第二百二話(洛陽決戦篇)
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~no side~
とある戦艦のモニターには、崖の道を駆ける阿伏兎、そして星海坊主の姿が映っていた。
そのモニターを見つめていたのは、二人の男…。
虚と、朧であった。
(朧)「やはり、第七師団掃討作戦の情報を外部にリークし第七師団と鬼兵隊を救ったのは…星海坊主(あのおとこ)。奴が春雨元老院に近づき、第七師団掃討作戦に加わったのは、息子である神威を救うためであったか」
(虚)「朧、彼は一つもウソなどついていませんよ」
その言葉に、朧は横目で虚の方を見る。
「てめーらより先に、あの神威(クソガキ)殺すためだ」
……そう放った時の、星海坊主の獣のような目つきを頭に浮かべる虚。
(虚)「あの眼(め)にウソはない。彼の頭には息子を殺す事しかなかった。それはつまり…それ以外を殺すつもりも、最初からなかったという事です」
その時、戦艦から発射された砲弾が崖の一部を崩し、巨大な岩がその下を走っていた星海坊主へと襲いかかる。
(虚)「ただ一つ、彼等の親子喧嘩を邪魔する者は例外ですがね」
そして、ドォォォォォォォォォン!! という音と共に、地響きで地面が揺れる。
(朧)「いずれによ、松陽の弟子達同様、あの男も虚様の障壁となる存在であったと」
(虚)「障壁…とは言いたくありませんね。ようやく見つけたんですから。永劫とも思える私の生の中で一度として出会う事のなかった………私を殺せるかもしれない存在を」
岩の陰に消えた星海坊主を仕留めたと思い、満足げな表情を浮かべる艦隊の乗組員。
だが次の瞬間、落ちたその巨大岩が少し砕け、重力に逆らって上に持ち上げられたのだ。
……そう、下敷きになってしまったと思われた星海坊主がボロボロになり、帽子を落としてそのツルツルの頭を晒しながら二本の腕で巨大岩を持ち上げており、フンッと鼻息を鳴らして得意げに笑う。
そして…
(星)「てやあああっ!!」
その巨大岩を銃弾を放った戦艦に投げつけ、次の瞬間、その戦艦は炎を上げながら空中で大破した。
その様子をモニター越しに見ていた虚も、目を細めてニヤリと笑っていた。
・
・
・
・
一方銀時達はというと、桂達と分かれ、二手に分かれて高杉のいると思われる方へと向かっていた。
(銀)「ったく、面倒な事になったもんだぜ。さっさと神楽見つけて帰って音莉とイチャイチャ続きしようと思ったのによォ…」
(あ)「………」
(新)「音莉さん?」
すると急に、音莉が足を滑らせながら急ブレーキをかけた。
(あ)「さっきからコソコソ私達の後をつけて…用があるなら隠れてないで出てきなさいよ」
鋭い声でそう発した彼女に、新八が戸惑いの表情を見せる。
そう…彼女以外の誰もがその気配とやらを全く感じていなかったからだ。
だが…
(?)「フッ…流石は伝説の歌姫。やはり俺の気配を感じ取ったか」
……その声と共に、ビルの屋上から一人の男が飛び降りてきたのだ。
(銀&新&河)「「「………!」」」
その男は黒いマントを身に纏いフードをかぶった、怪しげな男。
短髪で、銀時よりも鈍いグレーの髪色を模した、細身の男であった。(結界師の翡葉京一っぽい人イメージです!)
(?)「再開できる日を待ちわびていたぞ……伝説の歌姫、音莉」
(あ)「初対面のアンタがなんで私の事を知ってるのか知らないけど……どうやら私のお客さんのようね。………銀さん、行ってください」
(銀)「でも音莉…!」
(あ)「早くいかないと手遅れになります。大丈夫、私も後から行きますから。だって私も、伝説の四人の姿を…"白夜叉"だった銀さんを見たいんだもの。恋人の全部を見たいっていうのは、我儘ですか?」
少し申し訳なさそうな顔で、銀時の方を振り返る音莉。
だがその少し大人びた彼女の表情に少しだけ息を飲んだ彼は、ふっと笑う。
(銀)「ここ最近はえらく我儘じゃねーか…。ま、さっきの我儘は聞いてやれなかったし。いいか、音莉……何が何でも生きて帰ってこい」
そう言い残して、銀時は新八達と共に走り出す。
(新)「銀さん…顔真っ赤ですよ?」
(銀)「黙れ、童貞。惚れてる女にあんな事言われて正気でいられる男はいねーよ…」
・
・
・
・
そんな惨事に、春雨の艦隊が次々に地上に着陸し、まるで人がゴミのように次々と団員が出てくる。
(阿)「絶景だねェ。まさかたかが残党狩りに、春雨第十二師団中六師団が動くとは」
木陰に隠れながら、愉快そうにそう言い出す阿伏兎。
(阿)「しかもそのうち半分はたった一人の星海坊主(おとこ)を狩るために動いてるときた」
(星)「俺にゃウジ虫が這い回ってるだけの絵ヅラにしか見えねェ」
(阿)「俺の故郷じゃ絶望的な眺めを絶景というのさ」
(星)「…なんで俺についてくる。逃げるなら、俺が暴れてる今しかねーぞ」
(阿)「奴等は夜兎を根絶やしにするつもりだ。どうせ死ぬなら、夜兎の生ける伝説と心中するのも悪かねェかもな」
(星)「俺ァ…てめーらの団長殺しにきた男だぞ?」
(阿)「皮肉な話だが、俺達が生きて団長と再会するには団長を殺しにきた生ける伝説の力にあやかるしかねーのさ」
(星)「………」
その場にしばらく静寂が漂う。
(星)「…敵の情報を教えろ」
(阿)「……相手は十二師団中の三つの師団。中でも厄介なのはそれらをまとめる第一師団だ。第一師団団長、獅嶺(しれい)は十二師団で最も古株の猛将。頭もキレるし、腕も立つ。現十二師団の筆頭格と言っていい」
(星)「他に厄介な奴は?」
(阿)「あの船は恐らく、三凶星も呼び戻されたな」
曇天の下を行く一隻の船を見て、阿伏兎が呟くようにそう零す。
(星)「三凶星?」
(阿)「十二師団の中でもトップクラスの実力を持ちながら、掟を犯し長らく幽閉されていた危険分子。一人は十二師団中唯一兵を持たない師団。しかし戦場の全兵をその掌に操る機巧導師。第三師団団長、『天王星』笵堺」
その笵堺は現在、快臨丸の頂上におり、船に駆け込む辰馬達の姿を見下ろしていた。
(阿)「一人は、人の心を読む"目"を持ち、星芒剣王(せいぼうけんおう)の異名を持つ春雨筆頭剣士…第二師団団長、『冥王星』馬董」
道を行く銀時、万斉、新八、音莉達の前には、その男が立ちはだかっていた。
(阿)「そして…春雨一の膂力、機動力を誇る組織きっての殺し屋…第四師団団長、『海王星』猩覚」
桂の眼前に屋上から巨大タンクが落下し、足止めされてしまう。
(阿)「いずれも俺達第七師団に劣らん、厄介者だ」
とある戦艦のモニターには、崖の道を駆ける阿伏兎、そして星海坊主の姿が映っていた。
そのモニターを見つめていたのは、二人の男…。
虚と、朧であった。
(朧)「やはり、第七師団掃討作戦の情報を外部にリークし第七師団と鬼兵隊を救ったのは…星海坊主(あのおとこ)。奴が春雨元老院に近づき、第七師団掃討作戦に加わったのは、息子である神威を救うためであったか」
(虚)「朧、彼は一つもウソなどついていませんよ」
その言葉に、朧は横目で虚の方を見る。
「てめーらより先に、あの神威(クソガキ)殺すためだ」
……そう放った時の、星海坊主の獣のような目つきを頭に浮かべる虚。
(虚)「あの眼(め)にウソはない。彼の頭には息子を殺す事しかなかった。それはつまり…それ以外を殺すつもりも、最初からなかったという事です」
その時、戦艦から発射された砲弾が崖の一部を崩し、巨大な岩がその下を走っていた星海坊主へと襲いかかる。
(虚)「ただ一つ、彼等の親子喧嘩を邪魔する者は例外ですがね」
そして、ドォォォォォォォォォン!! という音と共に、地響きで地面が揺れる。
(朧)「いずれによ、松陽の弟子達同様、あの男も虚様の障壁となる存在であったと」
(虚)「障壁…とは言いたくありませんね。ようやく見つけたんですから。永劫とも思える私の生の中で一度として出会う事のなかった………私を殺せるかもしれない存在を」
岩の陰に消えた星海坊主を仕留めたと思い、満足げな表情を浮かべる艦隊の乗組員。
だが次の瞬間、落ちたその巨大岩が少し砕け、重力に逆らって上に持ち上げられたのだ。
……そう、下敷きになってしまったと思われた星海坊主がボロボロになり、帽子を落としてそのツルツルの頭を晒しながら二本の腕で巨大岩を持ち上げており、フンッと鼻息を鳴らして得意げに笑う。
そして…
(星)「てやあああっ!!」
その巨大岩を銃弾を放った戦艦に投げつけ、次の瞬間、その戦艦は炎を上げながら空中で大破した。
その様子をモニター越しに見ていた虚も、目を細めてニヤリと笑っていた。
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一方銀時達はというと、桂達と分かれ、二手に分かれて高杉のいると思われる方へと向かっていた。
(銀)「ったく、面倒な事になったもんだぜ。さっさと神楽見つけて帰って音莉とイチャイチャ続きしようと思ったのによォ…」
(あ)「………」
(新)「音莉さん?」
すると急に、音莉が足を滑らせながら急ブレーキをかけた。
(あ)「さっきからコソコソ私達の後をつけて…用があるなら隠れてないで出てきなさいよ」
鋭い声でそう発した彼女に、新八が戸惑いの表情を見せる。
そう…彼女以外の誰もがその気配とやらを全く感じていなかったからだ。
だが…
(?)「フッ…流石は伝説の歌姫。やはり俺の気配を感じ取ったか」
……その声と共に、ビルの屋上から一人の男が飛び降りてきたのだ。
(銀&新&河)「「「………!」」」
その男は黒いマントを身に纏いフードをかぶった、怪しげな男。
短髪で、銀時よりも鈍いグレーの髪色を模した、細身の男であった。(結界師の翡葉京一っぽい人イメージです!)
(?)「再開できる日を待ちわびていたぞ……伝説の歌姫、音莉」
(あ)「初対面のアンタがなんで私の事を知ってるのか知らないけど……どうやら私のお客さんのようね。………銀さん、行ってください」
(銀)「でも音莉…!」
(あ)「早くいかないと手遅れになります。大丈夫、私も後から行きますから。だって私も、伝説の四人の姿を…"白夜叉"だった銀さんを見たいんだもの。恋人の全部を見たいっていうのは、我儘ですか?」
少し申し訳なさそうな顔で、銀時の方を振り返る音莉。
だがその少し大人びた彼女の表情に少しだけ息を飲んだ彼は、ふっと笑う。
(銀)「ここ最近はえらく我儘じゃねーか…。ま、さっきの我儘は聞いてやれなかったし。いいか、音莉……何が何でも生きて帰ってこい」
そう言い残して、銀時は新八達と共に走り出す。
(新)「銀さん…顔真っ赤ですよ?」
(銀)「黙れ、童貞。惚れてる女にあんな事言われて正気でいられる男はいねーよ…」
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そんな惨事に、春雨の艦隊が次々に地上に着陸し、まるで人がゴミのように次々と団員が出てくる。
(阿)「絶景だねェ。まさかたかが残党狩りに、春雨第十二師団中六師団が動くとは」
木陰に隠れながら、愉快そうにそう言い出す阿伏兎。
(阿)「しかもそのうち半分はたった一人の星海坊主(おとこ)を狩るために動いてるときた」
(星)「俺にゃウジ虫が這い回ってるだけの絵ヅラにしか見えねェ」
(阿)「俺の故郷じゃ絶望的な眺めを絶景というのさ」
(星)「…なんで俺についてくる。逃げるなら、俺が暴れてる今しかねーぞ」
(阿)「奴等は夜兎を根絶やしにするつもりだ。どうせ死ぬなら、夜兎の生ける伝説と心中するのも悪かねェかもな」
(星)「俺ァ…てめーらの団長殺しにきた男だぞ?」
(阿)「皮肉な話だが、俺達が生きて団長と再会するには団長を殺しにきた生ける伝説の力にあやかるしかねーのさ」
(星)「………」
その場にしばらく静寂が漂う。
(星)「…敵の情報を教えろ」
(阿)「……相手は十二師団中の三つの師団。中でも厄介なのはそれらをまとめる第一師団だ。第一師団団長、獅嶺(しれい)は十二師団で最も古株の猛将。頭もキレるし、腕も立つ。現十二師団の筆頭格と言っていい」
(星)「他に厄介な奴は?」
(阿)「あの船は恐らく、三凶星も呼び戻されたな」
曇天の下を行く一隻の船を見て、阿伏兎が呟くようにそう零す。
(星)「三凶星?」
(阿)「十二師団の中でもトップクラスの実力を持ちながら、掟を犯し長らく幽閉されていた危険分子。一人は十二師団中唯一兵を持たない師団。しかし戦場の全兵をその掌に操る機巧導師。第三師団団長、『天王星』笵堺」
その笵堺は現在、快臨丸の頂上におり、船に駆け込む辰馬達の姿を見下ろしていた。
(阿)「一人は、人の心を読む"目"を持ち、星芒剣王(せいぼうけんおう)の異名を持つ春雨筆頭剣士…第二師団団長、『冥王星』馬董」
道を行く銀時、万斉、新八、音莉達の前には、その男が立ちはだかっていた。
(阿)「そして…春雨一の膂力、機動力を誇る組織きっての殺し屋…第四師団団長、『海王星』猩覚」
桂の眼前に屋上から巨大タンクが落下し、足止めされてしまう。
(阿)「いずれも俺達第七師団に劣らん、厄介者だ」
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