切原赤也
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生まれて初めて女の子から告白された。
人気のない校舎裏での事。
相手はあまり絡んだ事ない娘だったけど、素直に可愛い娘だと思った。
よく知りもしない娘と付き合うのか。
俺は、どんな娘であるかは付き合う中で知っていけばいい、という考えだ。
まあ、そんなのは建前で、思春期真っ只中だし。
深く考えもせず、見た目が好みであればOKする。
俺の恋愛感なんてそんなものだった。
告白してきた女の子の印象は、良かった。
それなのに、気がつくと俺はその娘をふっていた。
普通に考えて勿体なかったよな……
少し後悔してる俺。
でも、そんな事を考えるより他に考えなければならない事がある。
それは、告白の返事をする時、あいつの顔が浮かんだ事だ。
俺、苗字の事が好きなのか……?
全然確信は持てない。
一緒にいて楽しいし、可愛いと思うのも認めるが……あいつ、イタイ奴だし。
友達としてもちろん好きなのだが、付き合うとか、恋人としてはどうなのか?
モヤモヤとした気持ちを無視できない俺は、今日も居るかわからないのに、いつものゲーセンへ向かっていた。
お馴染みの格ゲー台に座り、苗字は居た。
今日は一体何のストレス発散だ?
声をかけず、少し離れた所からその後ろ姿を眺める。
……俺はあいつの事、どう思っているんだろう。
そんな事を考えていると、俺の知らない男に話しかけられる苗字。
またナンパか?と、助けに入ろうと近づこうとしたが、その雰囲気はナンパとは違った。
よく見ると男は、苗字と同じ学校の制服を着ている。
それに、苗字とその男は親しげに話している。
ひょっとして、彼氏だろうか……
……胸が痛い。
この光景を見て、やっと自覚できた。
俺は苗字が好きだという事を。
早くここから立ち去ろうと踵を返すが、
「切原くん!」
と、後ろから声をかけられる。
げっ……見つかった……
「今日はもう帰るわ」
不自然な感じになってしまったが、一刻も早くここから立ち去りたい俺は、さっさと店の外へ出た。
もう帰ろう……
特に行くところもない俺は、最悪な気分のまま帰路につく。
すると、いきなりシャツの後ろを掴まれ、
「うわっ!」っと、思わず声が出た。
振り向くと、俺のシャツを掴んでいたのは苗字だった。
「あんた、どうしたんだよ?それにその顔……」
苗字はどことなく悲しそうな?不安そうな?そんな表情をしている。
それに、あの彼氏は?
「だって切原くんが……素っ気ない……」
「……そんな事ねーよ。俺は邪魔しちゃ悪いと思って……」
せっかくの苗字と彼氏との時間を邪魔できない……というか、俺自身が辛いから逃げたんだけど。
そんな事は言えず、歯切れの悪い返事になる。
「邪魔って何?」
「いや、別に……」
「気になるから答えてよ!」
苗字がしつこい。
「何でもねーよ!」
イライラしてつい声を荒げてしまったが、苗字は尚も問い詰めてくる。
「邪魔しちゃ悪いって、誰に対してどんなふうに悪いの?」
俺の腕はガッチリと苗字にホールドされ、俺が答えるまで離す気はない、という事だろうか。
俺はイライラとした勢いのまま、ハッキリと言った。
「彼氏と仲良くしてるのに、俺が居たらあんたらの邪魔になるだろ!」
苗字はキョトンとした顔をしている。
「ああ、違うよ。あの人は同じ学校の友達。私が猫かぶりをやめてできた友達のひとり。切原くんのおかげでできた友達だもん」
そうかよ。
苗字が友達のつもりでも、相手は友達以上になりたいと思ってるかもしれないけどな……
思わず口に出しそうになったが、何とか言い留まった。
そんな事言ったら、本気で喧嘩になりそうだ。
一連の俺の態度で、苗字には俺の気持ちがバレたかもしれない。
さっきのイライラもあり、俺は半分自棄になって言ってしまった。
「さっきのが彼氏じゃないなら、あんた、俺と付き合えば?」
女の子に告白するなんて初めての経験だ。
もう言ってしまった後で手遅れだが、もっとマシな言葉があっただろうに……
俺は自分自身に呆れつつ、もっと言葉やタイミングを吟味するべきだったと後悔していた。
でも、苗字の返事がどうであれ、これでスッキリできるのも確かだ。
苗字の返事はどうなのか。
緊張と恥ずかしさで俺は苗字の顔を直視できず……顔を背け、視界に入らないよう、ずれた方向を見るのが精一杯だった。
自分でも、顔が紅潮しているのがわかる。
それにしても、苗字から何の返答もない。
不安が限界になった俺は、苗字の方へ視線を移す。
「キモッ。あんた、何やってんの?」
苗字は自分の長い髪の毛を頭から被り?何と表現していいのかわからないが、その髪で自分の顔を隠しているようだった。
「だって……」
と言う言葉だけ聞こえたが、苗字はまた黙り込んでしまった。
相手に珍妙な行動をされると冷静になるもので、告白の返事は置いといて、俺は苗字の髪を手で梳かして直してやった。
「何やってんの?髪、ぐしゃぐしゃじゃん」
髪を梳かし見えてきた苗字の顔は、おそらく俺の顔よりも赤く、狼狽している。
「いや……だって……」
だって、何なんだよ?
俺が黙っていると、苗字は少しずつ先を話し始める。
「……それって、切原くんは……私の事を好きってこと…?」
「そう言ったつもりだけど、あんたの返事はどうなの?」
「……私は切原くんが好き……」
「じゃあ、俺とあんたは今日から彼氏と彼女だな」
ハッキリと宣言しておく。
勢いのままその体を抱き寄せると、苗字は面白いくらい狼狽えている。
俺をあんな気分にさせた罰、というわけではないが、
その可愛さを見て、もっといじめてしまいたくなる俺がいた。
人気のない校舎裏での事。
相手はあまり絡んだ事ない娘だったけど、素直に可愛い娘だと思った。
よく知りもしない娘と付き合うのか。
俺は、どんな娘であるかは付き合う中で知っていけばいい、という考えだ。
まあ、そんなのは建前で、思春期真っ只中だし。
深く考えもせず、見た目が好みであればOKする。
俺の恋愛感なんてそんなものだった。
告白してきた女の子の印象は、良かった。
それなのに、気がつくと俺はその娘をふっていた。
普通に考えて勿体なかったよな……
少し後悔してる俺。
でも、そんな事を考えるより他に考えなければならない事がある。
それは、告白の返事をする時、あいつの顔が浮かんだ事だ。
俺、苗字の事が好きなのか……?
全然確信は持てない。
一緒にいて楽しいし、可愛いと思うのも認めるが……あいつ、イタイ奴だし。
友達としてもちろん好きなのだが、付き合うとか、恋人としてはどうなのか?
モヤモヤとした気持ちを無視できない俺は、今日も居るかわからないのに、いつものゲーセンへ向かっていた。
お馴染みの格ゲー台に座り、苗字は居た。
今日は一体何のストレス発散だ?
声をかけず、少し離れた所からその後ろ姿を眺める。
……俺はあいつの事、どう思っているんだろう。
そんな事を考えていると、俺の知らない男に話しかけられる苗字。
またナンパか?と、助けに入ろうと近づこうとしたが、その雰囲気はナンパとは違った。
よく見ると男は、苗字と同じ学校の制服を着ている。
それに、苗字とその男は親しげに話している。
ひょっとして、彼氏だろうか……
……胸が痛い。
この光景を見て、やっと自覚できた。
俺は苗字が好きだという事を。
早くここから立ち去ろうと踵を返すが、
「切原くん!」
と、後ろから声をかけられる。
げっ……見つかった……
「今日はもう帰るわ」
不自然な感じになってしまったが、一刻も早くここから立ち去りたい俺は、さっさと店の外へ出た。
もう帰ろう……
特に行くところもない俺は、最悪な気分のまま帰路につく。
すると、いきなりシャツの後ろを掴まれ、
「うわっ!」っと、思わず声が出た。
振り向くと、俺のシャツを掴んでいたのは苗字だった。
「あんた、どうしたんだよ?それにその顔……」
苗字はどことなく悲しそうな?不安そうな?そんな表情をしている。
それに、あの彼氏は?
「だって切原くんが……素っ気ない……」
「……そんな事ねーよ。俺は邪魔しちゃ悪いと思って……」
せっかくの苗字と彼氏との時間を邪魔できない……というか、俺自身が辛いから逃げたんだけど。
そんな事は言えず、歯切れの悪い返事になる。
「邪魔って何?」
「いや、別に……」
「気になるから答えてよ!」
苗字がしつこい。
「何でもねーよ!」
イライラしてつい声を荒げてしまったが、苗字は尚も問い詰めてくる。
「邪魔しちゃ悪いって、誰に対してどんなふうに悪いの?」
俺の腕はガッチリと苗字にホールドされ、俺が答えるまで離す気はない、という事だろうか。
俺はイライラとした勢いのまま、ハッキリと言った。
「彼氏と仲良くしてるのに、俺が居たらあんたらの邪魔になるだろ!」
苗字はキョトンとした顔をしている。
「ああ、違うよ。あの人は同じ学校の友達。私が猫かぶりをやめてできた友達のひとり。切原くんのおかげでできた友達だもん」
そうかよ。
苗字が友達のつもりでも、相手は友達以上になりたいと思ってるかもしれないけどな……
思わず口に出しそうになったが、何とか言い留まった。
そんな事言ったら、本気で喧嘩になりそうだ。
一連の俺の態度で、苗字には俺の気持ちがバレたかもしれない。
さっきのイライラもあり、俺は半分自棄になって言ってしまった。
「さっきのが彼氏じゃないなら、あんた、俺と付き合えば?」
女の子に告白するなんて初めての経験だ。
もう言ってしまった後で手遅れだが、もっとマシな言葉があっただろうに……
俺は自分自身に呆れつつ、もっと言葉やタイミングを吟味するべきだったと後悔していた。
でも、苗字の返事がどうであれ、これでスッキリできるのも確かだ。
苗字の返事はどうなのか。
緊張と恥ずかしさで俺は苗字の顔を直視できず……顔を背け、視界に入らないよう、ずれた方向を見るのが精一杯だった。
自分でも、顔が紅潮しているのがわかる。
それにしても、苗字から何の返答もない。
不安が限界になった俺は、苗字の方へ視線を移す。
「キモッ。あんた、何やってんの?」
苗字は自分の長い髪の毛を頭から被り?何と表現していいのかわからないが、その髪で自分の顔を隠しているようだった。
「だって……」
と言う言葉だけ聞こえたが、苗字はまた黙り込んでしまった。
相手に珍妙な行動をされると冷静になるもので、告白の返事は置いといて、俺は苗字の髪を手で梳かして直してやった。
「何やってんの?髪、ぐしゃぐしゃじゃん」
髪を梳かし見えてきた苗字の顔は、おそらく俺の顔よりも赤く、狼狽している。
「いや……だって……」
だって、何なんだよ?
俺が黙っていると、苗字は少しずつ先を話し始める。
「……それって、切原くんは……私の事を好きってこと…?」
「そう言ったつもりだけど、あんたの返事はどうなの?」
「……私は切原くんが好き……」
「じゃあ、俺とあんたは今日から彼氏と彼女だな」
ハッキリと宣言しておく。
勢いのままその体を抱き寄せると、苗字は面白いくらい狼狽えている。
俺をあんな気分にさせた罰、というわけではないが、
その可愛さを見て、もっといじめてしまいたくなる俺がいた。