真田弦一郎
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昨日真田くんが貸してくれたカーディガンを丁寧に洗濯して適当な紙袋に入れる。
真田くんのカーディガンは大きすぎて私にはブカブカだったけど、それでも暖かかった。
あの時、私は少し肌寒さを感じていたのだ。
真田くんが私にだけ優しいわけじゃないって事はわかっている。
私は誰にでも平等な人の方が好みなのだが、自分だけ特別扱いされたいという願望も少なからずあり……
だけど、私だけが特別扱いされているわけではないと、ちゃんとわかっているつもりだ。
真田くんと半ば強引にアドレスを交換し、誘ってもいいと了承も得たのだけど、一緒に遊びに行くような間柄でも、時々私からLINEを送る事はあっても、まめにやり取りをするような仲でもない。
私はそうなりたいと思っていても、真田くん、忙しそうだし。
邪魔はできない。
今日明日は土曜日曜で学校は休みだから、カーディガンを返すのは月曜日でいいだろうか?
その旨を真田くんにLINEした。
その1時間後くらいに返信があり、カーディガンは月曜に返す事でOKとの返事だった。
そして月曜日、なかなか返す時間とタイミングがなく、結局、返却できた時には放課後になってしまっていた。
「お陰で風邪ひかなくて済んだ。貸してくれてありがとね」
私はカーディガンが入った紙袋を手渡しながらお礼を言った。
「大した事はしてないが、役に立てたならそれでいい」
この後は真田くんは部活で忙しいだろう。
私もこの後部活だけど、急いではいない。
さっさと部活へ向かいたいだろうとわかるのだけど、名残惜しくてついつい絡んでしまう私。
「真田くんは私の保護者みたいだね。いつも何だかんだ世話焼いてくれるし……もう私が可愛くて仕方ないって認めたら?私は真田くんが将来イケメンになる老け顔だって認めてるんだし」
私は全面的に冗談で言った。
少し本気も混じっているけど、返答に期待はしていない。
ただ真田くんともう少し一緒に居たいだけの、内容には大した意味のないコミュニケーションだ。
「俺の老け顔は関係ないだろう?そもそも老け顔だなど、俺は認めていないのだ!将来イケメンなら、今の俺は老け顔の何なのだ……」
老け顔の何なのか……何だろう?
「老け顔の……ほんとのおじさんよりおじさんらしい中学生?……かな」
……おじさん?
ついに苗字の口からおじさんという言葉を聞く事になるとは……
おじさんと言われるのは、老け顔と言われるよりも堪える。
気がつけば、俺はおじさんと言う言葉を必死に否定していた。
「俺はおじさんではない!おじさんがテニスというスポーツで激しく動けると思うか?まだ俺がピチピチで若い証拠なのだ!それに、顔を隠せばおじさんには見えない筈だ。顔が……老け顔なだけなのだ!」
……あれ?
老け顔など認めたくなかったはずなのに……
気づけば老け顔を肯定している俺。
「ピチピチで若いって言い方、おじさんぽい」
ニヤニヤとした顔で苗字に言われてしまった。
「それに、やっぱり老け顔だって、自分でも思ってるんじゃない」
俺がおじさんと言う言葉を撤回させたくて躍起になり、結局老け顔は認めてしまった事が面白かったのだろうか?
苗字は声を出して笑い始めた。
必死に否定しておいて、老け顔は認めてしまった自分の間抜けさが恥ずかしい……
「おじさんは言い過ぎだったね。ごめんね。冗談だから…… 老け顔は褒め言葉のつもり。老け顔じゃなくて、大人っぽい顔って言うべきなのかな?真田くんのスーツ姿なんて今だってとっても様になると思うし、想像するだけでカッコいいもん」
先程まで楽しそうに笑っていた苗字だったが、急に静かにそう話した。
俺のスーツ姿?
苗字の考えでは、おじさん&老け顔といえばスーツが定番、という事なのか??
似合う自信などないが、苗字に素直に格好いいと言われた事で、ドキリとしてしまった。
それに、老け顔と大人っぽい顔とでは、俺としてはだいぶ印象が違う。
大人っぽい顔という事なら、否定などしない。
「引き留めてごめんね?それじゃあ部活、行ってらっしゃい。私も行ってきます」
苗字は踵を返して行ってしまう。
早く部活へ向かわねばならないのだが、苗字とのほんのひと時が名残惜しく、気がつけば苗字が見えなくなるまでその後ろ姿を見送っていた。
真田くんのカーディガンは大きすぎて私にはブカブカだったけど、それでも暖かかった。
あの時、私は少し肌寒さを感じていたのだ。
真田くんが私にだけ優しいわけじゃないって事はわかっている。
私は誰にでも平等な人の方が好みなのだが、自分だけ特別扱いされたいという願望も少なからずあり……
だけど、私だけが特別扱いされているわけではないと、ちゃんとわかっているつもりだ。
真田くんと半ば強引にアドレスを交換し、誘ってもいいと了承も得たのだけど、一緒に遊びに行くような間柄でも、時々私からLINEを送る事はあっても、まめにやり取りをするような仲でもない。
私はそうなりたいと思っていても、真田くん、忙しそうだし。
邪魔はできない。
今日明日は土曜日曜で学校は休みだから、カーディガンを返すのは月曜日でいいだろうか?
その旨を真田くんにLINEした。
その1時間後くらいに返信があり、カーディガンは月曜に返す事でOKとの返事だった。
そして月曜日、なかなか返す時間とタイミングがなく、結局、返却できた時には放課後になってしまっていた。
「お陰で風邪ひかなくて済んだ。貸してくれてありがとね」
私はカーディガンが入った紙袋を手渡しながらお礼を言った。
「大した事はしてないが、役に立てたならそれでいい」
この後は真田くんは部活で忙しいだろう。
私もこの後部活だけど、急いではいない。
さっさと部活へ向かいたいだろうとわかるのだけど、名残惜しくてついつい絡んでしまう私。
「真田くんは私の保護者みたいだね。いつも何だかんだ世話焼いてくれるし……もう私が可愛くて仕方ないって認めたら?私は真田くんが将来イケメンになる老け顔だって認めてるんだし」
私は全面的に冗談で言った。
少し本気も混じっているけど、返答に期待はしていない。
ただ真田くんともう少し一緒に居たいだけの、内容には大した意味のないコミュニケーションだ。
「俺の老け顔は関係ないだろう?そもそも老け顔だなど、俺は認めていないのだ!将来イケメンなら、今の俺は老け顔の何なのだ……」
老け顔の何なのか……何だろう?
「老け顔の……ほんとのおじさんよりおじさんらしい中学生?……かな」
……おじさん?
ついに苗字の口からおじさんという言葉を聞く事になるとは……
おじさんと言われるのは、老け顔と言われるよりも堪える。
気がつけば、俺はおじさんと言う言葉を必死に否定していた。
「俺はおじさんではない!おじさんがテニスというスポーツで激しく動けると思うか?まだ俺がピチピチで若い証拠なのだ!それに、顔を隠せばおじさんには見えない筈だ。顔が……老け顔なだけなのだ!」
……あれ?
老け顔など認めたくなかったはずなのに……
気づけば老け顔を肯定している俺。
「ピチピチで若いって言い方、おじさんぽい」
ニヤニヤとした顔で苗字に言われてしまった。
「それに、やっぱり老け顔だって、自分でも思ってるんじゃない」
俺がおじさんと言う言葉を撤回させたくて躍起になり、結局老け顔は認めてしまった事が面白かったのだろうか?
苗字は声を出して笑い始めた。
必死に否定しておいて、老け顔は認めてしまった自分の間抜けさが恥ずかしい……
「おじさんは言い過ぎだったね。ごめんね。冗談だから…… 老け顔は褒め言葉のつもり。老け顔じゃなくて、大人っぽい顔って言うべきなのかな?真田くんのスーツ姿なんて今だってとっても様になると思うし、想像するだけでカッコいいもん」
先程まで楽しそうに笑っていた苗字だったが、急に静かにそう話した。
俺のスーツ姿?
苗字の考えでは、おじさん&老け顔といえばスーツが定番、という事なのか??
似合う自信などないが、苗字に素直に格好いいと言われた事で、ドキリとしてしまった。
それに、老け顔と大人っぽい顔とでは、俺としてはだいぶ印象が違う。
大人っぽい顔という事なら、否定などしない。
「引き留めてごめんね?それじゃあ部活、行ってらっしゃい。私も行ってきます」
苗字は踵を返して行ってしまう。
早く部活へ向かわねばならないのだが、苗字とのほんのひと時が名残惜しく、気がつけば苗字が見えなくなるまでその後ろ姿を見送っていた。