッキーと呼んでちょうだい」
「あ、はい…どうも」
「シャッキー彼が困っているじゃないか」
「ふふそんな所も可愛いじゃない」
( かわいい… )
『シャッキーさんの言いたい事は私にも分かるよ』
「賛同者がいてくれて嬉しいわ」
「やれやれ…男に対して可愛いは嬉しいものではないぞ」
「……俺ジョーさんにそんな風に思われてたんだな…」
『えっそんなに気落ちする程嫌だった?!』
ロシナンテは可愛いと言われた事に大分思う所があるのだがジョーが全く悪意のない親愛から言っている事が伝わってくる。ただそうなると複雑な思いをするのは言われているロシナンテで何処となくいじけた様な雰囲気を纏っていた。それに気づいたジョーが「無神経だったね」と謝ってくるのだが、それはそれで居た堪れない思いを抱いてしまうロシナンテだった。
一先ずBARに来たのだから酒を飲もうと言う事になり、それぞれカウンター席に座りシャッキーのお勧めを出して貰い乾杯をする。ここに来るまでに多少戦闘(一方的な)があった為喉が渇いていたジョーは珍しくジョッキの半分くらいまで飲み干す。それを見たシャッキーは「いい飲みっぷりね」と微笑みなが見ておりレイリーとロシナンテもグビグビと酒を飲んだ。
酒をある程度飲み、さて何の話をしようかとジョーが考え始めた時「こんな所にBARがあるとはなァ!」と言いながら入ってくる男数名。その風貌からして海賊であるのは間違いないのだが先にいたジョーたちを見てシャッキーを見てニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
どやどやと入って来た男達をチラリと見ただけで見向きもしないジョー達に海賊の船長と思わしき男はピキッと額に青筋を立たせた。
「おいおい此処は俺たちが貸切にする!ジジィ共はさっさとこの場から失せな!!」
「そうだぜ!! 無法地帯にあるこのBARにどうやってこんなジジィ達が来れんだよ!!」
「人攫いにあったけどいらねェって捨てられたんじゃねェか?」
「あり得るなァ!! こんなジジィを売っても端金にもならねェ!!」
などなど…海賊達は自分たちだけで話を進めてゲラゲラと盛り上がっているのだがジョー達はスンっとした感じで全く相手にしない。それに男は「聞いてんのか!?あぁ?!」と凄んでいるのだが覇気も何も感じない凄みなど彼らに通用するはずもなかった。
そんな中ジョーは呑気にも「前にもこんな事あったなぁ?」と思いながら酒を飲みつつ出されたツマミも食す。レイリーも何時もの事だと言いたげに意にも介さず、それを見たロシナンテも二人に倣い素知らぬ顔でツマミに手を伸ばした。
一切の反応を見せない彼らをカウンター越しに見ていたシャッキーは内心クスリと笑いながらもその様子を楽しそうに見ていた。
何を言ってもうんともすんとも言わず、しかも振り向きもしない彼らに男達は本格的にイラつきだし獲物を取り出す始末だ。それを感じ取った三人は流石にこの場で獲物を振り回されたり発砲されたら堪らないと漸く海賊達にチラリと目を向けた。
「店内で武器を手に取るのは感心せんな」
『だね。店の人に迷惑がかかる』
「もっと穏便に出来ねェもんか」
「うるせェ!! テメェ等が俺様を馬鹿にしやがるのが悪ィんだぜ!!」
「そうだそうだ!! 船長やっちまってくだせェ!!」
「やれやれ…店を破壊されても堪らんな」
『よし、レイリーくんあと頼んだ』
「レイさん頼んだぜ」
「ふふっよろしくレイさん」
「君達…。全く年寄りは労わるものだ」
『それ言ったら私が一番年寄りだよ』
「わはははっ!それもそうだったな!まぁ客人は貴方達だ、私が対処しよう」
「いつまでペチャクチャ喋ってやがる!! オラァ!!」
そう言いながら船長と思わしき男が彼らに向かってサーベルを振り上げながら突っ込んで来て、それを一瞥したレイリーから凄まじい威圧が発せられる。その瞬間、船長の男は勿論の事入って来ようとしていた男達もピタリと止まりグルンっと白目を剥き泡を吹きながらその場に倒れ込んだ。
ジョーは「さすが」と言いながらパチパチと手を叩きロシナンテは初めて触れた「冥王」の覇王色の覇気に鳥肌を立てゴクリと息を呑んだ。
倒れた男達は邪魔だからと店の外へと放り出され無惨にも店下で伸びているのだが人攫いに合わない事を祈る他ない。静けさを取り戻した店内は先ほどと変わらず酒を飲み、ツマミを食べ、また酒を飲むの繰り返しながら会話をする。
『こう言う子達がいるとこの場でBARを営むのも大変そうだね』
「確かに…女性一人だと危ないんじゃねェか?」
「あら心配してくれるなんて二人とも優しいのね」
「わははっ! シャッキーはそこらの海賊より強いぞ!」
「えっマジでか…」
『そうは言っても大勢で武力行使されたら流石に一筋縄ではいかないだろう?』
「ふふっそこは人を見てぼったくるから問題ないわ」
『それもそうなんだけれどそうじゃなくて、万が一力技で来られたら…って話だ』
「 ! ふふふっ! 本当に優しいのねジョーさんって」
『私が優しい…? お人好しとは言われた事あるけれど優しいと言われたのは初めてだね』
「本気で言ってるのか? お人好しは確かだがそれは優しさからくるものだろうに」
「俺もそう思う」
『そう感じるのは君達が私にとって身内も同然だからだよ。他人には興味ないしね』
「あー…確かにそんな事ジョーさん言ってたな…」
ジョーの言葉に聞き覚えのあるロシナンテは少し遠い目をしながら頷いて納得するがレイリーからすれば意外だった。確かに無法地帯で襲われた時は相手を伸していたが、それは自身の身を守るためには必要な事だし殺していないだけマシだ。
しかし本人は「身内」と「他人」とでしっかりと線引きをしており「他人」がどうなろうが知ったこっちゃ無いと感心すらない。その違いをロシナンテは身をもって体感しており助けられた当初は間違いなく「他人」だったが今は「身内」としてジョーの内側に入っている。
それが如何に難しく有り難い事なのかこの数年で思い知っているため今更「他人」にはなりたくないと心底思うのである。
レイリーはロジャー海賊団の副船長だった事からジョーにとっても「身内」まではいかずとも「知人」程度には思っていた。その為一切関心を示さないと言うジョーを想像し難いと言うのはあるのだが先程の海賊共にしていたような態度を取られるのだろうと察せる。
無関心と言うのは敵意を向けらるより虚しいし己の存在を否定されている様に感じるだろうなとレイリーは思った。
因みに現在ジョーが「知人」と思っているのは白ひげ海賊団とシャンクス以外の赤髪海賊団の面々である。レイリーやシャンクスはジョーの中では「身内」に入っておりエースと共にいたルフィもまた「身内」として思っていたりする。
無論そんな事レイリー、シャンクス、ルフィは知る由も無いのだが「知人」の人達と比べれば圧倒的に態度は違うのだ。
*
**
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シャッキー’SぼったくりBARに来てからそれなりの時間が経った時、外から「ここか?」やら「間違いなかろう!」やら声が聞こえる。その声がジョーたちにとって聞き覚えのある声で「やっと来たか」と言う思いなのだが本人達は待たせていると言う感覚がないようである。
バンっと力強く開けられた扉から入ってきたロジャーは「おっ当ってた!」と言い笑顔を見せながら相棒…レイリーの側へ寄った。
「よぉ相棒!! 久しぶりだな!」
「あぁお前も相変わらずそうだなロジャー」
「まぁな! 何時も楽しく過ごしてるぜ!!」
「ちょっと待ってレイさん…今ロジャーと呼んだの…?」
「あぁシャッキーが会うのは久しぶりだったな。知っての通りゴール・D・ロジャー本人だ」
「久しぶりだな!」
「ロジャーが生きているなんて…そんなまさか…」
「まぁビビるよな!!」
『シャッキーさんは大丈夫だろうけどロジャーの事は内密に頼むよ』
「えぇそれは勿論よ。お客様の情報を流す気はないわ」
『ありがとう』
ロジャーが生きている事に心底驚くシャッキーだったがジョーの見た目がほぼ変わらぬその能力関係であろうと直ぐに当たりをつけた。詳しく聞いた訳ではないが能力云々の話は以前来た時に聞いているため察せるだけだが、とんでもない能力なのは分かった。
ロジャー達と合流したが直ぐにレイリーにコーティングを頼むのもアレだと思い、もう少しゆっくりしてから話を詰めようと思うジョー。男性陣がカウンター席に座りシャッキーを含めた女性陣はソファ席へと座ってそれぞれ話をする事になった。
となると酒やら何やらを提供する人が居なくなる訳でシャッキーからは「各々好きに飲み食いして」と言われてしまう。女性陣の方は自己紹介から始まり既に楽しそうに会話に花を咲かせており男達が口を割って入れる空気では一切ない。
それを見たジョーは席を立ちカウンターに入らせて貰い適当に酒を出し簡単なナッツ類を皿に出して置いた。また席に戻って酒を飲み出したジョーを見たロジャーもグビグビと酒を3分の2ほど飲んだ所で疑問をぶつけた。
「そういやコーティングの件はどうなったんだ?」
『それならレイリーくんがやってくれるって言うから彼に頼んだよ』
「Σはっ?! お前ェコーティングも出来るようになったのか?!」
「まぁな。生計を立てんとならんからな」
「レイリーは凄いな!! 以前から色々できておったのに新たにコーティング業とは!!」
「お前達が出来なさ過ぎるんだ」
『それは言えてるね。タートル島に居る時も殆ど猛獣達と遊んでいるし男で手伝いをしてくれるのはロシィだけだ』
「ロジャーとおでんさんの相手する位ならジョーさんの手伝いした方が絶対いい」
「Σ何だと!?」
「Σそんなこと思っておったのかロシィ!!」
「わはははっ!! 酷い言われようじゃないかロジャー、おでん!!!」
「笑い事じゃねェよレイリー!!」
「ロシィに言われるとグサっと胸に刺さる…!!!」
『分かる分かる。可愛い末弟に反抗された気分だろう?』
「「 それだ!!! 」」
「わははははっ!!! 随分可愛がられているじゃないかロシナンテくん!!」
「俺としては色々複雑なんだが…」
ロジャーとおでんが会話に加わった事で男性陣の方も会話が弾みロシナンテは自分の話になると少々居た堪れない思いである。そうは言ってもロシナンテが彼らよりも何十歳も年下なのは変えられぬ事実であり可愛がられる要因にもなっている。まぁ一番の要因は極端なドジっ子加減であり、その所為もあって彼等に「目が離せない末弟」と思われているのだ。
ロシナンテ的には三十路になってまで子供扱いされるのは些か不満であるのだが何を言っても軽く流されてしまう。それに実際彼らからして見ればまだまだヒヨッコでありジョーに至っては孫を見ている境地まで来ていたりする。
ただそう言うと己が本当に年寄りくさくなってしまうため、どんなに歳が離れていようが「弟」とロシナンテの事を言うのだ。
「そう言えば今回シャンクスの元へ行くと言っていたが奴のビブルカードを持っているのか?」
「俺は持ってねェぞ」
「おれも」
『私が持っているから大丈夫だよ』
「ジョーさん赤髪のビブルカード貰ってたのか?」
『うん。皆のを作りに行った時に私達のを渡す代わりにシャンクスくんのを貰ったんだ』
「さすが兄貴!! 用意周到だな!!」
「これで赤太郎の元まで真っ直ぐ行けるなァ!!」
「しかし我々が突然行ったらシャンクス達は驚くだろうな」
『ふふ そうかも知れないね。まぁサプライズって事でいいんじゃないか?』
「俺サプライズでロジャーとかレイさんが来たらぶったまげるけどな…」
「わははははっ! 確かにシャンクス以外のクルーは驚くかも知れんな!」
『特にロジャーは死んでる事になってるから余計だろうね』
「考えてみりゃ今回は普通に会う事になるけど兄貴は気にしねェんだな」
「確かにそうであったな?!」
『シャンクスくんのクルー達だし何より船に乗せてもらった時に彼らの人となりを見て来たからね』
「なるほど。シャンクスのクルーはジョーさんのお眼鏡に適ったワケだな」
ロジャーの疑問にジョーが答え、それを聞いたレイリーは当時シャボンディ諸島に一緒に来た時はクルー達はロジャーと会っていないのかと察した。そのためしみじみとした言い方をしたのだがジョー的にはそんな上から目線で見ているつもりはないのだが結果的にそうなってしまい肩を竦めた。
この後も酒を飲みツマミを食べながらワイワイ!ガヤガヤ!と騒がしく、あっという間に時間が過ぎて行くのだった。
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ロジャー達が合流してからどれくらい経ったか分からないが外が暗くなる程飲み明かしている面々。ロシナンテは結構な量をロジャーとおでんに飲まされダウンしカウンターに突っ伏して眠ってしまっている。
飲ませた張本人達は顔を赤くしケラケラと笑いながら飲み続けているのだがかなり酔っ払っているのが見て取れる。ジョーはそんな彼らを見てから「酒休めしてくるね」と言って席を立ち店から出て階段のところに腰をかけた。
「ふぅ」と彼が一息ついていると扉の開く音がしジョーが振り返れば外に出て来たのはルージュとトキでジョーは意外そうな表情を見せた。
『二人ともどうしたんだい?』
「ジョーさんにお願いがあって…」
「私たち、新世界には行かず此処で待っていようかと思います」
『Σえっ?! それ本気で言ってる?!』
「はい…ここに残って皆さんが戻って来るまでシャッキーさんの手伝いをしようかと思ってます」
「彼女には許可を貰っていますから後はジョーさん達に納得して頂くだけです」
『いやでも…ここは危険だよ? いつ何があるか分からないとなると君達だけを残して行くのは心配だ』
「必要以上ここから出るつもりはないですから」
「万が一何かあっても私の能力で未来に飛ばします」
『……二人の意志は固そうだね。分かった私は二人の意志を尊重しよう』
「 ! ありがとうございます!」
『ただし! ロジャーとおでんくんを自分達で説得できたらだよ』
「分かりました」
「必ず説得して見せます!」
そう言って二人は中に入って行き、しばらくすると「何ィ―――――?!」と言う話を聞いたであろう二人の叫び声が響く。
ジョーは説得出来たらと言ったが間違いなくロジャーとおでんは説き伏せられるだろうなとジョーは思っていたりする。本来であれば一緒に来てくれた方がジョーとしても安心だが彼女達の行動範囲を縛り付けるような事はしたく無いとも思うのだ。
それはロジャー達にも言えた事なのだが彼らと彼女達では少々境遇が違い過ぎるため対応もどうしても変わってしまう。かなり行動制限をかけてしまっているロジャーとおでんには申し訳ない気持ちが強いがジョーはその手を緩める気は今のところ無いのである。
( ここで待つって本気かルージュ?! )
( はい )
( 冗談であろうトキ!? )
( いいえおでんさん。私たちは本気です )
( で、でも兄貴が許さねェだろ?! )
( そ、そうだ! ジョーが許す筈ないぞ!! )
( それでしたらご心配なく )
( ジョーさんには許可を貰いましたから )
(( Σ何ィ―――――?! ))
( さて、どう言う結果になるかな )
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