第二百二十一話(歌姫消失篇)
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~no side~
奉行所から出た後、赤子の姿になったという音莉を連れて逃げた銀時は、海辺にある街の店や家、町行く人達に声をかけ、自作の高杉の似顔絵を持ってまわっていたのだが…。
「ほう、隻眼の浪人…」
似顔絵は全くと言っていいほど似ていないが、とにかく旅館の店主をその似顔絵を見て首をかしげる。
「悪いが心当たりは…だがそんなインパクトある顔だったら、見かけた奴は必ず覚えてると思うけどね」
さらに町を歩いていた女性二人に声をかけると。
「どっかで見た覚えが…もしかして……」
「私が言ったって言わないでおくれよ」
そんな女性二人の証言をもとに辿り着いた、一軒の家。
そこに住んでいたのは、高杉ではないが銀時の描いた似顔絵とそっくりそのままの人で…恐らくシングルマザーであるその人物は、丁度洗濯物が大量に入ったカゴを抱えていた所だった。
「え? やだ怖いー。なになに? この人、何か悪い事やったの? 絶対何かやってる顔よね? 殺人? クスリ? etc? etcよね、やっぱりー。etc顔だもの」
そのetc顔が自分である事に彼女は気づいているのか気づいてないのか知らないが、振り返って三人の子供達にも尋ねてみる。
だがものの見事に、その三人の子供達もほぼ同じ顔を…長男に背負われた赤ん坊でさえも、etc顔であったのだ。
「ちょっとアンタら、この浪人見なかったかい? etcやったんだって、怖い~」
「知らない。そんな顔も見た事無いよ」
音莉は描かれたその人物と一緒だというように女性を指さし、銀時に「ばぶ、ばぶっ!」と訴えているが、これには銀時もどうしようもない。
「でも浪人なら見かけたよ? 確かさっきあっちの通りで…」
・
・
・
・
てなワケで、銀時がその通りにやってくると、何やら人だかりが出来ていた。
銀時がその人だかりの間から覗けば、身体中に入れ墨を入れたヤクザらしき男三人に囲まれており。
「てめェ、ぶつかっといて挨拶もなしかゴルァ!」
「上等だ…ケンカならいつでも買うぞ? ああん!?」
「スカした顔しやがって。その腰の刀 抜いてみろや! それともそいつはただのお飾りか、お侍さんよォ!」
反対に絡まれていたその男の姿は、見覚えのある黒髪に、派手な柄の女物の着物………銀時はその人物の後ろ姿をじっと眺める。
(?)「その通りだ。コイツで斬れるのはせいぜい天下国家ぐらいのもの。お前の相手はその辺に転がる棒きれに任せるよ」
「腰抜け野郎! そのザマじゃ下の剣もコケおどしか!? ロクに女も満足させられねーだろ!」
男の言葉に、周りの男達も「ギャハハハハハハ!」と下品な笑い声を響かせる。
(?)「……ヘッ、生憎俺ァ女一人を幸せにするために剣をさしてんじゃねェ」
そして、こう断言したその男は、まさしく───。
(武)「幼児から老婆まで、全ての女性を等しく幸せに導くため剣を振るうのが、フェミニストです」
高杉…………の姿をした、武市であった。
即座に銀時が出ていき、その武市の頭をガシガシと蹴り、銀時に抱かれる音莉もまた、赤子では到底持てないであろう木刀をブンブン振り回して武市を殴りまくる。
「オ、オイ兄ちゃん…それ俺達の相手……」
「あの、ちょっとやりすぎじゃ…」
「つーかなんだ!? この赤ん坊! 成人男性ボコボコに殴ってんぞ…赤ん坊なのに!」
しかしそんな時、カチャ…と、銀時の後頭部に銃口が向けられた。
「うお! こ、コイツチャカ持ってんぞ!?」
「クソッ…ズラかれ!」
ヤクザの男達が逃げたとき、銃口を向けたその人物は、声を発する。
(?)「ようやく……手がかりを掴んだ」
だがその銃を持つ手は震えており…涙を浮かべながら、その人物はこう聞いた。
(来)「白夜叉……晋助様は、生きてるっスか?」
編傘を深くかぶった、また子だったのだ。
(来)「どこで何をしてるっスか?」
(武)「………」
武市もまた、ボコボコにされて地面に横たわりながらも、探し続けている男の名に、目を瞑る。
(銀)「……こっちが聞きてーよ」
そう呟いた後、銀時は音莉を小脇に抱えて、ペンとノートを取り出す。
(銀)「また子さん、君高杉一筋かと思ったら…実写で新八と何かゴニャゴニャやってませんでした? 事実の方どうなんでしょうか? 彼はまた子の股をまたがったんですか? それともまさぐったんですか? その辺詳しくお願いします、センテンススプリングに売るんで」
(来)「………」
しばらくの沈黙の後…
(来)「何の話っスかァァァァァァァァァァァァァ!!!」
パン、パン!!
と、銃音がその場に響き渡ったのであった。
奉行所から出た後、赤子の姿になったという音莉を連れて逃げた銀時は、海辺にある街の店や家、町行く人達に声をかけ、自作の高杉の似顔絵を持ってまわっていたのだが…。
「ほう、隻眼の浪人…」
似顔絵は全くと言っていいほど似ていないが、とにかく旅館の店主をその似顔絵を見て首をかしげる。
「悪いが心当たりは…だがそんなインパクトある顔だったら、見かけた奴は必ず覚えてると思うけどね」
さらに町を歩いていた女性二人に声をかけると。
「どっかで見た覚えが…もしかして……」
「私が言ったって言わないでおくれよ」
そんな女性二人の証言をもとに辿り着いた、一軒の家。
そこに住んでいたのは、高杉ではないが銀時の描いた似顔絵とそっくりそのままの人で…恐らくシングルマザーであるその人物は、丁度洗濯物が大量に入ったカゴを抱えていた所だった。
「え? やだ怖いー。なになに? この人、何か悪い事やったの? 絶対何かやってる顔よね? 殺人? クスリ? etc? etcよね、やっぱりー。etc顔だもの」
そのetc顔が自分である事に彼女は気づいているのか気づいてないのか知らないが、振り返って三人の子供達にも尋ねてみる。
だがものの見事に、その三人の子供達もほぼ同じ顔を…長男に背負われた赤ん坊でさえも、etc顔であったのだ。
「ちょっとアンタら、この浪人見なかったかい? etcやったんだって、怖い~」
「知らない。そんな顔も見た事無いよ」
音莉は描かれたその人物と一緒だというように女性を指さし、銀時に「ばぶ、ばぶっ!」と訴えているが、これには銀時もどうしようもない。
「でも浪人なら見かけたよ? 確かさっきあっちの通りで…」
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てなワケで、銀時がその通りにやってくると、何やら人だかりが出来ていた。
銀時がその人だかりの間から覗けば、身体中に入れ墨を入れたヤクザらしき男三人に囲まれており。
「てめェ、ぶつかっといて挨拶もなしかゴルァ!」
「上等だ…ケンカならいつでも買うぞ? ああん!?」
「スカした顔しやがって。その腰の
反対に絡まれていたその男の姿は、見覚えのある黒髪に、派手な柄の女物の着物………銀時はその人物の後ろ姿をじっと眺める。
(?)「その通りだ。コイツで斬れるのはせいぜい天下国家ぐらいのもの。お前の相手はその辺に転がる棒きれに任せるよ」
「腰抜け野郎! そのザマじゃ下の剣もコケおどしか!? ロクに女も満足させられねーだろ!」
男の言葉に、周りの男達も「ギャハハハハハハ!」と下品な笑い声を響かせる。
(?)「……ヘッ、生憎俺ァ女一人を幸せにするために剣をさしてんじゃねェ」
そして、こう断言したその男は、まさしく───。
(武)「幼児から老婆まで、全ての女性を等しく幸せに導くため剣を振るうのが、フェミニストです」
高杉…………の姿をした、武市であった。
即座に銀時が出ていき、その武市の頭をガシガシと蹴り、銀時に抱かれる音莉もまた、赤子では到底持てないであろう木刀をブンブン振り回して武市を殴りまくる。
「オ、オイ兄ちゃん…それ俺達の相手……」
「あの、ちょっとやりすぎじゃ…」
「つーかなんだ!? この赤ん坊! 成人男性ボコボコに殴ってんぞ…赤ん坊なのに!」
しかしそんな時、カチャ…と、銀時の後頭部に銃口が向けられた。
「うお! こ、コイツチャカ持ってんぞ!?」
「クソッ…ズラかれ!」
ヤクザの男達が逃げたとき、銃口を向けたその人物は、声を発する。
(?)「ようやく……手がかりを掴んだ」
だがその銃を持つ手は震えており…涙を浮かべながら、その人物はこう聞いた。
(来)「白夜叉……晋助様は、生きてるっスか?」
編傘を深くかぶった、また子だったのだ。
(来)「どこで何をしてるっスか?」
(武)「………」
武市もまた、ボコボコにされて地面に横たわりながらも、探し続けている男の名に、目を瞑る。
(銀)「……こっちが聞きてーよ」
そう呟いた後、銀時は音莉を小脇に抱えて、ペンとノートを取り出す。
(銀)「また子さん、君高杉一筋かと思ったら…実写で新八と何かゴニャゴニャやってませんでした? 事実の方どうなんでしょうか? 彼はまた子の股をまたがったんですか? それともまさぐったんですか? その辺詳しくお願いします、センテンススプリングに売るんで」
(来)「………」
しばらくの沈黙の後…
(来)「何の話っスかァァァァァァァァァァァァァ!!!」
パン、パン!!
と、銃音がその場に響き渡ったのであった。
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