第百七十一話(HDZ48篇)
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~no side~
(通)『みんな、ありがとうきびウンコォォォォォォォォ!!』
(新)「とうきびウンコォォォォォォォォォォ!!」
テレビから聞こえてくるお通ちゃんの声に、親衛隊の半被を着た新八が画面前でレスポンスする。
そんな中、銀時は、先日音莉が作っていたクッキーを頬張りながら、湯飲みを片手にその光景をだるそうに眺めており…
(銀)「…最近お通ちゃんってどうなの? 心なしか勢いなくなってね?」
ポツリと銀時がそんな事を言えば、新八はとある雑誌を開くと、『大江戸オリコン』と大きく見出しの書かれたページを開き…
(新)「んな事ないっスよ! 相変わらずCD出せばエドコン上位を…」
(銀)「とってるけど、さらに上位を新進気鋭のアイドルに奪われてんだろ。EDO48にちくびクロZ…今はもう単体(ピン)よりグループ売りの時代だよな。お通ちゃんもこのままじゃいずれ人気も陰り、事務所と金銭問題でモメたりして、忘れたころに〇〇〇や〇〇〇〇みたいにどっかのレーベルから再デビューする事になるんじゃねーの? 『あの国民的アイドルがついにデビュー! とうきびウンコホントに出しちゃいました!』とかいうタイトルで」
(新)「不吉な事言ってんじゃないよ! 民衆は新しい物に目移りしがちだけど、最後に残るのは本物だけ…つまり、このアイドル戦国時代を生き残るのは、寺門通です!」
(銀)「アホか。アイドルなんてみんな幻想を着飾った小娘だろ。本物も偽物もありゃしねーよ。音莉だってそうだろ?かぶき町の歌姫、江戸のアイドル、江戸の太陽なんて呼ばれてるアイツが、誰も俺の下では腰浮かせてアンアン喘ぐような女だとは思わねーだろ?」
(新)「いや、どんな例えだしてんですか! アンタ音莉さんに殺されたいんですか!? つ、つーかそんな例え出されても、分かるの銀さんだけじゃないですか!」
(銀)「確かにお通ちゃんは可愛いし歌も上手いよ? 音莉には負けるけど。だがあの娘(こ)が一人でステージに立っていても、受け手には漠然としかそのスゴさを認識出来ない。だがこの横に5、6人デブだの顔面廃墟ビルだの、ブスを置いてグループにしてみろ。バカでもお通ちゃんの可愛さ、スゴさをハッキリ認識出来るだろ?」
(新)「いや、わざわざブス置かんでも…。でもそれがグループ売りの利点ですよね」
(銀)「グループという枠を設ける事で、基準比較対象が生まれる。受け手はメンバー達の差異、関係性から、アイドル個々の特長、キャラを明確に把握し、各々(それぞれ)愛でる事が出来る」
(新)「銀さんは要するに、お通ちゃんにもそんなメンバーが必要って言いたいんでしょ?」
(銀)「要するに47人のブスが必要だ」
(新)「どんな48!? 吉良邸にでも乗り込むつもりですか!?」
(銀)「それが出来ないなら、一人で48手に挑戦するのもいい」
(新)「結局MUTEKIデビューしてんだろーが!」
だが今までの銀時の言葉に、新八は唸りながら顎に手をかける。
(新)「でも一人じゃ限界があるけど、互いに魅力を引き出せるメンバーがいれば、確かにお通ちゃんはさらに…。でも彼女のポテンシャルと張り合えるアイドルなんて……」
(銀)「まあ俺の音莉は例外だけどな。音莉の江戸での人気は衰えるどころか年々増してるし。むしろお通ちゃんはおろか、EDO48よりちくびクロZより確実にアイツの方が人気あるぞ? まあそれも? アイツは俺だけのアイドルだから握手会とかやらねェ分プレミアもんだし。そもそもアイツの場合はブスとグループ組ませると引き立たせる以前の問題で、アイツの歌声の良さが全部掻き消えちまうんだよ。このグループ戦法時代にむしろ単体(ピン)でこれだけの人気あるって天才じゃね? 俺の音莉マジでヤバくね?」
(新)「いや、もう音莉さんは例外ですよ。あの人を天才なんて枠に収める方が間違ってます…。つーか音莉さん自慢挟むのやめてもらえません…?」
(銀)「確かに音莉をアイドルとして売り出せば俺達万事屋もボロ儲け間違いなしだ。けどアイツ、自分の歌声を金儲けに使いたくないって…お金を払わないと聞けない歌声になりたくない、そもそも自分はそんなに大層じゃない…とか。ホント、あんなにいい娘他にいねーよ……」
(新)「音莉さんは本当、謙虚すぎますもんね…」
(銀)「…つーか俺のアイドル、音莉ちゃんは?」
(新)「ああ、音莉さんなら、確かお通ちゃんから相談を受けたから、ちょっと出かけてくるって。銀さんが起きる前に出て行きましたよ」
・
・
・
・
一方その頃、かぶき町内の電気屋にあるテレビの前には神楽とその友達がおり、そのテレビには今万事屋で話題にされていた寺門通が映っていた。
「やっぱりお通ちゃんって可愛いね。アイドルって一体どうやったらなれるんだろう…」
(神)「なんかよく分かんないけど、"枕"を売れば誰でもなれるって銀ちゃんが言ってたアルヨ。"枕"ナシで売れようと思うと、音莉並みの歌声とスタイルと胸と色気と嫁力が必要だって言ってたネ」
鼻くそをほじりながらそう言った神楽は、友達と並んで歩き出す。
「へェ…そうなんだ。売れるには"枕"を売らなきゃいけないの?」
(神)「うん。アイドルのほとんどはそっちが本業らしいヨ」
「そうなんだ。歌を歌いながら枕も売ってるなんて大変だね」
とその時…
「それは違うよ、お嬢さん」
(神)「ん?」
その声に神楽が振り返ると…
「アイドルの本業は歌を歌う事でも、まして枕を売る事でもない。"夢"を売る事だ」
…そこには、メガネをクイッと上げ、スーツをキッチリと着こなした男性が立っていた。
「それは誰にでも出来る事ではない。一欠片の才能と、それを磨き続けるたゆまぬ努力。そしてそのダイヤの原石を見つけ出す我々も必要だね」
男が取り出した名刺には、『株式会社オフィス Toukibi Unko 冬本康』と書かれていた。
(冬)「お嬢さん、よかったら私達と…いや、寺門通と一緒に夢を売ってみないか?」
(神)「…あ、ヘヴィメタコンテストの時のヅラ野郎アル」
(冬)「ぐああああああああ!! な、何故それを…!」(※第三十四話
参照)
(通)『みんな、ありがとうきびウンコォォォォォォォォ!!』
(新)「とうきびウンコォォォォォォォォォォ!!」
テレビから聞こえてくるお通ちゃんの声に、親衛隊の半被を着た新八が画面前でレスポンスする。
そんな中、銀時は、先日音莉が作っていたクッキーを頬張りながら、湯飲みを片手にその光景をだるそうに眺めており…
(銀)「…最近お通ちゃんってどうなの? 心なしか勢いなくなってね?」
ポツリと銀時がそんな事を言えば、新八はとある雑誌を開くと、『大江戸オリコン』と大きく見出しの書かれたページを開き…
(新)「んな事ないっスよ! 相変わらずCD出せばエドコン上位を…」
(銀)「とってるけど、さらに上位を新進気鋭のアイドルに奪われてんだろ。EDO48にちくびクロZ…今はもう単体(ピン)よりグループ売りの時代だよな。お通ちゃんもこのままじゃいずれ人気も陰り、事務所と金銭問題でモメたりして、忘れたころに〇〇〇や〇〇〇〇みたいにどっかのレーベルから再デビューする事になるんじゃねーの? 『あの国民的アイドルがついにデビュー! とうきびウンコホントに出しちゃいました!』とかいうタイトルで」
(新)「不吉な事言ってんじゃないよ! 民衆は新しい物に目移りしがちだけど、最後に残るのは本物だけ…つまり、このアイドル戦国時代を生き残るのは、寺門通です!」
(銀)「アホか。アイドルなんてみんな幻想を着飾った小娘だろ。本物も偽物もありゃしねーよ。音莉だってそうだろ?かぶき町の歌姫、江戸のアイドル、江戸の太陽なんて呼ばれてるアイツが、誰も俺の下では腰浮かせてアンアン喘ぐような女だとは思わねーだろ?」
(新)「いや、どんな例えだしてんですか! アンタ音莉さんに殺されたいんですか!? つ、つーかそんな例え出されても、分かるの銀さんだけじゃないですか!」
(銀)「確かにお通ちゃんは可愛いし歌も上手いよ? 音莉には負けるけど。だがあの娘(こ)が一人でステージに立っていても、受け手には漠然としかそのスゴさを認識出来ない。だがこの横に5、6人デブだの顔面廃墟ビルだの、ブスを置いてグループにしてみろ。バカでもお通ちゃんの可愛さ、スゴさをハッキリ認識出来るだろ?」
(新)「いや、わざわざブス置かんでも…。でもそれがグループ売りの利点ですよね」
(銀)「グループという枠を設ける事で、基準比較対象が生まれる。受け手はメンバー達の差異、関係性から、アイドル個々の特長、キャラを明確に把握し、各々(それぞれ)愛でる事が出来る」
(新)「銀さんは要するに、お通ちゃんにもそんなメンバーが必要って言いたいんでしょ?」
(銀)「要するに47人のブスが必要だ」
(新)「どんな48!? 吉良邸にでも乗り込むつもりですか!?」
(銀)「それが出来ないなら、一人で48手に挑戦するのもいい」
(新)「結局MUTEKIデビューしてんだろーが!」
だが今までの銀時の言葉に、新八は唸りながら顎に手をかける。
(新)「でも一人じゃ限界があるけど、互いに魅力を引き出せるメンバーがいれば、確かにお通ちゃんはさらに…。でも彼女のポテンシャルと張り合えるアイドルなんて……」
(銀)「まあ俺の音莉は例外だけどな。音莉の江戸での人気は衰えるどころか年々増してるし。むしろお通ちゃんはおろか、EDO48よりちくびクロZより確実にアイツの方が人気あるぞ? まあそれも? アイツは俺だけのアイドルだから握手会とかやらねェ分プレミアもんだし。そもそもアイツの場合はブスとグループ組ませると引き立たせる以前の問題で、アイツの歌声の良さが全部掻き消えちまうんだよ。このグループ戦法時代にむしろ単体(ピン)でこれだけの人気あるって天才じゃね? 俺の音莉マジでヤバくね?」
(新)「いや、もう音莉さんは例外ですよ。あの人を天才なんて枠に収める方が間違ってます…。つーか音莉さん自慢挟むのやめてもらえません…?」
(銀)「確かに音莉をアイドルとして売り出せば俺達万事屋もボロ儲け間違いなしだ。けどアイツ、自分の歌声を金儲けに使いたくないって…お金を払わないと聞けない歌声になりたくない、そもそも自分はそんなに大層じゃない…とか。ホント、あんなにいい娘他にいねーよ……」
(新)「音莉さんは本当、謙虚すぎますもんね…」
(銀)「…つーか俺のアイドル、音莉ちゃんは?」
(新)「ああ、音莉さんなら、確かお通ちゃんから相談を受けたから、ちょっと出かけてくるって。銀さんが起きる前に出て行きましたよ」
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一方その頃、かぶき町内の電気屋にあるテレビの前には神楽とその友達がおり、そのテレビには今万事屋で話題にされていた寺門通が映っていた。
「やっぱりお通ちゃんって可愛いね。アイドルって一体どうやったらなれるんだろう…」
(神)「なんかよく分かんないけど、"枕"を売れば誰でもなれるって銀ちゃんが言ってたアルヨ。"枕"ナシで売れようと思うと、音莉並みの歌声とスタイルと胸と色気と嫁力が必要だって言ってたネ」
鼻くそをほじりながらそう言った神楽は、友達と並んで歩き出す。
「へェ…そうなんだ。売れるには"枕"を売らなきゃいけないの?」
(神)「うん。アイドルのほとんどはそっちが本業らしいヨ」
「そうなんだ。歌を歌いながら枕も売ってるなんて大変だね」
とその時…
「それは違うよ、お嬢さん」
(神)「ん?」
その声に神楽が振り返ると…
「アイドルの本業は歌を歌う事でも、まして枕を売る事でもない。"夢"を売る事だ」
…そこには、メガネをクイッと上げ、スーツをキッチリと着こなした男性が立っていた。
「それは誰にでも出来る事ではない。一欠片の才能と、それを磨き続けるたゆまぬ努力。そしてそのダイヤの原石を見つけ出す我々も必要だね」
男が取り出した名刺には、『株式会社オフィス Toukibi Unko 冬本康』と書かれていた。
(冬)「お嬢さん、よかったら私達と…いや、寺門通と一緒に夢を売ってみないか?」
(神)「…あ、ヘヴィメタコンテストの時のヅラ野郎アル」
(冬)「ぐああああああああ!! な、何故それを…!」(※第三十四話
参照)
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