嘴平伊之助
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伊之助さんが鬼との戦闘で負傷した、という情報が耳に入った。
心配になってしまった私は、丁度明日が非番であった為、お見舞いに行こう決めていた。
差し入れは何がいいだろう?
彼はお花なんて喜びそうにないし、当然食べ物が良いだろう。
治療中の身なので食べ物選びも慎重に……
悩みに悩んだ挙句、結局私は自分の大好きな金平糖を持って蝶屋敷へ向かった。
病室へ入ると、怪我の具合はそんなに悪くなかったようで、考えていたより元気そうな伊之助さんの姿を見て、安心した。
機能回復訓練を受けられる程にはまだ回復してないらしく、伊之助さんは暇を持て余しているようだ。
「お前、暇ならこれ、読んでくれないか?」
そう言われ、伊之助さんの持っている小さめの本を覗くと、子ども向けの絵本のようだった。
伊之助さんのベッドの横へ椅子を移動させ、隣に腰掛ける。
私は本を受け取ると、軽くパラパラと本をめくる。
最初から最後まで食べ物のイラストが描かれている。
子ども向けの絵本なので、書いてる文字は全てひらがなだ。
非常事態がない限り今日1日非番である私は、この後特に予定はない。
文字はまだほぼ読めないという彼に代わり、ゆっくりと読んであげる事にする。
私が読みあげると、伊之助さんもその文字を追いながら見ている。
「これはわかるぞ。俺の名前の、の、だな?」
「あ、そうですね。伊之助さんの、の、ですね」
のり巻きのページで、自分の名前の一文字を見つけた伊之助さん。
私の小さい頃も、こんな感じで文字を覚えたのだろうか?
うろ覚えであるが、どうやら文字を覚えようとしている伊之助さんを可愛らしく思う。
母性がくすぐられる感覚とは、このような感覚なのだろうか……
その後もゆっくりと絵本を読み続けると、天ぷらのページでテンションが上がる伊之助さん。
どうやら彼の好物らしい。
「そういやお前、何で頭巾取んねーんだよ。室内なんだから、脱げばいいだろ?」
いつもいつも猪頭を被っている伊之助さんには言われたくないんですけど。
「別にいいじゃない。召集があればいつでも出られるように、この格好でいるんです」
私は頭巾を脱ぐ気はない。
……まあ、脱いでもいいんだけど。
私が脱がなかったからか、前触れなく私の頭巾を取る伊之助さん。
突然の事に驚く私。
「何すんの?いきなり取られたらビックリするじゃない!」
「お前の顔が見たいから」
平然とした顔で言い放つ伊之助さん。
どういう意味?
思わず赤面してしまった。
そんな素直な言葉で言われたら誰だって赤面してしまうでしょ?……と思うのだが……ドウデスカ??
その時、病室の扉が勢いよく開かれた。
驚いて振り返ると、何とも言えない顔をした善逸さんが入り口に立っていた。
「……伊之助、お前、怪我人の分際で女の子とイチャイチャイチャイチャと……いいご身分だな……お前には他にやる事があるだろ!女の子を口説く暇があるなら、きちんと静養していないと、治るものも治らないぞ!!この俺の涙は決して羨ましいとかそんなんじゃなくて……!」
イチャイチャ?口説く??
その言葉を聞き、ますます恥ずかしくなってしまう私。
「善逸さん、落ち着いて!別にイチャついてたわけでは……!」
言いながら、私も気が気じゃない。
「何言ってんだ?お前。お前の言ってる事全部、意味わかんねーんだよ。どうせいつもの調子でキモい事言ってんだろうけどな」
冷静に言う伊之助さんに対し、あーだこーだ言い返す善逸さん。
2人は口喧嘩を始めてしまったが、今がチャンスとばかりに、私は病室を抜け出した。
このまま騒ぎが続けば、2人はアオイさんに怒られるだろう。
1人だけ逃げてしまう事を申し訳なく思いながら、平常心でいられそうにない私は蝶屋敷を後にした。
別に伊之助さんが私を口説いていたわけではないとわかっている。
それでも、次会う時、平然とした顔をして彼に会えるだろうか?
……私が彼に感じている気持ちは母性だ!
そう自分に言い聞かせる。
そういえば、2人の口喧嘩の最中、そっと枕元に置いてきた差し入れの金平糖……彼は気に入ってくれるだろうか?
心配になってしまった私は、丁度明日が非番であった為、お見舞いに行こう決めていた。
差し入れは何がいいだろう?
彼はお花なんて喜びそうにないし、当然食べ物が良いだろう。
治療中の身なので食べ物選びも慎重に……
悩みに悩んだ挙句、結局私は自分の大好きな金平糖を持って蝶屋敷へ向かった。
病室へ入ると、怪我の具合はそんなに悪くなかったようで、考えていたより元気そうな伊之助さんの姿を見て、安心した。
機能回復訓練を受けられる程にはまだ回復してないらしく、伊之助さんは暇を持て余しているようだ。
「お前、暇ならこれ、読んでくれないか?」
そう言われ、伊之助さんの持っている小さめの本を覗くと、子ども向けの絵本のようだった。
伊之助さんのベッドの横へ椅子を移動させ、隣に腰掛ける。
私は本を受け取ると、軽くパラパラと本をめくる。
最初から最後まで食べ物のイラストが描かれている。
子ども向けの絵本なので、書いてる文字は全てひらがなだ。
非常事態がない限り今日1日非番である私は、この後特に予定はない。
文字はまだほぼ読めないという彼に代わり、ゆっくりと読んであげる事にする。
私が読みあげると、伊之助さんもその文字を追いながら見ている。
「これはわかるぞ。俺の名前の、の、だな?」
「あ、そうですね。伊之助さんの、の、ですね」
のり巻きのページで、自分の名前の一文字を見つけた伊之助さん。
私の小さい頃も、こんな感じで文字を覚えたのだろうか?
うろ覚えであるが、どうやら文字を覚えようとしている伊之助さんを可愛らしく思う。
母性がくすぐられる感覚とは、このような感覚なのだろうか……
その後もゆっくりと絵本を読み続けると、天ぷらのページでテンションが上がる伊之助さん。
どうやら彼の好物らしい。
「そういやお前、何で頭巾取んねーんだよ。室内なんだから、脱げばいいだろ?」
いつもいつも猪頭を被っている伊之助さんには言われたくないんですけど。
「別にいいじゃない。召集があればいつでも出られるように、この格好でいるんです」
私は頭巾を脱ぐ気はない。
……まあ、脱いでもいいんだけど。
私が脱がなかったからか、前触れなく私の頭巾を取る伊之助さん。
突然の事に驚く私。
「何すんの?いきなり取られたらビックリするじゃない!」
「お前の顔が見たいから」
平然とした顔で言い放つ伊之助さん。
どういう意味?
思わず赤面してしまった。
そんな素直な言葉で言われたら誰だって赤面してしまうでしょ?……と思うのだが……ドウデスカ??
その時、病室の扉が勢いよく開かれた。
驚いて振り返ると、何とも言えない顔をした善逸さんが入り口に立っていた。
「……伊之助、お前、怪我人の分際で女の子とイチャイチャイチャイチャと……いいご身分だな……お前には他にやる事があるだろ!女の子を口説く暇があるなら、きちんと静養していないと、治るものも治らないぞ!!この俺の涙は決して羨ましいとかそんなんじゃなくて……!」
イチャイチャ?口説く??
その言葉を聞き、ますます恥ずかしくなってしまう私。
「善逸さん、落ち着いて!別にイチャついてたわけでは……!」
言いながら、私も気が気じゃない。
「何言ってんだ?お前。お前の言ってる事全部、意味わかんねーんだよ。どうせいつもの調子でキモい事言ってんだろうけどな」
冷静に言う伊之助さんに対し、あーだこーだ言い返す善逸さん。
2人は口喧嘩を始めてしまったが、今がチャンスとばかりに、私は病室を抜け出した。
このまま騒ぎが続けば、2人はアオイさんに怒られるだろう。
1人だけ逃げてしまう事を申し訳なく思いながら、平常心でいられそうにない私は蝶屋敷を後にした。
別に伊之助さんが私を口説いていたわけではないとわかっている。
それでも、次会う時、平然とした顔をして彼に会えるだろうか?
……私が彼に感じている気持ちは母性だ!
そう自分に言い聞かせる。
そういえば、2人の口喧嘩の最中、そっと枕元に置いてきた差し入れの金平糖……彼は気に入ってくれるだろうか?