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ロジャーとルージュの希望の元、息子であるエースに会いにドーン島へ向かった一行


結果的にはしっかりエースに会えて話も出来ているのだが、帰りは海軍本部のガープが来た事にバタバタとしてしまった
彼らはガープと鉢合わせる訳には行かず駆け足で逃げ帰り無事にドーン島を出て大海原をゆっくりと進んでいた


そんなある日、ニュースクーが持って来た新聞を買い取り何気なく開いたその中に挟まっていた手配書がヒラリと落ちる
それを見たジョーは「また新しい手配書か」となんの気ないし拾い確認して動きがピタリと止まった


その手配書は何処か見覚えのある人物が描写されており、懸賞金が10億ベリーとなっていて頭を抱える羽目になる


共に甲板にいたロシナンテがジョーの様子が可笑しい事に首を傾げながら彼の側により「どうかしたのか?」と声を掛けた
ロシナンテの声を聞いて手に持っていた手配書を彼に見えるように渡せば、それを受け取ったロシナンテも驚きに固まった



「…これってジョーさんの手配書…?!」

『あぁー…やっぱりこうなってしまったかァ…』

「え…こうなるかも知れねェって分かってたのか?」

『エースには口止めしていたけどルフィくんには何も言っていなくてね…恐らく彼からガープくんに漏れたんだと思う』

「あー…成る程…でもガープ中将が上に報告するのか正直疑問だ…」

『そうなの? 海軍となれば上下関係とか厳しいだろうから直ぐに報告すると思ってたけど…』

「ロジャーの息子を匿ってる人だぜ? アンタだって分かって態々言うとは俺は思わねェ」

『もしそうなら何処から…』

「ただ…あの人も隠し事とか出来ない人だから…センゴクさんに聞き出された可能性はある…」



ロシナンテの話を聞いて、ルフィがガープに話してしまいその後ガープが黙ってられず話してしまったのだろうと言う事で落ち着いた
とは言え結局は取り下げられた(風化してた)己の手配書が懸賞金額が上がって再発行された事に変わりはない事実である


その事実に打ちのめされるように頭を抱えていたジョーだったが、今更何を言っても意味ないと大きく息を吐いた


二人の間で一段落ついたタイミングで船内から「ルージュ?!」とロジャーの声が響き渡った
外にいても聞こえる大声にジョーもロシナンテもビクッと肩を振るわせ、「なんだ?」と言うように互いに見合い船内へ入る


何があったのかロジャーが随分と狼狽えており、その原因であるルージュはベッドの上で随分と苦しそうに息をしている



『どうしたんだ?』

「兄貴! 突然ルージュが倒れたんだ!」

「凄く苦しそうだぞ…?!」

「随分と熱が高いです! お医者様に診せた方が良いかも知れません!」

『熱か…』

「兄貴の能力で治せねェのか?!」

『大丈夫治せるよ、トキさんちょっと良いかな』

「はい」



トキに居た場所を代わってもらい、ジョーはルージュの顔色を見てから彼女の肩に触れ「完全回復フルリカバリー」と呟く
その瞬間顔を赤くし大粒の汗をかいていたルージュの顔色が見る見るうちに良くなっていき乱れていた呼吸も安定した


一先ずこれで問題はないだろうが、それなりの期間船旅をして疲れが出て来ているのは間違いないだろ
そう考えるとロシナンテの会いたい少年が居るであろう北の海まで行くのは流石に辛いのではないかとジョーは思う


ジョーの能力で熱を治したのは確かだが、またぶり返す可能性があるのも確かなのだ



『……このまま旅を続けるのは難しいかな、出来ればちゃんと医者に診せた方が良いね』

「医者?! ジョーが治してくれたんじゃねェのか?!」

『熱自体は熱が出ていない状態に戻したけれど、大元を何とかしないとダメだ』

「大元と言うと…何かしらに感染しているかもって事か?」

『うんロシィの言う通りだ、万が一感染系の熱だと厄介だからね』

「なるほど! 確かにそれは厄介極まりないな、だからこその医者か!」

「医者っつーならクロッカスだな! 直ぐ行こう!!」

「おぉクロッカスか! 確かに見せるなら奴しかおるまい!」

『あぁクロッカスくんか…良いんじゃないかな、ロジャー達の事も知ってるし何より口は堅いだろうし…けれど今彼が何処にいるか知ってるの?』

「たぶん双子岬に帰ってると思うぜ! そこで先生に会ったからな!!」

『双子岬……? どこにあるんだい?』

「Σいや、グランドラインに入った時通ったろ?! リヴァース・マウンテン降った先にある岬が双子岬だ!」

『あー…そんなとこもあった気が…? 正直昔過ぎて覚えていないよ』



肩を竦めながら言うジョーに対してロジャーは「ジジィか!」と突っ込むも、実際年齢的には爺さんで間違いない
ただロジャーとも五つしか年は変わらない為、心底解せないと言った表情を見せるも特に突っ掛かることはなかった


話を黙って聞いていたロシナンテ的には「クロッカスって誰だ?」と言う感じなのだが、ロジャーの元クルーかとダンマリを貫いている


ともあれ、熱を出して寝込んでいる(ジョーによって症状はなくなった)ルージュをクロッカスに診せる事で話は纏まるのだった






急遽ルートを変更し双子岬に暮らしているらしい元ロジャー海賊団の船医をしていたクロッカスの元へ一行は向かっている
双子岬はリヴァース・マウンテンを降った直ぐにある場所のため、そこを通った方がいいのだが、如何せんウマヘビが通れるかと言う問題が浮上


忘れがちだがウマヘビは一応カームベルトに生息する超大型海王類である為、リヴァース・マウンテンに入る道を通れるか微妙なのだ


まさかそこで通れるか通れないかと言う話が出るとは思っていなかったロジャーとおでんは何が面白いのか大爆笑
ロシナンテ的には生まれが四つの海のいずれかではなかった為、グランドラインの入り口としてリヴァース・マウンテンを知ってはいても通った事はない


そのため内心楽しみにしていた部分もあったのだが、残念ながら今回は諦める他なさそうである


何だかんだ問題が発生しつつも結局のところ何時も通りカームベルトを通って双子岬へと向かう事になり、絶賛カームベルト横断中だ
ウマヘビのお陰で他の超大型海王類に襲われる事なくスムーズに進む事が出来、今のところとても快適な航路を辿っている



『カームベルトを抜けたら今度はレッドラインの方へ行けばいいのだよね?』

「おう! 一先ずレッドラインに向かってそこからリヴァース・マウンテンの下降口に行けば双子岬だ!」

「クロッカスに会うの楽しみだなァ!!」

「だな! 俺たちが航海してたのも彼此何十年も前の話だからな!!」

「そう聞くとホントに海賊王なんだなって気がする」

「いやいや、今更か?! ラフテル行ってから世間的に俺は海賊王だぜ?!」

「そうだが…普段が全くそんな感じがしねェ」

『右に同じく』

「兄貴もロシィも酷くねェか?! おでんどう思うよ?!」

「すまん、おれも普段のロジャーは海賊王には見えん」

「Σなにィ―――?!!!」



誰も味方がいない事にロジャーは「納得いかねェ!」と憤慨しているが、残念ながらこの場に彼を宥めてくれる人はいない
ロジャーがムスッとした顔を隠しもせず居る中、カームベルトを抜けた様で風と波を感じるようになる


ジョーはウマヘビに目的地である双子岬へ行く為に、一先ずレッドラインの方へ行くように伝えた
ウマヘビは「ブルヒヒン?」と言いながらよく分かっていないようで、ジョーが続けて「赤い壁のある方」と言えば分かったのか方向転換し始める


これで何とか行けそうだなと思ったジョーは、臍を曲げているロジャーを放置して持って来た本を取り出し読み始めるのだった





**********





ついに見えたレッドライン…と遠目でも分かる海に対して垂直に聳え立つ黒い何か
それが見えた事に一同は「何だあれは?」と一様に首を傾げており、ジョーがロジャーに何なのか尋ねても彼にも分からないようだった


となると、ロジャーが通って来た時にはなかった「何か」がここ数十年で出来上がったと言う事である


「面倒ごとじゃ無ければいいけど」と思ってしまうジョーの心境は間違ってはいないだろう
徐々に近づいていけば、遠目で見えていた「何か」は超巨大なクジラである事が判明し皆が皆、ポカンと口を半開きにして呆けた


「流石にデカすぎるだろ」と言うのが皆の心境である


クジラにばかり目がいっていた面々だが、クジラのいるすぐ側に灯台のある岬もあり、ここが目的地である双子岬なのだとジョーは察した



『ここが双子岬なのは分かったけど…あの巨大なクジラは門番か何かか?』

「いや…俺たちが通った時はあんなデケェクジラ居なかった筈だが…いたら流石に覚えてるしな」

『確かにそうだよね』

「こりゃあ頭のテッペンが見えんなァ…」

「クジラってこんなにデカくなるのか…」

『ホントそれだよね…イヤでも亀助さんとかも居るから有り得なくはないのか…』

「「 確かに 」」

「それにゾウもいるしな!」

『ともあれクジラを気にしている場合じゃないね、ルージュさんをクロッカスくんに診てもらおう』



ジョーの言葉に皆頷いてルージュを看病しているトキを船内へ残し、彼らは岬へと降り唯一ある荒屋へと向かう
窓から中を覗くもそこには何もなく、本当に人が住んでいたのか怪しい程である


それぞれが「どう言うことだ?」と顔を見合わせるも、この場にクロッカスがいないのは一目瞭然であり医者探しが振り出しに戻りそうな予感だ


どうしたものかとジョーが腕を組んだ時、聳え立ったいてクジラがいつの間にか海へ潜っておりドォーン!と言う音と共に地面が揺れる
地震のようにグラグラと揺れる地面に誰もが「一体何ごと?!」と辺りを見渡すも特に変わった様子はないのだが、再び揺れる


それが断続的に続くことから、自然で起こって居るのではなく人為的な何かの可能性を感じジョーはそっと海を覗く
すると海底の方で黒い影がレッドラインに向かって激突しているのが見え、それが今まで聳え立っていたクジラなのではと推察する


だからと言って海底にいるクジラを能力者であるジョーが止めることは出来ないし、他の皆にさせるのも少々酷だ
なんの手立てもない事にお手上げ状態だった時、突如何かがぶつかる音と揺れがピタリと止まり暫くするとプカーッとクジラが浮かんで来た


その事実に再度「何事?」と誰もが思い、しまいにはクジラの背中辺りがパカっと開き人が出て来たことに誰もが絶句した



「ギャァ―――!!!! 背中が開いたァ―――!!!!」

「マジかよ!!!! あり得ねェだろ?!」

「あれ…クジラ大丈夫なのか…?!」

『まさかクジラの中から人が出て来るとは…奇天烈な人もいたものだね?』

「兄貴冷静かよ!! フツーもっと驚くだろ?!」

『驚いてはいるよ? けどまぁ…グランドラインってそう言う海なのだろう? ならあり得なくはないよね』


…………………

………………………………



「兄貴にグランドラインの何たるかを説かれるとは…」

「航海に出た事ないのにな…」

「海に関しては一番知らないんじゃ…」

『失礼だねお前達…喧嘩売ってるなら受けて立つよ』

「「「 ごめんなさい 」」」

「そこに居るのは…おでんか?! それにアンタはジョーさん…それに…お、前…ロジャー?!!?!!」



少々漫才のような事をしていた面々だったが、その間にクジラから出てきた人は彼らが見える位置まで来ており、そして心底驚きを表している
おでんとジョーが居るのは勿論だが、何よりこの場に…この世にいる筈のないロジャーがいる事に目がまろび出そうなほどカッ開いている


「何がどう言うことだ」と理解しようと頭をフル稼働させているクロッカスはジョーを視線で捉え、そして彼の能力の事を思い出し何かしたのだと察した
処刑された筈のロジャーの人となりを知っておりこうして生きている奇跡にクロッカスは歓喜し涙した


それを見たロジャーは目を瞬かせてから苦笑いし「オメェも泣くのかよ先生!」と言いながらクロッカスの背中をバシバシ叩く
「煩い馬鹿者!」と悪態をつくクロッカスと何故か貰い泣きをしているおでんが「うぉおぉおおん!」と酷い顔している


その様子をジョーの隣で見ていてるロシナンテは「凄い慕われているんだな」と改めてゴールド・ロジャーの凄さを実感した


感動の再会は一先ずその辺にして置いてもらい、クロッカスに会いに来た目的を成すのが先である



『感動の再会の所悪いのだけど、クロッカスくんに診てほしい人がいるんだ』

「私に? 一体何処の誰だ…わざわざ私の元へ連れてくるとは…」

「俺の嫁だ!!」

「…………は?」

『ロジャーの嫁さん』

「ロジャーの妻だ!!」

「ロジャーの奥さん」

「………何だみんなして、新手の冗談か?」

「Σ何でだよ!! マジで俺の嫁だわっ!!」

「ロジャーに嫁…本気で言ってるのか…?」

「「『 マジマジ 』」」

「マジなのか……」

「おっ前らホント失礼な奴らだな?!」



ロジャーが己の嫁を診てほしいと言って居るのだが、やはりと言うべきかクロッカスも信じられず疑心の目を向けていた
だがジョーもおでんも「そうだ」と肯定しているし、クロッカスは初めましてだがロシナンテも肯定している


その為本当にロジャーの嫁なのだと心底驚きながら顔を引き攣らせているロジャーをマジマジと見てクロッカスは頷いて納得した


クロッカスが納得した事でロジャーは船内に彼を案内して行き、ジョーたち三人は大勢で行っても邪魔だろうと外で待機
そして暫くすればロジャーがルージュを抱えてクロッカスとトキも引き連れて船内から出て来た


ジョーが「どうしたんだ?」と問えば、この船には医療具が何も無いことからクロッカスの住処へと移動する事となったのだ


ルージュを診てもらえるのなら移動するのは勿論構わない彼らなのだが、如何せん荒屋には何もないし衛生状態もよろしくない
となると一体クロッカスは何処に住んでいるのかと言うことになるのだが、誰もが思う疑問に気づいた彼は「ラブーンの中だ」とだけ言う


たったそれだけではこの場にいる誰も分からず頭上に「?」が沢山飛び交っているのだがクロッカスは気にせずクジラ…ラブーンの上へ登っていく



「待ってくれ先生! まさかクジラの中に入るって言ってんのか?!」

「そうだ、私は今ラブーンの中で生活をしている」

「マジでか?!」

「クジラの中とな?!」

「……冗談じゃ、なさそうだな…」

『クロッカスくんは真面な人かと思っていたけれど…やはり大概だね』

「貴方だけには言われたくないなジョーさん」

「それは確かに」

ジョーは普通ではないな!」

「普通だったらあんな所に住まない」

『酷いな』



ジョーの言葉にクロッカスは「心外だ」と言いたげな顔をしながら彼に言い返す
その言葉に皆が賛同し誰一人ジョーを擁護してくれる人はおらず、彼は肩を竦めるだけに留めた


ともあれクロッカスがラブーンの中に行くと言うのであれば彼等も行かざる得なく、ロジャーを先頭にぞろぞろとラブーンを登る
扉になっている部分をパッカリ開けて梯子を降りて行くクロッカスに誰も何も言えず彼等も順番に降りて行く


その際横抱きでルージュを抱えていたロジャーは着ていたシャツを脱いで、彼女を背負い両手を使える様に己とシャツで結んで固定した


梯子を降り切ればトンネルの様な道になっており「これホントにクジラの中だよな?」と思う彼等
ジョーに至っては鉄で通路を作っている事から「良くこれで生きているな?」とも思っていたりもする


勝手知ったるクロッカスの後について行く事数分、ガチャリと扉を開けた先に広がったのは青い空と海(?)に浮かぶ小さな島
まるで外にいると錯覚する様な場所に出た事に一同は驚愕に固まり、そんな彼等を一瞥したクロッカスはさっさと島へと行ってしまう



「ここクジラの腹ん中…だよな?」

「うむ…その筈だが…」

「まるで外にいる様ですね…」

「どうやったらこんな風になるんだ…」

『やっぱり私よりクロッカスくんの方が奇天烈じゃないか?』

「どっちもどっちだよ!!」

「二人を比べられる感じではないな!」

「亀助さんの方が快適に過ごせそうではありますけど…」

「まず生き物の上とか中に住むって発想がおかしい」

「「 それな 」」

『まさかトキさんとロシィにもそんな風に言われるとは…そもそも亀助さんが亀だと知ったのも大分後なのだけれどね』

「それもそれで如何なんだ…」

「着いた時点で分かりそうなものだが」

『なら聞くが、お前達はあそこに着いた時亀助さんが生き物だって分かってたのか?』


…………………

…………………………



「そういやジョーに聞いたんだったな」

「そうであったな!」



よくよく考えて見れば自分たちも気付いていなかった事を思い出し「案外分からないもんなんだな」と二人は思った
そんなロジャーとおでんを見て「それ見たことか」と言いたげな顔で二人を見ているジョー


しばしそんなやり取りをしていれば「早く降りてこんか!」とクロッカスからお怒りの言葉が飛んで来たことで会話を中断しそそくさと彼のいる島へ


足を付けた陸地はちゃんとした島の様であるのだが、何故こんなものがラブーンの腹の中にあるのか甚だ疑問である面々
とは言え何を言った所でこれが現実な為余計な事は言わない事とし、家に居るクロッカスの元へルージュを連れて行くロジャー


中はワンルームであるが思ったより広々としており、大人七人が居てもそんな窮屈さは感じさせない


ロジャーはクロッカスに誘導されてルージュをベッドへ寝かせ、クロッカスは彼女の容体を確認する
しかしルージュを見てもただ眠っているだけの様に見え「一体どう言う事だ?」と彼等に目を向けた



「私が見た所なにも問題ない様に見えるが…」

「熱が出てたんだけどよ一先ずジョーに能力で治してもらったんだ!」

「それなら私の元は来る必要はないのではないか?」

「いやー熱が無い状態に戻せても根本の原因を確認してもらった方が良いって兄貴が言うからよ」

「……なるほど、病原菌が体内に残っていればぶり返す可能性はあるからな」

『熱をない状態に戻してしまっても病原菌とかは残るものなのかな?』

「感染してから潜伏期間はあるだろうからな、発熱していないとは言え感染していないと言うわけではない」

『そうか、やはりクロッカスくんの所に来て正解だったねルージュさんの事宜しく頼むよ』

「分かっている」



クロッカスは「言われなくても」と言う感じにルージュの容体を調べる為に色々と検査し出す
その様子を近くで見ていては気が散るだろうとジョー達は側を離れて報告が来るのを待つ事に


とは言えラブーンの腹の中となるとやる事が正直な所なく、ジッとしているのが苦手なおでんはソワソワと落ち着きがない
普段であればロジャーもおでん動揺落ち着きが無かっただろうが、ルージュが気になるのか珍しく大人しい


ジョー、ロシナンテ、トキもルージュを心配しつつもクロッカスに任せる他ない為いつも通り好き好きに過ごす


ルージュをクロッカスに任せてから暫く、突如海(?)の中から大ダコがザッパァーン!と水飛沫を上げながら姿を現した
完全に油断していた男性陣はポカンとした顔を晒しつつ、暇を持て余していたおでんは嬉々として顔を輝かせる


おでんが刀を構えたのを見たジョーは任せようと地面に腰掛け、それを見たロシナンテも腰を落ち着ける
ロジャーも参戦しようとしたものの既におでんが大ダコに向かって飛び掛かっているのを確認して渋々断念した



「おでん二刀流! 桃源十拳とうげんとつか!!!」



二本の刀を十字の形にし大ダコを切り付け、見事に十字の跡を付けられた大ダコは墨を吐きながら海(?)に沈む
たった一撃で倒して見せたおでんは大ダコの上で「食料ゲットだ!」などと笑いながら完全に食べる気で居る


だが忘れてはいけない…この中はラブーンの胃の中であり、中にいると言うことは大ダコも飲み込まれ既に食われている事を


ただそんな事彼らが気にする筈もなく、おでんは何とかして陸地まで持って来ようと奮闘しているのだが如何せん大き過ぎる
どうしようかと悩んでいる所でジョーが置いてあったロープをおでんの方へ投げ飛ばし、おでんはそれをタコに括り付け何とか陸地へ引っ張れた


どう調理しようかとおでんがトキと話をしている中、ジョーはボーッとしているロシナンテに気づく



『ロシィ? どうかしたのかい?』

「え、あ、いや…何でもねェよ」

『そうは見えないけど…何かあれば遠慮せず言ってくれていいんだよ?』

「本当に何でもねェんだ、ただローは今頃何してんのか気になっただけだ」

『それは何でもなくないね…うーんルージュさんの事は心配だけどクロッカスくんに頼めば問題ないし…私達だけで北の海に行こうか』

「 ! いいのか? あの人たち置いて行くってなるとまた色々言われると思うが…」

『そこは何とでもなるし、ロジャーはルージュさんの側を離れないだろうから大丈夫だよ』

「……おでんさんは?」

『おでんくんはー…トキさんに引き止めてもらおうか』



ロシナンテの問いにおでんを引き止めるだけの手立てがなかったジョーはトキに協力を仰ごうと考えた
その答えにロシナンテも「彼女なら引き止めてくれそうだな」と思い彼の考えに賛同し頷く


話が決まれば長らく止まっている必要もないため、ジョーがロジャー、おでん、トキの名を呼び事の次第を話す


ジョーの話に納得はするものの、この場に置いていかれるのは暇だと言うのはやはりおでんも付いて行きたいと言う
おでんを連れて行くとなると色々と問題が起きそうな気がしないでもないジョーは出来れば待っていて欲しい気持ちだ



「おれも共に行くぞジョー!!」

『トキさんはどうするんだい? 一人置いていくのか?』

「トキも共に来れば良いではないか!」

『今回はウマヘビに乗って行くつもりだから、女性には辛い旅路になるからお勧めしない』

「むっ…しかしトキは一度共にウマヘビに乗ったのであろう? なら問題はあるまい!!」

『問題大有りだよ…あの時はやむを得ない事情があったから我慢してもらったけど、本来女性がウマヘビに乗るべきじゃない』

「なぜだ?」

『ウマヘビに乗れば風を凌ぐ壁もないしグランドラインじゃないからと言って嵐に合わないとも言えない
 そんな不特定な海を野晒しの状態で女性を乗せるわけには行かないし、トキさんにとっても辛いだろう』

「むぅ…確かにそう言われればそうであるが…」

「おでんさん、今回はロジャーさん達とこの場に残りましょう?」

「トキ、しかしなァ…」

「あまりジョーさんに迷惑をかけてはいけません」

「んー…相分かった、今回は待っている事にしよう」

『悪いね、なるべく早く戻ってくるつもりでは居るけど…私達が戻って来るまでは此処で待っていておくれ』



ジョーの意見とトキの言葉に珍しく折れたおでんだが、その表情は渋々なのは見て取れた


おでんの説得が済めば早々にロシナンテを連れて北の海へと向かおうと、「行こうか」とジョーが声をかけそれにロシナンテも応える
ロジャー達にクロッカスに暫くこの場で待機できる様に伝えて貰うように言い、ジョーとロシナンテはラブーンの中から出て行った


中から出れば本物の空と海が彼らを迎え、二人とも何だか「変な感じだ…」と思いながらもウマヘビの元へ


ピュイーっと口笛を吹けば直ぐに顔を出すウマヘビは、思った以上にジョーが来るのが早いのに驚いている様子である
もちろんそんな気がするって言うだけで、本当にウマヘビが驚いているかなど分かりはしないのだが



『これから私達だけで北の海に行く事になったから、宜しく頼むよ』

「よろしくな」

「ブルブルヒヒン!!」

『ふふ、なんだか機嫌が良さそうだね』

ジョーさんが居るからだろ」

『そうかな? 全く可愛いじゃないか』

( 見た目は可愛くはないけどな… )

『何か言いたそうだね?』

「いや…別に…」

『まぁいい、早速行くとしよう』

「おう」



ダラダラとこの場で話をする必要ないため、たてがみに括ってある船を二人で悪戦苦闘しながらも外した
そしてジョーとロシナンテはウマヘビに乗って北の海に居るであろうローを探しに向かうのだった







( さて、ロシィが探したい少年の名前は何て言うんだい? )

( ローだ、トラファルガー・ロー )

( ローくんか、無事に会えるといいね )

( あぁ、ローなら大丈夫だ…きっと元気にしてる )

( ふふ そうだね )




( 兄貴とロシィ行っちまったな )

( うむ、おれも行きたかった )

( まだ言っているのですか、おでんさん )

( しかしなァトキ…ココは摩訶不思議だが退屈が過ぎる! )

( クロッカス様に失礼ですよ )

( おでんの態度は今に始まった事じゃない )

( ! 先生! ルージュの様子は…?! )

( 安心しろ、病原菌などは確認されなかった )

( そうか! よかった、恩に切るよ先生!! )

( 医者である私の仕事さ…所で二人ほど人が減っているようだが? )

( あぁ、兄貴とロシィは野暮用で出てったから帰って来るまでココで待たせてくれ! )

( はぁ…嫌だと言っても居座るのだろう? 好きにすればいいさ )

( 悪ィな! )

( 暫し世話になるぞ! )

( お世話になります )

( ここに居る間は働いてもらうからな )





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