第百九十四話(さらば真選組篇)
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~no side~
夕日が照らす中、土方率いる黒い集団…真選組と、エリザベス率いる攘夷党が対峙する。
(エ)[フリップ:どうやら覚悟を決めたらしいな]
(土)「なんのだ? 攘夷志士(てめーら)と斬り合う覚悟か?」
土方の言葉に、浪士達が一斉に刀に手をかける。
(土)「真選組と攘夷志士が本当に手を組めるとでも? お互い今迄の遺恨を忘れるなんざ出来るわけもねェ。お前達が攘夷志士である限り、俺達が真選組である限り……」
エリザベスが口の中から刀を取り出し、土方も腰にさしてある鞘から刀を抜く。
(土)「……俺達は戦う運命(さだめ)だ」
ガキィン!!!
と土方とエリザベスの刃が交わる。
(土)「つまりこの共同作戦が、俺達の最後の決闘(たたかい)だ」
両者が刀を抜き、空高く掲げる。
(土)「例え近藤さんを奪還し、この戦を生き残ったとしても、真選組は世から消える事になるだろう。そして、お前達も俺達と手を組む以上元には戻れん。国だけではなく、攘夷志士も敵に回す事になるだろう。つまりコイツは真選組と攘夷志士…互いに引導を渡す戦いでもある。遺恨も立場も忘れる必要はねェ。てめーらは攘夷志士(てめ-ら)のままその剣を振るえばいい。俺達も最後まで真選組として、この剣を振るおう。
そしてもしこの将来(さき)、新時代とやらで何者でも無くなったバカ共と出会う事があったら…今度は剣ではなく、盃でも酌み交わそう。
………俺達の大将と一緒に!」
「「「「「おおーーーーーーーー!!」」」」」
両者から声があがった。
~その頃、橋の上では~
カラスが飛び立ち、黒い羽がヒラヒラと舞落ちる。
その橋の上を、信女が長刀を持ちながら歩いていた。
そして数歩歩いた所で立ち止まり、刀に手をかける。
(?)「骸、殺気を解け」
信女の背後に立っていたのは、編傘を被った朧であった。
(朧)「一度は袂を分かったが、今は同じく天導衆(てん)に仕える身であろう」
(今)「あんな連中に二度と仕える気はない」
(朧)「お前はどうあれ、お前の主(あるじ)はどうであろうな。新政府の障害となるものを次々と排除していく佐々木の働きぶりには、天導衆も大層お喜びだ。残るは松平と近藤か。奴等の首をエサに、他の反乱分子を炙り出すつもりのようだが…。魚群に大魚が混ざっているようだ」
朧が思い浮かべるのは銀時の姿か、桂の姿か…。
(朧)「奴等を相手に後手に回れば、エサごとその腕食いちぎられる事になるやもしれんぞ。八咫烏の教えを忘れぬ事だ。死を運ぶ烏は、羽を落とした時にはもう……飛び去っている」
信女が振り返ると、そこには朧の姿はなく、ただヒラヒラと黒い羽が舞っているだけだった。
夕日が照らす中、土方率いる黒い集団…真選組と、エリザベス率いる攘夷党が対峙する。
(エ)[フリップ:どうやら覚悟を決めたらしいな]
(土)「なんのだ? 攘夷志士(てめーら)と斬り合う覚悟か?」
土方の言葉に、浪士達が一斉に刀に手をかける。
(土)「真選組と攘夷志士が本当に手を組めるとでも? お互い今迄の遺恨を忘れるなんざ出来るわけもねェ。お前達が攘夷志士である限り、俺達が真選組である限り……」
エリザベスが口の中から刀を取り出し、土方も腰にさしてある鞘から刀を抜く。
(土)「……俺達は戦う運命(さだめ)だ」
ガキィン!!!
と土方とエリザベスの刃が交わる。
(土)「つまりこの共同作戦が、俺達の最後の決闘(たたかい)だ」
両者が刀を抜き、空高く掲げる。
(土)「例え近藤さんを奪還し、この戦を生き残ったとしても、真選組は世から消える事になるだろう。そして、お前達も俺達と手を組む以上元には戻れん。国だけではなく、攘夷志士も敵に回す事になるだろう。つまりコイツは真選組と攘夷志士…互いに引導を渡す戦いでもある。遺恨も立場も忘れる必要はねェ。てめーらは攘夷志士(てめ-ら)のままその剣を振るえばいい。俺達も最後まで真選組として、この剣を振るおう。
そしてもしこの将来(さき)、新時代とやらで何者でも無くなったバカ共と出会う事があったら…今度は剣ではなく、盃でも酌み交わそう。
………俺達の大将と一緒に!」
「「「「「おおーーーーーーーー!!」」」」」
両者から声があがった。
~その頃、橋の上では~
カラスが飛び立ち、黒い羽がヒラヒラと舞落ちる。
その橋の上を、信女が長刀を持ちながら歩いていた。
そして数歩歩いた所で立ち止まり、刀に手をかける。
(?)「骸、殺気を解け」
信女の背後に立っていたのは、編傘を被った朧であった。
(朧)「一度は袂を分かったが、今は同じく天導衆(てん)に仕える身であろう」
(今)「あんな連中に二度と仕える気はない」
(朧)「お前はどうあれ、お前の主(あるじ)はどうであろうな。新政府の障害となるものを次々と排除していく佐々木の働きぶりには、天導衆も大層お喜びだ。残るは松平と近藤か。奴等の首をエサに、他の反乱分子を炙り出すつもりのようだが…。魚群に大魚が混ざっているようだ」
朧が思い浮かべるのは銀時の姿か、桂の姿か…。
(朧)「奴等を相手に後手に回れば、エサごとその腕食いちぎられる事になるやもしれんぞ。八咫烏の教えを忘れぬ事だ。死を運ぶ烏は、羽を落とした時にはもう……飛び去っている」
信女が振り返ると、そこには朧の姿はなく、ただヒラヒラと黒い羽が舞っているだけだった。
1/11ページ