第百七十六話
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(あ)「銀さん、朝から付き合ってもらってごめんなさい」
(銀)「んなもん構わねーよ。それよりお前、本当に体調大丈夫なのか?」
(あ)「はい、全然大丈夫ですよ」
実は今日、最近体調の優れない私は、銀さんに今朝から病院についてきてもらっていて、今はその帰り道なのだ。
というのも…
(銀)「大丈夫、つっても…お前、最近日ごとにメシ食わねーようになってきてるしよォ……」
銀さんの言う通り、最近胸の内にモヤモヤとしたものが引っかかっていて、食事がなかなか喉を通らないのだ。
モヤモヤの原因もよく分からなくて、正直私も困っている。
……なんて事を銀さんに言ったら余計に心配させちゃうから、言わないけど。
(あ)「だから先生も言ってた通り、多分カゼのひき始めなんですよ」
そう言ってニッコリ笑うと、銀さんの不服そうな表情がこちらに向けられる。
(銀)「……まあ、とりあえず変わった事があったらスグ俺に言えよ?」
(あ)「…ありがと、銀さん」
(銀)「………音莉?」
(あ)「え? 私、今…何か変な事言いましたか?」
(銀)「あ、いやなんでもねェ」
(あ)「………?」
銀さん…何かあったのかな?
(銀)「(最近…音莉の笑顔が作り物に見えて仕方ねェ。おかしいのは音莉か…それとも俺なのか)」
(あ)「銀さん? どうかし…」
とその時…
(長)「お、銀さんに嬢ちゃん! 丁度いい所で会ったよ!」
……声をかけてきたのは、証明写真機の前で、例の裾の短いスーツを着こなし立っていた長谷川さんであった。
(あ)「あ、長谷川さん、こんにちは」
(長)「朝から二人でお熱いねェ~」
(銀)「今日はんなんじゃねーんだよ。音莉が調子悪くてよォ」
(長)「えっ!? 嬢ちゃん、大丈夫なのか!?」
(あ)「銀さん、大げさな風に言い過ぎですって! 大丈夫ですよ。先生も言ってた通り、カゼですから」
(長)「そ、そうか?」
(あ)「それで長谷川さん、丁度良かったって…何かご用ですか?」
(長)「ああ、実はちょっと見て欲しいんだけどよォ」
そういって長谷川さんが私達に見せてくれたのは、三枚の写真のようなもの。
その写真はどうやら証明写真のようで、それぞれに長谷川さんの顔が写っていた。
まずは一枚目。
(長)「これはダメだ」
そして二枚目…。
(長)「これもダメだ」
さらに三枚目……。
(長)「これは惜しいが…でもダメだ」
(銀)「…オイ、何がダメなんだ? 全部同じに見えるんだが……」
(あ)「で、でもよく見たら眉の向きとか口の形とか、ちょっとずつ違うかも…」
(銀)「音莉、こんなマダオにお前の有能なフォロースキル使う必要ねーよ」
(あ)「いえ、別にフォローってワケじゃないんですけど…」
最早フォローするにも手遅れな気もするし…。
(長)「就職活動用の証明写真。これだけ仕事を捜し回ってもダメなのは、ひょっとして履歴書の写真写りがダメなのかと思ってな。仕事を探す前にまずいい証明写真機を探す事にした」
(銀)「まずその考え方がダメだろ」
(あ)「本当に仕事する気あるんですか? 先に38歳のグラサンを雇ってもらえる所探さないと、全く意味ないですよね」
(銀)「…オイ、音莉が珍しく毒舌って事は、よっぽどバカな考え方みてーだぞ?」
(長)「ハッキリとは言えないが、この写真…何かダメな気がするだろ?」
(銀)「ハッキリ言えるよ。写ってる奴がダメだろ」
(長)「ハッキリとは言えないが、何かダメなものまで写ってる気がするだろ?」
(あ)「ハッキリ言えます。まずグラサンとれよ、バカ」
(長)「そもそもこういう証明写真って、なんで決まって写りが悪いんだ? 大体顔色悪かったり、目つきが悪かったり、前科が何犯か増えた犯罪者ヅラに写ってんだろ?」
(あ)「元々前科何犯か持ってるでしょ、長谷川さん」
一応バカとは言え一国の皇子を殴った事もあるみたいだし、それで切腹を命じられて逃げたみたいだし、自分が逃げたら奥さんにも逃げられたみたいだし…。
(銀)「ヤベーよ…音莉が毒舌すぎて笑えねーよ…事実だし」
(長)「ちょ、俺もう泣くよ!?」
(銀)「んなもん構わねーよ。それよりお前、本当に体調大丈夫なのか?」
(あ)「はい、全然大丈夫ですよ」
実は今日、最近体調の優れない私は、銀さんに今朝から病院についてきてもらっていて、今はその帰り道なのだ。
というのも…
(銀)「大丈夫、つっても…お前、最近日ごとにメシ食わねーようになってきてるしよォ……」
銀さんの言う通り、最近胸の内にモヤモヤとしたものが引っかかっていて、食事がなかなか喉を通らないのだ。
モヤモヤの原因もよく分からなくて、正直私も困っている。
……なんて事を銀さんに言ったら余計に心配させちゃうから、言わないけど。
(あ)「だから先生も言ってた通り、多分カゼのひき始めなんですよ」
そう言ってニッコリ笑うと、銀さんの不服そうな表情がこちらに向けられる。
(銀)「……まあ、とりあえず変わった事があったらスグ俺に言えよ?」
(あ)「…ありがと、銀さん」
(銀)「………音莉?」
(あ)「え? 私、今…何か変な事言いましたか?」
(銀)「あ、いやなんでもねェ」
(あ)「………?」
銀さん…何かあったのかな?
(銀)「(最近…音莉の笑顔が作り物に見えて仕方ねェ。おかしいのは音莉か…それとも俺なのか)」
(あ)「銀さん? どうかし…」
とその時…
(長)「お、銀さんに嬢ちゃん! 丁度いい所で会ったよ!」
……声をかけてきたのは、証明写真機の前で、例の裾の短いスーツを着こなし立っていた長谷川さんであった。
(あ)「あ、長谷川さん、こんにちは」
(長)「朝から二人でお熱いねェ~」
(銀)「今日はんなんじゃねーんだよ。音莉が調子悪くてよォ」
(長)「えっ!? 嬢ちゃん、大丈夫なのか!?」
(あ)「銀さん、大げさな風に言い過ぎですって! 大丈夫ですよ。先生も言ってた通り、カゼですから」
(長)「そ、そうか?」
(あ)「それで長谷川さん、丁度良かったって…何かご用ですか?」
(長)「ああ、実はちょっと見て欲しいんだけどよォ」
そういって長谷川さんが私達に見せてくれたのは、三枚の写真のようなもの。
その写真はどうやら証明写真のようで、それぞれに長谷川さんの顔が写っていた。
まずは一枚目。
(長)「これはダメだ」
そして二枚目…。
(長)「これもダメだ」
さらに三枚目……。
(長)「これは惜しいが…でもダメだ」
(銀)「…オイ、何がダメなんだ? 全部同じに見えるんだが……」
(あ)「で、でもよく見たら眉の向きとか口の形とか、ちょっとずつ違うかも…」
(銀)「音莉、こんなマダオにお前の有能なフォロースキル使う必要ねーよ」
(あ)「いえ、別にフォローってワケじゃないんですけど…」
最早フォローするにも手遅れな気もするし…。
(長)「就職活動用の証明写真。これだけ仕事を捜し回ってもダメなのは、ひょっとして履歴書の写真写りがダメなのかと思ってな。仕事を探す前にまずいい証明写真機を探す事にした」
(銀)「まずその考え方がダメだろ」
(あ)「本当に仕事する気あるんですか? 先に38歳のグラサンを雇ってもらえる所探さないと、全く意味ないですよね」
(銀)「…オイ、音莉が珍しく毒舌って事は、よっぽどバカな考え方みてーだぞ?」
(長)「ハッキリとは言えないが、この写真…何かダメな気がするだろ?」
(銀)「ハッキリ言えるよ。写ってる奴がダメだろ」
(長)「ハッキリとは言えないが、何かダメなものまで写ってる気がするだろ?」
(あ)「ハッキリ言えます。まずグラサンとれよ、バカ」
(長)「そもそもこういう証明写真って、なんで決まって写りが悪いんだ? 大体顔色悪かったり、目つきが悪かったり、前科が何犯か増えた犯罪者ヅラに写ってんだろ?」
(あ)「元々前科何犯か持ってるでしょ、長谷川さん」
一応バカとは言え一国の皇子を殴った事もあるみたいだし、それで切腹を命じられて逃げたみたいだし、自分が逃げたら奥さんにも逃げられたみたいだし…。
(銀)「ヤベーよ…音莉が毒舌すぎて笑えねーよ…事実だし」
(長)「ちょ、俺もう泣くよ!?」
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