第7話「交錯」
トパーズの町には、よく魔物が出没する。
そのため、猟師たちは歓迎された。
フィンたちは、ただで宿に泊めてもらえた。
勿論、それには、魔物を倒すことが条件だった。
「ここに何日いるつもりなんだ?」
ジンジャーがフィンに聞いた。
「魔物がいなくなるまで。」
フィンは、布団に入ったまま、眠そうに言った。
「ここにも、バンパイアがいるのか?」
「さあ…。一つ言っとくけど…。」
むくりとフィンが起き上がって、ジンジャーを見つめた。
「俺には、俺の目的がある。お前らの仲間を探すことは、俺の目的じゃない。ただお前らがついて来ただけだ。それに対して、別に文句を言う気はない。俺を利用して仲間を探そうが、勝手にすればいい。しかし俺には俺の目的がある。それは、俺にとって大事なことなんだ。お前にとって、仲間を探すことが大事であるように。」
いつになく真剣な表情で、フィンは言った。
「そうだな…。すまん。確かに、俺はお前を利用している…。お前の邪魔はしない。」
「別に謝らなくていいって。」
フィンは笑顔を見せた。
その笑顔を見て、ジンジャーも微笑んだ。
そして、親友の顔を思い出していた。
「あの町は、有名ですよ。魔物がよく出るそうで。」
「トパーズか…。ここからだと、ちょっと遠いな…。」
白い帽子を被った青年は、地図を見ながら呟いた。
「教えてくれて、どうもありがとう。」
青年は、白い歯を見せて笑って、酒場を出た。
青いマントを翻して、ラムは日の光の下に現れた。
「都会には、飽き飽きしていた所だし…。」
ラムは、もう一度地図を見て、頷いた。
「少し遠いけど、暇つぶしになるかも。」
そう言って、手に持った酒瓶を口に運び、喉を潤した。
…ガシャアン!
手を離した途端、酒瓶が落ちて割れ、中に入っていた酒が道端に飛び散った。
それを一向に気にしたふうもなく、ラムはすたすたと歩き出した。
ラムは馬車乗り場にやって来た。
トパーズまで、というと、決まって嫌な顔をされた。
「あんな恐ろしい所には、行きたくないな。」
「これで何とか。」
と、ラムは大金の入った袋を御者に手渡した。
「う…。」
御者は、困ったような顔をした。
「頼むよ。見れば分かるだろ?僕は猟師。あんたを危険な目にはあわせないから。」
「…分かったよ。」
御者はため息まじりに頷いた。
「出発は明日の朝だ。」
翌朝、一頭立ての小さな馬車に乗って、ラムはトパーズを目指した。
トパーズまでは、数日かかる。
途中の宿場町で休憩を取りながら進んだ。
二日目の夜、ラムは宿場町の小さな宿で休んでいた。
宿の一階は酒場になっていて、ラムはそこでくつろいでいた。
「ちくしょう!」
突然、客の一人が叫んだ。
それを横目でちらりと見て、ラムはその男が猟師であることを知ると、男に近付いていった。
「何騒いでるんだ?」
「何だあ?てめー!」
男は完全に酔っ払っていた。
「同じ猟師じゃないか。何があったのか、聞かせてくれないか?」
「うるせー!まさかてめーも行くってんじゃねーだろなあ!トパーズに。」
「ああ。そのつもりだけど?」
「やめとけ!俺はそっから戻ってきた。」
「へえ…。魔物はいた?」
「魔物どころか、化け物がいた!あの化け物男!髪が白くって、背中にでけえ古くせえ剣なんか背負って、猟師だとか言ってたが、ありゃ化け物に違いねえ!」
「ふーん。猟師がいたのか。」
「猟師じゃねえ!化け物だ!人の形をした化け物だ!」
「ケンカでもして、負けたのかい?」
「あんなの、勝負でも何でもねーや!化け物だって知ってたら、声なんか掛けなかった。」
男は悔しそうな顔で言った。
「とても興味深いね…。その化け物男とやらに、僕も会いたいな。」
にっこりとラムは笑った。その瞳に、鋭い光が宿っていた。
そのため、猟師たちは歓迎された。
フィンたちは、ただで宿に泊めてもらえた。
勿論、それには、魔物を倒すことが条件だった。
「ここに何日いるつもりなんだ?」
ジンジャーがフィンに聞いた。
「魔物がいなくなるまで。」
フィンは、布団に入ったまま、眠そうに言った。
「ここにも、バンパイアがいるのか?」
「さあ…。一つ言っとくけど…。」
むくりとフィンが起き上がって、ジンジャーを見つめた。
「俺には、俺の目的がある。お前らの仲間を探すことは、俺の目的じゃない。ただお前らがついて来ただけだ。それに対して、別に文句を言う気はない。俺を利用して仲間を探そうが、勝手にすればいい。しかし俺には俺の目的がある。それは、俺にとって大事なことなんだ。お前にとって、仲間を探すことが大事であるように。」
いつになく真剣な表情で、フィンは言った。
「そうだな…。すまん。確かに、俺はお前を利用している…。お前の邪魔はしない。」
「別に謝らなくていいって。」
フィンは笑顔を見せた。
その笑顔を見て、ジンジャーも微笑んだ。
そして、親友の顔を思い出していた。
「あの町は、有名ですよ。魔物がよく出るそうで。」
「トパーズか…。ここからだと、ちょっと遠いな…。」
白い帽子を被った青年は、地図を見ながら呟いた。
「教えてくれて、どうもありがとう。」
青年は、白い歯を見せて笑って、酒場を出た。
青いマントを翻して、ラムは日の光の下に現れた。
「都会には、飽き飽きしていた所だし…。」
ラムは、もう一度地図を見て、頷いた。
「少し遠いけど、暇つぶしになるかも。」
そう言って、手に持った酒瓶を口に運び、喉を潤した。
…ガシャアン!
手を離した途端、酒瓶が落ちて割れ、中に入っていた酒が道端に飛び散った。
それを一向に気にしたふうもなく、ラムはすたすたと歩き出した。
ラムは馬車乗り場にやって来た。
トパーズまで、というと、決まって嫌な顔をされた。
「あんな恐ろしい所には、行きたくないな。」
「これで何とか。」
と、ラムは大金の入った袋を御者に手渡した。
「う…。」
御者は、困ったような顔をした。
「頼むよ。見れば分かるだろ?僕は猟師。あんたを危険な目にはあわせないから。」
「…分かったよ。」
御者はため息まじりに頷いた。
「出発は明日の朝だ。」
翌朝、一頭立ての小さな馬車に乗って、ラムはトパーズを目指した。
トパーズまでは、数日かかる。
途中の宿場町で休憩を取りながら進んだ。
二日目の夜、ラムは宿場町の小さな宿で休んでいた。
宿の一階は酒場になっていて、ラムはそこでくつろいでいた。
「ちくしょう!」
突然、客の一人が叫んだ。
それを横目でちらりと見て、ラムはその男が猟師であることを知ると、男に近付いていった。
「何騒いでるんだ?」
「何だあ?てめー!」
男は完全に酔っ払っていた。
「同じ猟師じゃないか。何があったのか、聞かせてくれないか?」
「うるせー!まさかてめーも行くってんじゃねーだろなあ!トパーズに。」
「ああ。そのつもりだけど?」
「やめとけ!俺はそっから戻ってきた。」
「へえ…。魔物はいた?」
「魔物どころか、化け物がいた!あの化け物男!髪が白くって、背中にでけえ古くせえ剣なんか背負って、猟師だとか言ってたが、ありゃ化け物に違いねえ!」
「ふーん。猟師がいたのか。」
「猟師じゃねえ!化け物だ!人の形をした化け物だ!」
「ケンカでもして、負けたのかい?」
「あんなの、勝負でも何でもねーや!化け物だって知ってたら、声なんか掛けなかった。」
男は悔しそうな顔で言った。
「とても興味深いね…。その化け物男とやらに、僕も会いたいな。」
にっこりとラムは笑った。その瞳に、鋭い光が宿っていた。
