最終話(歌姫の記憶篇)
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~no side~
日が完全に沈み、辺りが闇に染まる。
万事屋の一階にあるスナックお登勢は、この日は店を臨時休業としていたが、店の前には人が集まっていた。
……音莉がいなくなった事を聞きつけたお妙、真選組、そして店を営業しているどころではないとしたお登勢達で。
日が暮れても、江戸の太陽が戻ってこない…そんな状況に、皆が言いようのない不安に駆られていた。
そもそもの事の発端を知らないお妙とお登勢達ではあったが、居合わせた真選組から音莉が記憶を取り戻した事、しかしその過去が残酷であったこと、そして取り戻すきっかけとなった人物が目の前で殺された事。
それらを話せば、彼女達は音莉が失踪した理由に納得がいったように目を伏せる。
(妙)「音莉ちゃん、そんなものを抱えながらずっとあんなに笑って……」
(登)「その笑顔はきっと、つらい事が多かった分、音莉は私達から見たらほんの些細な事でもさぞ楽しく、嬉しくあったんだろうねェ……」
とその時…。
(妙)「あ、あれ…!」
お妙の指差した方…ターミナルの方から、見慣れた三つと一匹の影がこちらに歩いてきているのが見えた。
そのうちの一人は、失踪したその彼女が抱えられており。
とにかく帰ってきたんだと、みんなは安堵の息を吐いた。
(妙)「銀さ……」
だがお妙が銀時達に提灯を向けた時……ピタリと声を上げるのをやめた。
江戸の太陽が戻ってきたというのに、その銀時の表情が…神楽や新八、定春の表情が、とんでもなく沈んでいたからだ。
そして、銀時達はお妙達の目の前で立ち止まった。
(近)「オ、オイ…万事屋……音莉さんは……音莉さんは無事なんだろうな………」
(銀)「………」
何も答えない銀時に、皆の顔から血の気がひいた。
(近)「は、はは……ま、まさか冗談だよな? 新手のドッキリか何かか?」
(妙)「眠ってるだけ……よね?」
引きつった笑みで誤魔化そうとする近藤にお妙であったが、その隣でたまが愕然とするように、急にがたっと崩れ落ちた。
(登)「………たま? どうしたんだい」
(た)「………」
……そう。からくりである彼女は、誰よりも早く、その事実を受け入れざるを得なかった。
(た)「生体反応が……音莉様から生体反応が、感知できません」
心拍数、血圧、体温……生きていれば必ず感知できるそれらの数値が、からくりである彼女は一目下だけで計測出来てしまうのだが、それらが測定できない……それはすなわち息をしていない、生きていないと……たまはそれをいち早く知ってしまったのだ。
たまから告げられたその事実に、その場に居合わせた皆は一瞬で頭が真っ白になった。
到底その事実を受け入れる事など出来ず、息が出来なくなるような…そんな苦しさに襲われる。
(妙)「……ねえ、ウソでしょ? 音莉ちゃん…眠ってるだけよね? ねえ…お願い……目を開けてよ……音莉ちゃん!!」
お妙が涙ながらに叫ぶが、勿論……彼女が目を開けて、いつものように笑顔を見せて透き通った声を聞かせる事はなかった。
日が完全に沈み、辺りが闇に染まる。
万事屋の一階にあるスナックお登勢は、この日は店を臨時休業としていたが、店の前には人が集まっていた。
……音莉がいなくなった事を聞きつけたお妙、真選組、そして店を営業しているどころではないとしたお登勢達で。
日が暮れても、江戸の太陽が戻ってこない…そんな状況に、皆が言いようのない不安に駆られていた。
そもそもの事の発端を知らないお妙とお登勢達ではあったが、居合わせた真選組から音莉が記憶を取り戻した事、しかしその過去が残酷であったこと、そして取り戻すきっかけとなった人物が目の前で殺された事。
それらを話せば、彼女達は音莉が失踪した理由に納得がいったように目を伏せる。
(妙)「音莉ちゃん、そんなものを抱えながらずっとあんなに笑って……」
(登)「その笑顔はきっと、つらい事が多かった分、音莉は私達から見たらほんの些細な事でもさぞ楽しく、嬉しくあったんだろうねェ……」
とその時…。
(妙)「あ、あれ…!」
お妙の指差した方…ターミナルの方から、見慣れた三つと一匹の影がこちらに歩いてきているのが見えた。
そのうちの一人は、失踪したその彼女が抱えられており。
とにかく帰ってきたんだと、みんなは安堵の息を吐いた。
(妙)「銀さ……」
だがお妙が銀時達に提灯を向けた時……ピタリと声を上げるのをやめた。
江戸の太陽が戻ってきたというのに、その銀時の表情が…神楽や新八、定春の表情が、とんでもなく沈んでいたからだ。
そして、銀時達はお妙達の目の前で立ち止まった。
(近)「オ、オイ…万事屋……音莉さんは……音莉さんは無事なんだろうな………」
(銀)「………」
何も答えない銀時に、皆の顔から血の気がひいた。
(近)「は、はは……ま、まさか冗談だよな? 新手のドッキリか何かか?」
(妙)「眠ってるだけ……よね?」
引きつった笑みで誤魔化そうとする近藤にお妙であったが、その隣でたまが愕然とするように、急にがたっと崩れ落ちた。
(登)「………たま? どうしたんだい」
(た)「………」
……そう。からくりである彼女は、誰よりも早く、その事実を受け入れざるを得なかった。
(た)「生体反応が……音莉様から生体反応が、感知できません」
心拍数、血圧、体温……生きていれば必ず感知できるそれらの数値が、からくりである彼女は一目下だけで計測出来てしまうのだが、それらが測定できない……それはすなわち息をしていない、生きていないと……たまはそれをいち早く知ってしまったのだ。
たまから告げられたその事実に、その場に居合わせた皆は一瞬で頭が真っ白になった。
到底その事実を受け入れる事など出来ず、息が出来なくなるような…そんな苦しさに襲われる。
(妙)「……ねえ、ウソでしょ? 音莉ちゃん…眠ってるだけよね? ねえ…お願い……目を開けてよ……音莉ちゃん!!」
お妙が涙ながらに叫ぶが、勿論……彼女が目を開けて、いつものように笑顔を見せて透き通った声を聞かせる事はなかった。
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