真田弦一郎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
転入して来たばかりの頃は、靴を隠されたり嫌がらせを受けたりしたものの、私にも友達と呼べる存在ができた。
性格はサッパリとしていて、男子生徒からはもちろん、女子からも人気があるような女の子だ。
もしこの娘が男だったら、私は惚れてしまってるかもしれない。
私は数学が苦手である。
放課後、私より成績の良いその友達に数学を教えてもらっていたのだが、彼女の教え方はとても上手だ。
私は本当に助かっている。
1時間位経った頃、彼女のケータイが鳴った。
ケータイで誰かと話している彼女は、どうやら急用ができたらしい。
わからない所があったらまた教えてと伝え、彼女の後ろ姿を見送った。
私は良い具合に集中できそうなので、彼女に教えてもらった事を基に、このまま勉強を継続する事にする。
集中していると時間の経過は早いもので、結構遅い時間になってしまっていた。
勉強はこれくらいにして、もう帰ろう。
校舎の外へ出ると、校門あたりに私の大好きな後ろ姿が見えた。
こんなラッキーな事が下校の最後の最後に待ってるなんて、遅くまで頑張った甲斐があったと思う。
「真田くん、今帰り?」
当然私は、途中まで一緒に帰ろうと声を掛ける。
「途中までだぞ?」
と、素っ気なく言う真田くん。
そんな素っ気ない態度をされたら、私は素直に帰る気はなくなってしまう。
「ちょっと寄り道しちゃおうか」
「下校途中に寄り道など……俺の話を聞かんか!」
下校途中に寄り道くらいするよ、ほんとに真面目だなぁ、等と思いながら、私はお構いなしに真田くんの手を引き、最近オープンしたタピオカドリンクが飲める小さなお店へ向かう。
真田くんの帰り道ルートからも逸れてしまってるかもしれないが、目的のお店はそんなに遠くない。
これくらいは多目に見てもらわないと、真田くんと過ごせる時間なんて、私には滅多にない事なんだから。
「このお店、最近オープンしたばかりで、1度来たいと思ってたんだー」
その店舗は、通りに面するレジ兼注文聞き取り&品物受け渡しカウンターと、奥に調理場があるという小さな店である。
お客さんが飲食できるスペースはないので、品物を受け取ったらそこら辺で立ち飲みか、近くの公園のベンチに座りのんびり飲むか、選択肢はそれくらいだろう。
私は早速メニューを眺めて、何を頼もうか迷っている。
「タピオカというのは、あの丸いつぶつぶした物か?タピオカミルクティーという言葉をよく聞くな」
「……タピオカ、食べた事ない?」
「ああ、特別食べたいと思わなかったからな」
真田くんはタピオカ初体験だと言う。
「真田くん、ほんとに初めてなの⁉︎おじいちゃんじゃないんだからー!本当に中学生?」
「失敬な……!タピオカを食べた事がない中学生は俺の他にもいるはずだ!」
私もそう思うけど、きっとそれは少数派だろう。
真田くんはタピオカ入りほうじ茶ラテのアイス、私はタピオカ入りオレンジアイスティーを注文した。
注文した品物が私たちの元へ届くと、私はケータイを取り出し、カメラ機能を起動させる。
「祝!初タピオカ!真田& 苗字で写真撮ろー♪はい、笑ってー」
「初めてのタピオカがおめでたい事なのか?写真など不要だ」
「えー、ノリが悪いなぁ。ほら!もっと寄って寄って!」
写真はいらないと言う言葉を無視し、なかなか寄ってこない真田くんに仕方ないから私が思い切りくっつく。
「こっ、こんなに密着する必要あるのか⁉︎」
「真田くん老け顔だから、自撮りなんてした事ないでしょ?こういう事は経験者の私に任せてよ」
これでフレームに収まりきるだろうか?
「老け顔は関係ないだろう!それに俺は老け顔ではない!確かに自撮りなどした事がないが……」
ぶつぶつと抗議している真田くんにカメラ目線をお願いして、シャッターボタンを数回押した。
画像を再確認すると、2人ともちゃんと収まっているし、真田くんはしっかりカメラ目線を実行してくれていた。
半ば強引にアドレス交換をし、先程撮った画像を送りつける。
「私が可愛く撮れてるから、待ち受け画面にどうぞ」
と冗談を言った。
可愛く撮れてるのは本当だ。
もちろん、真田くんも安定の老け顔で、恐らくこんな風に写真を撮るのも初めてなのだろう、ぎこちない顔をしている。
そのぎこちない顔も含めてなかなかうまく撮れてると思うし、私は満足だった。
「自分で自分の事を可愛いという女子は可愛くはないだろう⁉︎」
そうは言ったものの、実際は苗字は可愛らしく撮れていると思う。
待ち受けにどうぞなど……苗字の言う事は、時々本気か冗談かわからなくなる。
本気だとしても、それに従う義理はないが。
……彼女でもないのに苗字とのツーショットを待ち受けにするわけがない。
もし、本当に待ち受けにして間違って誰かに見られでもしたら、気持ちの悪い奴だとレッテルを貼られてしまうだろう。
それに、仮に彼女が居たとして、待ち受け画面が彼女だなんて、俺には恥ずかしい行為でしかないのだ。
俺と苗字の関係は、ただの同級生なのだ。
こんなふうに女子と時間を過ごす事は今までの俺に無い経験なのであるが、ただの同級生同士がこんなふうに時間を過ごす事は、苗字を含め俺くらいの年頃の大半にとっては当たり前の事だろう。
俺にとって特別でも、相手も自分と同じであると、勘違いしてはいけない。
苗字が誰に対しても平等に見せている笑顔。
その笑顔を見るだけで、俺は満足するべきなのだ。
性格はサッパリとしていて、男子生徒からはもちろん、女子からも人気があるような女の子だ。
もしこの娘が男だったら、私は惚れてしまってるかもしれない。
私は数学が苦手である。
放課後、私より成績の良いその友達に数学を教えてもらっていたのだが、彼女の教え方はとても上手だ。
私は本当に助かっている。
1時間位経った頃、彼女のケータイが鳴った。
ケータイで誰かと話している彼女は、どうやら急用ができたらしい。
わからない所があったらまた教えてと伝え、彼女の後ろ姿を見送った。
私は良い具合に集中できそうなので、彼女に教えてもらった事を基に、このまま勉強を継続する事にする。
集中していると時間の経過は早いもので、結構遅い時間になってしまっていた。
勉強はこれくらいにして、もう帰ろう。
校舎の外へ出ると、校門あたりに私の大好きな後ろ姿が見えた。
こんなラッキーな事が下校の最後の最後に待ってるなんて、遅くまで頑張った甲斐があったと思う。
「真田くん、今帰り?」
当然私は、途中まで一緒に帰ろうと声を掛ける。
「途中までだぞ?」
と、素っ気なく言う真田くん。
そんな素っ気ない態度をされたら、私は素直に帰る気はなくなってしまう。
「ちょっと寄り道しちゃおうか」
「下校途中に寄り道など……俺の話を聞かんか!」
下校途中に寄り道くらいするよ、ほんとに真面目だなぁ、等と思いながら、私はお構いなしに真田くんの手を引き、最近オープンしたタピオカドリンクが飲める小さなお店へ向かう。
真田くんの帰り道ルートからも逸れてしまってるかもしれないが、目的のお店はそんなに遠くない。
これくらいは多目に見てもらわないと、真田くんと過ごせる時間なんて、私には滅多にない事なんだから。
「このお店、最近オープンしたばかりで、1度来たいと思ってたんだー」
その店舗は、通りに面するレジ兼注文聞き取り&品物受け渡しカウンターと、奥に調理場があるという小さな店である。
お客さんが飲食できるスペースはないので、品物を受け取ったらそこら辺で立ち飲みか、近くの公園のベンチに座りのんびり飲むか、選択肢はそれくらいだろう。
私は早速メニューを眺めて、何を頼もうか迷っている。
「タピオカというのは、あの丸いつぶつぶした物か?タピオカミルクティーという言葉をよく聞くな」
「……タピオカ、食べた事ない?」
「ああ、特別食べたいと思わなかったからな」
真田くんはタピオカ初体験だと言う。
「真田くん、ほんとに初めてなの⁉︎おじいちゃんじゃないんだからー!本当に中学生?」
「失敬な……!タピオカを食べた事がない中学生は俺の他にもいるはずだ!」
私もそう思うけど、きっとそれは少数派だろう。
真田くんはタピオカ入りほうじ茶ラテのアイス、私はタピオカ入りオレンジアイスティーを注文した。
注文した品物が私たちの元へ届くと、私はケータイを取り出し、カメラ機能を起動させる。
「祝!初タピオカ!真田& 苗字で写真撮ろー♪はい、笑ってー」
「初めてのタピオカがおめでたい事なのか?写真など不要だ」
「えー、ノリが悪いなぁ。ほら!もっと寄って寄って!」
写真はいらないと言う言葉を無視し、なかなか寄ってこない真田くんに仕方ないから私が思い切りくっつく。
「こっ、こんなに密着する必要あるのか⁉︎」
「真田くん老け顔だから、自撮りなんてした事ないでしょ?こういう事は経験者の私に任せてよ」
これでフレームに収まりきるだろうか?
「老け顔は関係ないだろう!それに俺は老け顔ではない!確かに自撮りなどした事がないが……」
ぶつぶつと抗議している真田くんにカメラ目線をお願いして、シャッターボタンを数回押した。
画像を再確認すると、2人ともちゃんと収まっているし、真田くんはしっかりカメラ目線を実行してくれていた。
半ば強引にアドレス交換をし、先程撮った画像を送りつける。
「私が可愛く撮れてるから、待ち受け画面にどうぞ」
と冗談を言った。
可愛く撮れてるのは本当だ。
もちろん、真田くんも安定の老け顔で、恐らくこんな風に写真を撮るのも初めてなのだろう、ぎこちない顔をしている。
そのぎこちない顔も含めてなかなかうまく撮れてると思うし、私は満足だった。
「自分で自分の事を可愛いという女子は可愛くはないだろう⁉︎」
そうは言ったものの、実際は苗字は可愛らしく撮れていると思う。
待ち受けにどうぞなど……苗字の言う事は、時々本気か冗談かわからなくなる。
本気だとしても、それに従う義理はないが。
……彼女でもないのに苗字とのツーショットを待ち受けにするわけがない。
もし、本当に待ち受けにして間違って誰かに見られでもしたら、気持ちの悪い奴だとレッテルを貼られてしまうだろう。
それに、仮に彼女が居たとして、待ち受け画面が彼女だなんて、俺には恥ずかしい行為でしかないのだ。
俺と苗字の関係は、ただの同級生なのだ。
こんなふうに女子と時間を過ごす事は今までの俺に無い経験なのであるが、ただの同級生同士がこんなふうに時間を過ごす事は、苗字を含め俺くらいの年頃の大半にとっては当たり前の事だろう。
俺にとって特別でも、相手も自分と同じであると、勘違いしてはいけない。
苗字が誰に対しても平等に見せている笑顔。
その笑顔を見るだけで、俺は満足するべきなのだ。