第百八十三話
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~no side~
ある日の休日。
志村家の姉弟は仲良く服屋が並ぶ通りを歩いていた。
新八はお妙の買い物の荷物を両手に持っていた。
(妙)「つきあわせちゃってゴメンなさいね、新ちゃん」
(新)「いいえ。でもこんなにいっぱい買っちゃって大丈夫なんですか? 姉上」
(妙)「全部お店で着るための着物だから経費でおちるわよ。毎日のように来店するお客さんもいるし、同じ着物着て出るワケにはいかないじゃない」
(新)「へェー…キャバ嬢も色々大変なんですね。僕なんていつからか着物のバリエーション少なくなってって、今じゃこの二本ラインの着物ばっかですよ」
(妙)「そういやそうね。昔は地味なり二色々チャレンジしてたのに、どうしちゃったの? 16歳と言えば一番オシャレに気をつかう年頃なのに」
(新)「オシャレというか、やっぱり僕は印象が薄いんで、顔だけじゃなく格好も一点押しで覚えやすくしようかなって」
(妙)「そんな事言って、ホントはオシャレしたいけどウチの家計とか服装が変わるとイチイチ説明しなきゃならない駄作者に気を使ってるんじゃないの?」
(新)「いや、駄作者関係ないですから…」
(妙)「新ちゃん位の年頃はカエラばりにファッション冒険した方がいいのよ。そうやってみんな自分のスタイルや前髪の長さを見つけるものなんだから」
(新)「前髪の話なんて誰もしてないですけど…」
(妙)「そうだ! 今日は買い物に着き合わせちゃったし、新ちゃんにも着物買ってあげる。私が見繕ってあげるから」
(新)「いや、いいですよ。イキナリカエラになれなんて無理です。それにどうせ買ったって次話になったら説明がないからどの服着てるのか解んなくなるし…」
(妙)「たまにはいいじゃない。若者らしい事したって。駄作者やカエラに気を使って青春を棒に振りたいの?」
(新)「いや、でも銀さんも音莉さんもいつも同じ着物だし…別によくないスか? ぶっちゃけ漫画とかアニメとか小説ってそういうもんでしょ?」
(妙)「みんなだって見えない所ではちゃんとオシャレに気を回してると思うわよ?」
とその時…
(あ)《波打つ胸の鼓動が
ラウドスピーカー
フルボリュームで響く (lala)
瞳の中にある
君の声を聞かせておくれ
鳴り止まない12時のベル
繰り返し叫ぶ しゃがれた声で
世界は終わらないよ
あぁ マジでどうにかなりそう》
(妙)「アラ? この声…」
(新)「音莉さんの声ですね」
前方を見ると、銀時と音莉が仲良く並んで歩いていた。
(妙)「デートかしら?」
(銀)「相変わらずいい歌声だな、音莉。こんな声聞きながら休日を過ごせるなんて…俺はとんだ幸せ者さ」
(あ)「ふふ、ありがとうございます」
(銀)「お、ここだここ」
銀時が一軒の店の前で立ち止まる。
(銀)「すまねーな音莉、俺の買い物につきあわせちまって」
(あ)「いえ、いいんです。ホラ、早く選びましょ」
(新)「銀さんの着物買いにきたみたいですね…」
(妙)「噂をすればなんとやらね」
(新)「オシャレになんか興味ない顔して意外と気ィ回してたんだ」
(妙)「ホラ、だから言ったじゃない」
「丁度いい所にきてくれたよ、万事屋の旦那。お、旦那…まさかその横の娘は……」
(銀)「俺の彼女だ。音莉と一緒にここ来るのは初めてだったな」
(あ)「は、初めまして!」
「えらく別嬪さんじゃねーか。こんな子が銀さんの彼女たァ…さては誘拐か?」
(銀)「親父、第一話の流れを今更使うのやめてくんない?」
「はは、すまねェすまねェ。にしても嬢ちゃん、さっきの歌声…さては噂のかぶき町の歌姫とやらか?」
(あ)「え? あ、え、えっと…なんかありがたい事にいつの間にかそんな風に呼ばれてます……」
「いやいや、驚きだ。天下のかぶき町の歌姫が銀さんの彼女で、こんな所で会えるなんて思ってなかったからなァ。縁ってのは、不思議なもんですなァ」
(あ)「…ふふ、そうですね」
(銀)「どうした? 音莉」
(あ)「いえ、私も親父さんの言う通り…縁って不思議だなって思っただけです」
(銀)「…ま、確かにな。まさかある朝万事屋出たら別嬪が落ちてるなんて誰も夢にも思わなかっただろうよ」
「実は今朝方新作が入ってきた所でさ、ちょっと見てってよ」
(妙)「行きつけみたいよ。やっぱり大人の男は違うわね」
(銀)「そうだな。いつものを買いにきたんだが、もうパートⅤだしこの小説ではもう七回季節巡ってるし、そろそろイメチェンでもしようかな…」
だが銀時と音莉が入っていったその店は、現在銀時が着ている服と全く同じものばかりが並んでいた。
「コレ、今年ウチが流行らせようとしてる新作なんだけど試着してみる?」
(銀)「へェ、なかなかイキじゃねーか」
(あ)「早速着てみてくださいよ!」
(新)「………」
それを電柱の陰からじっと見る新八。
(新)「姉上、あの…アレ何屋?」
(妙)「何屋って…着物屋じゃないの」
(新)「あの、着物っていうか…僕の目には何から何まで同じものに見えるんですけど。どっかで見覚えのある着物しか見当たらないんですけど…」
(妙)「気のせいよ。ホラ、新ちゃんしばらくオシャレから離れてたから、そういうのには疎くなってるんじゃないかしら」
すると試着室のカーテンが開く。
「どう? ウチの新作。絶対旦那に似合うと思うんだよね」
だがその銀時は鏡を見て首をかしげる。
しかし試着したと言ってもやっぱり服はさっきまでと同じなのだ。
(銀)「うーん…なんかちょっと違うかな……」
(新)「何にも違わねーよ! 新作も何も全く変わってねーよ!! 何なんだよ、この店! 一体どういう店何だよ!」
(あ)「コレだったら前の方がいい気がします」
(銀)「やっぱ音莉もそう思う?」
(新)「どこが!? どこに違いがあるの!? 音莉さんなんで解るの!?」
(妙)「ホラ、音莉ちゃんずっと銀さんと一緒にいるからちょっとの違いも見抜けてしまうのよ。ホントに好きなのね、銀さんの事」
(銀)「イメチェンって言ってもここまで冒険する気ないから、もうちょっとこう…前のイメージを踏襲したヤツないの?」
(新)「どんだけ冒険したくねーんだよ! 実家から一歩たりとも出てねーよ!」
「こないだまで旦那が気に入りそうなのがあったんだけど全部売れちゃってね」
(新)「そこら中転がってんだろーが! つーか銀さん以外誰がくんだよ、こんな店!」
「ホラ、今体育祭のシーズンだから、ズンボラ星人が大量に買っちゃって。一応コレ、アイツらの学校指定ジャージだからさ」
(新)「学校指定ジャージ!?」
そう…その店の看板には『ズンボラ星人のジャージ屋』と書いてあったのだ。
(新)「ちょっと待て! アレどっかの学校の体操着だったの!? あの人そんなもん六年間着こなしてたの!?」
(銀)「あ、そっか。なんかしっくりこねェと思ったらここに『3年生』って」
銀時が試着した着物には『3年生』と言う文字が刺繍されていた。
(銀)「頼むよ。俺もう7年生だからコレじゃ後輩にナメられちゃうよ」
(新)「そーいう問題じゃねーだろ!」
(銀)「仕方ねーな。入学シーズンがきたらまたくるわ」
(あ)「すいません、失礼します」
「まいど」
そしてそのまま店を出る二人。
(新)「試着したまんま! てめーら結局違いも何も解ってねーじゃねーか!」
ある日の休日。
志村家の姉弟は仲良く服屋が並ぶ通りを歩いていた。
新八はお妙の買い物の荷物を両手に持っていた。
(妙)「つきあわせちゃってゴメンなさいね、新ちゃん」
(新)「いいえ。でもこんなにいっぱい買っちゃって大丈夫なんですか? 姉上」
(妙)「全部お店で着るための着物だから経費でおちるわよ。毎日のように来店するお客さんもいるし、同じ着物着て出るワケにはいかないじゃない」
(新)「へェー…キャバ嬢も色々大変なんですね。僕なんていつからか着物のバリエーション少なくなってって、今じゃこの二本ラインの着物ばっかですよ」
(妙)「そういやそうね。昔は地味なり二色々チャレンジしてたのに、どうしちゃったの? 16歳と言えば一番オシャレに気をつかう年頃なのに」
(新)「オシャレというか、やっぱり僕は印象が薄いんで、顔だけじゃなく格好も一点押しで覚えやすくしようかなって」
(妙)「そんな事言って、ホントはオシャレしたいけどウチの家計とか服装が変わるとイチイチ説明しなきゃならない駄作者に気を使ってるんじゃないの?」
(新)「いや、駄作者関係ないですから…」
(妙)「新ちゃん位の年頃はカエラばりにファッション冒険した方がいいのよ。そうやってみんな自分のスタイルや前髪の長さを見つけるものなんだから」
(新)「前髪の話なんて誰もしてないですけど…」
(妙)「そうだ! 今日は買い物に着き合わせちゃったし、新ちゃんにも着物買ってあげる。私が見繕ってあげるから」
(新)「いや、いいですよ。イキナリカエラになれなんて無理です。それにどうせ買ったって次話になったら説明がないからどの服着てるのか解んなくなるし…」
(妙)「たまにはいいじゃない。若者らしい事したって。駄作者やカエラに気を使って青春を棒に振りたいの?」
(新)「いや、でも銀さんも音莉さんもいつも同じ着物だし…別によくないスか? ぶっちゃけ漫画とかアニメとか小説ってそういうもんでしょ?」
(妙)「みんなだって見えない所ではちゃんとオシャレに気を回してると思うわよ?」
とその時…
(あ)《波打つ胸の鼓動が
ラウドスピーカー
フルボリュームで響く (lala)
瞳の中にある
君の声を聞かせておくれ
鳴り止まない12時のベル
繰り返し叫ぶ しゃがれた声で
世界は終わらないよ
あぁ マジでどうにかなりそう》
(妙)「アラ? この声…」
(新)「音莉さんの声ですね」
前方を見ると、銀時と音莉が仲良く並んで歩いていた。
(妙)「デートかしら?」
(銀)「相変わらずいい歌声だな、音莉。こんな声聞きながら休日を過ごせるなんて…俺はとんだ幸せ者さ」
(あ)「ふふ、ありがとうございます」
(銀)「お、ここだここ」
銀時が一軒の店の前で立ち止まる。
(銀)「すまねーな音莉、俺の買い物につきあわせちまって」
(あ)「いえ、いいんです。ホラ、早く選びましょ」
(新)「銀さんの着物買いにきたみたいですね…」
(妙)「噂をすればなんとやらね」
(新)「オシャレになんか興味ない顔して意外と気ィ回してたんだ」
(妙)「ホラ、だから言ったじゃない」
「丁度いい所にきてくれたよ、万事屋の旦那。お、旦那…まさかその横の娘は……」
(銀)「俺の彼女だ。音莉と一緒にここ来るのは初めてだったな」
(あ)「は、初めまして!」
「えらく別嬪さんじゃねーか。こんな子が銀さんの彼女たァ…さては誘拐か?」
(銀)「親父、第一話の流れを今更使うのやめてくんない?」
「はは、すまねェすまねェ。にしても嬢ちゃん、さっきの歌声…さては噂のかぶき町の歌姫とやらか?」
(あ)「え? あ、え、えっと…なんかありがたい事にいつの間にかそんな風に呼ばれてます……」
「いやいや、驚きだ。天下のかぶき町の歌姫が銀さんの彼女で、こんな所で会えるなんて思ってなかったからなァ。縁ってのは、不思議なもんですなァ」
(あ)「…ふふ、そうですね」
(銀)「どうした? 音莉」
(あ)「いえ、私も親父さんの言う通り…縁って不思議だなって思っただけです」
(銀)「…ま、確かにな。まさかある朝万事屋出たら別嬪が落ちてるなんて誰も夢にも思わなかっただろうよ」
「実は今朝方新作が入ってきた所でさ、ちょっと見てってよ」
(妙)「行きつけみたいよ。やっぱり大人の男は違うわね」
(銀)「そうだな。いつものを買いにきたんだが、もうパートⅤだしこの小説ではもう七回季節巡ってるし、そろそろイメチェンでもしようかな…」
だが銀時と音莉が入っていったその店は、現在銀時が着ている服と全く同じものばかりが並んでいた。
「コレ、今年ウチが流行らせようとしてる新作なんだけど試着してみる?」
(銀)「へェ、なかなかイキじゃねーか」
(あ)「早速着てみてくださいよ!」
(新)「………」
それを電柱の陰からじっと見る新八。
(新)「姉上、あの…アレ何屋?」
(妙)「何屋って…着物屋じゃないの」
(新)「あの、着物っていうか…僕の目には何から何まで同じものに見えるんですけど。どっかで見覚えのある着物しか見当たらないんですけど…」
(妙)「気のせいよ。ホラ、新ちゃんしばらくオシャレから離れてたから、そういうのには疎くなってるんじゃないかしら」
すると試着室のカーテンが開く。
「どう? ウチの新作。絶対旦那に似合うと思うんだよね」
だがその銀時は鏡を見て首をかしげる。
しかし試着したと言ってもやっぱり服はさっきまでと同じなのだ。
(銀)「うーん…なんかちょっと違うかな……」
(新)「何にも違わねーよ! 新作も何も全く変わってねーよ!! 何なんだよ、この店! 一体どういう店何だよ!」
(あ)「コレだったら前の方がいい気がします」
(銀)「やっぱ音莉もそう思う?」
(新)「どこが!? どこに違いがあるの!? 音莉さんなんで解るの!?」
(妙)「ホラ、音莉ちゃんずっと銀さんと一緒にいるからちょっとの違いも見抜けてしまうのよ。ホントに好きなのね、銀さんの事」
(銀)「イメチェンって言ってもここまで冒険する気ないから、もうちょっとこう…前のイメージを踏襲したヤツないの?」
(新)「どんだけ冒険したくねーんだよ! 実家から一歩たりとも出てねーよ!」
「こないだまで旦那が気に入りそうなのがあったんだけど全部売れちゃってね」
(新)「そこら中転がってんだろーが! つーか銀さん以外誰がくんだよ、こんな店!」
「ホラ、今体育祭のシーズンだから、ズンボラ星人が大量に買っちゃって。一応コレ、アイツらの学校指定ジャージだからさ」
(新)「学校指定ジャージ!?」
そう…その店の看板には『ズンボラ星人のジャージ屋』と書いてあったのだ。
(新)「ちょっと待て! アレどっかの学校の体操着だったの!? あの人そんなもん六年間着こなしてたの!?」
(銀)「あ、そっか。なんかしっくりこねェと思ったらここに『3年生』って」
銀時が試着した着物には『3年生』と言う文字が刺繍されていた。
(銀)「頼むよ。俺もう7年生だからコレじゃ後輩にナメられちゃうよ」
(新)「そーいう問題じゃねーだろ!」
(銀)「仕方ねーな。入学シーズンがきたらまたくるわ」
(あ)「すいません、失礼します」
「まいど」
そしてそのまま店を出る二人。
(新)「試着したまんま! てめーら結局違いも何も解ってねーじゃねーか!」
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