第二百二十四話(歌姫消失篇)
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~no side~
人々が逃げ惑い、誰もいなくなったその街の真ん中で、神楽と新八は現れた総悟の話を息を呑みながら聞いていた。
(沖)「どうやら桂にとっては、この国はまだ次の世代に託すには足りねェらしい。まだこの国には、世界を滅ぼしかねねェ…倒さなければならねェ虚 が…救わねばならねェ松陽 がいるってよ」
(新)「……そこに、銀さんもいるって言うんですか?」
(沖)「さーな。少なくとも、俺達は街の外に出されちまったらしい。新しい国のために一緒に悪役演じてきたってのに、ひでェ話じゃねーか。今更俺達も、託される側だったなんて…残されてもねェ」
その時…
「君達、そこで一体何をしている!」
「ここは避難区域だぞ!? 直ちにここから去りなさい!」
三人の目の前に現れたのは、刀を携えた、黒服の警官達であった。
(沖)「へいへい、すいやせん。避難避難っと…」
と、総悟は悠々自適に指示された方とは反対方向へと歩いていく。
「いや、そっちじゃない! あっち!」
(沖)「いやァ、お気に入りの落語のCD家に忘れてきちゃって…」
「そんな事言ってる場合か!」
だが二人の男が総悟の肩を掴んだ時、総悟は次の瞬間、その二人の男を地面に叩きつけていた。
(新)「沖田さん!」
「貴様ァァァァァッ!!」
(沖)「足でも滑らせたか? そのザマじゃ、アンタらも避難した方がいいんじゃねーの? それとも、人払いしてんのは…一般人に何か見られたくねー事でも?」
総悟が含みのある笑みを見せると、男達は一瞬で顔を曇らせた。
そして次の瞬間、男達が刀を抜いて総悟に斬りかかり、それを予測していた総悟は宙がえりでその攻撃をかわす。
(新)「あ、あなた達は…」
新八が呟いた時…男達の見せたその目は、どこか虚ろで。
(沖)「走れェェェェェェェェェェェェ!!」
総悟が叫び、三人が走り出した瞬間、街のあちこちから、路地裏から、隊服を着た男達がぞろぞろと現れて、三人を追い始めた。
(新)「お、沖田さん…これ!」
(沖)「まさか政府内にも信徒を増やしてたとはな…桂の奴も迂闊に手駒を使えねーワケだ」
そして後ろだけではない。前からも浪人のような恰好をした男達が刀を持って迫ってきていた。
(沖)「だがてめーらにまで、蚊帳の外にされる覚えはねーな」
挟み撃ち……どうしようもない状況のまま、並んでいた店のうちの一つ……KFCの隣を通り過ぎた時、そこにはったカー〇ルサンダース像の目が光り、次の瞬間…
ドッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
……辺りが炎と黒煙に包まれて、爆発を起こしたのだ。
見れば、カー〇ルサンダース像が腕についたサイコガンを隊服の男達に向けていた。
さらにそれだけではない。
エンジン音を響かせながら、一台のパトカーが黒煙の中を突っ走ってきて、新八達の前で急ブレーキをかけて止まった。
(土)「乗れェェェェェェェェェェェ!!」
……そのパトカーを運転していたのは、土方であったのだ。
(神&新)「「………!」」
(新)「ひ、土方さん!」
状況が半分飲み込めていないまま、とにかく総悟は帽子を押さえながら助手席に乗り込み、神楽も車体の上へ、新八は助手席の扉に辛うじてつかまったまま、追手から逃げるようにパトカーが急発進する。
(沖)「帰ってたんですかィ? 誰も呼んでないのに」
(土)「帰ってきたよ。事件が俺を呼んでたんでな」
(新)「そんな古いタイプの刑事 でしたっけ!?」
(沖)「少なくとも総理大臣様はお呼びじゃねェようですぜ」
(土)「総理大臣? んなもん知るか。田舎で芋掘りすんのはもう飽きたって言ったんだ」
隣を見れば、カー〇ルサンダース像がパトカーの隣を走っており……新八は思わず口をあんぐり開けているが、安心してください。カー〇ルサンダース像に化けた山崎ですよ。
(土)「平和な世の中に、俺達真選組は似合わねェ…? ……いやいや、まだまだ俺達の出番は残ってるらしいじゃねーか」
(沖)「確かに。俺も迷子のガキの子守はもうこりごりでさァ」
(新)「………!」
前方を見れば、そこにもさらに黒い隊服に身を包んだ偽の警官達が、土方達の乗るパトカーを狙うようにしてバズーカを向けていた。
(土)「安心しな。保護者はこっちで見つけた。道に迷ったガキを捕まえて、親の元まで届けんのがおまわりさんの役目だろ。キッチリ送り届けてやらァ」
(新)「土方さん! ア、アンタら、まさか…!」
……新八の言葉に答える事はなく、ただ土方と総悟は、口元に微かに笑みを浮かべた。
人々が逃げ惑い、誰もいなくなったその街の真ん中で、神楽と新八は現れた総悟の話を息を呑みながら聞いていた。
(沖)「どうやら桂にとっては、この国はまだ次の世代に託すには足りねェらしい。まだこの国には、世界を滅ぼしかねねェ…倒さなければならねェ
(新)「……そこに、銀さんもいるって言うんですか?」
(沖)「さーな。少なくとも、俺達は街の外に出されちまったらしい。新しい国のために一緒に悪役演じてきたってのに、ひでェ話じゃねーか。今更俺達も、託される側だったなんて…残されてもねェ」
その時…
「君達、そこで一体何をしている!」
「ここは避難区域だぞ!? 直ちにここから去りなさい!」
三人の目の前に現れたのは、刀を携えた、黒服の警官達であった。
(沖)「へいへい、すいやせん。避難避難っと…」
と、総悟は悠々自適に指示された方とは反対方向へと歩いていく。
「いや、そっちじゃない! あっち!」
(沖)「いやァ、お気に入りの落語のCD家に忘れてきちゃって…」
「そんな事言ってる場合か!」
だが二人の男が総悟の肩を掴んだ時、総悟は次の瞬間、その二人の男を地面に叩きつけていた。
(新)「沖田さん!」
「貴様ァァァァァッ!!」
(沖)「足でも滑らせたか? そのザマじゃ、アンタらも避難した方がいいんじゃねーの? それとも、人払いしてんのは…一般人に何か見られたくねー事でも?」
総悟が含みのある笑みを見せると、男達は一瞬で顔を曇らせた。
そして次の瞬間、男達が刀を抜いて総悟に斬りかかり、それを予測していた総悟は宙がえりでその攻撃をかわす。
(新)「あ、あなた達は…」
新八が呟いた時…男達の見せたその目は、どこか虚ろで。
(沖)「走れェェェェェェェェェェェェ!!」
総悟が叫び、三人が走り出した瞬間、街のあちこちから、路地裏から、隊服を着た男達がぞろぞろと現れて、三人を追い始めた。
(新)「お、沖田さん…これ!」
(沖)「まさか政府内にも信徒を増やしてたとはな…桂の奴も迂闊に手駒を使えねーワケだ」
そして後ろだけではない。前からも浪人のような恰好をした男達が刀を持って迫ってきていた。
(沖)「だがてめーらにまで、蚊帳の外にされる覚えはねーな」
挟み撃ち……どうしようもない状況のまま、並んでいた店のうちの一つ……KFCの隣を通り過ぎた時、そこにはったカー〇ルサンダース像の目が光り、次の瞬間…
ドッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
……辺りが炎と黒煙に包まれて、爆発を起こしたのだ。
見れば、カー〇ルサンダース像が腕についたサイコガンを隊服の男達に向けていた。
さらにそれだけではない。
エンジン音を響かせながら、一台のパトカーが黒煙の中を突っ走ってきて、新八達の前で急ブレーキをかけて止まった。
(土)「乗れェェェェェェェェェェェ!!」
……そのパトカーを運転していたのは、土方であったのだ。
(神&新)「「………!」」
(新)「ひ、土方さん!」
状況が半分飲み込めていないまま、とにかく総悟は帽子を押さえながら助手席に乗り込み、神楽も車体の上へ、新八は助手席の扉に辛うじてつかまったまま、追手から逃げるようにパトカーが急発進する。
(沖)「帰ってたんですかィ? 誰も呼んでないのに」
(土)「帰ってきたよ。事件が俺を呼んでたんでな」
(新)「そんな古いタイプの
(沖)「少なくとも総理大臣様はお呼びじゃねェようですぜ」
(土)「総理大臣? んなもん知るか。田舎で芋掘りすんのはもう飽きたって言ったんだ」
隣を見れば、カー〇ルサンダース像がパトカーの隣を走っており……新八は思わず口をあんぐり開けているが、安心してください。カー〇ルサンダース像に化けた山崎ですよ。
(土)「平和な世の中に、俺達真選組は似合わねェ…? ……いやいや、まだまだ俺達の出番は残ってるらしいじゃねーか」
(沖)「確かに。俺も迷子のガキの子守はもうこりごりでさァ」
(新)「………!」
前方を見れば、そこにもさらに黒い隊服に身を包んだ偽の警官達が、土方達の乗るパトカーを狙うようにしてバズーカを向けていた。
(土)「安心しな。保護者はこっちで見つけた。道に迷ったガキを捕まえて、親の元まで届けんのがおまわりさんの役目だろ。キッチリ送り届けてやらァ」
(新)「土方さん! ア、アンタら、まさか…!」
……新八の言葉に答える事はなく、ただ土方と総悟は、口元に微かに笑みを浮かべた。
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