主人公の名前
始まり
your name
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燃える村、私のそばに倒れる兄たちや愛犬。彼らにすがりつく妹。
――――ああ、彼らはもう……
一人泣きじゃくる妹に手をのばす。
「はっ…まじ……」
はっ、としてこちらを振り向き、私の手を取る彼女。
「ねえさま‼みんながっ…みんながっ‼」
「…っ、う…ん浜路は、無事かい?」
しゃくりあげながら何度も何度もうなずく。
「…よか、った」
そういう私も浜路の手を握り返すのが精一杯だった。体はすでに動かない。
風に流れて火の粉が散る。直に村は炎にのまれるだろう。
せめて彼女だけでも。
そう思った時、自分はこれから死ぬ運命にあるのに浜路の先の事まで考えてしまった。
こんなに小さな女の子を一人にしてしまったら、私たちのいない世界で彼女はどうやって生きていくんだろう。彼女の家族は血の繋がりよりも強い私たちだというのに。
ああ、
―――――――生きたい。
あの兄たちも一緒に、大人になって、もっと
ずっと生きたかった。
生きたいと願うほど血が溢れてくるよう。
生きたい。ずっと一緒に。
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