オクタヴィネル寮【異種族間交流】
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ジェイドやフロイドと時々、登下校が一緒になる事もあり、白猫は2人にもすぐに懐いていた。
「ラウンジのマスコットとしてあの白猫を?」
ある日、フロイドからそんな提案をされ、
「可愛がってもらえれば確かに売り上げが期待できますけど、それも一時的なものだと思いますけどね。それに、飲食の場に動物ですか?僕なら嫌ですね」
「え〜?あの猫ちゃん、愛想があって可愛いじゃん。毎日毎日ついて来られて、よく無視できるよねぇアズールは〜。みんなで可愛がればいいじゃ〜ん」
「そうは言いますがフロイド、簡単な事ではありませんよ?飽きっぽいあなたが最後まで責任持てますか?動物を飼うという事はそういう事ですよ?」
「それに、動物を飼うにも許可なく勝手にはできません」
3人のそんなやり取りがあってから数日後。
その日は雨が降っていて、すっかりお馴染みとなってしまった白猫は、こんな日でも雨に打たれながら僕の後をついて来た。
激しい雨の中、いつもと変わらず僕の姿を見送る白猫……。
そのまま普段のようにお別れすればいいはずなのに……何故か見過ごす事ができずに、気がつけば僕は白猫を寮内に連れて帰っていた。
この僕が後先考えずこんな行動をするなんて、自分でも驚いている。
まあ、寮生に餌を与えられたりしながらみんなに可愛がられる名物野良猫、なんていうのは珍しくもないだろうし、いくら毎日顔を合わせていて愛着が湧いていても、僕の白猫に対する思いはそんな感覚に近い。
自ら連れ帰るなんて事までしておいて何だが、その程度である。
汚れが気になる僕は、まずは雨でビシャビシャになった白猫を洗ってやる事にした。
白猫は嫌がる事なく大人しく僕に身体を洗われて、本当に大人しい猫だと思った。
「アズールが白猫を連れ帰るなんて驚きです……」
「いや……本当にあなたの言う通りで……僕もなぜ連れ帰ってしまったのか……フロイドにああ言っておいて、言い訳のしようもありません……」
事後報告のようになってしまうが、自分がこうしてしまった以上は、学園長に寮内に動物を住まわす事について、必ず許可をもらうつもりだ。
グリムさんと監督生さんの例もありますし、何とかなるでしょう。
「つまり、寮内でペットを飼いたい、という事ですか?いいですよ。」
厳密に言えばペットというつもりはないのだが、いともあっさりと許可が降りた。
許可が降りてひと安心なのだが、ひと言言いたい。こんなに簡単に許可を出して、この学園長、大丈夫なのか?
もし許可が降りなければ学園長の弱みと引き換えに交渉でもしようか、などと考えていたのだが……
それなら何か条件があるのでは?と勘ぐっていたところ、やはりというべきか、
「その代わり、1つ厄介事を頼まれてくれませんか?」
と、続ける学園長。
その厄介事というのはまた別のお話で。
学園から寮に戻ってきた僕。
「無事、あなたをここに住まわせられる事が正式に許されましたよ。ここで暮らすという事は、あなたにも仕事してもらいますからね?まあ、それはまた明日にでもお話しするとしましょう」
きっと僕の言葉をきちんと理解してくれているだろう。
そんな思いで白猫に語りかけた。
学園長の言葉で言えば、寮内でペットを飼ってもいいと許されたのだから、目印、というわけではないが、海の貝殻をあしらった赤いリボンを白猫の首に巻くと、嫌がる素振りもないため、苦しくならないよう注意しながらキュッと結んだ。
そこら辺にあった急ごしらえのリボンだが……
「今はこれで許してくださいね?」
あとは、事情を知るジェイドとアズールにも、許可が降りた事を説明しておくとしましょう。
夜、僕が自分のベッドへ入ると、隣へ潜り込んできた白猫。
まるで自分で境界線でも決めているかのように過剰に近づく事はしなかった白猫なのに、やはり人恋しかったのだろうか?
「僕が猫アレルギーじゃなくてよかったですねぇ?アレルギーだったら一緒のベッドで寝るなんて、絶対にできないですからね」
頭から体に沿って手を這わすように撫でてやると、白猫は満足そうな顔をして目を閉じている。
そうしている内に、僕もじきに眠りについた。
朝になり、部屋の中もほのかに明るくなっている頃なのだろう。
いつもの目覚ましの音で眠たい目を瞬かせる。
……このベッド、こんなに狭かっただろうか?
それに、とっても暖かい……。
…………。
「きゃあぁぁぁぁーーー!!!」
「うるさいですよ、アズール。女子ような悲鳴をあげて……」
既に起きていたのだろう、僕がみっともなく叫んでから間もなくして、僕の部屋の扉をノックしたジェイドは返事を待たずに入ってきた。
僕の大声に半分呆れているような口ぶりだったが、悲鳴とあっては非常事態もありうると判断したのだろう。
扉を開けたままの体勢で固まるジェイド。
だが、すぐに状況を理解したのか、
「……あなたが寮の自室に女性を連れ込むだなんて意外でした。この事は誰にも口外しないであげますから、早くお帰り頂くのが賢明かと……」
と、僕にとって全く不本意な勘違いをして軽蔑の眼差しを向けてくる。
この状況ならそう思われても無理はないのかもしれませんが。
「ちょっと待て!何か誤解してませんか?というか、行かないでください、ジェイド!知らない人です!助けて!」
僕は何とかベッドから抜け出すが、全裸女性は僕の後を追うように、てけてけとついてくる。
「服を貸して差し上げたらどうです?」
「ちょ、ちょっと!その姿でそんなにくっつかないでー!!!」
「まるで女子みたいな反応ですね、アズール。……そんな悲しそうな顔をしないで。あなたの今の姿は年頃の私達の目には毒という事です。アズール、クローゼット開けますよ?」
僕の側から離れようとしない全裸女性に、クローゼットから出した制服のシャツを手渡すジェイド。
というかジェイド、全裸の女性がいるというのに、落ち着きすぎでは?
それとも僕が騒ぎ過ぎなのだろうか???
それに、彼シャツみたいなこのチョイス、たまたまでしょうか?
そんな事が頭をよぎったが、今はそんな事を話している場合ではない。
「さすがこの学園内で生きてきた猫だけあって、普通の白猫ではありませんでしたね……」
彼女が全裸から彼シャツ状態になった事で落ち着いた僕。
彼女から話を聞くと、どうやらこの女性はあの白猫のようだ。
突然の予期せぬ出来事に激しく動揺してしまっていた僕は、それを聞き、あの白猫の姿が見えない事にやっと気がついた、という状態だった。
確かに、女性の首には昨日僕が白猫の首に巻いた、貝殻の付いた赤いリボンが巻かれている。
本当にあの白猫?という疑惑はもちろんまだあるし、本当は何か目的があって僕に近づいたのでは?という疑いも。
彼女の言う事が本当なのだと、全てを信じるつもりはない。
彼女に何か目的があったとして、面倒事を自ら連れ帰ったのは紛れもなく僕自身なのだが……
彼女曰く、朝になって何故人間の姿になっていたのかは自分でもわからないらしく、いろいろと謎のままだ。
「アズール、部屋に女の子連れ込んだの〜?それともアズールが寝込み襲われちゃったの〜?」
「そのどちらでもありません!」
もう昼食の時間にもなろうという頃、いつまで寝ていたのか、やっと自室から出てきたフロイドにのん気にからかわれた。
あんなに1人ギャーギャーと騒いだ自分が、今となっては恥ずかしい……
「ラウンジのマスコットとしてあの白猫を?」
ある日、フロイドからそんな提案をされ、
「可愛がってもらえれば確かに売り上げが期待できますけど、それも一時的なものだと思いますけどね。それに、飲食の場に動物ですか?僕なら嫌ですね」
「え〜?あの猫ちゃん、愛想があって可愛いじゃん。毎日毎日ついて来られて、よく無視できるよねぇアズールは〜。みんなで可愛がればいいじゃ〜ん」
「そうは言いますがフロイド、簡単な事ではありませんよ?飽きっぽいあなたが最後まで責任持てますか?動物を飼うという事はそういう事ですよ?」
「それに、動物を飼うにも許可なく勝手にはできません」
3人のそんなやり取りがあってから数日後。
その日は雨が降っていて、すっかりお馴染みとなってしまった白猫は、こんな日でも雨に打たれながら僕の後をついて来た。
激しい雨の中、いつもと変わらず僕の姿を見送る白猫……。
そのまま普段のようにお別れすればいいはずなのに……何故か見過ごす事ができずに、気がつけば僕は白猫を寮内に連れて帰っていた。
この僕が後先考えずこんな行動をするなんて、自分でも驚いている。
まあ、寮生に餌を与えられたりしながらみんなに可愛がられる名物野良猫、なんていうのは珍しくもないだろうし、いくら毎日顔を合わせていて愛着が湧いていても、僕の白猫に対する思いはそんな感覚に近い。
自ら連れ帰るなんて事までしておいて何だが、その程度である。
汚れが気になる僕は、まずは雨でビシャビシャになった白猫を洗ってやる事にした。
白猫は嫌がる事なく大人しく僕に身体を洗われて、本当に大人しい猫だと思った。
「アズールが白猫を連れ帰るなんて驚きです……」
「いや……本当にあなたの言う通りで……僕もなぜ連れ帰ってしまったのか……フロイドにああ言っておいて、言い訳のしようもありません……」
事後報告のようになってしまうが、自分がこうしてしまった以上は、学園長に寮内に動物を住まわす事について、必ず許可をもらうつもりだ。
グリムさんと監督生さんの例もありますし、何とかなるでしょう。
「つまり、寮内でペットを飼いたい、という事ですか?いいですよ。」
厳密に言えばペットというつもりはないのだが、いともあっさりと許可が降りた。
許可が降りてひと安心なのだが、ひと言言いたい。こんなに簡単に許可を出して、この学園長、大丈夫なのか?
もし許可が降りなければ学園長の弱みと引き換えに交渉でもしようか、などと考えていたのだが……
それなら何か条件があるのでは?と勘ぐっていたところ、やはりというべきか、
「その代わり、1つ厄介事を頼まれてくれませんか?」
と、続ける学園長。
その厄介事というのはまた別のお話で。
学園から寮に戻ってきた僕。
「無事、あなたをここに住まわせられる事が正式に許されましたよ。ここで暮らすという事は、あなたにも仕事してもらいますからね?まあ、それはまた明日にでもお話しするとしましょう」
きっと僕の言葉をきちんと理解してくれているだろう。
そんな思いで白猫に語りかけた。
学園長の言葉で言えば、寮内でペットを飼ってもいいと許されたのだから、目印、というわけではないが、海の貝殻をあしらった赤いリボンを白猫の首に巻くと、嫌がる素振りもないため、苦しくならないよう注意しながらキュッと結んだ。
そこら辺にあった急ごしらえのリボンだが……
「今はこれで許してくださいね?」
あとは、事情を知るジェイドとアズールにも、許可が降りた事を説明しておくとしましょう。
夜、僕が自分のベッドへ入ると、隣へ潜り込んできた白猫。
まるで自分で境界線でも決めているかのように過剰に近づく事はしなかった白猫なのに、やはり人恋しかったのだろうか?
「僕が猫アレルギーじゃなくてよかったですねぇ?アレルギーだったら一緒のベッドで寝るなんて、絶対にできないですからね」
頭から体に沿って手を這わすように撫でてやると、白猫は満足そうな顔をして目を閉じている。
そうしている内に、僕もじきに眠りについた。
朝になり、部屋の中もほのかに明るくなっている頃なのだろう。
いつもの目覚ましの音で眠たい目を瞬かせる。
……このベッド、こんなに狭かっただろうか?
それに、とっても暖かい……。
…………。
「きゃあぁぁぁぁーーー!!!」
「うるさいですよ、アズール。女子ような悲鳴をあげて……」
既に起きていたのだろう、僕がみっともなく叫んでから間もなくして、僕の部屋の扉をノックしたジェイドは返事を待たずに入ってきた。
僕の大声に半分呆れているような口ぶりだったが、悲鳴とあっては非常事態もありうると判断したのだろう。
扉を開けたままの体勢で固まるジェイド。
だが、すぐに状況を理解したのか、
「……あなたが寮の自室に女性を連れ込むだなんて意外でした。この事は誰にも口外しないであげますから、早くお帰り頂くのが賢明かと……」
と、僕にとって全く不本意な勘違いをして軽蔑の眼差しを向けてくる。
この状況ならそう思われても無理はないのかもしれませんが。
「ちょっと待て!何か誤解してませんか?というか、行かないでください、ジェイド!知らない人です!助けて!」
僕は何とかベッドから抜け出すが、全裸女性は僕の後を追うように、てけてけとついてくる。
「服を貸して差し上げたらどうです?」
「ちょ、ちょっと!その姿でそんなにくっつかないでー!!!」
「まるで女子みたいな反応ですね、アズール。……そんな悲しそうな顔をしないで。あなたの今の姿は年頃の私達の目には毒という事です。アズール、クローゼット開けますよ?」
僕の側から離れようとしない全裸女性に、クローゼットから出した制服のシャツを手渡すジェイド。
というかジェイド、全裸の女性がいるというのに、落ち着きすぎでは?
それとも僕が騒ぎ過ぎなのだろうか???
それに、彼シャツみたいなこのチョイス、たまたまでしょうか?
そんな事が頭をよぎったが、今はそんな事を話している場合ではない。
「さすがこの学園内で生きてきた猫だけあって、普通の白猫ではありませんでしたね……」
彼女が全裸から彼シャツ状態になった事で落ち着いた僕。
彼女から話を聞くと、どうやらこの女性はあの白猫のようだ。
突然の予期せぬ出来事に激しく動揺してしまっていた僕は、それを聞き、あの白猫の姿が見えない事にやっと気がついた、という状態だった。
確かに、女性の首には昨日僕が白猫の首に巻いた、貝殻の付いた赤いリボンが巻かれている。
本当にあの白猫?という疑惑はもちろんまだあるし、本当は何か目的があって僕に近づいたのでは?という疑いも。
彼女の言う事が本当なのだと、全てを信じるつもりはない。
彼女に何か目的があったとして、面倒事を自ら連れ帰ったのは紛れもなく僕自身なのだが……
彼女曰く、朝になって何故人間の姿になっていたのかは自分でもわからないらしく、いろいろと謎のままだ。
「アズール、部屋に女の子連れ込んだの〜?それともアズールが寝込み襲われちゃったの〜?」
「そのどちらでもありません!」
もう昼食の時間にもなろうという頃、いつまで寝ていたのか、やっと自室から出てきたフロイドにのん気にからかわれた。
あんなに1人ギャーギャーと騒いだ自分が、今となっては恥ずかしい……