第百一話※R-18表現アリ
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そして帰り道。
雪の降るその道には神楽とお妙が無言で、肩を並べて歩いていた。
(神)「(私は恐くなっていた。私がGに想いを伝える時、何かが変わってしまうような気がして…。もしそれで大切な仲間達の関係が壊れてしまうのだとしたら……)」
(新)「いつから仲間になったの!? アイツら!」
(神)「(もしそれでかけがえのない友情が壊れてしまうのだとしたら…)」
(神&妙)「「………」」
(神)「(私の悩みを知ってか知らずか、私の大切な友人はこう言った)」
(妙)「遠慮なんてしなくていいのよ。周りなんて気にしないで、正面からぶつかればいいのよ」
(神)「お妙ちゃん、私…私が好きなのは……」
(妙)「クリスマスイブ、学校で年末大掃除やるんだって」
(神)「えっ…」
(妙)「多分ゴキブリ一匹生き残れない」
お妙がそう言いながら肩を落とす。
(妙)「だから…最後だから……お互い精一杯頑張りましょ」
(神)「お妙ちゃん…」
(妙)「どんなになったって私は…神楽ちゃんの友達だから」
二人は顔を見合わせてニッコリ微笑む。
(神)「…私もだよ」
(妙)「きっと…きっと音莉ちゃんもそう思ってくれてるから……」
(神)「うん、そうだね…そうだよね。だって音莉も…」
(神&妙)「「私達の友達だから」」
(新)「何!? コレ! 涙出そうなんだけど。相手ゴキブリなのに爽やか過ぎんですけど!」
そしてそんな二人が通りすぎていったとある路地裏からは、サンタ達がその様子を見ていた。
(猿)「バカみたい、片意地張っちゃって…。男取り合って今まで通りでなんていられるワケないじゃない。人は所詮見返りがなければ人とは繋がっていられないの。友達になるのは自分を肯定してくれるから、孤独を忘れさせてくれるから。それが見返りどころか自分から大切な者を奪おうとしている者とどうやって繋がっていられると言うの? サンタだって同じよ。見返りがなければ…こちらを見てくれないのであれば、夢なんて与える気になれない。本物のサンタなんて…この世には存在しないのよ」
するとその話を黙って聞いていた銀さん太とオッさん太がさっちゃん達の横を通り過ぎていく。
(銀)「サンタごっこはもうやめか…」
(猿)「ちょ、どこに行くのよ、アナタ達!」
(銀)「確かに、俺達はサンタとは程遠いよ」
(星)「だがサンタがこの世にいねーなんて言い張るのはちと早まってる気がしてねェ…。見に行ってくるのさ」
(銀)「無償の愛を持つ、本物のサンタさんってヤツを…」
・
・
・
・
そしてそれぞれ家に帰った神楽とお妙は、即座に編み物に取りかかっていた。
(神)「(それから私達はクリスマスイブに向けて、寝る間も惜しんで編み物をする日々を過ごした)」
(妙)「(友達だからこそ負けられない。友達だからこそ精一杯やりきらねばいけない)」
(神)「(でも、気負えば気負うほど糸はほつれ…)」
(妙)「(編み物は一向にはかどらなかった)」
・
・
・
・
そしてついにイブの朝…。
(神)「んん……はっ! いけない! 疲れが溜まってつい眠っちゃった!」
(妙)「どうしよう、もうイブなのにまだ半分も……」
だがその時…
(神&妙)「「………!」」
…二人は机の上を見て驚愕した。
何故なら…
(妙)「(そこにはいつの間にか完成した編み物の姿があった)」
(神)「(途中からヒドく歪に編まれた、不格好だけど暖かそうな編み物が…)」
そして二人がカーテンを開けると、その曇った窓には『メリークリスマス』と書かれていたのだ。
そんな文字を見た二人は、同時にニッコリ笑った。
そして同時刻。とある十字路には目の下に隈を作っている銀さん太とオッさん太がいたのだった。
・
・
・
・
~大掃除の時間~
「綺麗になったわね」
「これで気分も一新。新年も迎えられるわ」
3年G組の教室をほうきで掃く女子生徒達。
「あ、そういえば神楽ちゃんとお妙ちゃんは?」
「さあ…今日お休みみたい」
とその時…
カサカサ…
その女子生徒達の足元にゴキブリがやってきて…
「きゃあ! ゴキブリ!」
グチャッ!
・
・
・
・
~そして神楽とお妙は~
包みを持った二人は、雪の降る町中でばったり出会っていた。
(神)「なんでこんな所に…。手袋は?」
(妙)「神楽ちゃんこそ。マフラーは?」
(神)「二度寝したらもう昼になってた」
(妙)「奇遇ね。私も」
そして二人は包みからそれぞれ『G』と編みこまれたマフラーと手袋を取り出す。
(神)「それにこれ、『G』って別にゴキブリじゃなくてもいい事に気がついた」
すると二人はそれぞれマフラーと手袋を相手に差し出す。
(神&妙)「「…女友達(ガールフレンド)へ」」
そう言うと二人は互いに微笑みあった。
そしてそんな様子を路地裏から見ていたサンタ達。
(九)「大したものだな。見返りも求めず無為に働き、友情を護り抜くとは…」
(近)「負けたよ。お前達こそ本物の…」
(銀)「いいや」
(星)「俺達はサンタなんかじゃねェ」
そして銀サンタとオッサンタはマフラーを一緒に巻いて手袋を片手づつつけて笑う二人を見て言った。
(銀&星)「「本物のサンタは……アイツらさ」」
雪の降るその道には神楽とお妙が無言で、肩を並べて歩いていた。
(神)「(私は恐くなっていた。私がGに想いを伝える時、何かが変わってしまうような気がして…。もしそれで大切な仲間達の関係が壊れてしまうのだとしたら……)」
(新)「いつから仲間になったの!? アイツら!」
(神)「(もしそれでかけがえのない友情が壊れてしまうのだとしたら…)」
(神&妙)「「………」」
(神)「(私の悩みを知ってか知らずか、私の大切な友人はこう言った)」
(妙)「遠慮なんてしなくていいのよ。周りなんて気にしないで、正面からぶつかればいいのよ」
(神)「お妙ちゃん、私…私が好きなのは……」
(妙)「クリスマスイブ、学校で年末大掃除やるんだって」
(神)「えっ…」
(妙)「多分ゴキブリ一匹生き残れない」
お妙がそう言いながら肩を落とす。
(妙)「だから…最後だから……お互い精一杯頑張りましょ」
(神)「お妙ちゃん…」
(妙)「どんなになったって私は…神楽ちゃんの友達だから」
二人は顔を見合わせてニッコリ微笑む。
(神)「…私もだよ」
(妙)「きっと…きっと音莉ちゃんもそう思ってくれてるから……」
(神)「うん、そうだね…そうだよね。だって音莉も…」
(神&妙)「「私達の友達だから」」
(新)「何!? コレ! 涙出そうなんだけど。相手ゴキブリなのに爽やか過ぎんですけど!」
そしてそんな二人が通りすぎていったとある路地裏からは、サンタ達がその様子を見ていた。
(猿)「バカみたい、片意地張っちゃって…。男取り合って今まで通りでなんていられるワケないじゃない。人は所詮見返りがなければ人とは繋がっていられないの。友達になるのは自分を肯定してくれるから、孤独を忘れさせてくれるから。それが見返りどころか自分から大切な者を奪おうとしている者とどうやって繋がっていられると言うの? サンタだって同じよ。見返りがなければ…こちらを見てくれないのであれば、夢なんて与える気になれない。本物のサンタなんて…この世には存在しないのよ」
するとその話を黙って聞いていた銀さん太とオッさん太がさっちゃん達の横を通り過ぎていく。
(銀)「サンタごっこはもうやめか…」
(猿)「ちょ、どこに行くのよ、アナタ達!」
(銀)「確かに、俺達はサンタとは程遠いよ」
(星)「だがサンタがこの世にいねーなんて言い張るのはちと早まってる気がしてねェ…。見に行ってくるのさ」
(銀)「無償の愛を持つ、本物のサンタさんってヤツを…」
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そしてそれぞれ家に帰った神楽とお妙は、即座に編み物に取りかかっていた。
(神)「(それから私達はクリスマスイブに向けて、寝る間も惜しんで編み物をする日々を過ごした)」
(妙)「(友達だからこそ負けられない。友達だからこそ精一杯やりきらねばいけない)」
(神)「(でも、気負えば気負うほど糸はほつれ…)」
(妙)「(編み物は一向にはかどらなかった)」
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そしてついにイブの朝…。
(神)「んん……はっ! いけない! 疲れが溜まってつい眠っちゃった!」
(妙)「どうしよう、もうイブなのにまだ半分も……」
だがその時…
(神&妙)「「………!」」
…二人は机の上を見て驚愕した。
何故なら…
(妙)「(そこにはいつの間にか完成した編み物の姿があった)」
(神)「(途中からヒドく歪に編まれた、不格好だけど暖かそうな編み物が…)」
そして二人がカーテンを開けると、その曇った窓には『メリークリスマス』と書かれていたのだ。
そんな文字を見た二人は、同時にニッコリ笑った。
そして同時刻。とある十字路には目の下に隈を作っている銀さん太とオッさん太がいたのだった。
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~大掃除の時間~
「綺麗になったわね」
「これで気分も一新。新年も迎えられるわ」
3年G組の教室をほうきで掃く女子生徒達。
「あ、そういえば神楽ちゃんとお妙ちゃんは?」
「さあ…今日お休みみたい」
とその時…
カサカサ…
その女子生徒達の足元にゴキブリがやってきて…
「きゃあ! ゴキブリ!」
グチャッ!
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~そして神楽とお妙は~
包みを持った二人は、雪の降る町中でばったり出会っていた。
(神)「なんでこんな所に…。手袋は?」
(妙)「神楽ちゃんこそ。マフラーは?」
(神)「二度寝したらもう昼になってた」
(妙)「奇遇ね。私も」
そして二人は包みからそれぞれ『G』と編みこまれたマフラーと手袋を取り出す。
(神)「それにこれ、『G』って別にゴキブリじゃなくてもいい事に気がついた」
すると二人はそれぞれマフラーと手袋を相手に差し出す。
(神&妙)「「…女友達(ガールフレンド)へ」」
そう言うと二人は互いに微笑みあった。
そしてそんな様子を路地裏から見ていたサンタ達。
(九)「大したものだな。見返りも求めず無為に働き、友情を護り抜くとは…」
(近)「負けたよ。お前達こそ本物の…」
(銀)「いいや」
(星)「俺達はサンタなんかじゃねェ」
そして銀サンタとオッサンタはマフラーを一緒に巻いて手袋を片手づつつけて笑う二人を見て言った。
(銀&星)「「本物のサンタは……アイツらさ」」