救済を
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ジョーとロシナンテが北の海へローを探しに行って、双子岬にて待機していたロジャー達と合流しタートル島へ帰って来てから幾ばくかの日数が経った。
ここ最近色々な事がありゆっくり出来ていなかったジョーは久方振りに虎丸を背に読書を楽しんでいた。ロジャーとおでんは帰って来てからも相変わらず猛獣達と戯れており色々な所から「がぁー!!」やら何やら音が響いているのだが日常茶飯の彼等は気にしない。ロシナンテもロジャー達に巻き込まれる事が多々あるのだが今回は逃げ切れたのかジョーの近くで銃の調整をしている。
そんなある日の事、みんなで食事をしている時ジョーが何かを思い出したように「そう言えば」と前置きをしてロジャーに顔を向けた。
『私の能力が何か今までより幅が広がったのだけど何か理由を知ってるかい?』
「んん?! €$〒°#@&〆\%?!!?!」
『口の中の物を飲み込んでから話しなさい』
「ごくっ! マジで言ってんのか!? どんな感じで変わったんだ?!」
『どんなって…直接相手に触らなくても間接的に能力が作用する様になった事かな?』
「間接的にってマジでか…」
「そんな事が出来る様になったのか?!」
「マジでジョーさん何でもアリ過ぎねェか…?」
「悪魔の実と言うのは色々変化する物なんですか?」
「わたしも能力者ですかその様な変化はありませんが…」
『そうなのかい? なら私の勘違いかな…?』
「分かんねェなら試してみようぜ!」
ジョーが突然言い出した「悪魔の実の能力の変化」についてロジャーは嬉々として検証しようと言う。何よりロジャーはその変化に心当たりがあり、もし本当にそうならばジョーは更に一段階強くなったと言う事である。
そんなロジャーの思惑など微塵も汲み取れてなどいないジョーはただ首を傾げているだけなのだが…。
ただ検証しようにもジョーの能力的に人を身内を対象に検証するのは些か危険が伴うため出来れば外部の人間の方が好ましい。とは言え、亀助の周りを甲殻一族がぐるっと囲うようになってから更に外部から人が来る事など滅多にないためそれも叶わないのだ。
どうしたものかとそれぞれ考えている中、突然グラグラグラと彼等のいる亀助が動き出し皆一様に驚きの表情を見せる。こんな動きをするのはここタートル島に「白ひげ海賊団」が海中からやって来て以来なのだが、もしやまた誰か来たのかとジョーは思う。
一先ず状況確認が最優先だとジョーは立ち上がり足早に亀助の頭部の方へと向かった。
ジョーがそこに着いても海は何の変哲も無さそうで「一体なんで亀助さんは揺れたんだ?」と首を傾げてしまう。ジョーが悩んでいると「来たか」と亀助がジョーの気配を察知して声をかけてきた事にジョーは「また呼ばれたのか」と思う。
『また何かあったんですか?』
〈 うむ、亀郎から伝達があってなァ…何でも海賊船がココ近辺に来ておるようだぞ 〉
『海賊船が? それは…タイミングが良かったですね』
〈 うん? タイミングが良かったとな? 〉
『あ、はい。私の能力が変化したので試してみようってロジャー達と話していたので来た海賊達で試そうかと』
〈 フォッフォッフォ! それはここに来た海賊は災難よなァ! 海の藻屑になりに来たようなものよ! 〉
『海賊ですからそれも覚悟の内でしょう』
〈 イヤイヤ、まさかこの様な所にお主達のような者がいるなど誰も思いもよらぬだろうに 〉
亀助はこの場に来た海賊に同情を示しており、その言葉をジョーは「強い方が勝つだけだ」と内心思っている。
ともあれココに海賊が来たのなら話は早いためジョーは来た道を一度引き返しロジャー達の元へ戻る。ロジャー達はジョーが戻って来たら直ぐに何があったのか聞き、それに何も隠さずに「海賊船が来たらしい」と話す。
それを聞いたロジャーもおでんも目を爛々と輝かせ自分たちも戦う気満々でありジョーも今回は何も言わず共に行く事を許容した。まさか何も言われない事に二人は目を丸め驚くも直ぐに「よっしゃあ行くか!」と己の獲物を持って立ち上がる。
万が一海賊が海に逃げここに上陸してしまった可能性を加味してロシナンテにはここに残ってもらう事になった。
「いざ行かん」と多くの人の気配がする方へ三人は歩みを進め途中から駆け足でそちらへ向かう。
「ロジャー達以外との久方振りの戦闘! 血が滾るなァ!!」
「わはははっ! そうだな! ここに船が来ること事態殆どなかったからな!」
『無駄な戦闘をしなくて済むんだからいいじゃないか』
「ジョーは闘争心が無さ過ぎやしないか?!」
「昔っからそうだよな兄貴はよ!! 強ェくせに本気でやらねェんだ!」
『やる時は何時でも本気だよ』
「嘘つけ! 本気でやったらお互いタダじゃすまねェだろ!!」
「おれもそう思うぞ!!」
などなど会話をしながらも彼らの走るスピードは落ちる事なく目的の場所へと向かっており海の見える場所までやって来た。しかし海賊船がいるのは亀助のいる場所より更に外側、甲殻一族が囲ってくれている外側に居るようで彼らからは目を凝らしても豆粒程度にしか見えない。
となると海賊船の元まで行くにはウマベビに乗るのが手っ取り早いのだが今ウマヘビが何処を回っているのか彼らにも分からない。声の届く範囲にいてジョーが呼べば直ぐさま来るかもしれないが近くに居なければ意味はない。
「どうする?」と言うように三人で目を向けていると彼らの前にやって来たのは亀助に報告した亀郎であった。
〈 お主ら三人で来たと言うことはあの海賊を追い払うと言うことでいいのか? 〉
「おう! ウマヘビいねェから向こうまで乗せてくれよ!」
「おぉ確かに其方であれば簡単に行けるな!」
『って事なのだけれどいいかな亀郎さん』
〈 うむ構わぬ。元より我が伝えたこと故な 〉
「よっしゃあー!! 待ってろよ海賊!!」
「おれ達が蹴散らしてやる!!」
『まずお前達が手を出す前に私に能力を使わせておくれよ?』
…………………
……………………………
「それはまた今度にしねェか?」
「うむ…おれも暴れたい」
『検証しようと言った本人が何を言うんだ。私も気にはなるから譲らないよ』
「「 え――――っ!!? 」」
『何か文句でも?』
「「 ありません。ごめんなさい 」」
自分たちも戦いたいロジャー達はブー垂れたのだがジョーの笑顔を前にそれ以上我儘を言えず直ぐに謝る二人。そんな様子を見ていた亀郎は「人の世でいう漫才か」と一人納得しているのだが、そんな事三人は知る由もない。
ともあれ海賊船がこのまま此方に進んで来られるのも困るためジョーたちは亀郎へと乗り込み海賊船の元へ。
スィーッといとも簡単に海賊船の側まで寄った亀郎の頭の上で三人はジョリーロジャーを見るのだがどこの誰かなど分かる訳も無く…。突然現れた三人を見て驚き戦闘態勢を取って待ち構えている海賊達の元へジョーが先頭に甲板へと乗り込んだ。
それに続いてロジャーとおでんと続き、たった三人で来た事に海賊達は余裕そうに下卑た笑い声を上げる。
「まさかたった三人で俺様達に挑みに来たのか?!」
「ギャハハハハッ!! 船長の恐ろしさを知らないアホらしい!!」
「手慣らしにもならねェな…オメェらやっちまえ!!!」
「「「「お――――――っ!!!」」」」
『
「―――――――――………」
ジョーが甲板に手を付いて能力を使った瞬間、ロジャーとおでん以外の人間から正気が抜けたように次々と膝から頽れていく。それを見た二人は驚きに目を丸めながらこれをやった本人に目を向けるもジョーはどこ吹く風で己の手を見ていた。
手を見ていた視線をロジャーとおでんへと向け「な?」と言うような感じに訴えて来るのだが二人は完全に不完全燃焼である。それでもジョーの能力が直接触れずに効果を発揮している以上間違いなく変化しているのを実際に見てロジャーは笑った。
「わははははっスゲェな兄貴!! 思った通り能力を覚醒させやがった!!」
「なんと悪魔の実はその覚醒とやらをするのか?!」
『実際どんな風になるんだい…?』
「簡単に言えば悪魔の実にも上のステージがあってな広範囲に攻撃可能になったわけだ!」
「それは凄いな?! ジョーの場合触れずとも相手を無力化出来ると言うことか!?」
「そう言うこったな!! マジで兄貴も手を付けられねェタイプになって来たな!!」
『ふーん…それは便利だね。私的には生命体意外にも作用出来ればもっといいんだけど』
「もうそうなったらマジで敵無しじゃねェか?」
「うむ、チートが過ぎるぞ」
『誰かを守る為には過ぎた力があるのは有り難いよ』
「まぁでも…この能力を海軍が嗅ぎ付けたら面倒にはなりそうだな」
『もし見つかっても報告されないようにすればいいさ』
「兄貴も大概になってきたな…」
「それなァ…」
「つーかよ、俺達はなんで何ともないんだ? 後いつ頃能力が変わったのに気づいたんだ?」
『あー…ロジャー達に何もないのは私に対して敵意を持ってる人と私が敵と判断した人にしか効かないように調節しているからだよ。能力がなんか変わったなと実感したのはシャンクスくんに久し振りに会った時だから…数年前だね』
「自分の塩梅で調節出来るとは凄いな?!」
「そもそも数年前ってなんでその時に聞かねェんだよ…」
ジョーが覚醒していたのが数年前からだと知ったロジャーは呆れた顔をジョーに向けるも向けられている本人はどこ吹く風だ。
ぶっちゃけるとジョーは無意識でやっていたのだがワノ国へおでんを助けに行き、工場を破壊する際に周りにいた海賊をのした時が覚醒した時である。それ以降能力を使う時は直接触れていた事もあり能力が変わったと言う事に気づきもせず変化を実感したのがシャンクスに再開した時で話すに至ったのが今になってしまったのだ。
ともあれジョーの悪魔の実の能力は間違いなく覚醒していると言うことで話は落ち着いた。
この場に海賊船だけ取り残して居てもただ邪魔になる為、騒ぎを聞きつけたウマヘビが近くに居た為適当な場所に運ぶ様頼んだ。既に無力化した事で無駄に命を奪う事をしないジョーだったがウマヘビに任せた事で何処に放置するか分からない。
そもそもジョーの能力で無力化されている時点で死んでいるも同然なのだが彼的には「心臓が動いてれば生きてる」と言う極端な考えである。ウマヘビが海賊船を何処かへ持っていたのを見送ったロジャーとおでんは「奴らは運がなかったな」と思い少し同情した。
ジョーの能力の検証も済み、この場に残る意味はないため亀郎に彼らの生活圏である亀助まで送ってもらう。その間適当な話をしていたのだがジョーだけ何かを思案するような顔をしておりチラリと足元を見て能力を使った。
〈 お…おぉ?! なんだ! 突然体が全盛期の時の様に軽くなった…!? 〉
「は?」
「いきなり何を言い出すんだ?」
「…まさかとは思うが兄貴何かしたのか?」
『いやー手だけじゃなくて足でも能力使えるか試してみたのだけど出来たみたいだね?』
「いやいやいや!! 能力使うなら流石に一言言ってからやれよ!?」
「そうだぞ!! ジョーの能力は廃人まっしぐら故な!」
『酷い言われようだね。でも亀郎さん何の問題もなさそうだし結果オーライだよ』
「Σそれは結果論だろ?!」
「万が一失敗しておったら洒落にならん!!」
今回ばかりはロジャーとおでんの言っている事が正論なのだがジョーは悪びれた様子もなくただただ肩を竦めて見せるだけだった。そんなこんなあり亀助の元へと帰還しロシナンテ達が待っている中央部へとジョーは変わらずロジャーとおでんは疲れたように向かうのだった。
( あ、お帰りなさい…随分とお疲れですね? )
( 兄貴の非常識さを久しぶりに見てな… )
( ジョーさんが非常識…? )
( うむ…トキ達は知らぬのも無理はない…あまり見せんからな )
( 二人をここまで疲弊させるってジョーさん何したんだよ… )
( え? 別に能力の検証をしただけだよ )
( そのやり方に問題があるっつってんだよ!! )
( おれ達まで巻き込まれていたらどうする?! )
( そこはちゃんとコントロール出来ると思ったからやったんだよ )
( ……一先ずジョーさんが無理な事をしたのは分かった )
( えっ…ロシィはロジャー達の味方なのか? )
( ジョーさんは自分の能力の危険性をもっと理解した方がいいと思うぞ… )
(( そうだそうだ!! ))
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