第百六十一話
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~no side~
快援隊航海日誌
○月×日
南京星にて商談。
「パーフェクトヒューマンに真田丸…次は一体何が来るでしょう、坂本さん」
立派な建物の中で、辰馬と陸奥は南京星の商人と食事をしていた。
(辰)「我等商人(あきんど)にとって流行はくるもんじゃなか。起こすもんぜよ。どの時代どの星でも変わらん。流行とは商人(あきんど)が人心の求むるものを読み解き、作り出しているもんじゃ。後手に回ってはいかんきに。商人(わしら)が先陣をきって大衆の心を導かねば」
「ほォ。では今人の心が求める商品(もの)とは?」
南京星の商人が尋ねると、辰馬はサングラスを上げて言った。
(辰)「5千万円入るバッグじゃ!」
・
・
・
・
そして船の搬入口では、快援隊の乗組員が5千万円入るバッグに5千万円サイズの箱を詰めようとしていた。
(辰)「何をモタモタしちょる。はよバッグを船に運ばんかい」
「知事…じゃなかった。船長、入りません!」
(辰)「入る! そのまま押し込め」
「いえ! どう考えてもこのバッグ、5千万入りません!」
乗組員が賢明にバッグに箱を押し込めようとする。
(辰)「入るって言っちょるきに。実際の5千万は紙だから押し込めばはい…」
「入りません! ファスナーが閉まりません!」
(陸)「…オイ、坂本」
(辰)「心配なか。これからの世の中、いつどこで誰が5千万貸してくれるか解らん時代がくる。必ず流行るぜよ」
(陸)「じゃがただのバッグじゃ」
(辰)「陸奥、その通りじゃ。商品は棚に並ぶまでは"タダ"じゃ。血に転がるこの"石ころ”と変わらん」
と、辰馬は落ちていた石ころを拾い上げる。
(辰)「商人(あきんど)はこの"タダ"から価値を引きだし、金に換える錬金術師。世に"タダ"なものなどありゃせん。この石ころにも使い道はある。宝石にはマネ出来ん輝き方がある」
持っていた石ころを陸奥に投げ渡す辰馬。
(辰)「そいつを見つけてやるのが商人(わしら)の役目じゃ。アッハッハッハッハ! アッハッハッハッハ!」
陽気に笑いながらその場を離れていく辰馬。
そうして男は、あの時と同じ高笑いをあげると、懐いっぱいに石ころを詰め込み、星海(おおうなばら)に船をこぎ出した。
快援隊航海日誌
○月×日
南京星にて商談。
「パーフェクトヒューマンに真田丸…次は一体何が来るでしょう、坂本さん」
立派な建物の中で、辰馬と陸奥は南京星の商人と食事をしていた。
(辰)「我等商人(あきんど)にとって流行はくるもんじゃなか。起こすもんぜよ。どの時代どの星でも変わらん。流行とは商人(あきんど)が人心の求むるものを読み解き、作り出しているもんじゃ。後手に回ってはいかんきに。商人(わしら)が先陣をきって大衆の心を導かねば」
「ほォ。では今人の心が求める商品(もの)とは?」
南京星の商人が尋ねると、辰馬はサングラスを上げて言った。
(辰)「5千万円入るバッグじゃ!」
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そして船の搬入口では、快援隊の乗組員が5千万円入るバッグに5千万円サイズの箱を詰めようとしていた。
(辰)「何をモタモタしちょる。はよバッグを船に運ばんかい」
「知事…じゃなかった。船長、入りません!」
(辰)「入る! そのまま押し込め」
「いえ! どう考えてもこのバッグ、5千万入りません!」
乗組員が賢明にバッグに箱を押し込めようとする。
(辰)「入るって言っちょるきに。実際の5千万は紙だから押し込めばはい…」
「入りません! ファスナーが閉まりません!」
(陸)「…オイ、坂本」
(辰)「心配なか。これからの世の中、いつどこで誰が5千万貸してくれるか解らん時代がくる。必ず流行るぜよ」
(陸)「じゃがただのバッグじゃ」
(辰)「陸奥、その通りじゃ。商品は棚に並ぶまでは"タダ"じゃ。血に転がるこの"石ころ”と変わらん」
と、辰馬は落ちていた石ころを拾い上げる。
(辰)「商人(あきんど)はこの"タダ"から価値を引きだし、金に換える錬金術師。世に"タダ"なものなどありゃせん。この石ころにも使い道はある。宝石にはマネ出来ん輝き方がある」
持っていた石ころを陸奥に投げ渡す辰馬。
(辰)「そいつを見つけてやるのが商人(わしら)の役目じゃ。アッハッハッハッハ! アッハッハッハッハ!」
陽気に笑いながらその場を離れていく辰馬。
そうして男は、あの時と同じ高笑いをあげると、懐いっぱいに石ころを詰め込み、星海(おおうなばら)に船をこぎ出した。
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