嘴平伊之助
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頭巾を被っていて顔が隠れていても、全体の雰囲気から私だと、だんだんと判断できるようになっていった伊之助さん。
それにより隠狩りは無事収束を迎えたのである。
しかし、たとえ伊之助さんが私に用事があったとしても、連絡手段は未だなく、行き当たりばったりのその時会えたら、状態である。
私の方から伊之助さんに用事がある事などないのだが、伊之助さんが私を猪頭手入れ担当と考えているうちは、用事のある時に連絡が取れないのは不便だろうと思う。
そこで疑問に思ったのだが、伊之助さんはなぜカラスを使わないのか?
他の鬼殺隊士は隊士同士のやり取り等、カラスを利用している事が多い。
というか、何故私は彼の為にここまで考えてあげているのだろうか……?
次に会ったらカラスでのやり取りを提案してみようと考えていた時と同じ頃、たまたま仲間の炭次郎さんに会った。
炭次郎さんから伊之助さんに伝えておいてもらおうかな……私だと、いつ伊之助さんに会えるかわからない。
その旨を炭次郎さんにお話すると、彼は読み書きがほとんどできないという事だった。
「だが、そういう事なら伊之助の代わりに俺が代筆すれば問題ない。伊之助のカラスは見かけた事がないから気がつかなかった。申し訳ない」
なぜ炭次郎さんが謝るのか。
いくら長男でも責任感が強すぎですよ!
炭次郎さんが代筆してくれれば問題解決だが、炭次郎さんの手を煩わせるなんて気が引ける。
「いえっ、炭次郎さんがわざわざ代筆しなくても…申し訳ないですよ、そんなの。何か他にいいアイディア、考えますから」
「だが、でき得る範囲の事なら俺も協力したい」
伊之助さんと私の為になるなら喜んで、という事だろう。
どこまで良い人なんだ、この人は…
本当に手の空いている時で構わないのでどうか無理をしないで欲しいと最後に伝え、別れた。
私が炭次郎さんと分かれて1ヶ月くらい経過したある日、私の元に一羽のカラスがやってきた。
どうやら1枚のメモ紙程度の用紙を私宛てへ届けてくれたらしい。
中身を見ると、汚い字で”ちょうやしきにこい いのすけ”と、全てひらがなで書かれていた。
もしかして、いのすけさんが自分で書いた文字だろうか?
炭次郎さんのような人格者が、こんなに汚い字を書くはずがない。
実際には見た事はないけど。
わざわざ伊之助さんに文字を教えてくれたのだろうか?
一から文字を教えるなんて、代筆するより大変だったろうに……炭次郎さんはどこまで良い人なんだろうか。
底無しの優しさだ。
伊之助さんとはその後もカラスを通じてのやり取りがあり、
基本的には蝶屋敷で怪我の治療を受けている間に、戦闘で汚れた猪頭を綺麗にしておいて欲しいとの用件なので、
その内容はいつも”ちょうやしきにこい いのすけ”のみなのだが、私はある事に気がついた。
伊之助さんの書く字が上達している。
最初に受け取ったものより、だいぶ読みやすくなっている。
彼の成長を感じ、何故だか嬉しくなってしまう私。
……これって、もしかして……母性?
後日、炭次郎さんの顔を見るなり私はお礼を言った。
今のところ、”ちょうやしきにこい いのすけ”というひらがなしか書けないらしいのだが、伊之助さんに文字を教えるよりも、伊之助さんの前に姿を現さないカラスを探し出して説得する方が大変だったようだ。
あの人、カラスを食べようとしてたのね……
なんて可哀想なカラス……
それにより隠狩りは無事収束を迎えたのである。
しかし、たとえ伊之助さんが私に用事があったとしても、連絡手段は未だなく、行き当たりばったりのその時会えたら、状態である。
私の方から伊之助さんに用事がある事などないのだが、伊之助さんが私を猪頭手入れ担当と考えているうちは、用事のある時に連絡が取れないのは不便だろうと思う。
そこで疑問に思ったのだが、伊之助さんはなぜカラスを使わないのか?
他の鬼殺隊士は隊士同士のやり取り等、カラスを利用している事が多い。
というか、何故私は彼の為にここまで考えてあげているのだろうか……?
次に会ったらカラスでのやり取りを提案してみようと考えていた時と同じ頃、たまたま仲間の炭次郎さんに会った。
炭次郎さんから伊之助さんに伝えておいてもらおうかな……私だと、いつ伊之助さんに会えるかわからない。
その旨を炭次郎さんにお話すると、彼は読み書きがほとんどできないという事だった。
「だが、そういう事なら伊之助の代わりに俺が代筆すれば問題ない。伊之助のカラスは見かけた事がないから気がつかなかった。申し訳ない」
なぜ炭次郎さんが謝るのか。
いくら長男でも責任感が強すぎですよ!
炭次郎さんが代筆してくれれば問題解決だが、炭次郎さんの手を煩わせるなんて気が引ける。
「いえっ、炭次郎さんがわざわざ代筆しなくても…申し訳ないですよ、そんなの。何か他にいいアイディア、考えますから」
「だが、でき得る範囲の事なら俺も協力したい」
伊之助さんと私の為になるなら喜んで、という事だろう。
どこまで良い人なんだ、この人は…
本当に手の空いている時で構わないのでどうか無理をしないで欲しいと最後に伝え、別れた。
私が炭次郎さんと分かれて1ヶ月くらい経過したある日、私の元に一羽のカラスがやってきた。
どうやら1枚のメモ紙程度の用紙を私宛てへ届けてくれたらしい。
中身を見ると、汚い字で”ちょうやしきにこい いのすけ”と、全てひらがなで書かれていた。
もしかして、いのすけさんが自分で書いた文字だろうか?
炭次郎さんのような人格者が、こんなに汚い字を書くはずがない。
実際には見た事はないけど。
わざわざ伊之助さんに文字を教えてくれたのだろうか?
一から文字を教えるなんて、代筆するより大変だったろうに……炭次郎さんはどこまで良い人なんだろうか。
底無しの優しさだ。
伊之助さんとはその後もカラスを通じてのやり取りがあり、
基本的には蝶屋敷で怪我の治療を受けている間に、戦闘で汚れた猪頭を綺麗にしておいて欲しいとの用件なので、
その内容はいつも”ちょうやしきにこい いのすけ”のみなのだが、私はある事に気がついた。
伊之助さんの書く字が上達している。
最初に受け取ったものより、だいぶ読みやすくなっている。
彼の成長を感じ、何故だか嬉しくなってしまう私。
……これって、もしかして……母性?
後日、炭次郎さんの顔を見るなり私はお礼を言った。
今のところ、”ちょうやしきにこい いのすけ”というひらがなしか書けないらしいのだが、伊之助さんに文字を教えるよりも、伊之助さんの前に姿を現さないカラスを探し出して説得する方が大変だったようだ。
あの人、カラスを食べようとしてたのね……
なんて可哀想なカラス……