真田弦一郎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日も滞りなく部活が終了し、練習に励みかいた汗を拭きながら、各々帰り支度をしてしていた時の事。
「副部長、苗字さんからLINEっスよ」
「赤也!他人の携帯を覗き見るとは何事か!」
たまたまベンチに携帯電話を置いていた所、そういう時に限って苗字からLINEがきて、画面に表示されたのを赤也に見られたようだ。
見られた後でもう遅いのだが、サッと携帯電話を手に取った。
「たまたま目に入っただけなんスけど……それに、他人って言い方が寂しいっス」
「先輩の携帯を覗き見るとは、けしからん!」
無造作に置いていた俺も悪いと思うのだが、他人じゃ寂しいと言う赤也の為に、他人から先輩にわざわざ言い変えて、もう一度注意する。
「やっぱり付き合ってんスか?」
だが、注意した事など完全無視で、俺に質問してくる赤也。
その質問の内容に、俺は過敏に反応してしまった。
「な、何を言うのだ!どうせお前は俺に女友達などいないと思っているのだろう⁉︎」
確かに、俺が知っている女子のアドレスは数少ない。
だからといって、すぐ彼女だと結びつける赤也のような考えは、突飛すぎではないのか?
「俺と苗字はただの同級生だ!」
予想はしていたが、近くに居たレギュラー連中が俺と赤也の会話に入ってきた。
「明らかに特別扱いしとるくせに、往生際が悪いのぅ」
「副部長が付き合ってないって言い張るなら、今度紹介してもらうっス!」
「おや?お付き合いしているのではないのですか?」
「お前らいい雰囲気出しといて、付き合ってないとかマジで?」
言いたい放題である。
この場に幸村が居なくて本当に良かったと思う。
あいつはテニスの才能もさることながら、この場の誰より遥か上を行く強者だ。
絶対に面白がって、言葉巧みに俺を追い詰めるに違いない。
今の状況は俺にとって望まぬものであるのだが、幸村がいない=最悪ではない、という事で、俺は心の余裕を取り戻す。
言いたい放題のレギュラー陣に向け、冷静に言い返した。
「お前達がそう思うのは、あいつの人との距離感が近いせいだろう?だがそれは、俺だけにじゃないぞ、苗字の場合は」
「確かにな」「お前だけだろ?」
意見が分かれたが、やはり苗字の距離感の近さは俺限定ではない。
「俺に対して苗字のように関わってくる女子が珍しいから、お前達が錯覚を起こしているだけだろう」
「……そうなのかもなー」
「男女関係なく懐いた相手には近いかもな、苗字は」
さっきまでの盛り上がりはどこへやら、だいたいの者は納得したようだ。
……これで逃げ切れたか。
全く、俺をターゲットにするのはやめて欲しい。
だが、そんな俺たちの話にピンときてない人物が1人。
ひと学年下の、苗字という人間をあまり知らない赤也を説き伏せる事はできなかった。
「相手がどう思ってるかは置いといて、副部長はどう思ってるんスか?」
そんな事、赤也に教える筋合いはない。
本当にしぶとい奴だ。
俺は苗字の事をどう思っているのか……
もう、自分の気持ちには気づいているのだ。
苗字に特別な思いを抱いているという事は……
それは認めよう。
「そんな事を教える筋合はない!お前達、帰り支度は済んだのか?いい加減、さっさと帰るぞ!」
「副部長は苗字さんが好きなんスね。そういう事なら紹介してもらうの諦めるっス」
「なぜそうなる!俺がいつ苗字を、すっ、好きだなんて……!」
赤也に直球で言われ焦る俺。
顔が赤いのが自分でもよくわかる。
「そんな顔じゃあ、まるで説得力がないのぅ」
「俺ら年頃の男の子だぞ?気になる女の子の1人や2人いるだろぃ?ほんとの事教えろよー!」
「1人や2人って……気が多くないか?」
「丸井先輩の1人や2人、誰なのか気になるっス!」
それぞれの恋愛事情に次第に盛り上がり始める部員達。
これが恋バナというものか……。
今や全員が全員、それぞれターゲットである。
俺も部員の色恋に興味がないわけではないので、思わず耳を傾けてしまう。
ターゲットが自分1人だけではなくなった事にこの時はホッとしていた俺だったが、このやり取り以降、真田は苗字に気がある、という事でレギュラー陣達の中で共通認識となってしまった事は、もう避けようのない、覆す事ができないものとなってしまったのだった。
「副部長、苗字さんからLINEっスよ」
「赤也!他人の携帯を覗き見るとは何事か!」
たまたまベンチに携帯電話を置いていた所、そういう時に限って苗字からLINEがきて、画面に表示されたのを赤也に見られたようだ。
見られた後でもう遅いのだが、サッと携帯電話を手に取った。
「たまたま目に入っただけなんスけど……それに、他人って言い方が寂しいっス」
「先輩の携帯を覗き見るとは、けしからん!」
無造作に置いていた俺も悪いと思うのだが、他人じゃ寂しいと言う赤也の為に、他人から先輩にわざわざ言い変えて、もう一度注意する。
「やっぱり付き合ってんスか?」
だが、注意した事など完全無視で、俺に質問してくる赤也。
その質問の内容に、俺は過敏に反応してしまった。
「な、何を言うのだ!どうせお前は俺に女友達などいないと思っているのだろう⁉︎」
確かに、俺が知っている女子のアドレスは数少ない。
だからといって、すぐ彼女だと結びつける赤也のような考えは、突飛すぎではないのか?
「俺と苗字はただの同級生だ!」
予想はしていたが、近くに居たレギュラー連中が俺と赤也の会話に入ってきた。
「明らかに特別扱いしとるくせに、往生際が悪いのぅ」
「副部長が付き合ってないって言い張るなら、今度紹介してもらうっス!」
「おや?お付き合いしているのではないのですか?」
「お前らいい雰囲気出しといて、付き合ってないとかマジで?」
言いたい放題である。
この場に幸村が居なくて本当に良かったと思う。
あいつはテニスの才能もさることながら、この場の誰より遥か上を行く強者だ。
絶対に面白がって、言葉巧みに俺を追い詰めるに違いない。
今の状況は俺にとって望まぬものであるのだが、幸村がいない=最悪ではない、という事で、俺は心の余裕を取り戻す。
言いたい放題のレギュラー陣に向け、冷静に言い返した。
「お前達がそう思うのは、あいつの人との距離感が近いせいだろう?だがそれは、俺だけにじゃないぞ、苗字の場合は」
「確かにな」「お前だけだろ?」
意見が分かれたが、やはり苗字の距離感の近さは俺限定ではない。
「俺に対して苗字のように関わってくる女子が珍しいから、お前達が錯覚を起こしているだけだろう」
「……そうなのかもなー」
「男女関係なく懐いた相手には近いかもな、苗字は」
さっきまでの盛り上がりはどこへやら、だいたいの者は納得したようだ。
……これで逃げ切れたか。
全く、俺をターゲットにするのはやめて欲しい。
だが、そんな俺たちの話にピンときてない人物が1人。
ひと学年下の、苗字という人間をあまり知らない赤也を説き伏せる事はできなかった。
「相手がどう思ってるかは置いといて、副部長はどう思ってるんスか?」
そんな事、赤也に教える筋合いはない。
本当にしぶとい奴だ。
俺は苗字の事をどう思っているのか……
もう、自分の気持ちには気づいているのだ。
苗字に特別な思いを抱いているという事は……
それは認めよう。
「そんな事を教える筋合はない!お前達、帰り支度は済んだのか?いい加減、さっさと帰るぞ!」
「副部長は苗字さんが好きなんスね。そういう事なら紹介してもらうの諦めるっス」
「なぜそうなる!俺がいつ苗字を、すっ、好きだなんて……!」
赤也に直球で言われ焦る俺。
顔が赤いのが自分でもよくわかる。
「そんな顔じゃあ、まるで説得力がないのぅ」
「俺ら年頃の男の子だぞ?気になる女の子の1人や2人いるだろぃ?ほんとの事教えろよー!」
「1人や2人って……気が多くないか?」
「丸井先輩の1人や2人、誰なのか気になるっス!」
それぞれの恋愛事情に次第に盛り上がり始める部員達。
これが恋バナというものか……。
今や全員が全員、それぞれターゲットである。
俺も部員の色恋に興味がないわけではないので、思わず耳を傾けてしまう。
ターゲットが自分1人だけではなくなった事にこの時はホッとしていた俺だったが、このやり取り以降、真田は苗字に気がある、という事でレギュラー陣達の中で共通認識となってしまった事は、もう避けようのない、覆す事ができないものとなってしまったのだった。