第二百十八話(銀ノ魂篇)
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(銀)「虚ォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
グサリ…と虚の右眼に、アルタナの剣が刺さる。
しかし、虚はそれでもニヤリと笑い…。
(虚)「成程。あなたの切り札よーく拝見させていただきました。穴が空くほど」
銀時の剣を持つ腕を掴んで、そのまま地面に叩きつける。
(虚)「結晶石で出来た剣…星海坊主の入れ知恵ですか……。確かに、異星のアルタナを秘めた剣であれば、不死者を殺す事が出来る。この剣で不死性を奪われた途端、朽ちてしまったワケだ」
さらに腕を掴んだまま、もう一度、さらにもう一度…と、何度も銀時の身体を地面に叩きつけ、地面が崩壊していく。
(虚)「だが…それでは私を殺す事は出来ない」
そして攻撃をやめ、地面に横たわる銀時に絶望を与えるように、虚は言った。
(虚)「星海坊主は勘違いをしている。彼は惑星徨安で、確かに私を追い詰めた。君と同じ方法で。だがここは徨安ではない。私の生まれた地球だ。ここには私のエネルギーとする地球のアルタナが無尽蔵に存在する。いわばこの地球そのものが、私の巨大なエネルギータンクのようなものだ。例え心臓に異星のアルタナをぶちまけられ毒されようと、私の身体は彼等のように朽ちる事はない」
右眼に刺さったアルタナの剣を素手で抜き、血の涙が流れ出しているにも関わらず、虚は不敵な笑みを崩さないでいたる
(虚)「私は幾らでも地球のアルタナを吸収し、幾らでも肉体を再生出来る」
事もあろう事か、そのまま素手でパリーンと、アルタナの剣を粉々に砕いてしまったのだ。……横たわる銀時の真上で。
(虚)「分かりますか? 君達の切り札は、大海に一滴毒を垂らす毒針に等しい。全ては海の藻屑に消える。この地球にある以上、私が倒される事はない。この地球ごと滅ぼさない限り」
(あ)「け、結晶刀が……」
(新)「不死者を倒せる、唯一の切り札が……」
(虚)「皮肉なものですね。あなた達が必死に護ってきたものは、私の命に他ならない」
虚は自分の刀を、銀時の額に向ける。
(虚)「あなた達がこの星を護ろうとすればするほど、私はより大きな壁として、あなた達の前に立ちはだかる。でも、これ以上化物扱いされるのは、そろそろ遠慮したいですね」
その切っ先が、動けないでいる…虚ろに飲み込まれそうになっている銀時の額に食い込んで、血が流れだし……
ガキン!!!!
……と、傷口が深くなる前に、虚に振り上げられた刀を虚は咄嗟に受け止めた。
(あ)「くっ……!」
音莉の紅桜がカタカタと音を立てながらも、虚の力に耐えようとしている。
(新)「音莉さん!!」
(あ)「なら…あなたの肉体がもう元に戻れないくらいに、バラバラに打ち砕くだけよ。例えそれが、どれだけかかったって。何日、何年かかったって…私は、諦めない」
音莉の意思の宿る目を見て…虚は一瞬…腹立たし気な表情をするが…しかしすぐに笑みを浮かべた。
(虚)「諦めない? そもそもあなたが…あの星が、余計な事をせず、私にあのアルタナを全て譲っていれば、今頃あなたの恋人はこんなに苦しむ事はなかった。その男だけではない。あなたの周りにいる…全ての人が。全てはあなたが生きている事で巻き起こってしまった事だ」
(あ)「………!」
笑みを浮かべながら淡々と告げたられた虚の言葉に、音莉の瞳が揺れる。
それはまだ自分の中で受け入れられていない、自分の存在について再び触れられた事もあるが……自分の知らない所で、自分は何か宇宙規模の重要な何かを握っているのかもしれない。
それを受け止める事さえ出来ていないのに、そこに自分が生きていなければいいなんて…そんな事を言われてしまって、胸の内が穏やかであるハズがない。
(虚)「あなたが死んでいれば、ここにいる皆は中途半端な希望も諦めも持たず、私の一握りで楽に終わらせる事が出来た。これまでの事も、未来も後悔も考える事もないまま……あっという間に」
虚の言葉に、音莉の手がわずかに震える。
(虚)「皆が苦しみ、傷つき…そして、これだけの犠牲が出てまた苦しむ人を生むのは……全て、あなたのせいなのですよ?そこら中に散らばる屍達も……殺したのはあなたですよ」
(あ)「こ、ろしたのは…私?」
一瞬…禁断の楽譜を発動してしまった時に、自分が行ってしまった残虐行為…その結果、無残な死骸の海が広がっていたその光景が脳裏をよぎり、力を緩めてしまう。
それを狙っていた虚は、そのまま刀を真っすぐ音莉の心臓に向け……しかしその時、グサリと虚の左眼に何かの破片が刺さり、刀が音莉の腕と脇腹の隙間をかすめる。
(あ)「………」
破片が飛んできた方を振り返ると、銀時がフラリと立ち上がっていた。投げた破片は、先程虚が砕いたアルタナの剣の破片で、それで両目の視力を失くそうとしたのだ。
(銀)「音莉が死んでいれば傷つく事はなかった? ふざけんな…てめーの罪をコイツになすりつけてんじゃねーぞ。音莉がいなきゃ、俺は音莉と…万事屋と出会う事はなかった。笑い合っていた日常を取り戻すために、こんなに必死にもがく事はなかった。ずっと負け犬のままだった。それを変えたのは…俺に色んなもん与えて人間にしてくれたのは、紛れもねェ、音莉だ。人の女に、生きていなけりゃよかったなんて言ってくれんじゃねーぞ。俺は、そいつが生きていてくれたから、世界を広げられたんだ。必死に生きてェって思えるんだ」
(あ)「ぎ、んさん……」
さらに、ドカアアアアアアアアアアン!! と虚が爆煙に包まれた。
(星)「やれやれ、人から貰ったプレゼントはもう少し大事にしてもらいたいもんだな。まァ切り札はそいつだけじゃねーがな」
見れば、瓦礫の山の上に、星海坊主が立っていたのだ。
(星)「例えばその爆玉。結晶石の欠片を周囲にまき散らし、その爆煙に巻かれれば、不死者は再生能力が低下する。そして…」
(威)「あー、はいはい。もう分かったよ。敵を一掃出来たのは、アンタのその切り札のおかげでごぜーます」
星海坊主だけじゃない、神威率いる第七師団もだ。
(威)「何回得意げに説明すんだ、あのハゲ…」
(阿)「まァまァ、息子はグレて、娘は家出して、誰も話きいてくれねーんだ。たまには褒めてやれよ」
さらには…
(近)「なんだって構わねーさ」
……真選組も。この場に駆け付けたのだ。
(近)「てめーが何度蘇ろうが、ここに集まったたくさんの命…俺達の切り札を合わせりゃ、てめーを殺し尽くせる。それから音莉さん…あなたは、その切り札の中の切り札ってやつだ。あなたがいなければ、俺達の剣は既に折れていた…それを今日まで繋いでくれのたは、紛れもねェ、音莉さん…あなたなんですよ」
(土)「だから、俺達ゃ今日はその切り札を護るための切り札となるよ」
(沖)「だから、間違っても死んでいた方がよかった…なんて思うんじゃねーぞ。諦めるのなんて、音莉らしくねーや」
(あ)「みなさん…」
真選組の言葉に、音莉は少しほっとしたように、表情を緩めた。
グサリ…と虚の右眼に、アルタナの剣が刺さる。
しかし、虚はそれでもニヤリと笑い…。
(虚)「成程。あなたの切り札よーく拝見させていただきました。穴が空くほど」
銀時の剣を持つ腕を掴んで、そのまま地面に叩きつける。
(虚)「結晶石で出来た剣…星海坊主の入れ知恵ですか……。確かに、異星のアルタナを秘めた剣であれば、不死者を殺す事が出来る。この剣で不死性を奪われた途端、朽ちてしまったワケだ」
さらに腕を掴んだまま、もう一度、さらにもう一度…と、何度も銀時の身体を地面に叩きつけ、地面が崩壊していく。
(虚)「だが…それでは私を殺す事は出来ない」
そして攻撃をやめ、地面に横たわる銀時に絶望を与えるように、虚は言った。
(虚)「星海坊主は勘違いをしている。彼は惑星徨安で、確かに私を追い詰めた。君と同じ方法で。だがここは徨安ではない。私の生まれた地球だ。ここには私のエネルギーとする地球のアルタナが無尽蔵に存在する。いわばこの地球そのものが、私の巨大なエネルギータンクのようなものだ。例え心臓に異星のアルタナをぶちまけられ毒されようと、私の身体は彼等のように朽ちる事はない」
右眼に刺さったアルタナの剣を素手で抜き、血の涙が流れ出しているにも関わらず、虚は不敵な笑みを崩さないでいたる
(虚)「私は幾らでも地球のアルタナを吸収し、幾らでも肉体を再生出来る」
事もあろう事か、そのまま素手でパリーンと、アルタナの剣を粉々に砕いてしまったのだ。……横たわる銀時の真上で。
(虚)「分かりますか? 君達の切り札は、大海に一滴毒を垂らす毒針に等しい。全ては海の藻屑に消える。この地球にある以上、私が倒される事はない。この地球ごと滅ぼさない限り」
(あ)「け、結晶刀が……」
(新)「不死者を倒せる、唯一の切り札が……」
(虚)「皮肉なものですね。あなた達が必死に護ってきたものは、私の命に他ならない」
虚は自分の刀を、銀時の額に向ける。
(虚)「あなた達がこの星を護ろうとすればするほど、私はより大きな壁として、あなた達の前に立ちはだかる。でも、これ以上化物扱いされるのは、そろそろ遠慮したいですね」
その切っ先が、動けないでいる…虚ろに飲み込まれそうになっている銀時の額に食い込んで、血が流れだし……
ガキン!!!!
……と、傷口が深くなる前に、虚に振り上げられた刀を虚は咄嗟に受け止めた。
(あ)「くっ……!」
音莉の紅桜がカタカタと音を立てながらも、虚の力に耐えようとしている。
(新)「音莉さん!!」
(あ)「なら…あなたの肉体がもう元に戻れないくらいに、バラバラに打ち砕くだけよ。例えそれが、どれだけかかったって。何日、何年かかったって…私は、諦めない」
音莉の意思の宿る目を見て…虚は一瞬…腹立たし気な表情をするが…しかしすぐに笑みを浮かべた。
(虚)「諦めない? そもそもあなたが…あの星が、余計な事をせず、私にあのアルタナを全て譲っていれば、今頃あなたの恋人はこんなに苦しむ事はなかった。その男だけではない。あなたの周りにいる…全ての人が。全てはあなたが生きている事で巻き起こってしまった事だ」
(あ)「………!」
笑みを浮かべながら淡々と告げたられた虚の言葉に、音莉の瞳が揺れる。
それはまだ自分の中で受け入れられていない、自分の存在について再び触れられた事もあるが……自分の知らない所で、自分は何か宇宙規模の重要な何かを握っているのかもしれない。
それを受け止める事さえ出来ていないのに、そこに自分が生きていなければいいなんて…そんな事を言われてしまって、胸の内が穏やかであるハズがない。
(虚)「あなたが死んでいれば、ここにいる皆は中途半端な希望も諦めも持たず、私の一握りで楽に終わらせる事が出来た。これまでの事も、未来も後悔も考える事もないまま……あっという間に」
虚の言葉に、音莉の手がわずかに震える。
(虚)「皆が苦しみ、傷つき…そして、これだけの犠牲が出てまた苦しむ人を生むのは……全て、あなたのせいなのですよ?そこら中に散らばる屍達も……殺したのはあなたですよ」
(あ)「こ、ろしたのは…私?」
一瞬…禁断の楽譜を発動してしまった時に、自分が行ってしまった残虐行為…その結果、無残な死骸の海が広がっていたその光景が脳裏をよぎり、力を緩めてしまう。
それを狙っていた虚は、そのまま刀を真っすぐ音莉の心臓に向け……しかしその時、グサリと虚の左眼に何かの破片が刺さり、刀が音莉の腕と脇腹の隙間をかすめる。
(あ)「………」
破片が飛んできた方を振り返ると、銀時がフラリと立ち上がっていた。投げた破片は、先程虚が砕いたアルタナの剣の破片で、それで両目の視力を失くそうとしたのだ。
(銀)「音莉が死んでいれば傷つく事はなかった? ふざけんな…てめーの罪をコイツになすりつけてんじゃねーぞ。音莉がいなきゃ、俺は音莉と…万事屋と出会う事はなかった。笑い合っていた日常を取り戻すために、こんなに必死にもがく事はなかった。ずっと負け犬のままだった。それを変えたのは…俺に色んなもん与えて人間にしてくれたのは、紛れもねェ、音莉だ。人の女に、生きていなけりゃよかったなんて言ってくれんじゃねーぞ。俺は、そいつが生きていてくれたから、世界を広げられたんだ。必死に生きてェって思えるんだ」
(あ)「ぎ、んさん……」
さらに、ドカアアアアアアアアアアン!! と虚が爆煙に包まれた。
(星)「やれやれ、人から貰ったプレゼントはもう少し大事にしてもらいたいもんだな。まァ切り札はそいつだけじゃねーがな」
見れば、瓦礫の山の上に、星海坊主が立っていたのだ。
(星)「例えばその爆玉。結晶石の欠片を周囲にまき散らし、その爆煙に巻かれれば、不死者は再生能力が低下する。そして…」
(威)「あー、はいはい。もう分かったよ。敵を一掃出来たのは、アンタのその切り札のおかげでごぜーます」
星海坊主だけじゃない、神威率いる第七師団もだ。
(威)「何回得意げに説明すんだ、あのハゲ…」
(阿)「まァまァ、息子はグレて、娘は家出して、誰も話きいてくれねーんだ。たまには褒めてやれよ」
さらには…
(近)「なんだって構わねーさ」
……真選組も。この場に駆け付けたのだ。
(近)「てめーが何度蘇ろうが、ここに集まったたくさんの命…俺達の切り札を合わせりゃ、てめーを殺し尽くせる。それから音莉さん…あなたは、その切り札の中の切り札ってやつだ。あなたがいなければ、俺達の剣は既に折れていた…それを今日まで繋いでくれのたは、紛れもねェ、音莉さん…あなたなんですよ」
(土)「だから、俺達ゃ今日はその切り札を護るための切り札となるよ」
(沖)「だから、間違っても死んでいた方がよかった…なんて思うんじゃねーぞ。諦めるのなんて、音莉らしくねーや」
(あ)「みなさん…」
真選組の言葉に、音莉は少しほっとしたように、表情を緩めた。
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