第百一話※R-18表現アリ
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~神楽side~
『クリスマスのプレゼントのねだり方』
それは12月に入ってしばらく経った頃。
まず朝起きて最初にしなければならないのが、クリスマス時期に新聞と共に届けられたおもちゃ屋のチラシ探しだ。これを新聞を読む親父(銀ちゃん)の横でこれ見よがしに毎朝じっっっっと見る。
この時間違っても「これ欲しいアル」などと直接的交渉に移ってはいけない。欲しいものも家計を気にして言いだせない健気さを演出するのだ。
(神)「はぁ…」
溜息位が効果的だ。
(銀)「………」
親父(銀ちゃん)は大体素知らぬ顔をしているが、必ず目には入っている。焦らずコレを毎朝続ける事。
そのうち朝起きるとおもちゃ屋のチラシだけ親父(銀ちゃん)によって取り分けられている日がやってくる。こうなったら勝利は目前だ。
(神)「TS安くなったアルなぁ…」
などとさり気にアピール。
この際注意するのは発音をしっかりする事。親父(銀ちゃん)は横文字に弱い。しっかりとした滑舌でゆっくりと独り言を言うように心がけよう。あとはクリスマスの朝を待てば…
・
・
・
・
そしてクリスマスイブの24日の朝。
机の上に置かれていたのは…
『お前の大好きなチラシまとめてみました メリークリスマス 銀』
(神)「…メリークリスマス」
・
・
・
・
そんなクリスマスイブの夜。私はパピーに手紙を書くことにした。
『拝啓、お父さん。
頭の毛は元気にしていますか? 今頃宇宙のどの辺でハゲ散らかっているのでしょう。私は相変わらず地球でフサフサです。
今地球はクリスマスというお祭りの直前で、みんな一様に浮かれて暮らしております。というのも、クリスマスには黒酢三太なる真っ赤なジーさんが子供達にプレゼントを配るという言い伝えがあるからで、毎年この季節になるとみんな「今年は三太さんにアレお願いするんだ~」などと楽しそうにしています。
でも、私の所には一度も三太のジジイは来た事がありません。去年のクリスマスもプレゼントをお願いしたけれど、結局私の所にはおろか、普段の行いが良すぎる音莉の所にも三太は来ませんでした。詳しくは上記を見返してください。
お父さん、三太のジジイは私の事が嫌いなのでしょうか? それとも三太なんてハナからいないんでしょうか?』
・
・
・
・
そしてクリスマスの日の25日、そんな私の元ににパピーから手紙が返ってきた。
『拝啓、神楽ちゃん。
手紙、読みました。相変わらずフサフサそうで何よりです。お父さんも相変わらずフサフサで変わりありません。
久々に神楽ちゃんの顔が見たいのは山々なんですが、お父さんは仕事に忙しくて地球に行けそうにありません。ゴメンなさい。せめて神楽ちゃんが地球の友人達と楽しくクリスマスを過ごせる事をお父さんは遠い宙(そら)から祈っております。
寂しい事なんてありませんよ。お父さんは君に会いに行く事は出来ませんが、良い子にしていれば神楽ちゃんの元にもきっと"彼"は現れる。大きな袋にプレゼントをたくさん携え、真っ赤な衣装に身を包んだ彼…三太さんが』
その頃、ターミナルで大きな袋を持った血まみれの男が宇宙船から降りてきていたことなど、私が知る由もなかった。
『クリスマスのプレゼントのねだり方』
それは12月に入ってしばらく経った頃。
まず朝起きて最初にしなければならないのが、クリスマス時期に新聞と共に届けられたおもちゃ屋のチラシ探しだ。これを新聞を読む親父(銀ちゃん)の横でこれ見よがしに毎朝じっっっっと見る。
この時間違っても「これ欲しいアル」などと直接的交渉に移ってはいけない。欲しいものも家計を気にして言いだせない健気さを演出するのだ。
(神)「はぁ…」
溜息位が効果的だ。
(銀)「………」
親父(銀ちゃん)は大体素知らぬ顔をしているが、必ず目には入っている。焦らずコレを毎朝続ける事。
そのうち朝起きるとおもちゃ屋のチラシだけ親父(銀ちゃん)によって取り分けられている日がやってくる。こうなったら勝利は目前だ。
(神)「TS安くなったアルなぁ…」
などとさり気にアピール。
この際注意するのは発音をしっかりする事。親父(銀ちゃん)は横文字に弱い。しっかりとした滑舌でゆっくりと独り言を言うように心がけよう。あとはクリスマスの朝を待てば…
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そしてクリスマスイブの24日の朝。
机の上に置かれていたのは…
『お前の大好きなチラシまとめてみました メリークリスマス 銀』
(神)「…メリークリスマス」
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そんなクリスマスイブの夜。私はパピーに手紙を書くことにした。
『拝啓、お父さん。
頭の毛は元気にしていますか? 今頃宇宙のどの辺でハゲ散らかっているのでしょう。私は相変わらず地球でフサフサです。
今地球はクリスマスというお祭りの直前で、みんな一様に浮かれて暮らしております。というのも、クリスマスには黒酢三太なる真っ赤なジーさんが子供達にプレゼントを配るという言い伝えがあるからで、毎年この季節になるとみんな「今年は三太さんにアレお願いするんだ~」などと楽しそうにしています。
でも、私の所には一度も三太のジジイは来た事がありません。去年のクリスマスもプレゼントをお願いしたけれど、結局私の所にはおろか、普段の行いが良すぎる音莉の所にも三太は来ませんでした。詳しくは上記を見返してください。
お父さん、三太のジジイは私の事が嫌いなのでしょうか? それとも三太なんてハナからいないんでしょうか?』
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そしてクリスマスの日の25日、そんな私の元ににパピーから手紙が返ってきた。
『拝啓、神楽ちゃん。
手紙、読みました。相変わらずフサフサそうで何よりです。お父さんも相変わらずフサフサで変わりありません。
久々に神楽ちゃんの顔が見たいのは山々なんですが、お父さんは仕事に忙しくて地球に行けそうにありません。ゴメンなさい。せめて神楽ちゃんが地球の友人達と楽しくクリスマスを過ごせる事をお父さんは遠い宙(そら)から祈っております。
寂しい事なんてありませんよ。お父さんは君に会いに行く事は出来ませんが、良い子にしていれば神楽ちゃんの元にもきっと"彼"は現れる。大きな袋にプレゼントをたくさん携え、真っ赤な衣装に身を包んだ彼…三太さんが』
その頃、ターミナルで大きな袋を持った血まみれの男が宇宙船から降りてきていたことなど、私が知る由もなかった。
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