大外聖生
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「妹が欲しいなぁ…」
「この前ルリさんに断られていましたね」
誰に言ったわけでもない呟きに、律儀に答えてくれたのは隣に座っていた大外さん。
私は退屈になるとだいたいこのバーに来るのだが、大外さんとはわりとよく会う。
妹が欲しい…
私は一人っ子だ。
私には親友と呼べる友達が1人いるのだが、親友の仲の良い姉妹関係を身近で見ていた私には、ほんとうに姉妹がいる事を羨ましく感じたものだった。
親友が姉の方だったので、だから私も妹欲しいな〜とよく言っていたし、今でも思っているのだ。
「妹になって欲しいなんて、拒否するルリさんが普通ですよ。まだ関係性の薄い他人にそんな事言われてもね。あぁ、そうだ。苗字さん、僕の妹体験してみません?ルリさんの気持ちがわかるかもしれない。」
妹にあんなにこだわっていた私だが、
私が大外さんの妹に…
わざわざ体験しなくても、今の言葉だけでルリさんの気持ちがわかるかも…
控えめに言って、大外さんの妹なんて遠慮したい。
「3日間くらい体験すればわかるんじゃないですか?」
「長くないですか?3日も要らないですよ。」
それに、体験までする必要ないと思ってるんですけど…
「そうですか?まあ、そうと決まれば善は急げだ。行きますか。」
「まだ体験するとは言ってないんですけど⁉︎」
抵抗虚しく引きずられる私。ヘルプミー!
その時バーに居た瑪瑙さんも切子さんも、ただ見物しているだけで助けてはくれなかった…
ほんとにもう…ヘルプミー…泣
引きずられて着いたのは、大外さんの部屋の前。
「実は部屋で無くし物をしてしまったんです。探すの手伝ってくれません?僕の可愛い妹さん?」
「はぁ…そういう事なら手伝いますよ」
可愛い妹さんねぇ…バカにしてるのか?
そんな含みのある言い方だった。
もういちいち腹も立たないけど…
…今の私は完全に大外さんに振り回されている…泣
「苗字さんはベッドの辺りをお願いできるかい?」
「はいはい…鍵を無くしたって言ってましたっけ?」
私はベッド周り担当らしい。
こんなところ、自分でもう散々探したんじゃないの?と思いつつ、言われた通り一応探してみる。
枕を退かせたり、布団をめくってみたり…そうしていると
「苗字さん。」
名前を呼ばれたので振り返ると、
「ふぇっ…?」
私は突然ベッドへ押し倒された。
「無くし物なんて嘘ですよ。君を部屋へ連れ込むための嘘。こんな嘘に引っかかって部屋で男と2人きりなんて…今まで大丈夫だったんですか?」
「だ、大丈夫でしたよ!ふざけてないで、退いてください!普通、妹にこんな事しないでしょ!」
退いてと言ったのに、それに反して大外さんは更に顔を近づけてくる。
「近親相姦ですよ。知りませんか?」
耳元で囁かれ、思わず顔が赤くなり、体が緊張する。
え?もしかして貞操の危機??
大外さんは、見た目温厚そうな好青年なのでたちが悪い。
流されちゃダメだ、私!
余裕の笑みを浮かべた大外さんの顔が再度近づいてくる。
キスされる…!
…私は無我夢中で大外さんに頭突きした。
痛たそうにおでこを押さえている大外さんの体の下からスルリと抜け出して、
「妹に手を出そうとするなんて、もう絶縁です!!!」
と叫び、なんとか部屋から飛び出した。
あんな事されたのに、律儀に妹設定で捨てゼリフなんて、バカか私は…!泣
自分の部屋にたどり着き、だんだんと落ち着いてきた私。
大外さんへ対する怒りはまだ冷めないが、なんかもう疲れた…
その時、ドアがノックされ、
「苗字さん、居ますか?僕が悪かった。…いじめ過ぎましたかね?」
と、大外さんの声だった。
いじめ過ぎましたかね?
なぜ疑問形?
いじめすぎなんです!
「…君が拒否しなければ、最後までヤる気でした。」
「廊下でそんな事言わないでくれます⁉︎まだいじめる気⁈わざわざ追い討ちかけに来たんですかっ⁈泣」
これ以上、廊下で変な事喋られたらたまったものじゃない!
しばらく顔なんて見たくなかったけど、仕方なくドアを開け、また襲われないよう側にあったハサミを突きつけながら大外さんを部屋へ招き入れた。
ハサミだって充分危険な凶器になりうる。
無いよりマシだ。
ついさっき襲われかけたのだから、丸腰なんてバカの極みでしょ?
私は大外さんへ刃物を向けたまま、距離をとる。
「度が過ぎた事を謝ります。こんな兄だけど、仲直りしてくれるかい?」
「いや、あんな事しといてまだその設定続いてたんですか⁉︎もう妹なんてやりませんよ!!」
ツッコミどころ多くて溜め息つく暇もないんですけど…泣
大外さんの妹体験は1日も持たず終了した。
「ルリさんも私みたいに、私に対して貞操の危機を感じたのかなぁ?だとしたら、悪い事しました。」
「貞操の危機を感じたとか、そういう事ではないと思うけど?」
「いや、大外さん!貞操の危機!悪い事!あなたに言ってるんですよっ!遠回しに!!泣」
きっと私は大外さんのいいオモチャにされている…
ほんと泣きたい…泣
「この前ルリさんに断られていましたね」
誰に言ったわけでもない呟きに、律儀に答えてくれたのは隣に座っていた大外さん。
私は退屈になるとだいたいこのバーに来るのだが、大外さんとはわりとよく会う。
妹が欲しい…
私は一人っ子だ。
私には親友と呼べる友達が1人いるのだが、親友の仲の良い姉妹関係を身近で見ていた私には、ほんとうに姉妹がいる事を羨ましく感じたものだった。
親友が姉の方だったので、だから私も妹欲しいな〜とよく言っていたし、今でも思っているのだ。
「妹になって欲しいなんて、拒否するルリさんが普通ですよ。まだ関係性の薄い他人にそんな事言われてもね。あぁ、そうだ。苗字さん、僕の妹体験してみません?ルリさんの気持ちがわかるかもしれない。」
妹にあんなにこだわっていた私だが、
私が大外さんの妹に…
わざわざ体験しなくても、今の言葉だけでルリさんの気持ちがわかるかも…
控えめに言って、大外さんの妹なんて遠慮したい。
「3日間くらい体験すればわかるんじゃないですか?」
「長くないですか?3日も要らないですよ。」
それに、体験までする必要ないと思ってるんですけど…
「そうですか?まあ、そうと決まれば善は急げだ。行きますか。」
「まだ体験するとは言ってないんですけど⁉︎」
抵抗虚しく引きずられる私。ヘルプミー!
その時バーに居た瑪瑙さんも切子さんも、ただ見物しているだけで助けてはくれなかった…
ほんとにもう…ヘルプミー…泣
引きずられて着いたのは、大外さんの部屋の前。
「実は部屋で無くし物をしてしまったんです。探すの手伝ってくれません?僕の可愛い妹さん?」
「はぁ…そういう事なら手伝いますよ」
可愛い妹さんねぇ…バカにしてるのか?
そんな含みのある言い方だった。
もういちいち腹も立たないけど…
…今の私は完全に大外さんに振り回されている…泣
「苗字さんはベッドの辺りをお願いできるかい?」
「はいはい…鍵を無くしたって言ってましたっけ?」
私はベッド周り担当らしい。
こんなところ、自分でもう散々探したんじゃないの?と思いつつ、言われた通り一応探してみる。
枕を退かせたり、布団をめくってみたり…そうしていると
「苗字さん。」
名前を呼ばれたので振り返ると、
「ふぇっ…?」
私は突然ベッドへ押し倒された。
「無くし物なんて嘘ですよ。君を部屋へ連れ込むための嘘。こんな嘘に引っかかって部屋で男と2人きりなんて…今まで大丈夫だったんですか?」
「だ、大丈夫でしたよ!ふざけてないで、退いてください!普通、妹にこんな事しないでしょ!」
退いてと言ったのに、それに反して大外さんは更に顔を近づけてくる。
「近親相姦ですよ。知りませんか?」
耳元で囁かれ、思わず顔が赤くなり、体が緊張する。
え?もしかして貞操の危機??
大外さんは、見た目温厚そうな好青年なのでたちが悪い。
流されちゃダメだ、私!
余裕の笑みを浮かべた大外さんの顔が再度近づいてくる。
キスされる…!
…私は無我夢中で大外さんに頭突きした。
痛たそうにおでこを押さえている大外さんの体の下からスルリと抜け出して、
「妹に手を出そうとするなんて、もう絶縁です!!!」
と叫び、なんとか部屋から飛び出した。
あんな事されたのに、律儀に妹設定で捨てゼリフなんて、バカか私は…!泣
自分の部屋にたどり着き、だんだんと落ち着いてきた私。
大外さんへ対する怒りはまだ冷めないが、なんかもう疲れた…
その時、ドアがノックされ、
「苗字さん、居ますか?僕が悪かった。…いじめ過ぎましたかね?」
と、大外さんの声だった。
いじめ過ぎましたかね?
なぜ疑問形?
いじめすぎなんです!
「…君が拒否しなければ、最後までヤる気でした。」
「廊下でそんな事言わないでくれます⁉︎まだいじめる気⁈わざわざ追い討ちかけに来たんですかっ⁈泣」
これ以上、廊下で変な事喋られたらたまったものじゃない!
しばらく顔なんて見たくなかったけど、仕方なくドアを開け、また襲われないよう側にあったハサミを突きつけながら大外さんを部屋へ招き入れた。
ハサミだって充分危険な凶器になりうる。
無いよりマシだ。
ついさっき襲われかけたのだから、丸腰なんてバカの極みでしょ?
私は大外さんへ刃物を向けたまま、距離をとる。
「度が過ぎた事を謝ります。こんな兄だけど、仲直りしてくれるかい?」
「いや、あんな事しといてまだその設定続いてたんですか⁉︎もう妹なんてやりませんよ!!」
ツッコミどころ多くて溜め息つく暇もないんですけど…泣
大外さんの妹体験は1日も持たず終了した。
「ルリさんも私みたいに、私に対して貞操の危機を感じたのかなぁ?だとしたら、悪い事しました。」
「貞操の危機を感じたとか、そういう事ではないと思うけど?」
「いや、大外さん!貞操の危機!悪い事!あなたに言ってるんですよっ!遠回しに!!泣」
きっと私は大外さんのいいオモチャにされている…
ほんと泣きたい…泣
1/1ページ