第百九十話(将軍暗殺篇)
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~銀時side~
夜が明け、日付が変わった。
俺達はとある屋敷の一室に案内され、座布団の上に座らされていた。
(百)「忍の聖地…隠れ里、不知火。忍の神、 摩利支天が護るこの地なら、将軍の身も安全ぞ」
その前には包帯を巻いた例の機械(からくり)人形と、百地とかいう女。
だが一つ問題なのが、今注がれているお茶がまるでマーライオンのように機械(からくり)人形の口から吐き出すように流れ出ている事。
(百)「茶でも飲んでゆっくり休め」
そしてそのお茶が俺達の前に出される。
(百)「飲め。里特製の忍茶ぞよ」
とか言われるが、勿論飲む気になれない。
(新)「すいません、百地さん。それって武器なんですよね? 人じゃないんですよね?」
(百)「童共に茶は早かったか。ならばこれでどうぞよ」
すると今度は機械(からくり)人形のケツから茶色い液体が吹き出し始めた。
(神)「わぁ、ココアアル!」
などと喜びながら、コップにその液体を入れる神楽。
(新)「大丈夫なんですよね!? 本体アンタなんですよね!?」
(銀)「つーかそのメイド服どこに売ってんの?」
音莉に着せてみたいんだけど。超似合いそうなんだけど。音莉のおさげメイド服とか超萌えるんですけど。
(百)「わしは傀儡術を極めし忍。機械(からくり)人形を操りながら、機械(からくり)人形に操られる者。どちらも本体、百地乱破ぞよ」
(新)「いや、よく分かんないんですけど。下手したらアナタの方が人形に見えるんですけど」
(百)「案ずるな。モモちゃんは時に武器になるが、時に急須にもなる万能性能」
モモちゃんとやらの左手から刀が出てきて、右手からは茶が吹き出す。
(近)「要するに大丈夫って事ね」
冷静にそう言って茶を飲むゴリラとマヨ。
(百)「そして時には便器にもなる」
(近&土)「「ブーーーーーッ!!」」
モモちゃんの膝が便器に変わったのを見て、二人が茶を吹き出した。
便器にもなる機械から注がれた茶を飲んでいたと分かり吐き気を催したのか、口を押さえながら走りだす二人。
(百)「オイ、厠はここにあるぞよ。そちらに行っても厠はない。命もない」
すると床が開いて、走っていた二人が底へと落ちていく。
(百)「ここは忍の要塞。下手に動かぬ方がいい。厠に入った途端、ひとりでにねじれた者もいる」
(新)「どんな暗黒大陸!?」
(銀)「成程。確かにここなら将軍も安全かもしれねーな」
すると将軍が険しい顔をしながら厠から出てきた。
(新)「将軍真っ先にねじれてんぞォォォォォ!?」
しかもその手は股間を苦しそうに押さえている。
(新)「そこかァァァァ! ねじれるってやっぱそこかァァァァ!!」
(百)「ご覧の通りぞよ。将軍の安全はわしが保障しよう」
(銀)「いや、もう将軍安全じゃないんだけど」
(百)「後は任せて手を引くぞよ」
(神)「私達がやらないで誰が将軍を護るアルネ!」
(百)「敵は一国家に匹敵する武力を持った連中ぞ。護る…? そんなハンパな考えでは将軍は再び死ぬ。そなたらに出来るか? あの服部の小僧のように将軍を殺す事が」
(新)「えっ…どういう事ですか?」
(百)「わしがあの男と出会ったのは春雨に蹂躙されてからひと月後。服部全蔵…拠点を江戸に移したとはいえ、未だ里の誰もが一目置く名門。あの男を味方につければ藤林を止められる…そう思っておったぞよ。しかし既に敵方に潜りこみ情勢を探っていた奴は知っておった。将軍の敵は始めこそ、一橋公を擁するただの過激攘夷浪士だったが、今では抗いがたい巨大な勢力に膨れあがっている事を。そして将軍が将軍であり続ける限り、敵の手は止まらない。将軍を護る事は出来ないとも」
(銀)「………」
(百)「将軍を護り、伊賀を護り、これ以上戦禍を拡大させないためには、一つの方法しかない。将軍、徳川茂々を殺し、ただの徳川茂々に戻す事。奴が斬ったのは将軍でも影武者でもない。将軍という器そのもの。つまり奴は将軍徳川茂々の死を偽装し、将軍の官位を返上、社会的に抹殺する事で、人間、 徳川茂々の命を護ろうとしたぞよ」
その会話を将軍が物陰からこっそり聞いている…そんな姿がチラリと見える。
(百)「そのためにあの忍共、命を投げうち、将軍を殺した大罪人として歴史に汚名を残す道を選んだ」
「持ってけ。続きが気になるといけねェ。決心が鈍る」
あの時の野郎の言葉が蘇る。
(銀)「あの野郎…最初からそのつもりだったのかよ」
(猿)「………」
するとさっちゃんが言葉もなく立ち上がり、急に走りだして部屋を出ていった。
(新)「さっちゃんさん!」
(銀)「………」
(百)「将軍生存の報は誰にも伝えるな。将軍を死なせたくないなら…これ以上、誰も死なせたくないならな」
その言葉に俺はすっと立ち上がる。
(銀)「奴等が将軍の首とった位でおさまるタマだとでも?」
(百)「知っておるのか? 敵を…」
そのまま振り返って、青空を見上げる。
(銀)「知ってる。ウンザリする程にな」
その空には、何隻かの船が飛んでいた。
きっとその船の先頭に立っているのは、悠々とキセルをふかす憎たらしいアイツ…かつての戦友の姿。
「あ、あれは…春雨!」
双眼鏡で船の方を覗いていた男がそう叫んだ。
(新)「そんな! 何故再び伊賀に…まさか、将軍様がここに匿われている事がバレた!?」
(百)「服部の小僧はそんな下手はうつまい」
(新)「じゃあなんで…」
(銀)「よく見とけ、てめ-ら。アレが奴だ。将軍が死のうと奴は止まらねェ。政権が変わろうと奴は止まらねェ。奴を止めてェなら……息の根を止めるしかねェ」
にしても…
(銀)「(音莉の奴、どこ行きやがったんだ…)」
確か俺がここに来る途中の厠に寄って、出てきた時にはもういなかった。
新八曰く、「ちょっと忘れ物したから先に行っててください」と伝言を残していたらしい。
(銀)「(こんな時に一体…)」
嫌な胸騒ぎがするのは…
早まる動悸は………
(銀)「(音莉のせいでなければいいんだが…)」
夜が明け、日付が変わった。
俺達はとある屋敷の一室に案内され、座布団の上に座らされていた。
(百)「忍の聖地…隠れ里、不知火。忍の神、 摩利支天が護るこの地なら、将軍の身も安全ぞ」
その前には包帯を巻いた例の機械(からくり)人形と、百地とかいう女。
だが一つ問題なのが、今注がれているお茶がまるでマーライオンのように機械(からくり)人形の口から吐き出すように流れ出ている事。
(百)「茶でも飲んでゆっくり休め」
そしてそのお茶が俺達の前に出される。
(百)「飲め。里特製の忍茶ぞよ」
とか言われるが、勿論飲む気になれない。
(新)「すいません、百地さん。それって武器なんですよね? 人じゃないんですよね?」
(百)「童共に茶は早かったか。ならばこれでどうぞよ」
すると今度は機械(からくり)人形のケツから茶色い液体が吹き出し始めた。
(神)「わぁ、ココアアル!」
などと喜びながら、コップにその液体を入れる神楽。
(新)「大丈夫なんですよね!? 本体アンタなんですよね!?」
(銀)「つーかそのメイド服どこに売ってんの?」
音莉に着せてみたいんだけど。超似合いそうなんだけど。音莉のおさげメイド服とか超萌えるんですけど。
(百)「わしは傀儡術を極めし忍。機械(からくり)人形を操りながら、機械(からくり)人形に操られる者。どちらも本体、百地乱破ぞよ」
(新)「いや、よく分かんないんですけど。下手したらアナタの方が人形に見えるんですけど」
(百)「案ずるな。モモちゃんは時に武器になるが、時に急須にもなる万能性能」
モモちゃんとやらの左手から刀が出てきて、右手からは茶が吹き出す。
(近)「要するに大丈夫って事ね」
冷静にそう言って茶を飲むゴリラとマヨ。
(百)「そして時には便器にもなる」
(近&土)「「ブーーーーーッ!!」」
モモちゃんの膝が便器に変わったのを見て、二人が茶を吹き出した。
便器にもなる機械から注がれた茶を飲んでいたと分かり吐き気を催したのか、口を押さえながら走りだす二人。
(百)「オイ、厠はここにあるぞよ。そちらに行っても厠はない。命もない」
すると床が開いて、走っていた二人が底へと落ちていく。
(百)「ここは忍の要塞。下手に動かぬ方がいい。厠に入った途端、ひとりでにねじれた者もいる」
(新)「どんな暗黒大陸!?」
(銀)「成程。確かにここなら将軍も安全かもしれねーな」
すると将軍が険しい顔をしながら厠から出てきた。
(新)「将軍真っ先にねじれてんぞォォォォォ!?」
しかもその手は股間を苦しそうに押さえている。
(新)「そこかァァァァ! ねじれるってやっぱそこかァァァァ!!」
(百)「ご覧の通りぞよ。将軍の安全はわしが保障しよう」
(銀)「いや、もう将軍安全じゃないんだけど」
(百)「後は任せて手を引くぞよ」
(神)「私達がやらないで誰が将軍を護るアルネ!」
(百)「敵は一国家に匹敵する武力を持った連中ぞ。護る…? そんなハンパな考えでは将軍は再び死ぬ。そなたらに出来るか? あの服部の小僧のように将軍を殺す事が」
(新)「えっ…どういう事ですか?」
(百)「わしがあの男と出会ったのは春雨に蹂躙されてからひと月後。服部全蔵…拠点を江戸に移したとはいえ、未だ里の誰もが一目置く名門。あの男を味方につければ藤林を止められる…そう思っておったぞよ。しかし既に敵方に潜りこみ情勢を探っていた奴は知っておった。将軍の敵は始めこそ、一橋公を擁するただの過激攘夷浪士だったが、今では抗いがたい巨大な勢力に膨れあがっている事を。そして将軍が将軍であり続ける限り、敵の手は止まらない。将軍を護る事は出来ないとも」
(銀)「………」
(百)「将軍を護り、伊賀を護り、これ以上戦禍を拡大させないためには、一つの方法しかない。将軍、徳川茂々を殺し、ただの徳川茂々に戻す事。奴が斬ったのは将軍でも影武者でもない。将軍という器そのもの。つまり奴は将軍徳川茂々の死を偽装し、将軍の官位を返上、社会的に抹殺する事で、人間、 徳川茂々の命を護ろうとしたぞよ」
その会話を将軍が物陰からこっそり聞いている…そんな姿がチラリと見える。
(百)「そのためにあの忍共、命を投げうち、将軍を殺した大罪人として歴史に汚名を残す道を選んだ」
「持ってけ。続きが気になるといけねェ。決心が鈍る」
あの時の野郎の言葉が蘇る。
(銀)「あの野郎…最初からそのつもりだったのかよ」
(猿)「………」
するとさっちゃんが言葉もなく立ち上がり、急に走りだして部屋を出ていった。
(新)「さっちゃんさん!」
(銀)「………」
(百)「将軍生存の報は誰にも伝えるな。将軍を死なせたくないなら…これ以上、誰も死なせたくないならな」
その言葉に俺はすっと立ち上がる。
(銀)「奴等が将軍の首とった位でおさまるタマだとでも?」
(百)「知っておるのか? 敵を…」
そのまま振り返って、青空を見上げる。
(銀)「知ってる。ウンザリする程にな」
その空には、何隻かの船が飛んでいた。
きっとその船の先頭に立っているのは、悠々とキセルをふかす憎たらしいアイツ…かつての戦友の姿。
「あ、あれは…春雨!」
双眼鏡で船の方を覗いていた男がそう叫んだ。
(新)「そんな! 何故再び伊賀に…まさか、将軍様がここに匿われている事がバレた!?」
(百)「服部の小僧はそんな下手はうつまい」
(新)「じゃあなんで…」
(銀)「よく見とけ、てめ-ら。アレが奴だ。将軍が死のうと奴は止まらねェ。政権が変わろうと奴は止まらねェ。奴を止めてェなら……息の根を止めるしかねェ」
にしても…
(銀)「(音莉の奴、どこ行きやがったんだ…)」
確か俺がここに来る途中の厠に寄って、出てきた時にはもういなかった。
新八曰く、「ちょっと忘れ物したから先に行っててください」と伝言を残していたらしい。
(銀)「(こんな時に一体…)」
嫌な胸騒ぎがするのは…
早まる動悸は………
(銀)「(音莉のせいでなければいいんだが…)」
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