第二百一話(洛陽決戦篇)
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~no side~
雨が降りしきる中…傘をさした神楽は、辿り着いた星のとある場所に佇んでいた。
目の前にあるのは、とある人物の墓石。
そこで思い出すのは、地球に旅立つ前の日の事…。
(神)「マミー、ゴメンネ。私この星を出る事にしたヨ。でも約束するアル。必ず帰ってくるって。今度は、バカ兄貴もバカ親父も一緒に。きっと…みんな取り戻せるくらい強くなって帰ってくるアル」
(来)「墓? 知り合いのっスか?」
佇む神楽に、また子が声をかける。
(神)「…確かめたい事があっただけアル。思った通りだった。あのハゲも…ここに来てるアル」
その墓には、青い花束が供えられていたのだった。
・
・
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一方、場所は変わり、そこは雨の降りしきるどこかの建物中であった。
その建物の一室…ベッドの上に高杉は寝かされていた。
(阿)「優雅な寝顔だねェ」
と、部屋の扉にもたれかかる阿伏兎が呟く。
(阿)「瞼の外で何人が戦火に焼かれようが涼しいツラで野望(ゆめ)にまどろむ。大将ってのはどこもロクなもんじゃねーな。ったく…」
毒を吐き捨てるようにそう言った阿伏兎は、部屋の外へと出て歩き出す。
(阿)「第七師団壊滅の危機って時にウチの大将は一体どこでどんな夢見てんだ? 何かあったらここに集まれっつったのはアイツだぜ?」
しかも外…その廊下には、あちこちで負傷して座り込んでいる夜兎や鬼兵隊の姿があった。
(阿)「しかしまさかアイツがここを集合場所に選ぶたァねェ」
そうして建物の外へと出た阿伏兎は、傘をさしながら荒廃した街を見つめる。
(阿)「捨てられた星、烙陽。大戦により破壊し尽くされた巨大な廃墟。あらゆる星から追われたならず者、隠者が集まるここなら、春雨から身を隠すにはうってつけだが…俺はてっきり、もう故郷(ここ)には寄り付きたくないものだとばかり思ってたよ」
とその時、階段の下から阿伏兎の方へと歩み寄っていく人影があった。
(阿)「アンタらみたいな連中にも、郷愁ってのはあるのかい……化物親子」
阿伏兎が見下ろす先には、傘をさして阿伏兎を見上げる星海坊主の姿があった。
(星)「しばらく見ねェうちに故郷も変わったもんだ」
とその時、三人の夜兎…春雨の団員が星海坊主の背後に現れ、傘を構える。
(星)「ここは昔から他の星じゃやっていけねェ程のバカが集まる星だったが…俺に喧嘩を売る程のバカはいなかったよ」
少しずつ星海坊主に近づいていく、三人の夜兎。
(阿)「生憎、この星で育ったとびっきりの神威(バカ)が作った部隊でな。その辺にしとけ、てめーら。俺ァ手ェ貸さねーぞ」
その言葉に阿伏兎の方を見ながらも、傘の先を星海坊主に向ける夜兎達。
(阿)「俺はこの男の息子に左腕もってかれて、娘に耳もってかれたんだ。親父にゃ何もってかれるか分かりゃしねーからなァ。それとも、あのバカの仇討ちでもするつもりか? 尚更やめとけ。『俺の獲物に手ェ出すな』って殺されるぞ」
(星)「神威(アイツ)がまだ生きいてると?」
(阿)「だからアンタここに来たんだろ? 親子喧嘩の続きをしに。ヘッ、よく似てるなァ、親子(アンタら)。一度(ひとたび)己の敵を見定めたら、そいつを倒すまで他の者など見向きもしねェ。例えその敵が、実の父や子でも。来いよ。茶は出せねェが、息子のグチなら幾らでもある」
そう言って踵を返す阿伏兎。
「副団長!!」
(阿)「聞こえなかったか? この男は俺達の命にこれっぽっちも興味はねーよ。あったら俺達はここにはいねェ。そして俺達にこのバカ親子を止める術もねェ。だったら…一緒に待つしかねーだろ。バカの帰りを」
雨が降りしきる中…傘をさした神楽は、辿り着いた星のとある場所に佇んでいた。
目の前にあるのは、とある人物の墓石。
そこで思い出すのは、地球に旅立つ前の日の事…。
(神)「マミー、ゴメンネ。私この星を出る事にしたヨ。でも約束するアル。必ず帰ってくるって。今度は、バカ兄貴もバカ親父も一緒に。きっと…みんな取り戻せるくらい強くなって帰ってくるアル」
(来)「墓? 知り合いのっスか?」
佇む神楽に、また子が声をかける。
(神)「…確かめたい事があっただけアル。思った通りだった。あのハゲも…ここに来てるアル」
その墓には、青い花束が供えられていたのだった。
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一方、場所は変わり、そこは雨の降りしきるどこかの建物中であった。
その建物の一室…ベッドの上に高杉は寝かされていた。
(阿)「優雅な寝顔だねェ」
と、部屋の扉にもたれかかる阿伏兎が呟く。
(阿)「瞼の外で何人が戦火に焼かれようが涼しいツラで野望(ゆめ)にまどろむ。大将ってのはどこもロクなもんじゃねーな。ったく…」
毒を吐き捨てるようにそう言った阿伏兎は、部屋の外へと出て歩き出す。
(阿)「第七師団壊滅の危機って時にウチの大将は一体どこでどんな夢見てんだ? 何かあったらここに集まれっつったのはアイツだぜ?」
しかも外…その廊下には、あちこちで負傷して座り込んでいる夜兎や鬼兵隊の姿があった。
(阿)「しかしまさかアイツがここを集合場所に選ぶたァねェ」
そうして建物の外へと出た阿伏兎は、傘をさしながら荒廃した街を見つめる。
(阿)「捨てられた星、烙陽。大戦により破壊し尽くされた巨大な廃墟。あらゆる星から追われたならず者、隠者が集まるここなら、春雨から身を隠すにはうってつけだが…俺はてっきり、もう故郷(ここ)には寄り付きたくないものだとばかり思ってたよ」
とその時、階段の下から阿伏兎の方へと歩み寄っていく人影があった。
(阿)「アンタらみたいな連中にも、郷愁ってのはあるのかい……化物親子」
阿伏兎が見下ろす先には、傘をさして阿伏兎を見上げる星海坊主の姿があった。
(星)「しばらく見ねェうちに故郷も変わったもんだ」
とその時、三人の夜兎…春雨の団員が星海坊主の背後に現れ、傘を構える。
(星)「ここは昔から他の星じゃやっていけねェ程のバカが集まる星だったが…俺に喧嘩を売る程のバカはいなかったよ」
少しずつ星海坊主に近づいていく、三人の夜兎。
(阿)「生憎、この星で育ったとびっきりの神威(バカ)が作った部隊でな。その辺にしとけ、てめーら。俺ァ手ェ貸さねーぞ」
その言葉に阿伏兎の方を見ながらも、傘の先を星海坊主に向ける夜兎達。
(阿)「俺はこの男の息子に左腕もってかれて、娘に耳もってかれたんだ。親父にゃ何もってかれるか分かりゃしねーからなァ。それとも、あのバカの仇討ちでもするつもりか? 尚更やめとけ。『俺の獲物に手ェ出すな』って殺されるぞ」
(星)「神威(アイツ)がまだ生きいてると?」
(阿)「だからアンタここに来たんだろ? 親子喧嘩の続きをしに。ヘッ、よく似てるなァ、親子(アンタら)。一度(ひとたび)己の敵を見定めたら、そいつを倒すまで他の者など見向きもしねェ。例えその敵が、実の父や子でも。来いよ。茶は出せねェが、息子のグチなら幾らでもある」
そう言って踵を返す阿伏兎。
「副団長!!」
(阿)「聞こえなかったか? この男は俺達の命にこれっぽっちも興味はねーよ。あったら俺達はここにはいねェ。そして俺達にこのバカ親子を止める術もねェ。だったら…一緒に待つしかねーだろ。バカの帰りを」
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