第百一話※R-18表現アリ
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舞台はとある都会の街に住む、学生服を着た一人の少年の家。
(新)「(世間はすっかりクリスマスモード。街ゆく者皆なんだかふわふわ浮ついているけど、相変わらず僕の世界は変化がない。昔は何の根拠もなしに素敵な事が起こるんじゃないかと期待したりもしてたけど、そんな受け身の僕に何かが起こるワケもないく。そうして今年の12月24日も例年通り何とどこおりなく静かに過ぎていく…ハズだった)」
そんな新八が部屋のベッドでゴロゴロしていると…
(?)「ぎゃああああああああああああああああ!!」
(新)「………!?」
イキナリ聞こえてきた悲鳴に新八は窓の外を見た。そして…
ドッカァァァァァァァァン!!
(新)「だあああああああああああああああ!!」
突如、新八の部屋の窓が割れ、何かが光の速さで侵入してきたのだ。
そして新八が目を開けると…
(新)「んなっ…!?//」
新八の顔に乗っていたのは、誰かの豊満な胸。
新八が身体を起こすと、その上にはサンタであるさっちゃんがいたのだ。
(猿)「いたっ…トナカイの操縦ミスっちゃった」
(新)「えっ…」
(猿)「メリクリ、ご主人様」
そう言ってさっちゃんは顔を上げた。
『1♡2のさっちゃんEVOLUTION』
(新)「(なんか既視感バリバリのラブコメ始まったァァァァァァァァ!)」
企画─猿飛あやめ
(猿)「初めまして、ご主人様。私はメガネ型忍者サンタロボ、通称さっちゃん。女の子にモテない冴えないチェリーの妄想を叶えるため、未来からやってきたの」
そう言ってさっちゃんは新八にグッと近づく。
(猿)「さあ新八君、君は一体何がしたいのかしらん? さっちゃんに言ってみなさい。何だって叶えてあげるから。ムチでぶたれたいの? それともぶちたいの? それともぶたれといてぶたれてやってると思いたいの? もしくはぶっといてぶたさせられていると思…」
(妙)「激しくぶちたいィィィィィィィィ!」
バコッ!
(猿)「ふごっ!」
今度はイキナリ部屋に制服姿のお妙がやってきて、さっちゃんを蹴り飛ばした。
さっちゃんはその勢いで壁にめりこみ、壁が粉々になってしまう。
(妙)「急に新ちゃんに相手変えてくれとか言うから何かおかしいと思ったら、思春期の子童相手に手早く色仕掛けで事を済ますつもりか!? 淫乱女! 私の弟に汚れた事を教えないでちょうだい!(怒)」
(猿)「アラ? アナタは新八君の義理の姉、お妙さん。堂々と同居できるのをいい事に、お風呂でばったりとか好き放題やってる痴女じゃないの」
(妙)「やるか! 正真正銘兄弟だっつーの!」
(猿)「悪いけど邪魔しないでもらえる? 私には立ち止まってる暇なんてないの」
(妙)「己は銀髪バカ以外のその辺の男とちちくりあってればいいだろーが! 新ちゃんを汚れた道に巻き込まないでちょうだい!」
(猿)「解らない人ね。その銀髪バカとちちくりあうために涙を飲んでこんな事をやってるのよ! サンタになって好き放題やる為、こんな青臭いケツぶってんのよ!」
そう言いながら新八のお尻をムチで叩くさっちゃん。
(妙)「己は何晒しとんじゃ! 銀髪バカ以外とちちくりあえって言っただろうが! 私は銀髪バカと音莉ちゃん以外のカップリングは認めな…」
ベト…
お妙がさっちゃんを殴ろうとしたその時、その拳は地面から伸びるベタベタした糸によって止められてしまった。
それはお妙だけではなく、さっちゃんにも…二人の全身に絡みついていた。
(猿)「ちょっ、何コレ? ちょっと、お妙さん! アナタの弟の部屋、ネバネバじゃないの!」
(妙)「やだ新ちゃん、部屋で一体何やってたの?」
だがその新八もネバネバの何かに囚われてしまっていた。
(新)「人聞きの悪い事言わないでください! 知りません…」
ガタガタ…
(新&妙&猿)「「「ん?」」」
部屋が揺れたと思えば、屋根が開いて、巨大化した神楽が顔を覗かせた。
そして中身を見た後、神楽は再び屋根を…蓋を閉める。
(神)「(…というゴキブリ達がいたのでした)」
そう…新八達のいる部屋は、ただのゴキポイポイだったのだ。
(新)「ムリヤリそっちの枠組みに持ってかれた!」
(あ)「神楽ちゃん! 早くしないと遅刻するよ!」
(神)「うん!」
神楽はゴキポイポイをゴミ箱に捨てると、制服姿の女子高生二人は学校に向かって走り出す。
(神)「(私の名前は神楽。花の女子高生。世の中はクリスマスで恋だのなんだの騒いでいるけれどそんなのお構いなし! 食べる事にしか興味ない、ハリキリ元気ガール!)」
(新)「主導権引き戻したよ。勝手に話進め出したよ!」
(あ)「ねえ、神楽ちゃんはクリスマス何か予定ある?」
(神)「ううん。なんにも。音莉の方こそ何かないの?」
(あ)「私も全然よ」
(神)「えー! 音莉位カワイイ娘なら彼氏と過ごすとかあるでしょー!」
(あ)「まさか! 私に彼氏なんて出来るワケないじゃない」
(神)「(この子は私の親友の一人、音莉。学校の男子皆からの憧れで、告白された人数は数知れず。なのにみんな断ってしまうのだ。というのも、音莉は運命の出会いをしてみたいとの事。そしてそんな私達にもついに異変が起こる時がやってきた)」
ドン!
(あ)「きゃっ!」
曲がり角を曲がった瞬間、音莉が誰かにぶつかって転んでしまった。
(神)「音莉! 大丈夫!?」
(あ)「う、うん…」
(?)「いってーな…どこ見て歩いてんだよ」
(あ&神)「「………!」」
二人が顔を上げると、そこには学ランを着たサンタの銀時と星海坊主が立っていた。
(神)「(そう…アイツとの出会いによって)」
(新)「なんか無理やりジジイ出てきたァァァァァァァァ! 何!? アレ! サンタの役割かなぐり捨てて来たよ!? ヒゲ生やしたまんまムリヤリ学園ドラマに食い込んできたよ! しかも二人同時に!」
(銀)「(赤い服を着てプレゼントを配っていればそれでサンタというワケではない)」
(星)「(肝心なのは心意気。子供に夢を与えようとするそのサンタ魂だ)」
(銀)「(劇中に組み込まれる事でより直接的、かつ多面的なプレゼント演出との考えだったが…やはり本物のサンタは……)」
(星)「(この程度のハードル、たやすく乗り越えてきやがったか)」
(神)「信じらんない! レディーにぶつかっといて謝りの言葉もないの!? 音莉に謝りなさいよ! どっちがぶつかってきたのよ!」
(あ)「か、神楽ちゃん!」
(銀&星)「「俺は馬がいるような田舎に引っ越してきた覚えはないぜ。ここはじゃじゃ馬牧場か?/レディー? そんなものどこにいるんだ。生憎俺の目にはじゃじゃ馬さんしか見えていない」」
(神)「……セリフがかぶってて何言ってるか解んないわ。何なのよ、アナタ達」
(銀)「ちょっと黙っててもらえます? 何ですか? おたく。邪魔しないでもらえます?」
(星)「おたくこそさっきから何やってんの? そこで。ぶつかったの俺なんでひっこんでてもらえませんか?」
(銀)「(俺のシナリオの邪魔をするなジジイ! 登校時、ぶつかった少年気になるアイツは実はサンタだった作戦が!)」
(星)「(もしかしてコイツ、俺と同じ『転校生はサンタさんだった作戦』か? イカンぞ。ここは俺がぶつかっていなければしょっぱなから作戦はオジャンだ)」
そしてたちまち言い合いを始める二人。
(銀)「いや、ぶつかったの俺なんで。つーか俺のじゃじゃ馬とらないでもらえます? 俺の考えたじゃじゃ馬なんで」
(星)「じゃじゃ馬はみんなのものであって別にアンタのものじゃないでしょ。特許とかとったんですか?」
(銀)「俺がぶつかったって言ってんでしょ!?」
(星)「いや、俺だって!」
(銀)「いや、俺!」
(星)「俺!」
さらに言い合いの最中、二人がぶつかり合う。
(新)「いや、ぶつかってんの汚ねェジジ以外の何者でもないんですけど!?」
(あ)「あ、あの…ゴメンなさい! 私が前ちゃんと見てなかったから…私がぶつかっちゃったんです!」
(銀&星)「「いや、俺だって!」」
とその時…
キーン、コーン、カーン、コーン…
学校のチャイムの音が鳴り響いた。
(神)「いっけない、チャイムが! 音莉、行こう!」
(あ)「う、うん!」
音莉は銀時と星海坊主に頭を下げると、二人はその場から駆けだした。
(銀)「クソッ! 大切な出会いの場面が…」
(星)「この上転校初日から遅刻なんてしたらオシマイだ!」
(銀)「マズイ! このままでは…」
「転校生を紹介する」
(銀)「サンタです。よろしくお願いしま…」
(あ)「あ、アナタは…!」
(神)「お前はさっきの…!」
(銀)「という展開が…!」
(新)「どんだけベタベタな展開やろうとしてんだ!」
(銀)「てめーは引っこんでろ! 転校生は俺一人で充分だ! てめーは初日から廊下にでも立ってろ!」
(星)「ふざけんな! 転校生はこの俺だ!」
(新)「ヒゲ生えたオッさんが転校生の座争ってるよ! 何!? この気持ち悪い対決!」